寄生虫美女で蜘蛛の世界   作:坂本祐

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 プロローグ、断腸の思いで一旦消しました。新しいプロローグの投稿は多分14日以降になると思います、それまではずっと仕事なので…

 あと、七話にしてまだアヤとスパイダーマン 出会ってないことに気がついてめっちゃ焦りました。次の話こそは…!

 誤字脱字報告して下さった方誠に有難うございます!
 仕事の休み時間みて変更しますのでもう暫くお待ち下さい、本当ごめんなさい…

 というわけで、第七話どうぞ!

 


第7話:welcome to Connors lab

 

 私たちは今、世界でも有数の施設設備を誇るオズコープ社、その数多あるラボの一つであるコナーズ博士のラボに足を踏み入れた。見渡す限り、数え切れないほどの精密機械で溢れかえっている。先程のグスタフ・フィアーズの件で少し心がざわめいたが、今は興奮でわくわくが止まらない。

 

 ラボでは、沢山の研究者たちが真剣な表情で精密機械を使用して作業しては結果を見て話し合っており、私では理解できない数式や計算式がホワイトボードに書き込まれてゆく。

 

 そして、なによりも興味が惹かれるのは、宙に浮かび上がるホログラム技術だ。やはり、この世界は前世とは違い科学技術の進歩が著しい気がする。すると、奥の方で手元の資料を読んでいた一人の男性がこちらに気付いたらしくにこやかな笑顔を浮かべて迎え入れてくれた。

 

「やあ、ハリー。待っていたよ」 

 

「ええ、コナーズ博士。今日はありがとうございます」

 

 コナーズ博士とハリーはお互い笑みを浮かべては握手をして挨拶をする。この人がカート・コナーズ博士か、見た目は普通のおじさんだ。金髪碧眼で短い髪の毛に冴えない丸眼鏡、でも片腕がない。先天的かはたまた後天的かは分からないが、恐らくこれが博士が異種間遺伝子交配を志すきっかけとなったのだろう。

 

「なに、君の頼みだ。お安い御用だよ」

 

 すると、コナーズ博士は私たちの方へと目線を向けた。

 

「ようこそ、私のラボへ。私がカーティス・コナーズだ。今日は存分に見学したまえ」

 

 そういうと、彼は私たちをラボの奥の方へと案内してくれた。ここがコナーズ博士専用の自室なのだろう。壁一面には高級な本棚があり、そこに敷き詰めるようにいろんな種類の数えきれないほどの専門書が置かれている。

 

「じゃあ私の研究内容を簡単に説明してみなさい、グウェン君」

 

「はい、博士」

 

 グウェンは待ってました、と言わんばかりに滔々と説明を始めた。淀みなく簡潔にわかりやすく説明していることからも彼女が如何に異種間遺伝子交配についてちゃんと理解しているのか伺える。そして、彼女は科学者の他にも先生にも向いていると思った。凡そ1分弱の説明を終えるとコナーズ博士は満面の笑みを浮かべて称賛する。

 

「うん、素晴らしい。満点の回答だ、誰か私の研究内容に質問はあるかね?」

 

 博士の言葉に私は真っ先に手を挙げた。絶好の機会だ、コナーズ博士の研究の進行状態の確認と望みは薄いが異種間交配遺伝子の研究を諦めて貰うように説得出来ればと思ったのだ。

 

「はい、コナーズ博士、二つほど質問があります」

 

「なんだね、えーっと…」 

 

「アヤです、アヤ・ブレア」 

 

「アヤ君か…もしや、マナ・ブレア教授の?」

 

 私の苗字にピンときたのだろう。随分と驚いた様子で問いかけられ、素直に頷く。

 

「はい、母はマナ・ブレアです」

 

「やはりそうか……お気の毒だったね。彼女は僕と同じ大学の同期で、よく覚えているよ。細胞学に関してはだれも彼女に敵いはしなかった。いまも、彼女がいればどんな助言をしてもらえるか少し興味があったのだが…いや、よそう」

 

 そう言ってコナーズ博士は口を閉じた。母に助言を求める云々は本心なのだろう。何処か残念そうな哀愁が漂っている。しかしながら、コナーズ博士と母が大学の同期だとは初耳だ。

