ソードアートオンライン~デッド・オブ・グレートセイバー~   作:榛野 春音

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すみません。忙しいので前書きは省略させていただきます!






相棒の復活

 

エリウは、皆にジョニー・ブラックの件について語った。

予想通り、クリスハイトこと菊岡は、ジョニーを重要人物であるとの見方を示した。それについては、全員が同意見を述べた。

 

しかし、一つ問題が・・・・

 

「やはり、アンノウンか」

ジョニーのアバターの特徴を話した結果、クリスハイトの口から出たのは例の新種族の名だった。

「だとしたら、かなりの数がいるな。ブッ倒すにしても、こちら七人じゃ無理があるくねぇか?」

そこだった。

アルトラウスのセリフにエリウとクリスハイトが頷いた。

 

必ずとは言えないが、敵がアンノウン全軍に浸透している可能性は十分にある。

ゆくゆくは、正面激突は避けられない状況上、数が少ないエリウ達には圧倒的に不利である。

「この際、管理者側に問い合わせてアンノウンを一時封鎖しちまえば?その間にザ・スティールを見つければいいだろ?」

レックスが不意にそんなことを言ったが、ルリカが首を振る。

「無理ね。忘れたの?アルヴヘイムオンラインは、調査中の須郷のゲームよ?下手に接触したらキリト達の作戦に支障を来すわ。それにラフ・コフの連中なら、例えアンノウンを封じられても別アバターで出て来るだけよ」

「そっか・・・・確かにな」

レックスがこめかみに手を添えて考える。

すると、ソルモが言った。

「それにさ。ザ・スティール自体もそうそう簡単には見つからないと思うんだ。やっぱり向こうが動き出すのを待つしか無いんじゃないかな?」

その言葉に全員が頷きかけた時、エリウが言った。

「いや・・・・あてはある」

すると、クリスハイトがピクリと反応を見せる。

エリウは続けた。

「確証はねぇ。でもさ。普通に考えたらさあるだろ?アインクラッドにあたる根の部分がこっちにもよ」

「世界樹の地下・・・・ということ?」

ルリカの呟きにエリウは頷く。

「世界樹って、あの央都アルンにあるやつ?確かグランドクエストがある・・・・」

アールが言うと、アルトラウスが言った。

「でもよ。だとしても世界樹に突入するなら、やっぱりそれなりの数がいるだろ?なんか、ガーディアン的な奴ら沢山守ってるらしいじゃん?」

「そうだな・・・・結局のところ問題は、戦力か」

エリウが呟くと、アールが言った。

「他種族のとこ回って、協力依頼するってのは、・・・・・・無理があるかしら?一応事情は伏せて、世界樹攻略を名目に」

エリウは、少し考えるが直ぐに手をプラプラと振る。

「無理だな。俺達みたいな得体の知れない連中に協力してくれる連中はいないだろうからな」

すると、アルトラウスが天を仰ぐ。

「あぁクソッ!せめてユニークがあれば、一騎当千なのによ!アンノウンだろうと、これまでの力さえあれ・・・・」

そこまで言って、アルトラウスは、しまったと口を閉ざした。

その場にいたエリウとクリスハイト以外の全員が気まずそうな顔をする。

 

何故か。

アルトラウス達は、ソードアートオンラインクリア後、ストレアが消えた事を聞いてからは、極力ユニークスキルについては触れないようにしていたのだ。それは、仲間を失った悲しみ故と、相棒を失ったエリウへの心遣い故だった。

 

しかし、エリウの反応は違った。

「ユニークスキル・・・・これまでの力・・・・そうか!もしかしたら!」

弾かれたように立ち上がるエリウに全員が不思議そうな視線を向ける。

 

エリウは、静かに言った。

「ザ・フォース起動」

すると、突然にエリウの体が発光し目の前に一般のウィンドウとは明らかに違うものが出現する。

「頼む・・・・」

そう言ってエリウは、その特殊なウィンドウに手をかざした。

すると、ウィンドウが消え変わりにエリウの目の中で数字の羅列が物凄い勢いで流れた。

 

そして、

エリウは呟いた。

「凍結プログラム停止。対象を解放し、アルヴヘイムオンラインにインストール」

 

次の瞬間。

 

エリウ達の前に眩い光の球体が出現する。その球体はふわふわとエリウの近くに漂って行く。

 

球体は、それからみるみるうちに人の形へと変化し、色を帯びていく。

 

現れた人物を見て、仲間達が絶句する。

 

エリウは、現れたセミロングの少女をそっと受け止めた。

 

受け止められた少女は、震える声で言った。

 

「ただいま。エリウ。みんな」

 

その今にも泣き出しそうな笑顔を真っ直ぐに見つめ、エリウはそっと呟いた。

 

