ソードアートオンライン~デッド・オブ・グレートセイバー~   作:榛野 春音

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書けたので、一週間たってないけど投稿しますww
挿絵は、もうちょとあとになります。


幻剣の追憶

1、

 

 2024年11月1日

 アインクラッド七十二層の夜のフィールドに私はいた。

 

 私は、ユニークスキル《インビジブル・セイバー》のカケラにして、自立知能プログラム。つまりはAI。

 名前は、フェリアラ。

 未だ主を定めない私は、ヒースクリフこと茅場晶彦に言われるままに不完全かつ歪な「人間」という種族の闊歩するエリアに現れた。

 

 そして、驚いた。

 

 モンスターの強さに。

 

 私は、権限コードを持たない為、ユイ姉様のような超常的な使えない。

 なんとか逃げ切った私は、木の影にそっと腰を下ろした。

 その時だった。

「何してんのアンタ?」

 不意に凜とした声が響き、私はふと顔を上げた。

 そこには、一人の人間がいた。

 性別は女。容姿は結構整っている。

 腰には、一本の片手剣。割と露出の高い格好だ。

「武器持たずにフィールド出るとか、自殺志願かしら?……悪いけど、そんなことさせないから」

 そう言って、彼女は私の手を掴むと私の言葉を聞くより先に歩き出した。

 

 これが私と私の主ルクシーナとの出会いである。

 

 それから3日後。

 私は彼女を主にするわけだが、正直なところ私は人間が嫌いだ。

 頭は悪いし、スマートじゃない。感情に流されるし、欲望を満たすためなら他人すら傷つける。

 そう思っていた。いや、実際今もそう思っている。

 でも、私は何故かルクシーナを「人間」を選んだ。

 ストレア姉さんに遅れを取りたく無かったわけじゃない。

 純粋に「人間」に興味を持ってしまったのだ。

 ルクシーナを見ていると、わがままで気取り屋で偉そうな口ばかり聞く。最も私が嫌いな種類だ。

 でも、それに負けないくらい温かい所があった。

 その後、ルクシーナを取り巻く人間に触れ合うことで、他の人間にもそんな温かい所が何かしらあるのだと言うことに気がついた。

 

 何故、温かいのか?温かいとは、何か?

 

 説明するには、まだデータと語彙が必要だ。

 しかし、確実に言えるのは、「それが人間だから」ということ。

 

 私は、もっと知りたい。彼女を人間を…………

 

 

 そう願った時、あの音が世界を壊した。

 

『ゲームはクリアされました』

 

 2024年11月7日。私達の短い旅が終わったのだと、そう思っていた。

 

 しかし、そうでは無かった。

 

 

 

×××

 

 

 ソルモとルリカは、驚いた。

「インビジブル・セイバー!?」

「ユニークスキルだって!?」

 驚愕する二人の前でウンディーネの女は、見えない剣を降る。

「私の名はルクシーナ。SAOサバイバーよ」

 そう言って、ルクシーナは二人にウインクして見せる。

 そして、すぐさまアナザーに向き直ると剣を構えスキルモーションに入った。

 アナザーが身構える。

「行くわよフェリアラ」

 ルクシーナが剣に語りかけた直後、

 赤い閃光がアナザーに迫る。

 それをアナザーは、紙一重で回避――――したと思われた。

 

 ズシュッ!!!