 

 この分ならもしかしたら、スパイダーマン に登場する他の博士達とも知り合いもしくは同期の人がいるかもしれない。あとで、コナーズ博士に他の同期の人について聞いてみよう、個人的にも気になる。

 

「それで、質問は何かね?」

 

「異種間遺伝子交配の進行状況は順調なのでしょうか?」

 

「ああ、順調だとも。今はマウスで実験中だが安全が確認されれば、いずれ他の動物そして人間にも…まあ、それは倫理的にも問題あるかもしれないからまだ分からないが、ね……」

 

「そうですか…」

 

 依然としてマウスで実験中ということはまだ人体実験には踏み出していないのだろう、つまりまだ其処まで研究は進行しておらず、先程の母に助言を求めるような発言から察するに決して順調ではないはずだ。

 

 ならば、あとは望みは薄いが資金が凍結されぬようにハリーやオズボーンさんに頼み込み、もし凍結されてしまえば博士が強行に走らないように説得するしか今の私には出来ない、か。

 

「もう一つの質問ですが、コナーズ博士は、自分の手を治すために異種間交配を研究されたそうですが、サイボーグ工学ではダメなんでしょうか?」

 

 これはアンドリュー・ガーフィールドが主演の実写映画を見てから常々考えていた。それは、異種間遺伝子交配という未知の領域よりもサイボーグ工学の方が幾分か良いのではないかと思っていたのである。

 

 コナーズ博士が異種間遺伝子交配を研究するきっかけになったことは、彼の論文に書いてあるのを以前見たため知っていた。

 

 コナーズ博士は私の言わんとすることが分かったのだろう。異種間遺伝子交配よりもサイボーグ工学の方が現実的だ、と。だから、異種間遺伝子交配などするべきではない、と。

 

 彼の結末を知っているからこそ、否定的なのではない。異種間による遺伝子の交配など誰も予想がつかないほどに危険でそれこそ人に用いようものなら倫理的にも問題が起きてしまう、あまりにもセンシティブな領域なのだ。

 

 だから、人間を対象とした異種間遺伝子交配は我々人類が踏み入れる領域ではない、と私は考えている。まあ、他の動物同士でも問題だとは思うが人よりも命が軽いと見なされている動物では止めることは不可能だろう。人間の好奇心は度し難いものなのだから。

 

 私の質問に博士は理解できると言わんばかりに何度も頷く。だが、何処か落胆とうんざりしているような表情だった。数え切れないほどに尋ねられた質問なのかもしれない。

 

「ふむ、いい質問だ。たしかに、サイボーグ工学の方が遥かに現実的で理にかなっている。言ってはなんだが、私もサイボーグ工学の方が予算を食い潰さないと思うし、容易く理想を叶えれるだろう」

 

「なら…」

 

「だが、所詮、機械の腕だ。私の腕ではない」

 

 私の言葉を遮るように、毅然ときっぱりと言い放った。やはり、そう考えるか。どうやら、博士は失くなった自身の腕に固執しているらしい。その思いも十分理解できる、だがその結末は余りにも悲惨なのだ。

 

「私も利用したことはあるがね、あれは所詮、紛い物なのだよ。それに、既にサイボーグ工学の天才はいたからね、私の代わりにその分野は彼に任せた」

 

 サイボーグ工学の天才、おそらくあの人物なのだろうか。それなら、たしかに頷ける。残念だが説得は無理そうだな。

 

「君は異種間遺伝子交配に否定的なのかね?」

 

 私の表情と発言から異種間遺伝子交配に否定的だと察したのだろう、そう問いかけられ取り繕う事もせず素直に頷いた。 

 

「ええ」

 

「ちょっと、アヤ先輩!」 

 

 すると、当然隣にいたグウェンが非難の声を上げた。無理もない、その道何十年の研究者を目の前にして研究の根幹を否定するなど無礼がすぎる。だが、コナーズ博士は至って冷静にグウェンを抑えてくれた。やはり、出来た人だと思う。

 

「いいんだ、グウェン君。それよりも、何故君が異種間遺伝子交配に否定的なのか教えてくれないだろうか?」

 

