ソードアートオンライン~デッド・オブ・グレートセイバー~   作:榛野 春音

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少し投稿期間が空いてすみません!!!

今回は、本文の最後に私オリジナルのエリウの挿絵があります!
ぜひ見ていただけたらと思います・・・・あまり上手ではないかもですけど。

まあ、そんなこんなで最新話です!それではお楽しみください!!!!!


記憶と青眼

エリウは、夢を見た。

それは、けして遠くない過去だった。しかし、このデスゲームで日常をおくる内、それは自然と遠い日のことのように思われる。

そして、目覚めたエリウは一言吐き捨てる。

「はっ・・・・くだらねぇ。」

 

 

 

 

 

 

2024年10月

第74層・迷宮区

 

キリトの後をエリウはこっそりと尾行する。

もちろん[ファントム]を使用した上での尾行だ。

キリトを追尾するのは、久々だ。

正直な話、キリトはエリウの影なるサポート無しでも十分過ぎるくらいの実力を付けていた。

「んじゃぁ、なんでこんなことするんだ?」

ふと、横からコソッとした小声が響く。

横に目をやると、そこには先日仲間となったレックスがいる。

割に長身で髪を逆立て、額当てを目元ギリギリまでしていて目の表情が読みにくい。和風武装に腰には一本の太刀。そして、扱うのはユニークスキル《怨血刀》。切り口の広がるクリティカル連鎖型のスキルだ。

そんなレックスも今は、エリウの[ファントム]にあやかって姿が消えている為、周りからは見えていない。

「エリウ。なんでだ?」

レックスの言葉にエリウが答えようとしたが、第三の声がそれに答えた。

「そりゃな。レックス。あんたも男ならわかるんじゃねぇの?あんなけしからん状態のビーターをエリウがほっとくわけねぇじゃん。つか、知り合いだったらビーターじゃなくてもこうしたろうな。」

その声の主ことアルトラウスは、眉間に皺を寄せてワナワナと小刻みに震える拳を抑えつつ、キリトの方を見ている。

 

お前もわかっていたか・・・・。

 

エリウもため息をつき、キリトに視線をおくる。レックスもなるほどといわん顔になりキリトに目を向ける。

 

何がけしからんかと言えば、キリトの横にいる人物だ。

あれは、かのギルド[血盟騎士団]副団長のアスナだ。

要はこうなのだ。

キリトは最近アスナと攻略する日が増えている。男女二人でパーティーを組むというのはすなわち、リア充を意味しているのだ。ただでさえリア充と聞くだけでちょっぴり羨ましいのに、あの超絶美人のアスナとパーティーを組むとは・・・・うらやまけしからん!恐るべし黒の剣士キリト!

すると、やっとレックスも理解したようでなるほどというように「ほっ!」と小さな声を上げる。

それを見たアルトラウスは、鼻で笑う。

そんな二人にエリウは、少し不機嫌な声で言った。

「行くぞ。」

 

 

 

一時間後

 

キリトとアスナは、ボス部屋に到達した。その流れに便乗したエリウ達もマッピングを完了させることができた。

「ちょっとだけ、確認していこう。」

キリトの言葉にアスナは頷く。二人は転移結晶を片手にボス部屋の扉へ向かう。

エリウ達も二人に続く。もちろん姿は見えていないので、キリトとアスナには見えていない。

「じゃあ。・・・・開けるぞ。」

キリトとアスナは、ゆっくりと扉を開いた。

 

 

そして、キリト達は七十四層ボス、グリームアイズとご対面したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわああああ!!!」

「きゃああああ!!!」

キリトとアスナは、グリームアイズを前に一目散に逃げ出した。

 

「お前ら頼む。」

エリウは、アルトラウスとレックスに囁いた。

「へいへい。」

「了解。」

アルトラウスとレックスは、それぞれ返事をしてキリト達の後を追った。

二人が去った後、エリウは、ボス部屋の門の前に腰を下ろした。

「なんでここに留まるの?」

突然にストレアの声がして、背にある大剣[デッド・オブ・グレートセイバー]が発光してエリウの前で人の形を取る。

エリウは、ストレアを一瞥し静かに言った。

「戦場での感さ。なーんか良くない気がしてな。」

 

