ま、間に合ったぁぁ!?
危うく日付を跨ぐことになりそうでした。
「暇すぎ」
ふと、心がカウンター席に座ってそんなことを呟いた。
常連客たちは皆用事や仕事で退店していき、見事にやることがなくなってしまった。
店長のミカは店の地下で弾薬の数合わせを行っていて、ミズキは食器を洗っていて、心と千束はぐで、とカウンター席に突っ伏している。
「千束ー、なんか面白いことして」
「めっちゃ雑じゃん」
珍しく心から千束へ無茶振りをし、彼女は苦笑いを浮かべた。面白いこと、と言われても千束も思い当たるものがない。今日のまかないは彼女が担当し、お好み焼きを店内で焼いて、せっかくコーヒーのいい香りの店内を祭りの匂いに変えたくらいだろう。
今もなおソースの香りが店内に残っている。
「配達も終わっちまったしなぁ」
「心がバイクで終わらせちゃうからでしょー」
「そうだけどよ」
しばらく二人揃ってぐで、としていると、ミズキが酒とグラスを持ってカウンター席に座った。
「千束ー、アンタ定期検診行ってないんだから、この際行っちゃいなさいよー」
「うげっ」
「お前、まだ行ってなかったのか」
「だってぇ……」
心が非難するように視線を千束に送ると、彼女はあからさまに渋い
「行ってこいよ。心臓の充電だってしないといけないんだろ?」
「まぁそうだけどさぁ」
ぶす、と千束はふくれる。
心もまた、その身に機械を取り付けている。メンテナンスや定期検診の重要さは、この喫茶リコリコ内で一番理解していると言ってもいい。
「なんでそんな嫌がるんだ?」
「いや、まぁ、いろいろあんの!」
「はぁ?」
若干頬を染めて口ごもる千束に、心はわからん、と首を傾げた。
……注射が怖いとかじゃあるまいし、なにを嫌がってんだか。
……案外、注射が怖いのかもしれないけど。
彼は一瞬そう考えたが、それはないか、と鼻で笑った。
「っと」
エプロンのポケットにしまっていたスマホが振動した。心はスマホを取り出して画面に映し出される名前を確認すると、そこには彼の義肢装具を作り上げたメカニックの名がある。
「んー、出ないの?」
「……面倒そうだなって」
隣に座る千束が不思議そうに首を傾げる。
心は嫌そうな顔をしつつ、通話ボタンをタップした。
「あい」
『遅いぞ、もう少し早く出なくては』
「アンタは俺の上司じゃねぇ」
『そうだが、私は君の恩人だろう?』
「恩着せがましいことを言うな!?」
大きな声を出して言うと千束がビクリと驚く。
『冗談はさておき』
「コイツ……!」
『私からの仕事を受けてもらう』
仕事、その一言で心の表情に真剣味が増した。その雰囲気を察してか、隣にいる千束やグラスを傾けているミズキの表情に緊張の色が見られた。
「それはリコリコにか? それとも
喫茶リコリコは喫茶店としての側面を持つが、根幹はDAの支部。依頼主の護衛に、武装した犯罪者の無力化を行う。
故に、それを知っているカリンがリコリコに依頼をしてもおかしくはないのだ。
『君にだよ。すでに機械化部隊にも依頼は済ませている』
「わかった。内容は?」
『京都のDA支部に、機械化部隊へ入隊予定のリコリスがいてね。明日、その子を迎えに行って欲しいんだ』
「リコリスが?」
『訳ありでね。DAの司令官とも話はつけているよ』
では頼んだよ、とカリンは電話を切った。
心は送られてくる資料を眺めて、スマホをカウンターに置いた。
「リコリスがどしたの?」
「んー」
頬杖をついた千束がそう質問してくる。話してもいいか、と心は思い掻い摘んで説明する。
「ウチの部隊に入るっていうリコリスを迎えに行くんだよ」
「へぇ、リコリスも入れるんだ」
「そら、ウチはカリンさんの義肢装具つければ問答無用だからなぁ」
部隊の半分は、事故や事件で四肢を失った者に実験台として義肢装具を与えられ、あとの半分は今回のように有望だった者が不慮の事故や事件で四肢を失ったから義肢装具を与え、部隊で有効活用するといったものだ。