 私が異種間遺伝子交配が非現実的で馬鹿馬鹿しいと嘲笑しているわけではないと感じたのだろう、真剣な表情で問われ、私は口を開いて本心を打ち明けた。

 

「生き物、いや細胞は時に人智を超えた力を見せます。制御していたつもりが、実は制御出来ていなかった、なんてこともあり得ますし、安易に弄るべきではない、と私は考えています。博士のような専門家にこんなことを言うのは、あまりにも烏滸がましいでしょうが…」

 

「いや、それは私も常に考えていることだ。さすが、マナ君の娘さんだね。その脅威については私も十分理解はしている。だが、望まずには居られないのだよ、人は失って初めてそれが大切だったことに気づくものだ…」

 

 そう言って、彼は悲哀に満ちた表情で最後に残された左手で右肩を触った。触れた右肩の先には腕がなく、彼が再び自分の右腕を取り戻すことを夢見てることは側から見ても分かった。

 

「おっと、随分と湿っぽい空気にしてしまった。申し訳ない、他に質問があれば答えるが…」

 

「はい、博士」

 

 すると、ピーターが空気を変えようと気を遣ってか挙手をした。

 

「じゃあ、そこの君」

 

「異種間遺伝子交配の崩壊率アルゴリズムは判明しているのですか?」

 

「ふむ、興味深い質問だね…恥ずかしいが、未だに判明していないのが現状だ。君、名前は?」

 

「ピーターです、ピーター・パーカー」

 

「ピーター・パーカー……もしや、父親はリチャード・パーカーか?」

 

「ええ、そうですが…父をご存知で?」

 

「ああ、よく知ってるとも。彼とは共に研究をした仲だ。今日は旧知の仲の友人達、その子供らに会えるとは思いもしなかったよ」

 

 そういうと、コナーズ博士は沢山のものが置かれ散らかったデスクに歩き出し、一つの写真立てを手に取るとピーターに手渡した。

 

「見たまえ」

 

 ピーターの手元に見遣ると、そこには何十年も前に撮られたであろう写真であった。全員が白衣を着ている。総勢十数人の集合写真のようだ。よくみると、今よりも随分と若いコナーズ博士が写っている。いや、それだけではない。隣にはハリーの父親であるオズボーンさん、その隣には私の母であるマナ・ブレアと父親のジョージ・ブレアもいるではないか。

 

「これは……コナーズ博士に、父さんに、ノーマンさんそれに…」  

 

「わたしの両親もいるわね」

 

 そういうと、他のみんなも興味を抱いたのかピーターの元に集まり、写真を覗き込んだ。

 

「へえ、ピーターのお父さん、結構イケメンなのね」

 

「わたしにも見せて」

 

「博士、この写真はもしかして大学生のときので?」

  

 ハリーは見覚えがあったのかそう問いかけると、コナーズ博士は昔を懐かしむような優しい顔つきで、ゆっくりと頷いた。

 

「ああ、その通りだ。大学生の頃の写真だよ。ここに映るものたちは、研究する分野の垣根を越えて世界をより良いものにしようと集まった科学者サークル。その名もオーズと私たちは言っていた」

 

「オーズ……」

 

「元々はノーマン、ハリー君の父親とそこの写真の真ん中に映る、物理学者の天才、今はサイボーグ工学を専攻とするオットー・ギュンター・オクタビアス博士、この二人が始めた。だから、オーズという名前も二人の名前の共通点のものでね。まあ、同じ志を持つものが自然とサークルに増えていった。かくいう私も途中で参加した者だが」

 

 再び、写真に目を向けた。写真中央に映る、幾ばくか恰幅のいい眼鏡をかけた人物が目に入る。この人がオクタヴィアス博士か、なんというかイメージ通りの人だな。

 

「この写真はオーズの主要メンバーが殆ど映っている。私に、ノーマン、オクタヴィアス、リチャード、マナ、そしてアヤ君の父親であるジョージ……今でも交流があるよ。何名かもう会えない者もいるが……」

 

 おそらく、その中には私の両親とピーターの父親が含まれているのだろう。だが、まさか両親がコナーズ博士だけでなくノーマン・オズボーン、オクタヴィアス博士というスパイダーマンにおいて後の代表的なヴィラン達と一時期同じサークルで肩を並べ研究していたなど思いもよらなかった。

