ガールズ&パンツァーイェーガー   作:Valid Bear

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第21話 決戦☆

「……私達が交ざって良いものなのかな、これ」

 

 元は60輌もの戦車が入り交じる大規模戦闘だったこの戦いも、残っている車輌は5輌を残すのみとなっていた。

 大規模な試合がここまで拮抗するのは珍しい。

 ましてや二大流派の後継者達による決戦を目の前で見られる機会など、これから何度ある事か。

 スマホを取り出したい衝動を抑えながら、戦闘の様子を窺う。

 

21話 決戦


 

 多数で1輌を相手に仕掛ける場合、相当息が合っていないとかえって邪魔になる事が多い。

 2輌ならぶっつけ本番でもどうとでもなるが、3輌以上ともなればいきなり合わせられるかは相性次第になる。

 

 そこで私は、まず西住姉妹のタイミングに合わせられるかを確認し、もし可能なようであれば交ざろうと思っていたのだが……。

 その戦闘は予想とは大きく異なる形で推移していた。

 

 ……かかる時間に差はあれど、彼女達なら私達が交ざらなくともセンチュリオンを仕留め切れると踏んでいたのだが。

 

 センチュリオンは、高校最高クラスの練度を持つであろう2輌を相手にしながら、それでなお互角以上の戦いぶりを見せていた。

 

 車輌性能や車長の指揮の素晴らしさは言うまでもないが……、それだけではどちらが勝つか分からないとまではならないだろう。

 ただでさえ高性能な車輌を魔改造したM18ならまだしも、センチュリオンとティーガー、Ⅳ号ではそこまで圧倒的な性能差とは言えまい。

 その証拠に、車輌の動きはこちらの2輌も負けてはいない。

 ……だが。

 

(何だろう、若干隙がある?)

 

 問題はこちら側2輌の連携にあった。

 

 ぱっと見た感じでは、タイミング自体は非常に噛み合っているように見える。

 しかし……、連携と連携が全く繋がっていなかった。

 例えるなら、音が跳んだレコードのような。

 以前見た時は相手の動きに合わせて、まさに阿吽の呼吸と呼ぶに相応しい攻めを見せていたのだが、今は往なされる度に手で意志疎通を図っている。

 そして、その隙に体勢を立て直され……、という事が何度か繰り返されていた。

 

 その様子を見て、1つのインタビューを思い出し、驚愕する。

 

「……そっか。戦車道が嫌になって転校したって事は、姉妹で肩を並べて戦うのも去年の大会以来なのか……。良くジェスチャーだけで連携取れるな」

 

 もしかしたら姉妹で言葉を交わす事すらしていなかったかもしれないと考えると、その連携の精度は流石の一言だった。

 しかし、センチュリオンに立て直す余裕を与えているのもまた、事実。

 

(……なら、その隙を埋めるのが私達の仕事かな)

 

「砲撃用意」

 

 センチュリオンと1対1で戦った時は、こちらの砲撃が相手を捉える事は無かった。

 動きが読みにくい上に、なんとか読みきったとしても攻めに転じるには遅く、見逃してしまうような有り様だった。

 だが、センチュリオンがティーガーとⅣ号の動きを読んでいる今なら。

 

 2輌の動きを読めれば、センチュリオンがどう動くかも自ずと見えてくる筈である。

 

(……今回Ⅳ号は脚を奪うための囮。ティーガーが本命か。あの位置なら……)

 

「砲塔右20度。……撃て」

 

 全力で頭を使い、センチュリオンの来るであろう場所に砲撃を加える。

 姉妹の動きの予想は当たり、センチュリオンの車長が考える最適解にも辿り着いたのだが……、肝心の指示が遅れてしまった。

 M18は、トップスピードでは無いとは言え、並の戦車よりも速いスピードで移動中だった。

 僅かな遅れでも、砲撃位置はかなりズレる事になる。

 