 

 アナザーの腹部が赤い閃光に貫かれる。

「バカなっ!?」

 アナザーの呻きも虚しく、そのHPは半分程消し飛んだ。

 剣を払うような仕草をして、ルクシーナが笑う。

「《インビジブル・セイバー》固有単発技[フェイクソニック]!」

 その一言にソルモとルリカは、納得する。

 その時、どこからか流れ弾の如く炎属性魔法がいくつか飛んで来る。

 それは真っ直ぐにルクシーナに迫っていた。

 ルリカは、素早く前に出ると拳を握る。

 

「この技、とっておきなんだからっ!!」

 

 虹色のエフェクトを帯びた拳が次々に魔法を砕く。

 

 

 アインクラッドにて体術スキルの派生により、かなりの底確率で手にできるエクストラスキル《絶界拳》。

 

 

 エリウ以外に見せたことがなく、更には披露する場がなかった為、知られていないがこれこそルリカのスキル的アイデンティティ。

 一瞬驚きを見せたソルモも、すぐに飛び出し剣を振りスキルを発動する。

 《削魂守》固有回転防御技[エアーフィールド]。

 黄緑色の風のシールドが残りの魔法を打ち消した。

 そして、二人はルクシーナと名乗るウンディーネの隣に並ぶと剣を構えた。

「援護します」

「僕のユニークスキルで守ります。ルクシーナさんは攻撃を!」

 すると、ルクシーナも頷いた。

「それじゃっ!お願いするわっ!!」

 言うなり、ルクシーナはアナザーに向かって飛び出した。

 二人もその後に続いた。

 

 

 その時、彼女達は気づいていなかった。

 

 

 アナザーが微かに微笑みを漏らし、とあるコマンドを実行したことに。

 そして、それはアナザーに限らず、世界樹を取り巻く全てのアンノウンに共通したことあった。

 

 

 アナザーは呟いた。

 

 

「デモンズ・フォーム。解放」

 

 

 

 

 

 

 

2、

 

 

 エリウは、歯を食いしばる。

 周囲には影の化物が次々とわき出てくる。

 行き着く間も無くそれを裁き、ガソールをザ・スティールに近づけさせないように攻撃し牽制する。

 目にも止まらぬ動きにガソールは、舌を巻いた。

「よもや、ここまでとはっ!!」

「なめんなぁああ!!」

 化物を突き刺し、回転し上下反転した状態で横スラッシュ。

 そこから、素早くスキルモーションを取る。

 《アブソリュート・セイバー》固有三連撃技[トライデント]。

 三本の閃光の槍がガソールを襲う。

 ガソールは、化物を盾にそれを防ぐが、トライデントはそれを貫通しガソールを襲う。

「なにっ!?」

 すれすれでそれを回避するものの、その間に接近していたエリウの斬撃がガソールにかする。

「おらあああ!!」

 エリウは、そこから立て続けに三撃四撃と斬りつける。

 ガソールはダメージエフェクトを煌めかせ、吹き飛んだ。

 壁面に激突したガソール。

 ガラガラと配管が崩れる中、ガソールは槍を突き出して、突進して来る。

 エリウも迎え撃つことはせず、ガソールに向かって突っ込んだ。

 激しい金属的轟音が響き、互いの剣撃がぶつかり合うことで衝撃波が広がる。

 つまぜり合う中、ガソールが言った。

「……いいだろう。現在、俺のHPは八割消えた。目的を語ろう」

「へぇ。約束守るんだ」

 そう言って、エリウとガソールは互いに距離を取った。

 

 暫しの間がある。

 

 ガソールは唐突に口を開いた。

「まず、アインクラッド。いや、ソードアートオンラインの真実から語ろうか」

 その言葉にエリウは目を細めた。

「真実?」

 すると、ガソールは首をコキリと鳴らす。

「エリウ。お前、俺が自由にアインクラッドにログインログアウトできたってのは知ってるよなぁ?」

「あぁ。クライアントから聞いた」

 エリウが答えると、ガソールは続けた。

 

「簡単に言えば、俺はソードアートオンラインを作った一人だ」

 

 その言葉にエリウの思考が停止する。

 まさか……。そんな一念が脳裏を駆ける。

 ガソールは、淡々と続けた。

「本来、ソードアートオンラインが茅場の意向にそって作られたなら、あのゲームにはアンダーバランスは存在しない。それにもう少し簡単だった。少なくとも、あそこまでの人間が死ぬことはなかったんだよ」