 

「オーズに参加した科学者たちの殆どが今はオズコープ社に勤務しているか、資金援助をされている。ノーマンには感謝しかない。わたしの研究は余りにもお金がかかる。だというのに、彼は二つ返事でわたしの研究を援助するだけでなくこうして破格の待遇で雇ってくれている。だから、私は少しでもノーマンに、そしてオズコープに貢献できればと思っているんだ」

 

 どうやら、この世界線のノーマン・オズボーンはかなりの人徳を持っているらしい。作品によっては結構嫌味な人物であったりと振れ幅が大きい人だと個人的には思っていたが、幸いにもこの世界でコナーズ博士にここまで慕われているくらいの人なら頼み事もスムーズに行くかもしれないと希望が持てる。

 

「知らなかった……」

 

「ええ、そうね…まさか、博士達と交流があったなんて……」

 

「マナから聞いてなかったのかい?」

 

「ええ、聞いたことありませんでした」

 

「そうか。まあ、若気の至りで随分とやらかした事もあった。だから、恥ずかしくて言えなかったのだろう。さて、他に何か質問はあるだろうか?」

 

「博士、あの機械何処かで見たことあります」

 

 すると、ピーターは部屋の奥に置いてあった機械が目に入ったらしく、その機械の元へ歩み寄った。全長2メートル弱の筒状の機械に太い配線が箱の形をした機械に繋がっている。ピーターと同様に私も何処かでみたことある装置だ。正面には何かをセットする空白がある。形状から察するにカートリッジをセット出来るのだろう。装置の上部にはガナーリと銘打ってある。なるほど、だから見覚えがあったのか。

 

「ああ、それはガナーリ装置と言って理論は至ってシンプル。抗原性薬剤を詰め上空で雲にして街中に降らせる。理論的にはそれでポリオを絶滅できる」

 

「素晴らしいですね」

 

「だが、もし毒が詰められたら逃げたくても雲から逃げられない。だから埃を被っている」

 

「それほど危険な装置なら別のところに保管したほうが良いのでは?」

 

 実写映画のアメイジング・スパイダーマンにおいてコナーズ博士はこの装置を利用して未曾有の大凶行に走ろうとした。

 

 ラボの閉鎖を脅されて苦悩した末、博士は自らトカゲのDNAと人間のDNAを掛け合わせた異種間遺伝子交配を試みて図らずもリザードに変身してしまい、理性をなくした彼は自身のみならずニューヨーク市民全てをトカゲ人間に変えるべく、このガナーリ装置に同様の薬をセットしてニューヨーク中に散布しようとしたのである。

 

 ピーターとグウェンのお父さんであるジョージ警部の奮戦のお陰で、その大災害は未然に防がれたもののその損害は余りにも大きく、ジョージさんに至ってはリザードを足止めする際にリザードの攻撃により命を落としてしまった。

 

 この機械は余りにも危険だ。博士が述べた通りもし、悪用されればニューヨーク市民全てに危害が被る。そんな危険すぎる装置などこんなところではなくもっと厳重に保管すべきだろう。

 

 だが、私の心配をよそにコナーズ博士は首を横に振った。

 

「心配要らないよ、使用するためにはパスワードが必要でね、僕とノーマンしか知らない。それにこの装置の基盤はもう棄てたから、動くことは決してないのだよ。ここにあるのは、思い出としてノーマンから譲ってもらった」

 

 コナーズ博士にとって思い出の品なのだろう。昔を懐かしむようにガナーリ装置を優しく撫でる後ろ姿に私はいや、コナーズ博士がパスワードを知っているから危険なんです、とは言えるはずもなく押し黙るが、そもそも基盤がないのなら例えパスワードを知っていても機械は動かない。まかり間違っても実写映画のようなことは起きないだろう、というかそう願うばかりだ。そう、結論づけて思考を打ち切った。

 

「さて、では話もこれくらいにして改めてラボの方を案内しよう」





 これまでの話で見直すと気に入らないところが多々あるので、時間を見て変更しようと思います!
 物語上重要な設定を変更した際は、次の話の前書きか後書きの方に書きますので、読者の皆様には多大なご迷惑をおかけしますが何卒ご理解のほど宜しくお願いします!

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