ソードアートオンライン~デッド・オブ・グレートセイバー~ 作:榛野 春音
次話辺りにアルトラウスとレックスの挿絵書きたいと思います!!お楽しみに!
あ、いい忘れてましたが、土曜・日曜・祝日はほとんど投稿できません。
それでは最新話をお楽しみください!!!
1
けしからん。
その一言に尽きる。
エリウは、物陰からキリト達を眺める。
実にけしからん。
なんだあのバカップルは!あからさまにイチャつきよってからに!
エリウが拳を握りしめると、アルトラウスとレックスが歯ぎしりするのが聞こえてくる。
その時、エリア移動のゲートからある団体が出てくるのか見えた。キリト達が警戒したのがわかる。
エリウもいつでも飛び出せるように構えるが、現れた集団を見てホッと肩の力を抜いた。
なぜなら、その集団はよく知った連中だったからだ。
先頭にいる男は、和風武装に赤いバンダナをつけている。
クラインだ。
現れたのは、ギルド[風林火山]のメンバー達だった。
クライン達は、キリトを見るなり声をかけた。
「おぉ!!キリトじゃねぇか!」
「クライン・・・・まだ生きてたか・・・・。」
うわっ・・・・キリトひでぇな。
「んだよぅ。キリト。相変わらず無愛想な奴だなぁ~。」
クラインはその言葉を気にするふうでもなく、キリトに近づいていく。
キリトは、どこか気まずそうな顔になる。
そこから先の会話こちらからは、よく聞こえない。
エリウ達は、仕方なしにキリト達のジェスチャーで内容を予測せざるをえなくなる。
おそらくキリト達は、アスナの紹介などをしているのだろう。
と、急にクラインがキリトに殴り飛ばされた。
「「「「リーダー!!」」」」
ギルドメンバー達が叫び、キリト達を囲む。
え?なんかやばくね?
が、次の瞬間。
「「「「アスナさんじゃないですか!!!」」」」
ギルドメンバー達は、一斉にアスナに近付こうとする。キリトはそれを一心におさえる。
と、起き上がったクラインがキリトの足を踏みつける。
すると、アルトラウスとレックスが突然キリトに向かって駆け出した。エリウの効果にあやかっている故、エリウにしか二人は見えてないから心配はないが・・・・あの二人は、何を・・・・。
アルトラウスとレックスは、一気に揉み合うキリト達の輪に入り、どさくさに紛れてキリトの足を踏みつけた。
ガキか・・・・。
エリウは、ため息つきつつも戻ってきた二人と無言のハイタッチをかわす。リア充許すべからず。
その時、
重そうな金属音が当たりに響いた。
キリト達が動きを止める。
音のする方を振り返ると、そこには重装備の一団がいた。
あれは、・・・・アインクラッド解放隊?あれ解放軍になったっけ?第一層を拠点にしてるキバオウ中心のギルドだよな?
すると、先頭の男が部下達に休憩を言い渡す。部下達は、崩れ落ちるようにその場に座り込む。
かなり消耗しているようだ。
先頭の男は、キリト達に近づいていく。
「私は、アインクラッド解放軍のコーバッツ中佐だ。」
それに対し、キリトも何か言う。多分自分も名乗ったのだろう。
あまりにコーバッツの声がデカくて、キリトの声が更に小さく聞こえる。
コーバッツは、続けた。
その後は、マッピングデータよこせとかなんとかで少し揉めていたが、キリトがデータを渡すことでおさまった。
先に進もうとするコーバッツにキリトが叫ぶ。
「ボスにちょっかい出すのは、止めた方がいいぞ。」
しかし、コーバッツはそれを聞かない。
「それは、私が判断する。」
「さっき見てきたが生半可な人数でかなう奴じゃない!部下達も消耗してるじゃないか!」
だが、コーバッツは逆に声を荒らげた。
「私の部下達は、この程度で音をあげるほど軟弱者ではない!!!!」
そして、コーバッツは無理やりに部下達を連れて先に行ってしまった。
それを見たエリウは、一言。
