友人「櫛田さんを優待者で撃つね」俺等『……はい?』 作:一汎人
体育祭も無事に終わり、俺は落ち着いて本を読める場所である図書館へとやってきていた。
結構な頻度で図書館に来ているので、同じく図書館によくいるDクラスの長谷部と三宅とはそれなりに仲が良く、試験とかがない期間には談笑したりすることもある。
そしてこの日も俺は2人とつい先日の体育祭のことを話し合っていた。
内容には龍園にやられたことだとかロールのことだとかAクラスの状況だとか色々あったり、それ以外にも新しく出てきたコーヒーだとか部活の調子だとか、いろんな話をしてちょっと盛り上がっていた。
するとある時ロールが図書館に入ってきたので、何かあったのかとそちらの方を向けば、誰かが置きっぱなしにしたであろう本の山を元の本棚に戻しているロールの姿があった。
友人ということもあって手助けしたいと思い、2人に断ってから俺はロールの手伝いをすることにした。
しかし、俺らが気がつかない間によくこんなに積み上げたものだと思っていると、ロール曰くそういう仕様なのだから仕方ないとのこと。
……仕様って、何?
さて、こんな平穏な日が続けば良いのにと密かに思っていた頃、学校側からまた新たな試験の内容を告げられた。
なんでも二人一組でテストを受けたり生徒側に問題を作らせたりするらしいが、まあ特に何も考えることはないだろうと呑気に考えていた。
何せうちのクラスには頼れるリーダーである葛城と、自他共に認める天才の坂柳、そして校内随一の変人と名高いロールの3人がいるし、それ以外の36人も皆エリートと言っても差し支えない人たちだ。
万が一にも負けることはないだろう。
そんなことを考えていたので、当然俺は自分にできることはないなとたかを括っていた。
するとどういうことだろうか?
ロールの奴がひたすら俺に自分が作ったとかいう問題を解かせに連日突撃してくるので、俺はその問題と格闘する日々を続けていた。
しかも合間合間にテストに向けた勉強も教えてくるので、俺の脳内は危うくパンクしかけていた。
しかし前々から思っていたことだが、ロールは普段の奇行からは想像ができないレベルには勉強ができる。
どうしてそんなにできるのかと前々から思っていた疑問をぶつけると、なんでも宇宙飛行士が夢らしく、その為に知識を蓄えているとのことだった。
加えて、知識がなきゃハッカーやらエンジニアやらになれないとも言っていた。
納得がいくような、いかないような、そんな話だった。
そんなこんなで勉強を続け、いよいよテスト直前の3日前に差し掛かった頃、ロールから俺たちが対峙する予定のBクラスの問題を持ってきた。
なんでそんなもの持っているとか、どうして直前までBクラスリーダーの一之瀬の姿だったのかとか色々問い詰めたい話題はあったのだが、すべてはぐらかされてしまった。
結果として言えばテストの結果はAクラスの圧倒的な勝利なのだが、その結果はロールの働きによるものが大きいだろう。
何せAクラスの全員にBクラスの問題をばら撒いたりBクラス生徒を煽りに行ったりとかなりエグいことをやっていたのだから。
まあそんなこんなでテストが終わり、いよいよゆっくりできると思っていたある日のことだ。
俺とロールが学校内を徘徊していると、何やら威厳のありそうな、スーツを着た男性が歩いているのが見えた。
先生か用務員だろうかと思っているとその男性はこちらの方を認識して、何やら意味深げなことを呟いていた。
この時俺はふとロールの方に視線を向けた。
こういったいかにも怪しいといった人に対して大抵何かしらやらかしてくるのがこのロールという少女だというのを、これまでの半年くらいで理解したからだ。
しかしロールは動かず、結局俺たちは男性に会釈してからその場を通り過ぎていった。
暫くしてからロールが突然立ち止まったので、一体何があったのかと疑問に思い尋ねるけれどはぐらかされてしまった。
まあいつものアレだろうと思い、あまり深くは考えなかったのだが、今にして思えばこの時すでにロールは危惧していた通りやらかしていたのだ。
なぜそういうのかと言うと、先の男性がどうやら学校の敷地内でなんの前触れもなく突然倒れたので病院へ搬送されることになったと校長先生から聞かされたからだった。
さて、そんなこともあったわけだが、特に俺の日常は変化することなく、日々クラスメイト達と交友を深めながら過ごしていたのだが、そんなある日のことだ。
いつのまにか頭上に俺だけ見えるハートがついていた。
さらに気がついたら屋上で龍園と愉快な仲間達に囲まれていた。
……何故?
