ソードアートオンライン~デッド・オブ・グレートセイバー~   作:榛野 春音

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お久しぶりです。ここ二年間SAOにつかまってました。すみません。
GGOの後日談ですが、GGO篇より先にやります。ネタばれ注意です。


オーディナル・スケール篇
ARMMORPG


 カーテンの隙間差し込む静かな朝日が、日本の日常に戻ってきたことを教えてくれる。

 

 GGO死銃事件の後、エリウは正式に日本に戸籍を置き部隊を引退した。

 これまでは、オーランド・エクス・ギア社の部隊員から契約兵となって仕事をしていたわけだが、保護者であるカミラーに正式な許可を貰い今に至る。

 改めて、SAO帰還者学校に通えることになったエリウは、一般の若者らしい生活を満喫していた。時々、菊岡から訳のわからない仕事を依頼されることがあるが、半分は受けて半分は捨てている。なんかアイツ、ことあるごとに将来はウチの部署に来ないかい? とか抜かして来るから怖い。あとキモい。

 

 小さく欠伸をしたエリウは、ゆっくりと体をベッドから起こすと、サイドテーブルに乗せてある輪状のガジェットデバイスを頭に装着する。

 耳元にある起動ボタンをタッチすると、視界にバーチャルチックな表示やアイコンが表示される。

 

《ようこそ、オーグマーへ》

 

 電子音が脳内に響き、ARデバイス[オーグマー]が起動した。

 

「最近、使う機会増えたな……」

 

 何気なくそう呟いたエリウは、チャットアプリの通知を確認する。

 通知は、三件。

 先頭にあるのは、ルリカからのメッセージ。あと二件は菊岡と書いてあるので、未読のまま非表示に切り替えて一覧から削除する。

 ルリカのメッセージをタップして確認する。

 

{今日、OS行ける?}

 

 またか。

 エリウは、やれやれとため息をつくと、返信を打ち込む。

 

{行ける。場所はいつものとこ集合でいいな?}

 

 打ち終えたエリウは、カーテンを開け外の景色を眺めつつ装着した[オーグマー]に触れた。

 次世代ウェアラブルマルチデバイス[オーグマー]。それまでのアミュスフィアなどのVRシステムとは異なり、ARつまり現実拡張システムを最大限に広げたガジェットであり、覚醒状態の人間に視覚、聴覚、触覚情報を送り込むことで現実拡張を可能にしたものだ。フィットネスや健康管理、ゲームを手頃に楽しめるツールとして一躍話題を呼んでいる。

 個人的な意見としては、フルダイブと比較するよりもオーグマーはオーグマーでの楽しみを見つけ、用途によって使い分けることが理想だろう。

 

 そんなオーグマーだが、今特に話題なのが、[オーディナル・スケール]と呼ばれるARゲームである。先ほどのチャットアプリでルリカが言っていたOSというがそれにあたる。

 [オーディナル・スケール]とは、オーグマー専用ARMMORPGのことである。イメージAIアイドル[ユナ]や、ARならではのリアルと臨場感が人気を呼んでいる。

 自分や仲間達も勿論プレイしている訳だが、なんせ普段のALOみたく飛行できるわけでもソードスキルが使えるわけでも無いため、いろいろと難儀している。

 まぁ、自分に至っては元兵士ということもあり、戦闘については特に不便はしていない。むしろGGOのように若干の物足りなさすら感じているわけだが、それなりに楽しいし何よりランキングシステムが面白い。

 最近はサボりがちになってきたが、サービス開始当初はランキング5位にまで登りつめた。が、その直後、仕事で休んでいた分の学校のレポート提出を教員に言いつけられたこともあり、ランキングはガクンと下がってしまった。

上位ランクを維持することは難しいようで、たった数日あけただけで、エリウのランキングは500番代にまで落ちてしまっていた。

 

「って言っても、もう13位なんだけどな」

 

 そう呟いたエリウは、休日の朝日に向かって伸びをすると、側に置いてあるバスケットボールとシューズを手に取った。

 最近、トレーニングも兼ねてストリートバスケに打ち込んでいる。ゲームばかりもいいが、たまには現実的な趣味に打ち込むのも悪く無い。

 幸いにして、約束の時間は夜。まだまだ時間はあるのだ。

 

 顔を洗い、着替えたエリウは野菜ジュースとピザトーストを食すと、家を出た。

 

 

 

××××××××××××××××××××

 

 

 

「遅い」

 

 時刻は、20時40分。

 開口一番、そう述べたルリカをエリウは鼻で笑う。

 

「予定より20分はやいけどな」

 

 すると、ルリカはつまらなそうに頬を膨らます。しかし、すぐに悪戯っぽく笑うとニコリと微笑んだ。

 