「行くぞ。」
アルトラウスとレックスはコクリと頷いた。
正直ああいう類のバカは死んだ方がましだ。だが、人を守る為に戦いたいと願うエリウはコーバッツ達を見捨てることは出来なかった。
エリウ達は、コーバッツを追った。
そして、エリウは苛立ち気味に呟く。
「ったく。少年兵が聞いて呆れる。」
2
コーバッツは、やっぱりバカだ。
奴はなんの躊躇いもなく、ボス部屋に突入した。
十人ちょっとで勝てる訳なかろうに・・・・。
エリウは、ボス部屋の隅でいつ出るか様子をうかがっていた。
「うわああああ!!!!!!」
グリームアイズのブレスを受けて、コーバッツ達が転がる。
まだ彼らのゲージは半分はある。まぁまだ危険とは言えない。一方グリームアイズのゲージはほとんど削れていない。
あいつらのピンチも時間の問題か・・・・。
その時、
「何をしてるんだ!早く転移結晶を!!!」
ボス部屋の入り口から声が響く。
キリトか・・・・あいつもお人好しだな。
見るとキリトの横にはアスナもいる。そして、少し遅れてクラインが現れる。
キリトの言葉を聞いたコーバッツ達は、結晶を手にするが使用出来ない。
結晶使用不可エリアか・・・・。
グリームアイズは、そんな彼らに巨大な剣を振り下ろした。
「うわああああ!!!!!!」
彼らのゲージがレッドゾーンに達する。
そして、
「あ・・・・有り得ない・・・・。」
そう呟き、コーバッツがポリゴン化して爆散した。
しばしの沈黙、しかしすぐに別の叫び声が当たりに響いた。一人のプレーヤーがグリームアイズに狙われている。
すると、
「だめよ・・・・だめえええ!!!!!!!!!」
突然にアスナが飛び出した。
「アスナ!」
キリトも飛び出した。
「ああ!もう!どうにでもなれ!!!!」
クラインもそれに続く。
やれやれ・・・・ここまでか。
エリウは、ゆっくりと立ち上がった。ストレア、アルトラウス、レックスも合わせて立ち上がる。
四人は、素早くプレーヤーとグリームアイズの間に入り、[ファントム]を解いた。
「っ!!!!」
突然の四人の出現にグリームアイズとキリト達、解放軍の全員が動きを止めた。
「・・・・君達は?」
プレーヤーが呟くが、エリウは答えない。その代わりに右手を横に出して言った。
「いくぜストレア。暗黒点飛ばすぜ!」
「うん!」
ストレアが発光し[デッド・オブ・グレートセイバー]に変身する。
エリウがそれを片手で構えると、レックスも刀を抜き逆手に構える。アルトラウスもゆっくりと剣を抜いた。
そして、エリウ達を飛び出した。
刹那
グリームアイズの右足、両方の角が切断されて消える。
右足をエリウ、角をレックスとアルトラウスが斬ったのだ。
グリームアイズのゲージがガクリと削れ、片足を失った故にバランスを崩して倒れる。
エリウは、すぐさま叫んだ。
「クライン!風林火山全員で解放軍を外へ!ここは、俺達がケリをつける!」
すると、クラインは弾かれたように我に帰る。
「おっおう!たのむぜエリウ!」
クラインは、遅れてやってきた風林火山全員で解放軍の救出作業を始めた。
キリト達に目をやると、今起こったことが理解できないというような顔をして放心している。
エリウは、二人に声をかけた。
「お二人さん。三人じゃキツい。手伝ってくれよ。それにあいつが再生するのは、時間の問題だしな。」
すると、アスナが口を開く。
「あなたは、確か第一層の攻略で・・・・」
「説明は後だ。・・・・あ、そういえばキリトくんよ。時間稼ぐからアレ使えよ。力の出し惜しみしてる場合じゃねぇよな?」
エリウは、そう言ってスキルモーションに入る。
《アブソリュート・セイバー》固有三連撃技[トライデント]。
三つ叉の閃光が飛翔し、再生して立ち上がろうとするグリームアイズを貫いた。
グオオオ!!!!
