彼らの言う本物   作:Act17

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文化祭一日目です。


イタズラと急な代役

文化祭当日

なんかいつの間にかクラスメイト含めて文実として認識されてた。

しかも何故か文実副委員長みたいな立ち位置。なぜだ。

今は裏方で開会式の最終準備中

「―――開演3分前。開演3分前」

ハチの声が聞こえた。

『―――雪ノ下です。各員へ通達。オンタイムで進行します。問題があれば即時発報を』

片耳に嵌めたイヤホンにノイズが走り、雪ノ下さんの声が聞こえた。

そして立て続けにノイズが走り、各部署から連絡が入る。

『―――照明、問題なし』

『―――こちらPA。問題ないです』

『―――楽屋裏、キャストさん準備やや押しです。けど、時間までには間に合いそうです』

すべて把握した。こちらからも連絡を入れる。

「こちら佐藤です。とりあえず全て把握しました。時間的に問題無さそうですのでこちら側のキュー出しまで各自待機です。キャストさんの準備に関しては遅れそうなら連絡をお願いします」

開始まで残りは1分を切り、騒がしかった体育館も静かになる。

舞台に立つ先輩方様々な方と比べればなんてことはないのだろうが、やはり少し緊張してしまう。インカムのボタンを押した。

「―――10秒前」

「8」

「7」

「6」

「5」

「4」

「3」

「2」

 

そして、ステージに光が爆ぜた。

急いで別の仕事に回るため、式を見ている暇はない。

バミリは貼ったから多分問題はないはずだけど…………

キーン!!

マイクのハウリングが聞こえた。

インカムで状況を確認する。

「今の状況は?」

『相模さんの挨拶でいきなりハウリングが出ました!』

「立ち位置はめぐり先輩と同じでしたか?」

『いえ、少し前気味だったような……』

「了解です。イタズラがあった模様です。一度止めるかどうかは現場に任せます。」

バミリはハウリングの範囲から離れた場所に少し余裕を持って貼っていたはず。

少しずれたくらいで問題になる位置に貼るのは想定が甘すぎる。誰かがバミリをずらしたか、音響をいじったおフザケ野郎がいるのか……

どちらにせよ後でおはなしですね。

もしものとき用に別セットで相模さんに聞こえるように連絡しといて良かった。

「相模さん、聞こえますか?」

「返事は要りませんので、落ち着いて、手持ちのでなくステージ前のカンペを見ながら話してください。大丈夫です。あなたの責任ではなく、イタズラした馬鹿がいただけです。イタズラがいたことをネタにしても大丈夫です。」

カンペは……ハチか

インカムに持ち替え即座に報告する

「比企谷くん、今相模さんにステージ前のカンペを見るように伝達しました。すでに元の文は書いてあるのでいらない部分だけ切って見せてください。また、それでも時間が過ぎそうならインカムで報告をお願いします。」

とりあえずはこれで良さそうかな……

あ、そうだ

「場合によっては取り返しの付かない可能性までありました。音響はもう一度設備の確認を。問題ないようならバミリをずらした愉快犯がいるはずです。後で先生に頼んで防犯カメラ等で状況確認します。」

 

―――Side 相模―――

やらかしてしまった。

みんなに笑われた。確認したとおりにやっていたはずなのに……

「……では、気を取り直して、実行委員長、どうぞ!」

めぐり先輩の声が聞こえ、焦ってカンペを開こうとした。

けど、焦ったのがだめだった。うちはカンペを取り落とし、また笑われる事態になった。

「がんばれー」なんて声かけないでよ。余計惨めに感じるだけじゃん。

頑張って読もうとするが、噛み噛みでまた惨めに感じてしまう。

その時、

「相模さん、聞こえますか?」

と声が聞こえた。

「返事は要りませんので、落ち着いて、手持ちのでなくステージ前のカンペを見ながら話してください。大丈夫です。あなたの責任ではなく、イタズラした馬鹿がいただけです。イタズラがいたことをネタにしても大丈夫です。」

そう言われると少しだけではあるが、心が軽くなった気がした。

ようやく落ち着いて話し始める。また、迷惑かけちゃったな……

―――Side out―――

 

ようやくオープニングセレモニーが終わり、文化祭が始まった。

今日は校内のみだが、明日は一般公開もある。クイズ大会は明日だ。

クラスは公演に向けての準備の真っ最中。

急に空きができたとかで台本を読み込んでおります。脳が理解を拒否してくる……

「すみません、空いてる人読み合わせお願いしていいですか?」

 

少年読み合わせ中

 

「海老名さんこれでだいじょぶですかね?」

「うん、というかこの短時間でセリフ覚えたの?」

「ええまぁ、まさかキツネやるとは思ってなくてちょっとビビってますけど」

まじで改訂版で良かった。なんでレイティング入るBL学園祭でやろうと考えたのか……

なんて遠い目をしていたらみんなが円陣を組んでいた。

「たろっちも入んないと」

「少しボーッとしてました」

僕が入って周りを見る。やはりというか相模さんの表情が暗い。さっきの失敗と参加率を考えているのだろう。

海老名さんが一声かけ、みんなでそれに続く。そろそろ開始だ。

 

自分の出番が近づく。よし。演るか。

彩加扮する王子様と自分のやり取りは彩加の一言で始まる。

「僕と一緒に遊ぼうよ。僕は、今すごく悲しいんだ……」

これ「やらないか?」という第一稿からよくここまで……

「君と俺は遊べないよ。……俺は、飼いならされていないから」

演技だけはしっかりとしながら考え事をしていると最後のシーンが終わる。

後で総評聞いてみよ。あと何回かやるわけだし。

安堵のあまり気を抜きすぎており、いつの間にか劇は終わっていた。

 

「海老名さん。僕の演技ってどうでした?」

「すっごく良かったよ!話し方とかすっごくそれっぽかった!」

「なら良かったです」

「多分あそこだけ印象に残ってる人もいるんじゃないかな?」

「それむしろだめなことした気が……」

演技っていうか実体験込めただけだし。

「正直キツネがはまり役過ぎて他だと弱い気がする」

と誰かの声。

「まぁみなさんがそういうのであればいいんですが……」

 

台本形式(セリフ前に名前あり)の方がいい?

  • 台本形式にしろ
  • 第本形式の方がいい
  • 別にいらない
  • 入れるな
  • 作者に任せる
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