元パソコンの美少女と300年後の不思議な世界で生きるだけ   作:囚人番号虚数番

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村の生活

村の狩人になる、そう考えて1か月経過した。村長は俺が狩人を兼任するのを必ず同行者と一緒で仮に向かうという条件で許可してくれた。と同時に彼女は村に人が増えたらでいいので必ず後継は用意してほしいととも依頼してきた。勿論そうするつもりだ。

 

さて、話は終わりだ。今日も村の為にアニマの採取に出かけよう。時刻は朝、窓から差し込む光と共に目を覚ます。体を起こすと下半身が重い。布団の上を見ると裸のスピカが体の上に乗っていた。ベッドならちゃんと人数分用意出来た。スピカの分もちゃんとある。だが寝相がとんでもなく悪いらしくいつも朝になるとベッドにはいない。

 

彼女を頭を叩いて起こす。眠りながらうっとおしそうに尻尾を動かすだけで起きない。仕方ないので肩を持って引き剥がす。その時に尻尾が痛いが気にしない。彼女をベッドに放置してリビングに向かう。朝食のいい匂いが漂ってくる。

 

「おはようございます、マスター」

 

テーブルには朝食の準備が出来ていた。今日のメニューはベーコンにパン、サラダだ。席に着くとリナが茶を入れてくれる。素朴で美味しいご飯だ。ただこの世界に来てから毎日似たような料理ばかりなので少し飽きてきたかもしれないな。贅沢だろうか?今度図書館で料理の作り方を学ぶのもいいかもしれない。例えば昔の料理とか。そんな事を考えつつ食事を進める。食べ終わる頃には皆が起きてくるだろう。

 

味は、おいしい。

 

 

 

「ごちそうさま」

 

食べ終わると食器を流し台に置く。自分の食器なら自分で洗おうかと思ったがリナが少しに済ませていたので残りを一緒に洗う。食事は基本彼女が作る。たまに俺も彼女と代わるが料理の腕は彼女に負ける。家事全般が得意な彼女だが特に料理に関してはプロ級の腕名のかもしれない。願望含めそうすることにした。

 

その後食後のお茶を飲み終えると外に出かける準備をする。着替えをして武器の点検をした後に家を出る。外は暖かな陽気に包まれていた。朝日を浴びながら体をほぐし、準備運動を行う。

 

軽く走ったり屈伸したり柔軟をしたりと色々やっていると家の扉が開かれる音が聞こえたので振り返った。

 

「ぐぅぅ……」

 

そこには大きな欠伸をしながら出てきたスピカがいた。まだ眠たいのか目元をこすりながら出てくる。口も彼女に用意した分を食べたのか口の周りが酷い。リナがすぐに飛び出して代わりに口を拭く。

 

「ぬぐー!」

 

「はいはい、暴れない」

 

字面だけなら母と子の行為にも見えなくはない。実際もまあそう見えなくも無いが片方はSFでもう片方は獣人っぽい全裸+拘束具付きの少女。いびつな光景に他ならない。横目で彼女らを眺めつつ最近の日課の朝の体操をする。

 

「貴公、精進しているな」

 

「狩人……ベートさん、おはようございます」

 

青い汁を垂らす何かを持った狩人さんが声をかける。昨日の狩りで生体アニマを入手し加工用にここに置くために来たそう。

 

「リナに渡しておきます」

 

「新鮮なスクラップの腸だ。有効に使うように」

 

「今日は狩りに行くんですか?」

 

「今日は少し大きめの仕事となる。今度来る貿易商の為に街道沿いでの狩りだ。念の為リナも連れて貴公も来い」

 

今日は数日振りの狩りのお誘いだ。あれから銃の練習や狩りで俺の戦闘能力は少し向上した。最低限の銃の扱いと理論値と誤差程度に当たる銃の腕前には成長した。

 

銃を使用した感想は扱いやすく見た目の割に高火力。猫程度の頭なら簡単に吹き飛ぶ。拳銃自体の大本が古い型であり目を引く無限弾の装置以外にも改造したらしい。連射も効くし物量を無理やり撃つスタイルで意外と上手く獣を狩っている。

 

「はい!」

 

俺はすぐさま準備運動を止めリナを呼びに行った。

 

ーーー

 

 

日が少し上がり始めた時刻、村外れの森には銃声が響いていた。

 

「ベートさんて何で他の人を貴公って呼ぶんすか?あ、当たりました」ターン

 

「依り代の使用者に尋ねる他ない。リナ、3体目の死亡確認」

 

『カメラ飛ばします……はい、息はありません』

 

狩人改めベートさんが後方で指示を出し、俺が狙い銃で撃つ。そこにリナが浮遊装置のカメラでサポートする。狩りを初めて5日ほどで俺が提案したやり方だ。ベートさんの正確な指示は役に立つ。季節ごとの環境からスクラップの行動を予想し実際に彼の言うとおり必ずそこにはスクラップが存在する。

 

そこを俺の不十分な銃の腕で射貫く。幸いこの辺りの「的」は比較的大きい。銃弾は無限だ。装填速度的に連射には限りがあるものの無視できる程度で当たる。リナには精度に欠ける、と苦言していたが。事実だし何も言えない。

 

リナは今は自宅だ。カメラだけを飛ばして遠隔で観察をしてもらっている。通信機をベートさんが持ち必要な情報を渡す。元々彼女はこういう立ち回りが担当の為情報は素早く正確だ。

 

一見問題の無いこの3人での狩りだが同時にベートさんはあと一人近接担当が欲しいそうだ。

 