心は電波塔事件の際に前者としてカリンに助けられたが、結果はアランチルドレンとしてアラン機関に支援された。
今回のリコリスは後者である。
「んで、どこまで行くの?」
「京都」
「おー、それまたタイムリーだな?」
「だな」
つい先日、テレビで金閣寺炎上事故のニュースを観ていた二人にとっては文字通りタイムリーなものだった。
同時に、やはりDAが絡んでいたのだと心と千束の二人は頷く。
「ね、ね、それわたしも行っていい?」
「……構わないけど、お前定期検診行ってないだろ」
「ゔっ……」
痛いところを突かれた、と千束は苦虫を噛み潰したような顔をする。
心としても彼女を連れていくことは構わないが、人工心臓の充電もしていない状態の千束を連れ歩くのは不安だった。
「諦めなさい千束〜」
ぐび、と話を聞いていたミズキが酒を煽る。
「明日はちょうど定休日だし、行ってこいよ。な?」
「んんん、わたしも行きたかったぁぁぁ!」
心底悔しそうに千束がテーブルに突っ伏して不貞腐れた。
いくらDAを離れたとしても、その身の上はリコリスだ。戸籍はないし、パスポートも取れない。自由に国内を渡り歩くこともできない。
特殊作戦群、機械化部隊の部隊長である心と共にならば、許可が降りると千束は思ったのだが、如何せんタイミングが悪かった。
定期検診を遅らせてきた過去の自分を呪う。
「また今度な」
そっと心は千束の頭を撫でた。彼女は心に顔を向けると、その顔には不機嫌ですと書いてあるかのような表情を浮かべている。
「今度っていつよ」
不意にそんなことを言われ、心はぎょっと驚く。こんな子供のようなことを千束に言われるとは思ってもいなかった。
「今回みたいな仕事があった時な」
彼は苦笑しながら、そのまま千束の頭をポンポンと軽く叩く。
しばらく彼女の機嫌をとっていると、地下から上がってきたミカが不思議そうに千束を見た。
「ふふ、どうしたんだ千束?」
「心が明日、京都行くんだってー」
ツン、と千束が不貞腐れたままミカに言う。彼女のその雰囲気を察した黒人の男は穏やかな笑みをたたえ、厨房で甘味を作っている心を見た。
「連れて行ってやらんのか?」
「コイツ、定期検診行ってなかったんだ。明日行かせるから連れて行けねぇんだよ」
心がそう言うと、ミカがカラカラと笑った。
彼から見ても、それは一緒には行けないな、と思う。
「ほら、これ食べて機嫌直してくれよ?」
千束の目の前に置かれるのは、心特製の生菓子。一瞬、パァと表情が明るくなったが、すぐにふい、と顔を背けてしまった。
「千束、食べてくれよ。乾燥したら美味くねぇんだから」
「そうだぞ千束。食べないなら、私が食べてしまうぞ?」
ニヤリとミカが笑って挑発するが、当の本人は唇をとがらせている。しかし、ちらちらと生菓子を見ているあたり、だいぶ機嫌が良くなってきている。
そんな光景をミズキがグラスに酒を注ぎながら見つめた。
……あの子、前までこういうの切り替え早かったのに。
……ちょっと頑固なところ、心に似てきたわねぇ。
それもそうだろう。睡眠、入浴以外共にいれば、少なからず似るところは出てくる。兄妹か、とミズキは思った。どちらが姉なのか兄なのかはわからないが。
「はぁ、仕方ねぇな。今日の夜、好きな物作ってやるからそれで手打ちにしてくれ」
な? と困ったように眉を寄せる心に、千束はジトりと目を彼に移す。
普段は無愛想な顔をしている心が、今では情けない顔になっており、千束は思わず、ぶっ! と吹き出した。
「な、なんだよ!」
「ははっ! いーや? 面白い顔してるって思っただけ〜」
にひひ、と先ほどの不機嫌さはどこに行ったのやら、彼女がひらひらと手を振って笑う。
いつもの千束に戻ったのを確認したミカは微笑んで、店の豆を確認する。
「あ、先生」
「ん?」
「そこの右端の豆、あと少しで在庫なくなる」
「そうか、注文しておくよ。ありがとう」
「ん」
