ガールズ&パンツァーイェーガー   作:Valid Bear

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第15話 決戦の地へ ☆

「いつもの的と比べても、サイズは2倍、距離は半分、風は無し、と。これぐらい余裕でしょ?」

「もちろん」

 

 みほさんから許可が出た時点で、既に配置は済んでいる。

 逃走経路が整っていて、なおかつ木々が姿を隠してくれる、狙撃をするのならこれ以上無い絶好のポイント。

 それでいて許される誤差はいつも撃っている的の10倍以上。

 そんな状況でうちの砲手が外す筈もない。

 砲撃を放つと同時に、砲弾の行く末を見る事もせず遁走を開始。

 数秒後、カールの居た方向から轟音が聞こえてきた。

 

「よし、それじゃ林の中突っ切ろうか」

「了解」

「え?道あるのに使わないの!?」

「うん。鬼さんに見付かるかもしれないから」

 

 逃走経路が整っているという事は相手にも読まれやすいという事でもある。

 もしセンチュリオンに見られていた場合、最短ルートは読まれるだろうし、経路的にこちらが全速で突っ切ったとしても相手の待ち伏せにあう。

 林の中を突っ切れば敵に近付く事が無い為、足の遅いセンチュリオンに捕捉される可能性は無い。

 わざわざ逃走経路が整っている場所を選んだのは、逃げるためというよりは、相手が待ち伏せで時間を浪費してくれればというだけの事だ。

 

「一言で言うなら……、急がば回れってね」

 

 

 

 

 

「……何かしら。お株を奪われた気がするわ」

 

15話 決戦の地へ


 

 遊園地跡に移動した主力部隊は既に修理可能な車輌の修理を終え、各門に配置完了したらしい。

 今は迫る敵主力を待ち構えていると言った所か。

 どちらかと言えば入り組んだ地形の方が好きなので、出来れば一刻も早く園内に入りたいのだが……。

 

「交戦は必至。平野は苦手なんだけど……」

 

 敵の車輌自体は稜線に隠れていて見えないが、遊園地跡の手前に巨大な土煙が立ち上っている。

 さぞかし大量の戦車が蠢いている事だろう。

 あれだけの豪雨の後だ。

 あの規模の土煙を立てるには、思いっきり飛ばしていたとしても、30輌を優に越える数の戦車が必要になる。

 もちろんそんな大量の戦車がこの試合に出ている筈もない。

 

「となれば煙幕かな。砲撃されるのを嫌ったか、或いは……」

 

 丘の頂上手前でM18を止め、降車。

 皆には待っていて貰い、遊園地跡を視界に収める。

 パーシングが遊園地の裏側に消えていったのはその時だった。

 

「……やっぱり囮か。正門に残ってるのは4輌だけで、守りの主戦力は黒森峰とプラウダか。過剰だな」

 

 そうと分かれば一気に仕留めるだけの事である。

 M18に戻り、無線を開く。

 

「大隊長へ、こちらM18。遊園地跡を視認。正門に残っているのはパーシング3輌とチャーフィー1輌のみ。他は裏側に回った模様。どうしますか?」

 

 直後、アンチョビさんからも無線が入る。

 

『こちらアンチョビ!東通用門にT28を確認!他にもパーシングが複数!こりゃ間違いなくこっちが本命だ!』

『正門の敵への対処はお姉ちゃんの判断に任せます。手が空いている車輌は東通用門に向かってください。私達も東通用門に向かいます!』

『了解した。エリカと葵の2輌以外は東通用門に向かえ。正門は我々で何とかする』

 

 3対4か。

 結構ギリギリまで削ったなぁ……。

 

「どうします?」

『M18で背後から強襲。敵が混乱している間に一気に仕留めるぞ。私が右、エリカは左だ』

 

 まほさんが担当する側にはパーシングとチャーフィー。

 エリカさんが担当する側にはパーシングが2輌。

 これはつまり──

 

「優香。私達のターゲットは右手前側のパーシング。撃破後は左のチャーフィーに変更。まほさんとエリカさんもこれで問題ありませんか?」

 

 こういう事だろう。

 

『あぁ。タイミングはそちらに任せる』

「了解しました。優香、砲撃開始」

 

 

 

 

 

 交戦開始から1分。

 突如として敵からの砲撃が減少した。

 

「ん?なんか大人しくなった」

「囮だってバレたんじゃない?」

「まだ別れてから全然時間経ってないけど……」

 

 その直後。

 右翼のパーシングから白旗が上がる。

 

「後方より敵襲!」

 

 その声に、残った3輌が反応する。

 敵はたったの1輌のみ。

 だが。

 

「狙いが……!」

 

 動きが読めない。

 

「……ッ!?マズイ!!」

 

 そして気付いた時には。

 

 () () () () () () () () () () () () ()

 

 ティーガー2輌の接近に気付き、そちらに砲を向けようとするが、その前に至近距離から88ミリの砲撃を受けたパーシング達から白旗が上がる。

 

「正門が開いた!園内に──」

 

 唯一残ったチャーフィーが園内への侵入を試みるが、それも後方からの砲撃を受けて沈黙し。

 

 交戦開始から僅か15秒足らずで、正門囮チームは全滅した。

 

 

 

 

 

県立大洗女子学園
Ⅳ号戦車H型16T34/85
ティーガーⅠ17IS-2
チャーチルMk.Ⅶ18KV-2
ポルシェティーガー19Ⅲ号突撃砲F型
三式中戦車(チヌ)20ヘッツァー
ルノーB1 bis21M4シャーマン
八九式中戦車甲型22M4A1シャーマン
マチルダⅡMk.Ⅲ/Ⅳ   23ファイアフライ
クルセイダーMk.Ⅲ24M3リー
10CV33型快速戦車25M18スーパーヘルキャット
11BT-42突撃砲26九七式中戦車(新砲塔)
12ティーガーⅡ27九七式中戦車(新砲塔)
13パンターG型28九七式中戦車
14パンターG型29九七式中戦車
15T34/8530九五式軽戦車
残存車輛数22輌

 

 

大学選抜チーム
A41センチュリオン    16M26パーシング     
M26パーシング□17M26パーシング
M26パーシング△18M26パーシング
M26パーシング◇19M26パーシング
T28重戦車20M24チャーフィー
カール自走臼砲21M26パーシング
M26パーシング22M26パーシング
M26パーシング23M26パーシング
M26パーシング24M26パーシング
10M24チャーフィー25M26パーシング
11M26パーシング26M26パーシング
12M26パーシング27M26パーシング
13M26パーシング28M26パーシング
14M26パーシング29M26パーシング
15M26パーシング30M24チャーフィー
残存車輛数20輌




ちなみにトラさんは牙ではなく爪で獲物を抑え込むそうです(語感が良いので牙にしちゃいましたが)

あとストックが尽きたので次回は少し時間が開きます。
楽に書けているのでそこまで時間はかからないとは思いますが。

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