短いです。
「おっ?もう見付けられたか」
「うっわ・・・もの凄い形相で睨んでるぞ」
「もう暫く穴蔵決め込んで落ち着くの待った方が良いんじゃない?」
「無理無理。隠しカメラまでバレてんだからさっさと出て謝った方が身の為」
「少々強引な手だったが目的は達成したしな。皆で謝れば直ぐ許してくれるさ」
様々な物資が整然と棚に並ぶ地下室で車座になりタブレットを覗き込む五人は額を突き合わせて音が響かない様にと静かに語り合う。
その丁度真上、床に偽装された地下室への出入り口がある部屋では赤ん坊を抱えたフキがイライラと靴の爪先を床に叩き付けながら天井の隅に隠されたカメラを見上げていた。
「何か話しかけてるな?」
「マイク仕込む余裕がなかったから音声は拾えてないぞ。まあ、解析すれば・・・」
「ああ、大丈夫。私等読唇出来るから」
「・・・相変わらずとんでもねえスペックだなアンタ等」
「・・・通りで目的の情報を得るのにカメラだけで問題無いと言える訳だ」
頭上から響く、徐々に間隔が狭まり強くなる音に千束はソワソワと、ミカはやれやれと腰を上げる。
「さーて。フキが爆発する前に先生新作のかりんとうで機嫌取らなきゃ」
「パーティーの準備もあるしな」
「そーそー。皆もよろしくね」
もう待ちきれないといった具合で、短い階段を駆け上がり掛けられた鍵を音を立てて外す千束は勢いよく天井版を開く。
同時にフキとミカの小言も飛び出すが千束は気に留めず上機嫌で歌い出す。
「ハッピバ~スデ~フ~ミちゃ~~ん!!」
「別に、何時でも会いに行けば良いと思うんだがな」
「・・・何の話?」
ミズキの後ろに続きつつ、地上を目指すクルミはタブレットに注視したまま呟く。
何時もの店内が映し出される画面にはちょこまかと逃げ回り揶揄う千束を捕まえ締め上げようとするフキとそれを宥めるミカに、慣れない手つきで預けられたフミをそれでも確りと抱き上げるハツの姿が。
「施設に預けた後は二度と接触しないんだと」
「ああ、そういう」
階段の手摺に背中を預け、賑やかな地上に顔を向けるミズキはクルミへ振り返らず頷く。
「そうね。会わない方が良い」
「意外だな。お前もあの頑固なでこっぱちと同意見だなんて」
「アンタがいゅーなっ」
「たっ?!」
尚もタブレットから視線を上げず脇を通ろうとするクルミの額にミズキのデコピンが飛んだ。
「それがフミとあの子達二人の為でもあんのよ」
「・・・赤ん坊の方は兎も角、何でふた ─── 」
「さぁーて。ちゃっちゃと明日の準備終わらせて今夜は前夜祭!飲むわよ~!!」
「って、おい!?」
あからさまに話題を逸らし逃げる様に階段を駆け上がるミズキをクルミも慌てて追う。
タブレットの画面は点いたまま。
手を合わせ、それでも申し訳さを微塵も感じさせない千束。
その姿に呆れて物も言えないといった額を押さえるフキ。
早々に二人の仲裁を諦めフミを構いだすミカとハツにクルミの追及を雑にあしらうミズキが加わった。
ここもちょくちょく直しそう。
時間掛けた割にはあれですが一応この話はここまでで次に行く予定です。