俺は叫んだあと目に映る情報を確認し整理し始めた。
現在地は森の中 ここまで自然の残った場所は見たことがない。
先ほどまでいた訓練所とは全く違う風景に驚くしかない。
とにかく、このまま何もしないままなら何もならないと俺は判断し腕輪の通信機能を使う。
ジッジィ~、ザッザザザ
ダメか、つながらない。
このことからわかるのは最低でもここは極東支部から百キロは離れているということだ。
腕輪の通信は隊員同志、つまり、俺以外とはほんの近距離(五十メートル程度)しかつながらないが、支部とは百キロ程度までなら通信できるのだが百キロ以上になると通信できないという欠点がある。
くそ、何がどうなっている!ここはどう見ても俺の知っている極東の地域と違う。
仕方がない。腕輪のビーコンで助けが来るまでサバイバルしか方法はないか。
そう考え、いないとは思うが獲物となりそうな動物を探す。
そしてその考えをすぐに捨てることになった。
なぜならそれは
「肉~~~」
俺の目の前にイノシシと思われる生き物(図鑑でしか見たことがないから確証はないが)がいたからだ。
そのまま俺はイノシシを狩り食事を得る事を成功した。
-初めまして、私四葉五月といいます。
あれ?どなたに言っているんでしょう?
そしてこの通学路の途中で倒れている人はどうしたんでしょうか?
「あっ、さっちゃん。いいところに来てくれた。何か食べるものはないかい?」
この人は良く超包子でご飯を食べる学生さんです。
-食べるものですか?パンぐらいしかないのですが。
「ああ、それで十分だ。助かる」
-何があったんですか?
「それが、行き倒れがいてな。今他の奴にも急いで飯を買いにいかせているところでな」
その言葉に気を取られ、その行き倒れた人を覗いてみると。
「飯!!」
突然立ち上がり私が学生さんに渡そうとしたパンを凝視し始めました。
-食べますか?
「良いのか!!」
-はい、どうぞ
私が渡したパンをすごい勢いで食べる彼を見ていると疑問が浮き上がってきました。
-一つ聞いても良いですか?
「うん?なんだい。何でも来てくれ。俺もできるだけこたえるから」
聞きづらいことなので少し助かりました。
-あの、何で行き倒れていたんですか?
「あ、ああ。ちょっとね、家に帰れなくてね」
「なんだ兄ちゃん家でかい?路銀を使い果たして倒れていたのかい?」
「まあ、そんな感じで」
そうですか。家出ですか。
「これから行くあてあんのかい?」
「いや、それがなくって」
男の人の返事を聞き、学生さんは私に耳打ちし一つ提案する。
「なあ、さっちゃん。できたらでいいんだが、こいつの面倒を見れないかな?」
-それはどういう意味でしょうか?
「ああ。超包子にバイトとして雇ってくんないかな。
こいつこのままにしといたらまた行き倒れるかも知れないからさっちゃんに面倒を見てもらいたいんだよ」
そういうことですか。超さんに聞かないとわかりませんがここ最近男手が欲しいと言っていましたしたぶん大丈夫でしょう。
-あの、すいません。
「なんだい」
-もしよろしかったら私の手伝いをしてもらえませんか?お店の手伝いをしてほしくて。超さんさえいいと言えば生活の面倒も見れますし。
「えっ、いいのかい。ごめんね、迷惑かけちゃって」
-いいえ。ここで待ってもらっていても良いですか?放課後になったら私も向うので。
「ああ、ありがとう」
そうして私は不思議な男の人と別れ、学校へ向かいました。
俺はあの後少女から教えてもらった場所へ学生たちからもらったパンやレーションの様な物を食べながら向かっていた。
「ここか」
超包子と書かれた看板がある店を前に先ほどの少女を待つ。
それにしてもさっきは助かった。
イノシシを喰いつくしてから三日たち、ゴッドイーターになったことで上がった基礎代謝の分のカロリーを摂取できずに倒れた。昔は四日近く何も食べれず我慢することもあったんだがな。
その間にもいろいろわかったことがあるし、大変だったが情報と引き換えにしては安いものかな。
どうやらこの世界にアラガミは存在しないようだ。
俺自身見てないこともあるが、通行人に聞いたところ不思議がられ、そんな生き物がいるなんて聞いたことがないと返されたことからもここにはアラガミはいないようだ。
次はたまたま落ちていた新聞とやらのおかげで分かったがここは過去か別の世界のようだ。
日付が二〇七三年ではなく、さらに人口が七十億人を突破したという記事があったからだ。
通りで通信がつながらないし、助けが来ないわけだ。何とかして自力で帰る方法を探さないとならない。そのことが分かっただけで十分だ。
あと、青い服を着た人間は妙に俺に話しかけてくるということが分かったことだ。
「あなたが五月の言っていた人カ」
突然聞こえたその声に俺は振り向くとシニョンというのだろうか。ボンボンみたいなもので髪をまとめている少女がいた。
「ああ、たぶんそうだけど。君は?」
「この超包子のオーナーネ」
「そうなのか、こんな店を開くなんてすごいな」
「ありがとうネ。五月が言うには困っているようだし、これも社会貢献ネ。ウチで雇っても良いヨ」
「本当か!助かる。ありがとう」
こうして俺はこの世界で衣食住を手にすることができた。
これからここを基点とし情報を集めることになるだろう。
待ってろみんな。絶対に俺はアナグラへ帰ってみせる。
ちなみに主人公がなぜ四葉たちが働いているのに疑問を感じないかというと、主人公のいた世界では子供も働いていたからおかしいとは思いませんでした。
また、世界が違うかもしれないということで違和感があっても主人公のいた世界との文化の違いと考えてしまったからです。