「どういう意味だ?」

「つまり、俺が難易度を密かに上げたんだよ。モンスターの行動のイレギュラー性、レベル、配置、クエストレベル、沢山いじったよ。なんでそんなことをしたか、それはな……」

 そう言って、ガソールはクルクルと槍をその場で弄び、しゃくを取る。

「ザ・スティールの完成のためさ」

「ザ・スティール?それの完成になんの関係が」

 エリウは、訳が分からず苛立ちの声を上げる。

 ガソールは、槍を止めて続けた。

「ザ・スティールは、自立学習し成長する次世代型のAIの試作品みたいなもんだ。そして、それを完成させるには膨大なデータが必要だ。そこで俺はソードアートオンラインのシステムにザ・スティールを置くための部屋アンダーバランスを作成した。そこでザ・スティールに膨大なデータの行き来するアインクラッド中の全てをモニタリングさせ学習させたわけだ。その際、より多くのデータを得る為にわざとアインクラッドにレベル操作という負荷を与えたわけよ」

 エリウは、その事実に言葉を失う。

「…………つぅことは、全て仕組まれてたってことかよ」

「全てじゃぁ無い。実際ユニークスキルの存在なんてゲーム完成まで、俺は知らなかったしな。まぁ、それはどうでもいい。ここからだよ」

 そう言って、ガソールは天を指した。

「どうせだ。少し飛ぼう」

 ガソールがブースターを吹かし、飛び上がる。

 エリウは無言でその後を追う。

 果てしなく高い天井を見つめながら飛ぶこと数分、ガソールは再び口を開いた。

「んで、ここからはザ・スティールを作る理由と、手に入れたい理由、つまりは今回の目的だ」

 そして、その場に止まったガソールは静かに言った。

「米軍上層部に潜り込んだ俺の知人が、ザ・スティール計画を発案したんだ。俺は、奴の全てに泥酔しててな。奴の命令なら命の有無すら厭わない。そんな奴が言ったんだよ」

 

 

「世界中のネットワークを破壊し、奪い、我々のものにせよ……とな」

 

 

 そう言ったガソールは、槍をグルグルと回転させ構えた。

 エリウも慌てて身構える。そして、引きつる顔で呟いた。

「……それだけなのか? そんな理由も知れない命令一つでお前は、動くのか?そして、SAOで何人もの人間をラフィン・コフィンを使って殺し、ザ・スティールに学習させたのかっ!答えろ!!!」

 すると、ガソールはその赤く爛々と光る瞳をこちらに向けて頷いた。

「そうだ。俺は、あの人の為になら、何だってやる。ラフィン・コフィンは良い道具となってくれた。今もただ楽しむ為に戦ってやがるぜ。…………でもまぁ、少なくとも、命令一つで何人も殺した少年兵にはぁ、言われたくないなぁ?」

「っ!」

 自らの生い立ちを暴かれ、エリウは息を呑んだ。

 ガソールが笑う。

 

「さぁて、話は終わったぁ!さっさとケリつけようぜぇ!白波エリウ!!!!」

 

 エリウは、歯噛みし己を落ち着かせる。

 

 奴の言うとおり、確かに俺は奴にとやかく言えたもんじゃ無い。

 でも、俺は変わった。今までの罪は消えないし、消さない。

 だからこそ、その罪の分だけ守りたい。

 仲間を、そして俺達の生きるこの残酷にも美しい世界を。

 

 決意を固めたエリウは、一瞬の脱力の後に静かにこたえた。

 

「そうだな。……終わりにしよう。ガソール。なんといわれようと、世界はお前らになんか渡さない。俺は守る刃でお前を、お前達を止めてやる!」

 

 

 両者の気迫がぶつかり合い、空気が震えた。

 

 

 今、ここに世界の命運を賭けた戦いが始まる。

 

 

 

 

 

 




感想くださいww

次回、ようやくクライマックスですねぇww
これからも頑張るので、よろしくお願いします!!
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