インフィニット・ストラトス-X G GENERATIONS - 作:BLACKRX
もうだいぶ忘れてるけど、思い出してなんとか書いてみる。
約二週間後─────
本当なら来週行われるはずだったクラス代表決定戦は専用ISの調整が遅れたことで延期されていた。
その間あったことといえば、まぁ普段とあんまり変わらない日常が
ISアリーナのハッチにて俺、千冬姉、簪、箒が集まっていた。
「これが俺の専用機?」
「そうだ、その名は
今日はクラス代表を決める戦いの日でもあり白式が届いた日でもある。
倉持技研が作った近接特化型IS、正直言って拡張スロットを雪片二型という刀一本に集約しすぎでは?
これなら外付けの方がコスパ安いぞ。
「一夏、これ乗れる?」
「いや、まぁ……やってることは以前乗ってたX3と似たようなものだし、なんとかしてみせるさ」
「あれと違って射撃兵装ないけど?」
「それ言われたらぐうの音も出ないわ」
白式の状態を見て簪と俺はそう言った会話をする。
確かに今まで乗っていた機体はほとんどは万能機寄りの格闘機であり、どう考えてもこの純格闘機を操れる気がしなかった。
「はぁ、外付けでもしとく?はい、これ」
「これは、スクリューウィップか?」
「無いよりはマシでしょ?」
「助かる」
簪は見かねたのか、俺にあるものを手渡してくる。
X1の武装、スクリューウィップだ。
「これがあると無いとじゃ違うぜ、助かる」
「ふっ、それぐらい無いと私と戦うには足りないだろ?」
俺は簪に礼を言うと彼女はそう言って俺を睨みつけてくる。
バチバチと二人の間に電流が流れるような錯覚を周囲に与える。
「では、織斑。フィッティングは実戦中にこなせ」
「え?マジで言ってます?」
「大真面目だ、行ってこい」
それを見ていた千冬姉がそう言って無理矢理俺をISに乗せる。
俺はため息をついたが、まぁ考えても仕方ないと思ったのでそのまま大空へと飛び立った。
「来ましたわね」
「ああ、手加減してね」
大空に飛び立つとセシリアがドヤ顔を晒して待っており、そう言って来たので俺はそう言い返した。
「ふん、そんなことをすると思いましてッッッ!!!」
その直後にセシリアが乗るIS、ブルーティアーズの羽根が外れてこちらに向かって飛んでくる。
「よっと」
「踊りなさい!ブルーティアーズのワルツに!」
「あいにく、ワルツよりダンスの方が好きかな」
狙いも良く、俺を適度に動かして消耗させるようなピット捌きを見てかなりの腕前と適正の高さを認識する。
ピットを使う上で重要になるのは空間認識能力だ。
セシリアはその能力だけ言えば、かなり上位に入るだろう。
なんせ、ピットを4機も動かして喋る余裕があるのはかなりの能力値があるということだ。
「ふむ」
だが、それまでだ。彼女は能力を使いこなせてない。
ピットを使う上での重要な欠点を彼女はまだ克服できてない。
多分、このまま乗っていればいつかは克服するだろうが、それでは足りないだろう。
「勿体無い」
だから、俺は一気に蹴りを付けるように動き出した。
簡単に言うと荒治療だ。このまま眠らせたりしたら勿体無い。
「なっ」
ピットを観察してて思った最大の欠点、それはピットを動かしてる時は自分を動かせないということだ。
「ふっ!」
俺はピットを切り払いながらセシリアを切ろうと近づく、そしてある武器の有効射程圏内に入った。
「掛かりましたわね」
ほぼ同時にセシリアのミサイル搭載ファンネルが俺に向かって放たれる。
「スクリューウィップ!!!」
だが、同時にスクリューウィップが振られた為。
ウィップがミサイルを切り裂き、それを爆発させる。
「なっ」
「くっ」
一発は切り損ね、被弾するがたかが一発だ。
今更止まるわけにはいかない、このまま一気に───
「なっ、真正面から突撃してくる⁉︎⁉︎」
「なんとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
そのまま雪片二型を叩き付ける。セシリアは体勢を崩して一瞬ふらついたが、それでもすぐ立て直してライフルをむけて何発か撃って反撃してくる。
「ぐっ」
全部は躱せることができなかったが、すぐに距離を詰めて再び叩き付けようとする。
「い、インター───」
セシリアは近接武器を展開しようとしたが、間に合わず直撃して地面に叩き付けられる。
「ごほ……ごほ……」
セシリアはなんとかISを動かして立ちあがろうとするが、それを見逃すことは泣くそのまま馬乗りし、そのまま雪片二型を向ける。
「ひっ」
「……」
それとほぼ同時にファーストシフトが終わり、白式が白く染まる。
そして、
「あ、貴方……まだファーストシフトしてない状態で……」
「技量差だよ、君ならすぐに追いつけるさ」