厨房で使ったものを片付けたあと、心はスマホに送られた資料を見やすいようにタブレットの方に移した。
……ウチに入隊するのは一人、か。
……ま、そう何人もリコリスを入れるわけにもいかないしな。
別に機械化部隊はDAが擁する部隊ではない。指揮系統はアラン機関にあるが、あくまで自衛隊の特殊作戦群の一部隊である。
今回の入隊は試験的、そしてリコリス本人の強い希望があってのもののようだ。
「で、心のところに入るリコリスってのは誰だー?」
「あ、コラ」
コーヒーを飲みながらタブレットを眺めていると、すっかり通常運転に戻った千束がグイッと心に寄った。
少しドキリと胸が高鳴るが、心は咳払いをしつつ見せていい範囲のものを手早く準備し、彼女に見せる。
「ほら」
タブレットを見せてやると、千束は顔を顰めた。
「どうした?」
「いや、この間話したじゃん。京都のファーストのこと」
「あぁ。……もしかして、コイツか?」
「そ。わたし苦手なんだよなぁ」
珍しいものだな、と心は思った。
錦木千束は基本的に人懐っこく、分け隔てなく接し、なおかつ自分のペースに巻き込む。そんな彼女が苦手と言うほどの人物なのか、と心は首を傾げる。
「わたしとフキのあとに入った子でさ。なぁんか苦手なんだよね。雰囲気が合わん」
「ほーん」
「どれ、私もいいか心?」
「あぁ。どうぞ」
興味を示したミカにもタブレットを渡すと、彼は一瞬驚いた顔をしてすぐにタブレットを心に返した。
「どした、先生」
「いや……この子か、と思っただけさ。確かに、千束とはあまり相性は良くなかったな」
そう言われ、心は納得して資料を眺め続けた。ミカはその黒い手を眼鏡にやってかけ直す。
……そうか、あの子が。
……司令官だった頃から覚悟していたが、辛いものだな。教え子が傷を負うなど。
そんなミカの心中を察してか、ミズキがなんとも言えない顔で彼を見つめた。
「……京都、か」
資料を飲み終えた心が、ボソリとそう呟いた。
α
千束を定期検診に行かせるため、医者である山岸の病院に送り、心は新幹線に乗って京都へ来ていた。
最後に京都駅に来たのは、電波塔事件が起こったあの日以来だろう。七歳の記憶力なんてものは些末なもので、懐かしいなんて感慨に耽けることなく、彼はDAに指定された場所に向かっていく。
駅を出た心は指定された場所へ向かうと、そこにはDAの制服に身を包む女性が彼を見ていた。
「柾木心様ですね。お待ちしておりました」
「ええ。お願いします」
「かしこまりました。こちらへ」
車へ案内され、心はミニバンの後部座席に乗り込んだ。
静かに車が発進し、窓の景色が流れていく。少し経った頃、ふと見覚えのある建物が見えた。
……小学校、か。
……そういやこの辺に住んでたっけ。
日付は平日。校庭には小さな子供たちがボールを蹴っている。サッカーの授業でも受けているのだろう。
すぐに校舎を過ぎ去り、車は進んでいく。
心にとって、小学校も故郷も思い入れがない。
全てはあの電波塔事件の日に失い、錦木千束とあの時スコープ越しに出会ってから変わった。それに、まだ七歳の子供だったのだ。それまでの記憶など薄れてしまう。
気がつけば、心を乗せた車はDA京都支部に到着していた。
厳重なチェックを受ける際、金属探知により義肢装具が引っかかったが、彼のメカニックであるカリンさんが根回しをしていたことにより、問題にならずに通過することができた。
職員に案内され、まずは支部の責任者である者と軽く挨拶を交わし、そのあと件のリコリスとの面会が行われた。
支部長室のドアがノックされ、支部長が声をかける。
「失礼します」
入室してきたのは、白い制服、サードリコリスの制服を身にまとう綺麗な黒髪を長く伸ばした、生真面目そうな女の子と、そのリコリスに車椅子を押される赤いファーストの制服を着た、赤い髪を高い位置でポニーテールにした切れ長の眼の女の子。その脚は太腿の辺りから下はなにもない。
……ち、千束と同レベルの美少女!?
