私とボクの北海道旅行記   作:星火 悠瑠璃

1 / 1

 お初にお目にかかります。

 悠瑠璃(ゆるり)と申します。

 本作はコロナ直前に、私の趣味の写真撮影で訪れた地を大学生二人のW主人公で描こう、と思った矢先に計画倒れしたものを拾いなおして形にすることとしたものです。

 ですので、まぁ、人間とその周辺は凡そフィクションです。モデルはあっても現実的ではないことでしょう。ご容赦くださいませ。

 地域の事に関してもやはり、私がその文化に根差して生きているわけでもありませんので、足りない部分も多いかと思います。こちらは補足訂正など頂ければ幸いです。

 さて、以上の注意にご了承いただければ、このままスクロール願います。


 久しぶりに筆をとった故、拙いところも多いかと思いますが、どうぞごゆるりと。


プロローグ

 

「あつい、あつい、あ〜つ〜い〜」

 

 7月の末のこと、最も口からこぼれ落ちる3文字。それが後部座席からアイスが溶けた雫のようにポタポタと流れてくる。開けた窓から外に吹き飛んでいきそうな小さな声だ。

 

「日差しが辛いから、後ろに行くって言ってなかったっけ?」

 

「だって、暑い物は暑いもん。というか、冷房こっちまで届かないから大きくしてよ~。」

 

 茹ったような声でぐーたらと言っているが、出る前に…

 

「燃費が悪いから窓開けるって言ってなかったっけ?」

 

「む~り~」

 

 前言撤回するらしい。

 

 かく言う私も途中のコンビニで買った口に咥えながら啜れるアイス、それからクーラーボックス内の大量の保冷材に来るんだペットボトルを何度も取り出してもらってなければとても辛い。というか、無かったら絶対熱中症で意識を飛ばしていたはずだ。

 

 生まれてこの方20年ほどを北海道で過ごしている根っからの道産子二人にとって、近年の猛暑は身体に堪えるものがある。夏休みこそ程ほどで、夏休み明けに夏休みがまだ足りない、と愚痴りたくなるような残暑が懐かしい。どうにも時間の空いた時期に動きづらくなるような猛暑では終わらせておきたいことも終わるまい。

 

 窓も開け話していることだし冷房を足元から入れてみる。アクセルを踏む右足が足首から急激に冷やされて、少しぞくりとした。

 

「ほんとにいれた~?」

 

「高速道路じゃないからって横になってるからわからないのでは?」

 

「お~、ちょっと腕がつめた~い。」

 

 因みにこのぐでっとしてるところが警察に見つかったら、私の免許が減点で、私の財布から罰金だ。せめてシートベルトをして座っててほしい。こういうのは減点か満点しかないのだ。

 

 とはいえ助手席と運転席の間に日差しを遮るためのカーテンもどきを張ってあるから、事故が起きて普通じゃない怪我か死亡しない限りはまぁ、発覚もするまい。

 

 私の信頼する彼女は感情次第でリスクの把握をおざなりにする女ではない。

 

「あぁ~、きもちぃ~」

 

 きっと。

 

 冗談は程ほどにしておきたいところだが、早朝に出発して100k制限を120kに挟まれ続けて100㎞以上の高速道路を超えてきたのだ。そろそろ疲れも出るというもの。

 

 思考を明瞭に保つには、きちんとした休息か、バカみたいな息抜きが不可欠だ。

 

 無論、後者にも限度がある。時刻は11時になろうかというところ。お昼から営業を開始するお店も所によっては入口に列を作り始めることだろう。どうにか駐車場の空いているうちに車を止めてしまいたいところだ。

 

 ルームミラー越しに後部座席の荷物の上、人差し指を残して握られた手を見て、ため息をつきたくなるのを我慢しながら問いかけた。

 

 止まるんじゃねぇぞ、とかジェスチャーされても、さっさと車を停めたいのだが?

 

 違う。私の頭も愉快なことに歯止めがかからなくなっているらしい。脳に養分が欲しいところだ。

 

 務めて明るく話しかけることにしよう。

 

「で、朝ご飯を大量生産品のパンで安く済ませてきたんだから、美味しいお店を見つけてくれたんだよね。」

 

「うんとねー。今どこ~?」

 

「旭川。」

 

「スマホの地図見るわ。」

 

「聞く前に見て。ヨロ。」

 

「うぃ~。」

 

 正直、私も彼女も朝から頭が働くタイプ、ではない。だが、私が安全に運転できるであろう限界ギリギリに車を走らせ、札幌…には目もくれず、そこから一般道から高速道路に乗って旭川まで胃が痛くなる高速運転を行った。

 

 言ってしまえば、適度な休息をとらない限り、このままでは事故りそうなのだ。

 

「よっし、旭川ラーメンいっくぞー。」

 

 ・・・ちょっと今ラーメンは。いやまぁ、うん、お腹はすいてるからいいんだけど、さ。

 





 短いって?

 ごもっともな意見です。ただ、今回は導入。それも旭川編ではないのに、旭川スタートですので、このような断片のみで区切らせていただきました。

 今回の舞台は私がつい先月末、定年再雇用の父の体力任せ出張「がばがばすけじゅーる(15時終了から最短5時間を車で運転して帰ってくる)」強制訂正のために、一泊旭川に入れて、両親と父の仕事含めて約3日の旅行に行った時のことを下地としています。

 コロナがあれではありますが、まぁ、問題視された時期の出来事ではありません。あしからず。


 あと、私は基本ボッチです。一緒に卒業旅行も含めて旅行に行くような仲の知人はおりません。健全な友人関係? ふっ、知らんな(自傷ダメージ)。

 ということで、設定を次回投稿して、本格的に旅行先編です。

 筆が乗れば並行して日常編もやります()

 ではまた。


P.S.
 設定を書ききる前に気になったという方用にメモ。設定を投稿したら消します。
(という名の忘備録)

 二人ともE市在住。出身校のE市立中学/高校ではクラスメートというだけで面識は薄かった。が、大学入学直後の使用するバスが共通だったため知り合い、ドライバーが免許を取得して車で通学するようになると、二人で車で通学するようになった。

ドライバー:隣町C市の外れの理系大学に車で通っている。車通学なので燃料代折半で車で送っている。平日はほぼ毎日。

ナビゲーター:E市内の家と反対側の文系大学に通っている。料理が得意で材料費折半でお弁当を二人分作っている。平日はほぼ毎日。

 互いに親には「学食で食べてる。」「定期で通ってる。」と言って、支給されたものとの差額で貯金している。このあくどい所業はドライバーの発案。二人ともバイトよりも研究室・ゼミ室に入り浸っている。

 なお、二人のことを知っているのはナビゲーターの札幌在住の姉のみ。

姉「これで付き合ってないってマ? くそっ、じれってーな、ちょっとやらしい雰囲気にしてきます!」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。