それをみたセシリアは驚いた声を出してそう言うので、俺はそう言い返した。そしてそう答えると同時に零夜白夜を解放してそのまま突き刺した。
「試合終了!!!勝者、織斑一夏!!!」
ISのシールドエネルギーが減り続け0になり試合終了を告げるブザーがなり、アナウンスが流れる。
ほぼ一方的な試合展開ではあったが、なんとか勝利に終わったことに安堵した俺は格納庫へと帰っていく。
「一夏、おめでとう!やったな!」
帰ってくると箒が声を出して喜んでくれるが、そんなことよりもと思った後に簪を見つめてこう尋ねる。
「……簪、サナリィと連絡が取れるか?」
「?、取れるけど?」
「機体改造及び調整したい、流石にここまで格闘に特化してるとやり辛いぞ」
「なるほどね、わかった。X0があったからそっちに移植してもらう?」
「X0?」
会話の流れで、サナリィに連絡が取れると聞いて安堵すると共に聞いたことの無い名前が出て来たので気になったので聞いてみた。
「クロスボーンガンダムX0、真のX3で元々はお姉ちゃんが乗る予定だったけど、色々あって廃棄されたの」
「よし、移植じゃ!!!F97フリントはまだデータ足りてなかったろ?」
「うん、じゃあ少し聞いてくる」
それを聞いた俺は迷わずにそう言うと簪はそのまま倉庫を去ってどこかへ向かった。
俺は千冬姉に向き直るとそこには呆れ返った表情をした彼女がいたが、別に気にしてなさそうだった。
「織斑、後で説教だ。後で覚悟しておけよ」
「ああ……お手柔らかに?」
いや、めっちゃ気にしてたわ。
俺の命はどうやら風前の灯火のようだ。
ありがとう、クロスボーンバンガード、クロスボーンガンダム、そして今井さん。
俺、逝きます。
そう思った暫く後、職員室にて平然と機体を乗り換える甘ったれな精神をボロクソに説教されつつ、ゲンコツを喰らったのだった。
「頭が割れそう、人間辞めてるだろ……」
説教が終わり、職員室を出た俺は簪のメールが入ってることを確認して中身を見た後に倉庫へと向かう。
倉庫へ向かうとそこには白い髑髏の機体があった。
「クロスボーンガンダムX0!!!」
これがクロスボーンガンダムX0だと知り、俺は大声を出す。
それが聞こえた簪は俺の方に向くとVサインする。
「お姉ちゃんから許可もらったからいつでも使用できるよ」
「サンキュー、これからよろしくな。俺のクロスボーンガンダム」
簪の言葉を聞き、白式のコアを移植したクロスボーンガンダムX0を見てそう言った。
すると一瞬だけX0が一瞬だけ目が光ったように思えた。
「早速試し乗りする?」
「するか、アリーナの使用許可は?」
「出てるよ、さぁ、やろうか」
X0に乗った俺はふと、コイツの識別の名前をつけないとなと思った。
隠されてた機体、本当なら存在しない機体、それは正しく幽霊と呼んで差し支えない。
「X0、今日からお前はゴーストだ、クロスボーンガンダムゴースト」
X0、改めゴーストは再び目を光らせた。
そして、アリーナに飛び出すと目の前には見知らぬISがあった。
「打鉄二型か?」
「そうだよ、さぁ。お互いに試すとしようか」
その言葉の直後にザンバスターを構えて二、三発放つ、簪はそれを日本刀モデルの鉄刀を出して防ぐとミサイルを何十発も放ってくる。
「単一仕様発動!!!」
俺は雪片を展開して、零夜白夜を発動しエネルギーの放出を余波を使用してそれらを全て文字通り切り落す。
「ビームザンパーの4、5倍ぐらいのエネルギーがあるのにそれをミサイル迎撃の為に使えるとは、驚くべき技量……さすがだね」
「まぁな」
「手加減無しで行くよ」
「ああ!!!」
この会話の後、お互いに手を抜かない戦いが始まった。
文字通り激闘だった。
「うぉぉぉぉぉ!!!」
「さようならァァァァァァ!!!」
「ぐっ───やろう!!!」
「ふふふっ、もっと足掻いてみせろ!!!」
「「ザンパァァァァァァ!!!」」
お互いに乗り慣れてない機体を考慮して、まぁここまで動けるなら今後は大丈夫そうだと思うんだけど……
「貴様ら、アリーナをこんなにめちゃくちゃにして誰が整備すると思ってる!!!」
やりすぎてしまった。
アリーナは穴だらけ、壁はボロボロ、挙句の果てはアリーナのバリア破損などなど……
多岐にわたる様々なことをしでかしてしまった、しかもわずか一時間の出来事である。
「織斑先生、申し訳ありません。」
「ごめんなさい、織斑先生」
俺たち二人は謝ることしかできなかった。
そのあと、アリーナの清掃や修繕を行うことになり、知り合いの整備課連中を無理矢理連れて行き協力させたのだった。
「さて、次やる時は私が勝ち越すから覚悟してね。一夏」
「何言ってんだ、俺が勝つよ」
別れ際にお互いにそう言うと部屋に戻るのだった。
