ガールズ&パンツァーイェーガー   作:Valid Bear

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第18話 穴を穿つのは ☆

 ティーガー2輌が東通用門の救援に向かった後も、私達はセンチュリオンの警戒として正門に残されたのだが。

 

 気付いたら味方が敵に包囲されていた。

 

18話 穴を穿つのは


 

『包囲されていないのは私達とアンツィオ、そして西門部隊だけか。どうする、みほ』

 

 それも東通用門に向かった全車輌が。

 パーシングを立て続けに撃破して調子付いた所を誘導されたらしい。

 いや何してるの……。

 特にプラウダなんて包囲殲滅が十八番なんだから真っ先に気付かなきゃダメでしょうに。

 

『突撃して楔を打ち込む他に無いかと!』

『……それは厳しいですね。こちらは釘付けにされていますし、そちらの火力では離脱出来るだけの大穴は開けられないものと思われます』

 

 大学選抜側はちゃんと外への警戒にも数を割いており、西さんから上がった突撃案は却下された。

 ……だが。

 

『それはどうだろう?』

 

 一部……、と言うかミカさんから逆の意見も上がる。

 

『と言うと?』

『そこにいるM18なら、その釘を振り切るぐらい造作もないだろう?』

 

 んな無茶な。

 

「……まぁ、1輌程度であればどうとでもしてみせますが、それを抜けた先にある網を食い破るのはムリですよ。大学選抜の残存車輌のほとんどが居るわけですし」

 

 実際に外側に警戒を割いているのは数輌だろうが、数輌であっても開けた場所で近距離となると正直かなり厳しい。

 もっと密集しているならまだしも、今は野外音楽堂を囲むために分散している。

 あれでは敵を盾とするのは難しいだろう。

 再び身を隠そうにも遮蔽物が少なく、離れており、それもまた難しい。

 ……ん?

 

「離れて……、か」

『どうかしたのか?』

「うちの車輌の取り柄は速い足だけじゃなかったのを思い出しまして。どこからなら射線が通せるかな、と」

『それなら観覧車のある丘の上から、……あれはM3か?』

「はい?」

 

 少し移動して高台を視界に収めると、確かにM3が単独行動をしていた。

 そして観覧車の方に向き直ったかと思うと──

 

 撃った。

 

 ちょうど軸を撃ち抜かれた観覧車は重力に従って落下。

 轟音を響かせながら逃げるM3に迫る。

 

「いやさすがに観覧車に潰されちゃカーボンも持たないでしょ!?」

 

 そのままM3を捉えるかと思われたが、引き付けてから避けたため無事回避。

 観覧車はそのまま野外音楽堂へと転がっていく。

 ……別に意思を持って追ってきてる訳じゃないんだから、あそこまで引き付けなくても良かったんじゃ?

 心臓に悪い。

 そんな事を考えていると、観覧車は大学選抜の車輌を退避させながら野外音楽堂へと突撃する。

 

『観覧車先輩に続いて、突撃ぃーッ!!』

 

 いや君らも突っ込むんかい。

 

『各車砲撃を!敵の追撃を阻止してください!』

 

 しかし──

 

「観覧車……、あのスピードじゃ途中で止まりませんか?」

 

 パンジャンドラムと化した観覧車だが、本来の物とは異なり、推進力は無く、余計な物も付いている。

 それには最早バンカーを抜けるだけのスピードは残されていないように見えた。

 

『問題ないわ!止まりそうなら砲撃で吹っ飛ばすだけの事よ!ノンナ!!』

『はい』

「はい?」

 

 そうして放たれたIS2からの砲撃は、狙いを違える事無く観覧車を直撃。

 加速した観覧車は段差を登りきり、包囲された東通用門組を先導していった。

 

「……凄いな。優香、負けてられないよね?」

「……え?」

「目標、T28側面!叩き込め!!」

「えぇ!?」

「ほら早くしないと逃げられちゃうよ」

 

 今、T28は追撃する為に此方に横っ腹を見せている。

 更にそのお腹に抱えていた履帯と言う名の増加装甲は既に取り除かれている。

 これだけのお膳立てをされて撃たなければ90ミリが泣く。

 

「あぁもう!!」

 

 優香のやけくそとも取れる声と共に砲弾が放たれる。

 

「弾かれた!?」

 

 T28は動きを止めるだけで、白旗が上がる様子は見られない。

 だが……、動きが止まったのは好都合。

 追撃を中止して此方に向き直ろうとするT28であったが、此方の装填が終わる方が早い。

 

「目標変更。T28の砲身を狙って」

 

 そして放たれた砲弾は……。

 

「いよっし!」

「ナイスショット」

 

 T28の砲身をねじ曲げ。

 直後、発射されたT28の砲弾が曲がった砲身の中で爆発。

 砲身をへし折る事に成功したのだった。

 BT42もビックリの短砲身となったT28に火力が期待できる筈もない。

 無力化に成功したと言っても問題ないだろう。

 ……まぁ殲滅戦である以上、撃破しておくに越した事は無いのだが。

 

「この距離じゃ抜けなかったし、後でゼロ距離射撃でもしてみようかな」

 

 とりあえず今は放っておく。

 目標をM26に変更し、砲撃を加えていく。

 そうすれば遮蔽物に隠れてもいないのに此方に車体を向けて──

 

「あら不思議、っと」

 

 包囲され、遁走していた筈の車輌群から砲撃を食らう事になる。

 幸いにも高火力組にはその意図が伝わったらしく、瞬く間に5輌ほどのM26が蹴散らされた。

 数輌だけを私達への抑えとして残しておけばよかったものを、やっぱり突発的な二正面作戦なんてやるもんじゃないね。

 

「これで残りは11輌ですかね。大隊長や中隊長が残っているのは厄介ですけど」

『限界か』

「えぇ。ようやくですが対応し始めましたね。──さすがに潮時かと」

『それではここからは予定通りに。敵の分散と各個撃破、それから先程のような罠に誘い込まれないよう心掛けてください』

 

 

 

 

 

県立大洗女子学園
Ⅳ号戦車H型16T34/85
ティーガーⅠ17IS-2
チャーチルMk.Ⅶ18KV-2
ポルシェティーガー19Ⅲ号突撃砲F型
三式中戦車(チヌ)20ヘッツァー
ルノーB1 bis21M4シャーマン
八九式中戦車甲型22M4A1シャーマン
マチルダⅡMk.Ⅲ/Ⅳ   23ファイアフライ
クルセイダーMk.Ⅲ24M3リー
10CV33型快速戦車25M18スーパーヘルキャット
11BT-42突撃砲26九七式中戦車(新砲塔)
12ティーガーⅡ27九七式中戦車(新砲塔)
13パンターG型28九七式中戦車
14パンターG型29九七式中戦車
15T34/8530九五式軽戦車
残存車輛数22輌

 

 

大学選抜チーム
A41センチュリオン    16M26パーシング     
M26パーシング□17M26パーシング
M26パーシング△18M26パーシング
M26パーシング◇19M26パーシング
T28重戦車20M24チャーフィー
カール自走臼砲21M26パーシング
M26パーシング22M26パーシング
M26パーシング23M26パーシング
M26パーシング24M26パーシング
10M24チャーフィー25M26パーシング
11M26パーシング26M26パーシング
12M26パーシング27M26パーシング
13M26パーシング28M26パーシング
14M26パーシング29M26パーシング
15M26パーシング30M24チャーフィー
残存車輛数11輌




……表作るの難しいデース

末尾の撃破状況を箇条書きから戦車道のパブリックビューイング風な表にしてみました(今までのも含めて)

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