どうしてこんなことをするのかと聞くと、なんでもロールとDクラスが関わっているらしかったので、俺は内心頭を抱えていた。
また何かやったのかと思い、今度菓子折りでも持っていこうと思っていたら、なんかこの方々よくわからないことを言ってはおっかない気配を出してきた。
俺の凡庸な体では龍園達に殴りかかられてはひとたまりもないので、なんとか全力で話題を逸らしてこの場を切り抜けようと、まずは天気の話をしていた時だった。
突如屋上の扉が開け放たれると、途端に黒い影が飛来したかと思えば、次の瞬間には石崎という男子生徒と、伊吹という女子生徒が膝をついて倒れていた。
何が起こったのかはわからないが、誰がやったのかはすぐにわかった。
Aクラスの最終兵器にして常識破りの存在である、ロールだ。
龍園がロールの姿を認識するや否や、本能的に何かを感じたのか、何かを言う前に拳をロール目掛けて繰り出していたが、その拳はロールに届くことはなかった。
とある人物の言葉を少々借りるとするのならば、銃は拳よりも強し、と言うように、龍園の拳よりもロールが引き金を引く方が早かった、それだけのことだった。
「因みにどうしてここがわかったんだ」
「私が
…… バウンティハンターって、何?
そんなことがあった翌月のこと。
二学期も終わり冬休みに入ったので、俺とロールは龍園の奢りで焼肉に来ていた。
なんか龍園から凄い呆れた目で見られているが、気にしないことにした。
ある程度食べ進めたのちにロールを切り出し、龍園と話すと、どうやら龍園はこれからは大人しく過ごすようで、クラス間の争いに関わらないと言っていた。
正直龍園のことは良く知らなかったが、らしくないと思っていたところ、ロールもそんなことを考えていたようで、なにやら面白くなさそうな表情をしていた。
……ところで、ロールから送られてきたチェインシフターとは一体何なのだろうか?
その後もロールと一緒にショッピングしたり坂柳とロールのチェス対決を眺めたり葛城達と鍋を食べたりと色々充実した冬休みを過ごしたわけだが、そんな日々もいつかは終わるもので、この学校での生活もついに三学期へと突入した。
三学期開始直後、俺たちに待ち受けていた特別試験は季節はずれの林間学校で、クラスや学年の垣根を越えて協力し合う試験というものだ。
ぶっちゃけ楽しかった。
ただ林間学校の合間合間に3年の女子生徒が突然倒れたりとかいう事件があったので、ロールに聞いて見たところ、シェリフだから問題ないと自慢気に言ってきたのでデコピンしてやった。
さて、林間学校も特に誰も退学せずに終わったわけだが、その翌月には一之瀬の悪評が学校中に広まったり、少し経ってからまた別の生徒の噂が流れたりもした。
まあ噂に関してはどうでもいいことなのだが、他にあったことといえば噂が広まる数日前からよく一之瀬と一緒にいたり、坂柳がDクラスの山内に恋したり、なんか教室の隅にプレゼントボックスみたいなのがあったり、クラスメイトの清水が西川に告白して振られたりとAクラス内でも色んなことがあった。
しかしロールさんや、時折プレゼントボックスの中に入ったかと思いきや姿を消すだなんて、お前はどこのマジシャンなんだ?
