その日は本当に何でもない、3日もすればどのように過ごしていたのか忘れてしまうようなそんな平凡な一日だった。
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今日は、何が特売日だったっけ……
古文の授業中、
「それではぁー、次のページを陽一さん読んでくださいぃー」
自分、
「あっ、すいません。何ページでしたっけ?」
「もぉー、外ばかり見てないでぇー、ちゃんと先生の話を聞かなければだめですよぉー。48ページから読んでくださいねぇー」
「もぉ、陽一真面目に授業受けなきゃ夏休み補修だよぉ?」
クラスのムードメーカーの
「はいはいぃー、皆さん静かにしてくださいぃー、今は授業中ですよぉー。それから机の下で形態をいじってる夏目君もちゃんと授業を聞いてくださいねぇー」
その言葉を聞いた、
そのしぐさに教室中から先程より大きな笑いが出るのを眺めながら、ちらりと黒板の上、天井の隅の方にある岡先生が保護した蜘蛛の方を見ながら、お前は気楽そうで羨ましいなとどうでも良いことを思いながら、ようやく笑いが収まり48ページを読み上げようとページを見る。
その瞬間、教室の電気が消えたかのように一瞬暗くなった後、人生で味わったこともないような激痛を味わいながら意識がフェードアウトしていった。
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ぐうぅっ…何だったんださっきの体が砕けるような痛みは?
どうやら、自分の体は横に倒れているらしい。
かなり長い時間倒れていたのか、体の節々が少し痛く、鼻で呼吸をすれば何故か錆びた鉄のようなにおいがする。
「うぅ…、いったい何が……っ!?」
無意識のうちに自分の口から出た声に、思わず体がビクリと反応してしまう。
……は?女の声?
「あーあーあー、アメンボ赤いなあいうえお」
……自分の声をもう一度聞き、明らかに普段の地声よりも高く女性らしい声があたりに響く。
大慌てで横になっている自分の体を起こそうとするが、どこかぎこちなく何とか体を起こしあたりを確認する。
……どこだよここ……。
あたりを確認すると、どうやら自分は暗い洞窟のような場所におり、目の前には鋭利な刃物で切られた、三匹のトカゲらしきものがある。
「……え?何が起きてるん?」
あまりにもあまりな現状に、口調までおかしくなる始末。
無意識のうちに左手で顎下をを触り、最近生え始めた髭の感触がないことに違和感を覚えながら、右手で自分の胸を触る。
…レザーアーマーみたいなものを着てるせいか感触までは分からないが間違いなく女の体だ…
……まてっまてまてまてっ!何が起きてるんだ!?
思い出せ!混乱するのは良いが最後の記憶を思い出すんだ!
確か…確か…そう!確か古文の授業を受けていたんだった!
それで、岡先生に当てられて、答えようとして……そっから思い出せない…
そっそうだ!この体が身に着けてるものを見れば、何かわかるかもしれない。
とりあえず、体中をまさぐり持っていたものを全部土の上に置き整理を始める。
まず初めに目についたのは腰にある剣だ。
明らかに街中で持ち歩けば警察に捕まるであろう危険物だ。
…ちらりと先ほどの三匹のトカゲらしきものを見る。
もしかしなくても、この女性が殺したんだよな…?
落ち着いてトカゲを見ればかなり大きいことが分かる。
立たせて見れば女性と同じぐらいの大きさだと思う。
もしかして…異世界?…いやっ!まずは持ち物の確認からだ!
ほとんど現実逃避気味に体を弄ると腰の後ろには、革で作られたであろう飲みかけの水袋と、小物入れのバック、それから左腕の皮の防具のところには隠しナイフのようなものがあった。
小物入れのバックの中にはお金らしき硬貨と未知の言語で書かれたカードが入っていた。
……え?これだけ?
いくら体中を探しても食料は出てこないし、情報源も一切なし。
ど…どないせっちゅうねん…
あまりにもあんまりな現実に頭を抱えること20秒。
「あぁ…そういうことか」
唐突なひらめきに思わず声が漏れる。
きっとこの女性は殿で、トカゲが死んでる逆方向、つまり女性の後ろ側を歩いていけば誰かに出会えるのでは?
その事実に行きつき、大慌てで地面に置いた道具を戻し走ろうとする。
しかし、二歩目で後ろをちらりと振り返る。
……一応、保険をかけとくか……
そうして、自分は洞窟を早歩きで進んでいく……雑に切り取った