そう戦場での感。それは、このゲームでの百戦錬磨からの感ではない。ずっと、昔から培ってきた感だ。

 

「戦場での感?それって、このゲームでの感?」

ストレアの疑問にエリウは、遠くを見るような目で口を開いた。

「いや違うな。本当の戦場さ。」

するとストレアは、よくわからないといったふうな顔になる。

「どういう意味?」

エリウは、暫しストレアの疑問に答えるか否か迷う。

しかし、パートナーである以上これはいつか言うべきなのかもしれない。例えそのパートナーがAIだとしても・・・・。

エリウは、遠くを見たまま言った。

 

「俺さ、このゲームの始まる一年半前まで少年兵だったんだ。」

 

ストレアが息をのむのが分かる。驚きだ。電脳でもそのことの重大さを理解しているのだ。

エリウは、続けた。

「俺は日本人の親から生まれたけど、生まれたのは外国の紛争地域なんだ。たしかイラクあたりって聞いた。紛争地域の支援団体で働いていたらしい両親は、俺が生まれた日に射殺され、残された俺は偶然通りかかったテロ集団に拾われた。それから俺は5歳までテロ集団に育てられたんだ。でも、テロ集団だけにすぐに弾圧されちまって。また残された俺は、今度は反政府側の少年兵団に入団して生きた。10歳になった時、戦場で俺みたいな赤ん坊を拾っちまったんだ。そしたら、えらく叱られてさ。せっかく助けた赤ん坊もその場で殺されて・・・・頭きたから、全員打ち殺してやったんだ。そして、また一人になった俺は、ある武器商に雇われた。そいつとその仲間は、エラく優秀でな。俺はいろいろ学ばしてもらったよ。そして16歳になった時、そいつらの融資関係の仕事で日本に来たんだ。あいつら唐突に言ったんだ。俺達のことはいいから日本で暮らせって。判断に迷った挙げ句、俺はリーダーの国籍の大使館を通して日本に帰国したわけさ。それからは、社会保障やら何やらとアルバイトで食いつないで、かつがつ高校にも通った。それでも戦闘で生きてきた俺は、戦えないストレスのはけ口を求めてな。・・・・結果、日本に帰国して一年半で、俺はSAOっていう仮想の戦場に囚われたのさ。だから、戦場での感ってのは今まで歩いたリアルな戦場での経験からってわけ。」

そこまで話した後、しばしの沈黙があった。

「・・・・ごめんエリウ。」

そう言ってストレアは、うつむいて黙ってしまう。

 

まぁ。当然の反応だな。こんな話をきいてそれ以外の反応を返せる奴なんざいないだろう。ましてやAIに・・・・。でも何にせよ。この気まずい空気をどうにかしなければならないな。

 

「気にすんなよ。いつか話すつもりだったし。・・・・つか、気負いするとからしくねーぞ。」

エリウの言葉にストレアは、小さく頷いた。

「うん・・・・ごめん。あと、ありがとう。」

 

その時、突然にエリウの目の前にメッセージ通知が表示される。

レックスからだ。

エリウは、メッセージを開く。

 

『エリウ!キリトが!キリトが!・・・・アスナの手作りサンドイッチを食ってやがる!イチャイチャしてやがる!』

 

なんですと!?

 

すると、もう一件メッセージが届く。次はアルトラウスからだ。

 

『あいつら一発殴っていいか?』

 

許す。

なんてな。

 

エリウは、小さく笑って立ち上がる。

「行くぞストレア。あのけしからんカップルを叩きに行くぞ。」

すると、ストレアはクスリと笑う。

「もぅ。エリウは嫉妬深いなぁ!エリウには私がいるじゃん。」

「はっ!ぬかせ。」

エリウは、そう言ってストレアを大剣に変えて背負う。そして、解いていた[ファントム]を再発動させて、キリト達のいる方へと走った。

 

そしてエリウは、心で呟く。

 

ひとまず、キリトは一発殴ろう。

 

 

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

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