グリームアイズの砲口が響く。
再び倒れるグリームアイズを横目にエリウは、キリトに言った。
「ユニークスキル《アブソリュート・セイバー》。」
キリトが目を見開く。
すると、アルトラウスが大声をあげる。
「刮目せいや!俺のユニークスキル《記憶剣》!!!」
言うなり、片手直剣で発動せざるはずのスキルを発動する。
細剣固有突き技[スタースプラッシュ]。
レックスも吼えた。
「ユニークスキル《怨血刀》!!」
そして、スキルを発動させた。
《怨血刀》固有三連撃技[斬月華]。
逆手に握った刀を左右から横斬り二撃と最後に切り上げ。直後、切り口が広がりグリームアイズ全身に傷がつく。
グオオオオオ!!!
そこまで見たキリトは言った。
「アスナ!あの人達と時間を稼いでくれ。十秒でいい!」
「わかったよ!キリトくん!!」
アスナは言うなり、駆け出した。
エリウもキリトと微かに目配せしてグリームアイズに向かった。
全員を救出したクラインも戦いに混じる。
エリウがグリームアイズの攻撃を筋力のみで受け止めた時、
「いいぞ!アスナ!スイッチ!」
そい言って、キリトは飛び出した。
エリウは、ニヤリと笑った。
遂に御披露目だな。
キリトが左手を背に回す。するとそこにもう一本の青い剣が出現する。
「うおおお!!!」
キリトは、二本の片手直剣でグリームアイズを切り裂いた。
エリウ以外の全員が目を見開く。
キリトのユニークスキル《二刀流》だ。
キリトは、剣を交差して反撃に出たグリームアイズの剣を止める。
「アルトラウス!行くぞ!!!」
エリウが叫ぶと同時にキリトが言った。
「スターバーストストリーム!!!」
キリトの二本の剣が青く光り、キリトは物凄い速さで次々に斬撃を放つ。
「「アージェンティアストリーム!!!」」
エリウとアルトラウスも《アブソリュート・セイバー》固有十五連撃技[アージェンティアストリーム]を放った。
グリームアイズは、様々な方向から放たれる剣撃に動けなくなる。
「「「うおおお!!!!!!」」」
エリウ、キリト、アルトラウスの三人の雄叫びが重なる。
三人が最後の一撃を叩き込む。
刹那
グリームアイズが吹き飛んだ。
グリームアイズの巨体がボス部屋の壁に激突しボス部屋全体が振動する。
「やったか?」
キリトが呟く。そのゲージは既にレッドゾーンに達している。それはエリウとアルトラウスもしかりだった。動けないなりにもグリームアイズは、ちょいちょいと反撃をしてきていたからだ。
「まだだ!」
レックスの声が聞こえた。
見ると、まだグリームアイズのゲージは、レッドゾーンに達してはいるものの僅かに残っている。
「クソが!!まだか!」
アルトラウスが吐き捨てる。
その時、立ち上がったグリームアイズが見たことのないモーションを取る。
「「「!?」」」
全員が動きを止める。
ボスが大技を放つ際は、その攻撃の及ぶ範囲が表示される。その範囲を見たエリウは息をのむ。
全範囲だと!!??
慌てて回復結晶に手をかけるが間に合わない。
このモーションは、ブレス!?
その場にいた全員が死を覚悟した。
グリームアイズが口を開いた。
その時だ。
突如、ボス部屋に物凄い突風が吹き、風の刃が次々にグリームアイズを斬りつける。
グオオオオオ!!!
攻撃はキャンセルされ、グリームアイズがスタン状態になった。
誰もが驚いて、振り返る。
そこには、ひとりの少年がいた。
「やぁエリウ。約束果たしに来たよ。」
「ソルモ!!!」
七十層ボス部屋以来見ていなかった細剣のユニーク使いは、ニコリ笑う。
「僕のユニークスキル《削魂守》は、完成したよ。守りは任せてくれ!」
それを聞いてエリウは、ゆっくりと剣を構える。
キリト、レックス、アルトラウス、アスナ、クラインもそれぞれが剣を構えた。
「「「「「「うおおおおおお!!!!!!」」」」」」
全員が叫び、一斉にスタン状態のグリームアイズに飛びかかった。
数秒後。
グオオオ
グリームアイズがポリゴン化して爆散する。
勝ったのだ。
キリトが気を失って倒れるのが見える。
エリウも倒れかけるが誰かに抱きとめられる。
ストレアだ。
「お疲れ様。」
ストレアの優しい声にエリウは、フッと息を吐く。
そして、エリウは目を閉じて言った。
「あぁ。ありがとうストレア。」