ガールズ&パンツァーイェーガー   作:Valid Bear

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第12話 ミッションブリーフィング

 大学選抜チームとの試合が決まった時は「厳しい戦いになるが、私達のチームワークと西住殿の指揮があればきっと勝てる」と思っていた。

 例え相手が島田流家元の娘であっても、私達は西住殿のお姉さんが指揮する黒森峰にも勝ったのだから、と。

 だが、試合会場で私達に突き付けられたのは、車輌上限30輌での殲滅戦。

 たった8輌だけで30輌を殲滅しなければ、私達の学園が廃艦になる、そんな戦い。

 そんな状況でも西住殿と会長が笑っていられたのは、やはり上に立つ者の素質からなのだろう。

 西住殿の笑顔には硬さが見えたが、それすらすぐには出来なかった私は、どれだけ弱かったのだろうか。

 こういう時に隊長を支えてこそのチームメイトだろうに。

 試合会場の視察に行った西住殿をあんこうチームの皆で迎えに行き、彼女の相談に乗る。

 ……と言っても戦術面ではあまり役には立てなかったが、それでも話しているうちに西住殿の表情から硬さは消えていった。

 

 そして、翌朝。

 

 試合開始直前にやって来たのは、黒森峰やサンダース等、今まで戦ってきた学校の精鋭達だった。

 どうやら……、今までの戦いも無駄では無かったらしい。

 

12話 ミッションブリーフィング


 

 大洗と合流した私達は、制服からタンクジャケットに着替えたり、車輌の最終点検をしたりと、各々試合に向けての準備を進めていた。

 まぁタンクジャケットを持っていない私達は制服をそのまま着させて貰うのだが、他校はいつもの格好に着替えていた。

 毎度の事ながら、試合前はやる事が山積みである。

 それに加えて各校の隊長、副隊長は作戦会議を行うらしい。

 らしいと言うか、何故かまほさんに連行され私も参加する事になった。

 周囲に居るのは高校選抜と言われても信じるであろうメンツである。

 有名人だらけでこう……、自分の場違い感が凄い。

 

 だが、萎縮してばかりもいられない。

 まほさんの妹、みほさんの作戦説明が続く。

 

「──ですが、この作戦には明確な弱点が存在します。高地を取る選択肢は相手にとっても想定の及ぶ範囲である事。そして、相手はそれに簡単に対処できる手を持っているという事です。恐らく頂上確保と同時にカールの砲撃を受ける物と思われます」

 

 でしょうね。

 高地に照準を合わせておけば、あとは敵が勝手にその中に収まってくれるのだ。

 ピンチはチャンスとは良く言うが、それは逆も言える。

 戦闘の要衝には罠が張られやすい。

 今回はカールが罠の役割を果たしていると言うわけだ。

 

「そこで、重戦車を集めた中央部隊で高地を確保する動きを見せる事でカールの砲撃を誘発。砲撃されなかった場合はそのまま敵へ砲撃開始、カールが撃って来た場合は射点を見極め、両翼のどちらか近い方から一個小隊をカールの撃破に向かわせます。同時に中央部隊は頂上を放棄、小隊を派遣した中隊との合流を図ります。以上が本作戦の概要です」

 

 なるほど。

 重戦車を撃破されるリスクよりも、正攻法で来られた時の対応を重視したのか。

 だが……、何と言うか。

 みほさんは被害を最小限に留めつつ敵を翻弄するようなイメージがあったため、少し意外ではある。*1

 

「車輌は10輌ずつの中隊編成とします。基本編成は中央が黒森峰とプラウダ、左翼がサンダースと千波単、右翼が聖グロリアーナ、アンツィオ、継続、大洗で、中央にⅢ突とポルシェティーガー、左翼にM3を加えます。カールに向かう小隊の編成は中隊長に一任します。ここまでで何か質問はありますか?」

 

 ……呼ばれなかったな。

 まぁ、数から考えるに左側だろう。

 となると、サンダースの生徒だと思われたのかな。

 ……しかし大洗の眼鏡の人、書くの速いな。

 みほさん校名しか言わなかったのに、車輌名と数までちゃんと書いてる。

 

「では、この通り、3個中隊の編成で行きたいと思います」

「OK!」

「中隊長は?」

「それぞれ、お姉ちゃ……、西住まほ選手、ケイさん、それから私で」

 

 まぁ、妥当だろうな。

 左側の中で最も隊長としての経験が豊富なのはケイさんだろうし、右側に関しては今回は大洗の戦いだし。

 中央の場合はどちらも隊長としての腕は確かだが……、今回は言うなれば中間管理職。

 姉妹の方が意志疎通はしやすいだろう。

 だが、カチューシャさんはそうは思わなかったらしい。

 

「西側ばかりじゃない……」

「ご不満?」

「隊長、やりたいんですか?」

「私がやらなくてどうするのよ!!……ヒッ!?ま、まぁ、今度で良いけど……」

 

 ……まぁ、まほさんの一睨みで引き下がってしまったが。

 

「カチューシャさんは副隊長をお願いします」

「あ、そう!?仕方ないわね!やってあげるわ!!」

 

 みほさんの一言で機嫌を取り戻した。

 かわいい。

 

 

 

 

 

 その後、部隊名と作戦名を決め、打ち合わせは終了。

 あとは試合の開始時刻を待つのみである。

 それにしても。

 

「……大洗の存続を賭けての大学選抜戦、か。相手はやりにくいだろうな、これ……」

 

 相手側じゃなくて良かった。

 私だったらまず間違いなく集中出来ないだろう。

 その事実を伝えていなかったとしても、それを知っている人達から色々言われそうだし、勝った後に知ったらショックを受ける選手もいるだろう。

 あの人本当に性格悪いな。

 まぁ、こちらが勝てばその辺りも大丈夫だろうが。

 

『試合開始!』

 

 全く、負けられない理由が多すぎる。

*1
作者の頭ではこれが限界だとも言う




作者の頭の中

1. カールが出ると分かったら、カールの索敵が最優先で間違いないよな
2. 動き知ってるの抜きにしても、居るとしたら両翼の森の中だよな
3. そういや弾道解析して射点割り出すレーダーあったよな
4. 砲弾の位置は分からずともあんだけ馬鹿デカいマズルフラッシュなら結構遠くから見えるんじゃ?
5. 遠くを見るなら高い所。……あっ。
6. まぁ、大まかな動きは原作と近い動きの方が破綻しないかも……?



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