「……ッ!?」

「やっぱりハズレたかぁ……。夏帆!」

「まっかせて!」

 

 放たれた砲弾はセンチュリオンを捉える事はなく、その正面を通過していった。

 驚いたようだったし、間違いなく意表は突けたのに勿体ない事したな……。

 しかし注意を引く事には成功したようで、センチュリオンが進路を変更。

 正面から向き合う形となる。

 装填をしては撃つを繰り返しながらギリギリまで接近し、超至近距離での砲撃戦に突入する。

 だが、やはりM18の速度をもってしても圧され始める。

 

「でも時間は稼げて……ヤバい!」

 

 結果として。

 センチュリオンの動きに反応しきれず、砲の正面に飛び出してしまった。

 いくら真琴とM18の反応が良くとも、この至近距離では避けようがない。

 まさに、絶体絶命。

 

 嫌と言うほど聞いたセンチュリオンの砲声が鳴り響く。

 

(……え?)

 

 だが、その衝撃は予想に比べて非常に小さな物だった。

 

 目を開ける。

 

 そこにあったのは、車体を捉えない角度に逸らされたセンチュリオンの砲身と。

 

 ──それを押し退けるように交差しているこちらの砲身だった。

 

「「え?」」

 

 ……もしかして、砲身で砲身を押し退けた?

 んな剣道じゃないんだから……。

 真正面で島田さんも呆気に取られて──

 

『避けろ鴻上!』

「退避ッ!」

 

 西住さんからの指示が飛んだ直後、砲撃音が鳴り響いた。

 ティーガーから放たれたそれは、戦車はもちろん、建物や地形に当たる事も無く。

 

「空砲?」

 

 その風圧で眼前の戦車を弾き飛ばす。

 88ミリ砲の後押しを受けたⅣ号が、M18に匹敵する速度でセンチュリオンに肉薄する。

 センチュリオンも迫るⅣ号へ砲撃するが……。

 砲弾はⅣ号の履帯を切断するも、撃破するには至らない。

 

 Ⅳ号は慣性に従いそのままセンチュリオンに激突、零距離射撃を叩き込み。

 双方から白旗が上がった。

 

 

 

 

 

県立大洗女子学園
Ⅳ号戦車H型16T34/85
ティーガーⅠ17IS-2
チャーチルMk.Ⅶ18KV-2
ポルシェティーガー19Ⅲ号突撃砲F型
三式中戦車(チヌ)20ヘッツァー
ルノーB1 bis21M4シャーマン
八九式中戦車甲型22M4A1シャーマン
マチルダⅡMk.Ⅲ/Ⅳ   23ファイアフライ
クルセイダーMk.Ⅲ24M3リー
10CV33型快速戦車25M18スーパーヘルキャット
11BT-42突撃砲26九七式中戦車(新砲塔)
12ティーガーⅡ(修理中)27九七式中戦車(新砲塔)
13パンターG型28九七式中戦車
14パンターG型29九七式中戦車
15T34/8530九五式軽戦車
残存車輛数3輌

 

 

大学選抜チーム
A41センチュリオン    16M26パーシング     
M26パーシング□17M26パーシング
M26パーシング△18M26パーシング
M26パーシング◇19M26パーシング
T28重戦車20M24チャーフィー
カール自走臼砲21M26パーシング
M26パーシング22M26パーシング
M26パーシング23M26パーシング
M26パーシング24M26パーシング
10M24チャーフィー25M26パーシング
11M26パーシング26M26パーシング
12M26パーシング27M26パーシング
13M26パーシング28M26パーシング
14M26パーシング29M26パーシング
15M26パーシング30M24チャーフィー
残存車輛数0輌




大学選抜戦、決着。

……最終回はまだざっくりとしか決まってないんですよね。
どうしよう。

ちなみに最終回以降も細かい話は上がるかもしれません(最終回とは)

1/20 最後の表、大洗側を変更し忘れていたので修正。

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