「お帰りストレア」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こいつは・・・・どういう?」

アルトラウスがえらく同様した様子で言った。

他の皆も似たような反応を見せ、エリウとそのそばに立つストレアに視線を向けた。

 

エリウ自身もあくまで可能性程度しか、信じては居なかった為少し驚いていた。

それでも、咳払いを一つして話始めた。

「えっと・・・・これはな・・・・・・」

 

そして、エリウは茅場の最後の言葉と受け取ったザ・フォースについて皆に話した。

とは、言ってもザ・フォースの機能はまだまだブラックボックスに近い。たまたま起動時の基礎コマンド覧にストレアの解放があったから使用できただけで、他に何かしろと言われても、基礎コマンド外のことは無理だ。しかし、茅場本人の口から「これからの力」も詰まっていると言われただけに、いつかこれを解析して使いこなす必要がありそうだ。

 

一通り話終えると、しばしの沈黙がある。

 

が、直ぐに全員のため息で沈黙は破られた。

「ったく。早く言えよ。気使いすぎて損したろうが」

そう言ってレックスがニヤリと笑う。

ルリカも笑いつつ、口を開く。

「そうね。ほんとアンタって、聞かないと言わないのよね」

その言葉に全員がフッと笑みを浮かべる。

そこで、ようやく状況が把握できてなかったクリスハイトが口を開いた。

「ストレア・・・・なるほど。彼女が茅場先生の作ったAIの・・・・いや、これは驚いた。雰囲気も感情も言葉も人間そのものじゃないか」

すると、ストレアはクリスハイトを見てから少し考えるような顔をする。

そして、いきなり敬礼をする。

「菊岡二等陸佐!はじめまして!ストレアです」

それを聞いてクリスハイトは、目を輝かせた。

「いやいや。そんな敬礼なんてやめておくれよ。ははは。いやあ、これは驚いたね。瞬時にそこまでの情報を引き出せるなんて・・・・どうだい?総務省の仮想科でバイトしない?」

「ふふふ。それは結構ですクリスハイトさん」

一瞬、割り込むか考えたエリウだったが、ストレアは思いのほかあっさりと断った。

残念そうなクリスハイトに苦笑しつつ、エリウは皆の方を見た。

「つぅわけで、話戻すけど、ザ・フォースで今から皆のユニークスキル戻すから戦力に問題は無くなるな?」

その問いに全員が頷く。

それを確認したエリウは、作業を開始した。

 

 

数十分後。

 

エリウ達は、央都アルンへ向けて飛び立っていた。

 

戦力に問題が無くなれば、あとはザ・スティールをいち早く見つけることが重要になる。

故にまずは、可能性のある世界樹にてザ・スティールを探索する。

 

ストレアは、ひさびさのエリウにピッタリとくっ付いて飛んでいる。

何故か先程から女性陣から冷たい視線、男性陣からは殺意の目線が背後から突き刺さる。

何でだろうか?

それとも、気のせいか?

 

まぁ何にせよ。

力も戻り相棒も帰って来た。エリウに不安要素は無い。

 

あとは、ミッションをこなすだけだ。

 

エリウは遥かに見える世界樹を睨み、更にスピードを上げた。

 

 

 

×××

 

 

 

飛び立ったエリウ達を木の影から見つめる者がいた。

一人のアンノウンだ。

その者は、バイザー内にある連絡用マイクに向かって呟く。

「奴らが動き出したな。一人女が増えているが・・・・」

すると、返事がかえってくる。

『そうか。その女の正体も含めて、調査を続けろ。もし予定より早く着くならば、狩れ。奴らに邪魔されれば確実に失敗する。時間を稼げ』

「了解。・・・・しかし、あいつらの強さ的に足止めと言ってもたかが知れてるっすよ?」

その言葉に向こうから失笑が聞こえた。

『だろうな。なら、Pohとアナザーを向かわせよう』

それを聞いて、その者はニヤリと笑った。

「そりゃ助かる。んじゃ後は、頼んますわ」

そう言って、その者ジョニー・ブラックことヴォルバックスは、背にある魔導ブースターを蒸かす。

蒸かすと言っても、エンジン機関とは違う為爆音は響かない。

上空に飛び上がったヴォルバックスは、幻属性魔法の詠唱を行う。

詠唱がシステムに認識され魔法コマンドが発動する。

すると、ヴォルバックスの全身が揺らぎ大気に溶け込むようにして消えて行き、完全に姿が見えなくなった。

幻属性魔法[インビジブル・ボディー]だ。

ヴォルバックスは、笑みを浮かべるとバイザーを下ろした。

 

そして、一言。

「It's ShowTime.」

 

 

誰に聞かれるでも無いその不気味な呟きは、夜が迫るアルヴヘイムに溶けて消えていく。

 

闇の時間が始まった。

 

 

 

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