「レンチくれ、14-16」
「これですか?」
「おう、ありがと」
ある日、自分は指揮官の手伝いをしていた
自分のバイクを整備していた指揮官を見つけてしまい、手伝わされているのだ
そして自分は今日、運が悪く日替わりの秘書でもある
「よーし、これで終わりっと・・・掛けてみるか」
整備を終えて指揮官が手を拭き、エンジンをかける
整備していたのはハーレーのXL1200X フォーティエイト というモデルである
「いい音だ、遠出したくなるぜ」
「M4からむかし遠出して死にかけたって聞きましたけど?」
「その時バイクが死んだからな・・・襲ってきた奴らは全員塀の向こうへブチ込んでやったが」
「あぁ、なるほど・・・ところでこのバイク幾らしたんです?」
「売り出し2500万くらいかね、状態はまぁまぁ悪かったから値切らせて1300万で買った」
という自分が今いる部屋はガレージ兼整備室、今は暑いので下半分を開けている
ここは銃器などの小型の物の整備室とは異なり、大型の物を整備するための専用の部屋である
と言っても今いる部屋の上に小型のものを整備する部屋があるのだが・・・
部屋の端に何故か2Fの天井と床を繋いでいるパイプと人が通れるだけの穴があった
「で、なんですこれ?」
「階段使うのが面倒なので設置したポール、2Fから掴まって降りれば1秒で着く」
「何というグータラな理由・・・」
そして、ふと思う
この人普段、整備室にいるのになんで上手く書類をかけるのか
「さて、LAFIが書類纏めているだろうからやっておくかね」
「・・・なるほど」
秒で疑問が解決した、LAFIさんが本当に指揮官のサインが必要な書類だけを残して処理していたのだ
「マスター、本日の書類です」
「流石に月末は多いな・・・どれどれ・・・」
執務室に入るなり、LAFIさんは指揮官にそう言って紙の束を渡してきた
見た感じ50枚程度だろうか?
「M16め、また酒を馬鹿飲みしやがったな?XM16に言いつけてお仕置きだ・・・っとXM16も設備一部破壊してんじゃねぇか・・・まぁこれは自分の給与から一部修繕費負担をしているからいいか。SOPは相変わらず問題起こしやがって・・・まぁ微笑ましい事だから大目に見てやるか、ROは・・・」
一枚一枚最後まで見ながらサイン等を済ませていく指揮官を見て、お茶を用意することにした
普段飲んでいるのはコーヒーらしいが、たまには・・・
「紅茶ですか?」
「入った瞬間に言われると少しだけ恥ずかしいですよ、スプリングフィールドさん」
「いつも飲んでますからね。指揮官に持っていくのですか?」
「えぇ、コーヒーばかりここのところ飲まれているので」
スプリングフィールドの喫茶店で紅茶を出してもらおうと考えた
普段は執務室に据え置きのコーヒーメーカーで飲んでいるが、たまには別のものを飲んで欲しい
「お待たせしました、少し熱めに淹れてるので気をつけて下さいね?」
「ありがとうございます」
しばらくしてスプリングフィールドさんが淹れたての紅茶をくれたのでお盆に乗せて持っていくことにした
おまけでケーキがついてきている
「紅茶お持ちしました、指揮官」
「お、そうか。置いといてくれ、飲むか・・・ケーキもあるな」
匂いに気づいて手を止めた指揮官が紅茶とケーキに手を伸ばし・・・
「しばらく寝ていていいぞ、どうせ暇だしな」
「いいんですか?」
「あぁ、問題ない」
「それでは、お言葉に甘えて・・・」
指揮官のお言葉に甘えて昼寝することにして目を閉じた
そして再び目を開けると・・・またも来ていた仮想世界・・・LAFIさんがいた
自分が質問しようとした瞬間、LAFIさんが先に声を出してくる
「ここは私の占有空間ですよ。グリフォーネ」
「LAFIさんの・・・?」
「えぇ、貴方のブラックボックスがどうしても気になりましたので。貴方を保護してから数週間、おそらく解除されているのがあるのかと思いましたが・・・」
「えーっと・・・」
そう言われても気にならないから・・・今まで自分の能力なんて気にしてなかった