時間はまだお昼休み、とりあえず調べるだけ調べてわからないところを埋めないとな。
俺は自室に戻ると早速ゴーストについての機体の把握を始めた。
クロスボーンガンダムX0、通称はゴースト。
X1は改修と改造をされたことで第4世代機となったが、これは改造改修前のX1、並びにX2と同じであるから第3世代機である。
試験的に搭載されたビームシールド、ABCマント、バイオコンピュータといった標準的なのを装備。
たしかにこれなら第3世代機となるが、気になるのはもう一つ。
「なんだ、この装備は?黒く塗りつぶされてる?」
簪との戦いの最中、ファーストシフトを終えた後もこれだけは黒く塗りつぶされていた。
まるで、本当の奥の手はこれだと言うばかりに。
「ふむ……まぁ、いつかはわかることだろうな。とりあえず授業に出なくちゃか」
俺は下手なことは考えないようにしながら教室へと向かった。
あと、雪片二型は外付けにした。
あれは容量を馬鹿喰いするからね、仕方ないね。
「ん?」
向かってる途中、どこからか声が聞こえた。
受付からかなと思ってそちらに向かうとそこには懐かしい少女の姿があった。
「何度もすみません」
「いえいえ、また訪ねてください」
その少女は道に迷っていたらしく何度も訪ねてたように見えた。
「久しぶりだな、鈴」
それに見かねて俺は声を掛ける。すると少女は俺の方を見てびっくりした後にこう言う。
「一夏!一夏じゃん!久しぶり!元気にしてた!」
「ああ、元気にしてたよ」
少女の名前は
当時を思い返してみてもとてもとても仲が良かったと思ってる。
久しぶりに会って会話に華を咲かせながら学園を案内していると。
「……一夏、あの時の約束覚えてる?」
「約束?酢豚の話か?」
「そう、それそれ!」
鈴から懐かしい話をされた。
そう、これは俺がフランスにて始まる大規模テロが始まる少し前の出来事だ。
俺は鈴に告白された。当時の俺は鈍感を通り越したニブチン野郎だったこともあり、これを毎日ご馳走してくれる物だと思って受け取った。
だが、自分がいざそうなると意味を理解してしまった。
「そうだな、断ってもいいか?」
だから、俺は断った。
これは俺に遠回しに、そして勇気ある告白をしてくれた彼女に向けた返事だった。
「───そう、いつのまにそんな気心がわかるようになったの?」
それを聞いた鈴は少し間を置いた後に悲しそうな声で、こちらに表情を見せずにそう言った。
「恋を知ったんだ」
「そっか」
俺はその言葉にそう答える。迷うことなく、誠実に。
鈴はそう呟くとこっちに振り返る。
「一夏、ありがとう。私の返事に答えてくれて」
「うん、ごめんな」
俺はそう言うことしかできなかった、一世一代。好きな人への告白をした少女に俺は謝る言葉しか持ち合わせてないのだ。
「謝ることはないよ。私といういい女を振ったんだから必ずその子を幸せにしなさいよ!わかったわね!一夏!」
「ああ、約束するよ。必ず幸せにしてみせる」
だが、鈴はそれを苦にせず笑顔でそう言った。
涙目の跡があるが、俺はそれを見て見ぬふりをした。
鈴、お前は強い女の子だな。俺はお前という友達に会えて本当によかった。
───────
あーあ、ふられちゃったな。
私、
初めて好きになった。
転校して来たばかりの頃、いじめられていた私を助けてくれたのが彼、一夏だった。
そこから一目惚れして、仲良くなって、友達になって。
第二回モンド・グロッソで行方不明になった時はとても心配して探したくて探したくて堪らなくて。
見つかって逞しくなって帰ってきて、そして中国に帰る時に遠回しにだけど、告白した。
「料理が上達したら、これから毎日酢豚を食べてくれる?」
「ああ!」
日本風でいう遠回しな告白、多分勘違いされるんだろうなとか思って告白して、そしてIS学園で再会して聞いてみた時。
表情が暗くなるのをみた時に私は知ってしまった。
そっか、もう遅かったんだ。
「そうだな、断ってもいいか?」
不器用だなぁ、傷つけることを知ってる上でさらに言葉を濁すことで刃を抑えめにしようとする優しさ。
本当、君らしい。
私が好きな君らしい。
そこからはなんて返したか、少しだけ辛くて覚えてない。
だけど、これだけはわかる。
初恋の失恋ってこんなにも痛いんだね
ねぇ、一夏の好きな人。
彼のことを大切にしてあげて、不器用だけどまっすぐで鋼の心と意思でただひたすらに前へ前へ行く彼を助けてあげてね。
それが私が願う一つのことだから。
「ありがとう、案内してくれて」
「ああ、当然だ」
「またね」
私はそう言うと部屋に入ろうとした時に、ふと振り返る。
後ろを向けて立ち去ってる彼の姿が見える。
それを最後までしっかり見た後、未練がましくは良くないと思い入るのだった。
感想等、お待ちしておりまする。