「冗談よ」

 

 あくまで素っ気なく返してくるルリカだが、口角がモジョモジョしているのと耳が赤いところを見るにワクワクした様子が伝わってくる。

 

「えらく上機嫌っすね」

「そんなことは……」

『それは、そうよ。だって、久々のデートなんだからぁ~。でしょ? ルリカっ』

 

 モジモジとしながら答えるルリカを遮り、どこからともなく現れたストレアがチャチャをいれる。

 

「スっ! ストレアちゃん! そ、そんなんじゃないからぁ!」

 

 露骨に焦り出すルリカをストレアはニコニコと微笑みながら見つめる。

 そんなストレアの姿だが、ALOのプライベートピクシーの姿で現れており、俺の肩の上に乗り足をパタパタさせている。これもオーグマーいや、ARならではの光景である。

 エリウは、まぁどうでもいいかと欠伸をかみ殺すとルリカの手を引いて歩き出した。

 何気なく手を取ったエリウだったが、何故か隣でストレアが喜んでおり、ルリカが顔を真っ赤にしている。

 

 いつも思うんだが、手引くことってなんか変? 前に千葉の某夢のお国行った時も手引いたよな?

 

 そんなことを考えながら、目的の場所を目指す。

 10分前にオーディナル・スケールのイベントボス出現エリアが指定された。エリウとルリカは、そいつを狩るために目的地へと向かっていたのだ。アルトラウスやレックス、ソルモ、エル、アール達は、それぞれ予定があり今日は参加できない。

 

 目的地に到着したエリウ達は、誘導の警備員の側を通りイベント指定エリアに入る。

 

「よぅ! エリウ! おっ、ルリカちゃんにストレアちゃんまで!」

 

 突然声をかけられた俺が振り返ると、そこには赤いバンダナに無精髭を生やした青年が仲間達と立っている。

 

「クライン。リアルでは久しいな」

「クラインさん。こんばんわ」

「やっほー! クラインっ!」

 

 口々に挨拶を述べる俺たちにクラインは、ニカッと笑う。

 

「おうよ。しっかし、今日は集まるなぁ、あっちにキリトとアスナもいるぜ?」

「マジで?」

 

 言われるままに視線を移すと少し離れたところにキリトとアスナがいる。

 近づいていくと、エリウに気がついたキリトが気まずそうな顔をする。

 そんなキリトにエリウは、ニヤリと笑みを見せる。

 

「ARは好かないじゃなかったっけ?」

「そう言うわけじゃないさ。ただ……俺はフルダイブの方が好きかな。なんと言うかイメージ的に」

「なるほど。言いたいことは何となくわかる。でも、今日この時くらいは楽しもうぜ?」

「そうだな」

 

 そう言ったキリトは、ようやく笑顔を見せる。相変わらず、素直じゃない。まぁ、自分が言えた義理じゃないがな。

 

 エリウは、その後アスナとも一言二言交わすと、空いたスペースにルリカとスタンバイする。

 

「そろそろね」

 

 

ルリカの言葉にエリウは頷くと、ルリカと目配せする。

そして、

 

「「オーディナル・スケール起動!」」

 

その直後、エリウとルリカを光が包み込みオーディナル・スケールの剣士の姿に変化させた。ルリカは細剣。エリウは大剣を装備しており、準備は万端だ。

ゲームを純粋に楽しむためにザ・フォースは使用していない。

あとは、時間を待つだけだ。

キリトやアスナ、クライン達もゲームを起動させ剣士や侍の姿に変身している。

キリトが少し寂しげに自分の剣を見つめているのが、気になったが、今はゲームに集中だ。

 

その時。

 

ゴーン!

 

ビルの時計が21時を回り、時報の鐘を鳴らした。

直後、視界に映る街全体にスキャンがかかり、東京の街をファンタジー世界の街並みへと変化させる。

 

「あ! ユナだ!」

 

不意に誰かが声をあげ、視線を向けると少し高い場所にオーディナル・スケールのイメージAIアイドル[ユナ]が登場している。

すると、彼女の前のフィールドが輝き出し、激しいフレイムエフェクトの中からボスモンスターが姿を現した。

 

「あ!?」

 

それを見た途端、エリウはつい変な声を漏らしてしまった。

 

「ど、どうしたの?」

 

びっくりした様子のエリウにルリカが声をかけてくる。

その言葉にエリウは、現れたボスモンスターを指し呟いた。

 

 

「あいつ……アインクラッド第10層ボスモンスター、[カガチ・ザ・サムライロード]じゃん」

 

「え?」

 

 

 

 




 というわけで、オーディナル・スケール見た影響で書きました。
 映画とにかく最高でした。皆さんも見てください☆
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