こんなふうに冬を迎えてもイベントがあったり、途中数人が退学になってしまったり一之瀬がロールに付き纏うようになったり理事代行が暴力行為を働いていたりその映像が拡散されたりと色んなことがあった。
事実は小説よりも奇なりとあるように、何が起こるかはわからないものだ。
そして、今年度最後の特別試験もどうなるか予想できるものではなかった。
ただ、予想するまでもないことが一つあるとするのならば、それは……
「お前が暴走することだよな……」
「大丈夫。私は無害な
登場人物欄
・龍園
追い詰める相手を軽井沢かA君かという2択に絞り、その2択を外した結果ロールによってボコボコのボコにされたり焼き肉を奢る羽目になったりしてる、ロールの最大の被害者。風が吹いて桶屋が儲かったので例の試験はなんとかなった。敗因は2択を間違えた。
・一之瀬
原作の誹謗中傷+αにやって精神的にダメージを負った状態で更にロールに心をバキバキにへし折られた結果、ロールに陶酔するようになる。その光景を見たとある女子生徒は脳が破壊されたとか。敗因は入学前のやらかし。
・原作主人公
屋上での一件がなかったので軽井沢を完全にコントロールできているわけではない。まあ、なんとかするでしょう(適当)。
・ロール
色々やらかした結果龍園から超警戒され一之瀬に執着された少女。夢は宇宙飛行士になることなので、Aクラスで卒業するために動いている。龍園達をバウンティで切ったり林間学校で怪しい人達をシェリフで切ったりして凄い満足していた。例の試験の役職はイビルスワッパーラバーズ(相方はA君以外)で、最終批判投票は戸塚と橋本と適当な人。
・坂柳
林間学校で失礼なことを言った男子を退学させちゃう系女子。そのために動いてたらA君に「お前……もしかしてあいつの事が好きなのか?(青春)」され複雑な心境になった。例の試験の最終批判投票のうち1人は戸塚。
・葛城
自分を慕ってくれる戸塚を退学に追い込んだ坂柳とロールに激おこプンプン丸。最終批判投票のうち1人は戸塚。
・戸塚
やっぱり退学にされた。乱数次第ではワンチャンあった。例の試験の最終批判投票のうち1人は戸塚。敗因は言動。
・理事長
久々に娘の友人(?)と出会い挨拶したところ、完全に忘れ去られていたためショックを受けていた。不正疑惑をかけられ謹慎処分を受けるが、謎のハッカーのおかげでなんとかなったとか。
・理事代行
教育者が暴力を振るうのはコンプラ的に良くないので退場していただいた。敗因はアップロードタスクを阻止できなかったこと。
・親父
息子に退学しろと言ったけど拒否られた。その直後に見かけた2人組をみて意味深なことを言った後、病院に搬送される。敗因はその2人組に近寄りすぎたこと。
ちょっとした補足
・図書館
とあるキャラを攻略するのに非常に便利な場所であるというのはよう実二次の読者ないし作者はよくご存知だと思う。私もそう思う。
・テストのペア
当然カラクリに気が付いているので対策済み。A君のペアは坂柳になったが、ペア間で話し合いは基本していない。何故なら期間中のA君はロールによってひたすら勉強させられていたからだ。
・冒頭の2人
彼らがグループを組むようになると疎遠になるが、クラスが違うので仕方ない。とはいえ偶に世間話をする程度には交友はある。
・屋上の一件
Xを追う過程で度々チラついたロールの存在がノイズとなった結果ターゲットがA君になった。後にこの場で倒れた者達は皆上半身が消失した感覚を覚えたと言う。
・林間学校
男子組は特に変化はなく、この小説はA君視点のため大幅カット。またとあるグループでは書記である生徒を除いた全員が倒れた結果、書記先輩は助かったそうな。なんならロールとか言う奴によって生徒会長と書記は結ばれたそうな。余談だが、倒れた者達は皆上半身が消失した感覚を覚えたと言う。
・チェインシフター
多分今は現生徒会長。
・Aクラスの勢力
例の試験が始まる前の坂柳派と葛城派と中立の内訳は21:17:2で、試験後の内訳は33:5:1くらい。原作よりもやや葛城派の生徒が多いが、今後どうなっていくかはとある天才次第だろう。
多分次回で終わりです。
ロールのデータベースっている?
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いらない
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どちらかというといらない
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必要ない
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ちくわ大明神