「今回もいい出来だな。流石の腕前だ」

 

解体を終えた肉塊を眺めながら彼は言った。今回は2体分のアニマを確保した。さっきまで生きていたスクラップが解体されていくのを見ながらふと思った。

 

「ここまでの速やかな進行がスピカの猟犬としての運用が出来れば更によくなるのだがな」

 

彼女は人より耳と鼻は効くには効く。日常生活で例を挙げると2つ先のドアの向こうの音を聞き取ることは出来たり食物を取ってきた時だけ玄関で迎えたりといった事は出来る。

 

しかしそれ以上に野生の側面が強いらしく未だ自分たちにすらあまり心を開いていない。最近は暴れることは無くなり拘束を緩めても無愛想には変わりない。近づこうとすると逃げられるしスクラップの前には連れていくことすらいまだ出来ていない。

 

「そうですね。因みに本人は今何してる?」

 

『家の裏で小鳥を追いかけています。今槍で突き落としました』

 

「最近暴れないし自由にしてみてからアイツ凄いよな」

 

話している間にも生体アニマを回収し次の準備をする。今日のノルマは8匹でこのペースなら半日もすれば帰れるだろう。アニマを回収して今日はリナと何昼食に作ろうかと考える。スクラップ以外の狩りは最近行っていない。今までの獲物の数からそろそろ動物を何匹か狩るのもいいだろう。

 

『帰ったら今日はパイを作りますか?昨日貰った果物で作れますよ』

 

「いいね。そうしよう。ベートさんも要ります?」

 

「ああ、一切れだけ貰おう」

 

『狩人さんにまで頼られたらますます責任重だ……きゃっ!ちょっとスピカ!』

 

突如、通信機に異変が。

 

『ど、どうしました……急に部屋の隅で縮こまって……?』

 

「リナ……「状況説明を」

 

『いえ、スピカが血相を変えて家に戻ってきて怯えたように丸まっています』

 

……ここ1か月の動向から彼女は攻撃的にはなった事は何度もある。しかし以外にも明白に怯える、と形容される行動は無かった。今も前も彼女が何に怯えているのかは知らないが……何か嫌な予感がする。

 

と、同時に割り込むように別の通信が俺に来る。

 

『英雄様、現在は狩猟のお仕事中ですか』

 

「村長?どうしましたか?」

 

『たった今、村に隣町からの来客がありました。彼の街は大型のスクラップに襲われ半壊、支援の伝令の最中にも発見されてしまい今は満身創痍です』

 

「! じゃあそのスクラップは今……」

 

『大型スクラップは現在この村に移動しています』

 

俺は思わず銃を落としそうになる。街1つが壊滅するような敵がこの村も襲いに攻めてきてるだって。隣街はここより発展していると聞いた。それが壊滅する大型戦力はたった3……か4人のこの村に攻めてくる。何もしなければ壊滅は必至だ。

 

『あなた達にはスクラップの狩猟、あるいは防衛を依頼します。伝令から夜には討伐体がこの村に派遣される為時間稼ぎをお願いします。危険性は高いですが今はあなたしかいません』

 

「分かりました」

 

『頼みますよ。それでは……』

 

「待ってください」

 

俺は通話を切る前に最後に一言付け加えた。

 

「もし俺達が負けたらリナを連れて行って下さい」

 

『……』

 

「俺が必ず守るので。リナだけは安全な場所に逃がしてあげてください。彼女なら俺より上手くやれますから」

 

『……はい、分かりました』

 

俺は通信を切る。ふと、口走った言葉が何かフラグを含んだ遺言みたいだと気が付きハッとする。いかんいかん。縁起でもない。今はこの村は危機に陥っている。ならばがやるしかない。気を引き締め直し銃を構えなおす。

 

「貴公、よく依頼を受けてくれた」

 

ベートさんが話しかけてきた。顔つきが真剣になる。

 

「全ては彼女の言う通り、この村は危機的状態だ。これから命を懸けて戦う事になるだろう」

 

彼は銃を持ち上げる。彼は迷いなく討伐を受けるつもりなのだろう。

 

「だが、いざとなれば私を置いて逃げ出せ。それも駄目なら村長に連絡をするといい」

 

そう言って彼は木々の合間に向かって引き金を引いた。俺もそれに倣って銃を構える。が、しかし。突然視界の端で白いものが光ったと思えば爆発音が響く。俺達は驚き、すぐに音のした方向を向く。

 

そこには先ほどまではいなかった筈の、スクラップが居た。

 

その姿はまるで戦車のように巨大な姿だった。しかし形は今まで見てきたどのものとも違い角ばっており全体的にシャープなシルエットをしている。色は青白く、鈍色だ。一般的な単語で形容するのならドラゴンであろうか。竜というには少し歪ではあるが。

 

こちらを見つけたらしいスクラップは即座に砲身を向けようとする。まずい!と思った矢先には既に発砲していたベートさん。その銃弾は見事に命中するも、相手の装甲を貫くには至らなかった。だが、スクラップもこちらの気配を感じ取ったのか、即座に照準を合わせてくる。

 

 

 

『……っあ!聞こえますか!通信が途絶えたと思ったら強力なスクラップの反応がしました。マスター、平気でしょうか?』

 

通信がリナに切り替わる。

 

「ああ、平気だ。だが今から暫くは保証は出来ないぞ」

 

『マスター!?発言の意図を教えてくださいっ!』

 

「今から戦闘だ!お互い死にたくなければ全力でサポートを頼んだ、リナ!」

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