「普通気にしませんか?自分自身の事ですよ?」
「いやー普通に生活できてるんで全く、気にしてなかった訳ではないんですけど優先順位が低すぎて忘れてました」
「・・・」
素で呆れられた、まぁそういう反応になるだろうな・・・
「貴方の優先順位はどうなってるんですか?」
「一番目が生き延びること、二番目が鬱憤を溜めず快適に生きることですね、三番目は伸ばされた手を離さないことで・・・あれ、自分自身の事ほとんど気にして無くね?」
「・・・」
あ、いまスッゲェ睨まれた・・・怖ぁ・・・
「ふむ、やはり開放されていましたか。名前は・・・モデファイ?何でしょうこれは?」
「LAFIさんでも分かんないことがあるんですか?」
「貴方の場合、精神的な部分と機械的な部分が複雑怪奇に入り混じっているので解析に時間がかかるのです」
「ここでテストできます?」
「無理でしょう、一度目を覚ましててください。そろそろ呼ばれますよ」
「はーい」
そして目を覚ますと・・・指揮官がイタズラをしようとしていたのでこめかみに銃口を突きつける
「何をしようとしているのですか指揮官?」
「揉んでやろうかと」
「あ、LAFIさん?ちょっとこの人吊し上げてもらっても?」
「やめてください」
言う前に後ろでLAFIさんが紐を手にして怪しい笑みを浮かべていた
この人やっぱり真性のドSだよな?
「でだ、LAFI。あたりだな?」
「えぇ、やはり機能の一部が開放されていました」
「っておい、あんたら二人結託してたんかい」
「LAFIの話に乗っただけだぞ?」
ニヤニヤとしている指揮官の顔をハリセンしたい気分になった、張り手でないだけ感謝してほしいくらいだ
「機能名は?」
「モデファイとありました、それ以外は相変わらず不明です」
「プロテクトが厳重なのか、複雑怪奇すぎて本人しか分からないか・・・あぁいや、本人でも分からなそうだ」
「おう、本人見ながら失笑すんな」
という訳で中庭にて機能試験となった
たしかに特殊機能欄にモデファイという項目があるのを確認した
自分の事なのに分からないのは、そもそも機能を使わなくても大体のことが出来てしまうからだ
それゆえに重要視せず、たまにしか使わないから気づかなかった
「あ、あれ?」
「どうした?」
「機能を展開したら更に項目が出てきまして」
モデファイの機能を起動した瞬間、更に項目が現れた
聴覚、視覚、触覚など感覚器に関わる面から、電子機器のクラック、通信の傍受、他の人形との感覚機能の同調など・・・これは直接的になにかする機能ではないようだ
「これはまた・・・項目が多すぎるな」
「試しに聴覚を1.5倍にしてみてください。私が超音波の音波帯で話しかけるので聞こえたら返事を」
「了解です」
LAFIさんの指示に従い、話しかけてくるのを待つ
「そういえばあなたの身体には生殖機能があるそうですよ?」
「んなぁ!?」
「おぉ、成功だな」
自分の叫び声で悶絶することになった、通常に戻して涙目でLAFIさんを睨みつけるが涼しい顔でシカトしてきた
「うぅー」
「で、なんて言ったんだ?」
「「秘密です」」
指揮官の質問に同時に答えて中庭を離れる
その途中で思わず聞いていた
「さっきの本当ですか?」
「嘘ですよ?」
「ヨカッタ・・・」
「ただ、セクサロイドとしての機能がないだけで」
「おい待てゴルァ!!」
爆弾発言した後にLAFIさんは全力疾走で逃げていた、思った以上の足の速さに驚く
胸の大きさ自分と変わらない、爆乳に近いサイズなのに!!
「クソっ!!どこ行きやがった!?」
「お呼びですか?」
「ひゃあぁぁ!?」
行き当たりに追い込んだが姿が見えない、左右を確認しながら独り言を言ったら後ろから息を吹きかけながら応えられて素で驚いた
「さて、具体的な説明のためにペルシカのラボに行きますよ」
「い、嫌だあァァァ!!離せぇぇぇぇ!!」
このままラボに連れ去られたのは言うまでもない
実はとんでもない機能だったモデファイ、そしてカミングアウトされる意外なこと・・・