……千束レベルなんて早々いないと思ってたが、急に二人も出てくるのか。
改めてDAの凄さを実感した心は、車椅子に座るファーストリコリスを見やった。
「陸上自衛隊、特殊作戦群機械化部隊所属、部隊長の柾木心だ。よろしく」
近くまで寄って、心は彼女に手を差し伸べる。
その手を取り、ファーストリコリスはニヤリと笑った。
「私と同じくらいなのに、凄いわねぇ。
握手をした際に、心は少し違和感を覚えた。
八重美桜と名乗った少女の手のひらが微かに硬いと思った。不思議に思いつつ、彼は車椅子のハンドルを握るサードリコリスを見る。
「あぁ、彼女ね。この子は私のチームメンバーよぉ」
「
ピシッと姿勢を正し、井ノ上たきなは直立不動となった。
そんな彼女を見て、美桜はくすりと笑う。
「ごめんなさいねぇ。この子こんな感じで真面目なのぉ」
「あ、あぁ。そっか」
どこかふわりとした、掴みどころのない雰囲気の美桜と生真面目がそのまま人になったかのようなたきな。その二人を前に、心は内心苦虫を噛み潰したような気持ちでいた。
……や、やりづれぇ。
……千束が苦手って言ってた理由がわかる。
心がこれまで接してきた人数が少ないせいもあるが、それでもこの手の人物は初めてだった。
「と、とりあえず、座って話そう」
「えぇ」
「了解しました」
支部長の方へ視線を向けるが、なんとも思ってないのか、パソコンで作業を行っている。
会話に参加するつもりはないらしい。
「さて、ウチのメカニックに作らせる義肢装具のために、軽く戦闘記録が見たい。支部長、用意してもらっても?」
心がそう言うと、パソコンで作業していた支部長が彼を見てひとつ頷いた。
壁に設置されたモニターに、八重美桜の戦闘記録が流れ始める。
「は??」
開幕早々、映像の美桜に心が声をこぼした。
彼女が手に持っているものは銃ではなく、
ひく、ひく、と心の顔が引き攣った。
「異常ですよ、この人」
「嫌ねぇ。そんなこと言わないでよたきなぁ」
くすくすと美桜は、呆れた顔をしているたきなを見て笑う。
なるほど、と心は頷く。刀を使っていたから、握手をした際に違和感を覚えたのだ。
刀、木刀、竹刀、それらを使っているうちに手にはタコができる。違和感の正体は手にできたタコだ。
「……皮肉でしょぉ? 自慢の脚がこの間の金閣寺で失ってしまったわぁ」
視線を落とし、美桜は自身の欠損した脚を見る。
「私はまた刀を振りたいのよぉ。銃も使えるけど、人を殺した重みを実感できるしぃ」
彼女なりの考えがある上での戦闘スタイルのようだ。
「銃の方が効率的です」
「いや、まぁ、そうだな?」
「? なぜ疑問形なんです?」
「なんでも……」
たきなが首を傾げるが、心は視線を逸らす。
直近の自衛隊の仕事で、彼は銃ではなく己の身体で制圧したのもあり、素直に賛同できなかった。刀よりも距離は近く、勘に従って敵からの攻撃を避けているので、これを言えば心も異常だとこのサードリコリスに言われるだろう。
「刀で対象を殺すのはメリットがあるのよぉ? 銃弾だと貫通して壁にめり込む可能性だってあるしぃ」
「確かにな。クリーナーを使うにしても、必要最低限であれば費用も浮くだろうし」
「……その通りですが」
不服そうにたきなは身じろぐ。
心はそんな彼女を見て苦笑し、モニターに映る情報をタブレットに打ち込んでカリンへそれを送った。
これで、八重美桜という被験者に見合う義足の仮組みができるだろう。
「よし、では出発しよう。荷物の準備は?」
「はい、もうすでにできています」
「たきなったら、手早く用意してしまうんだもの。悲しくないのかしらぁ?」
「美桜さんは動けないんだから、私がやるしかないでしょう」
疲れたように言うたきなに、美桜はニヤニヤと笑う。
準備ができているならいい。心はそう思い、支部長に会釈して部屋から出た。
支部を出れば、行きに使ったミニバンが停まっていた。トランクから美桜が乗る車椅子ごと載せて、後部座席へ。その隣に心が乗る。
車の窓を開けると、たきなが外で立ち尽くしていた。
「たきなぁ、ちょっと」
ちょいちょい、と美桜が手招きをしたきなを呼ぶ。
「なんです?」
「ちょっとしたアドバイスよぉ」
「アドバイス?」
こてん、とたきなは首を倒した。
美桜はその赤い髪を垂らし、身を乗り出して窓際に寄る。
「あなたは射撃は上手いし、ちゃんと指示を聞けるんだから、近いうちにセカンドになれるわぁ。本店に行きたいんでしょぉ? 頑張りなさいな」
「……」
彼女にとってはいつもの笑みであろうニヤニヤとした笑みを浮かべて言うと、たきなはふふ、と微笑んだ。
「初めてですね、あなたが遠回しではなく直接的に言うのは。……ええ。絶対行ってみせます。美桜さんも、お元気で」
「そういう気分だったのよぉ。……本店に来れたらまた会いましょぉ」
ひらりと手を振り、彼女は窓を閉めた。それと同時に車が発進する。
しばらく車が走ったところで、美桜がため息をついた。
「……心配か?」
彼女を一瞥し、心が頬杖を突きながら口を開いた。美桜はそんな彼に意外そうな顔をして答える。
「驚いたわぁ。あなたって口数少ないと思ってた」
「少ねぇよ。けど、今のは明らかにわかることだろ」
「……そうねぇ」
支部長室で会った時から、八重美桜は柾木心のことを無愛想で口数が少ない男だと思っていた。
「心配じゃない、と言えば嘘になるわねぇ。なんせ、私が初めて持った相方だしぃ」
戦闘スタイルが近接というのもあり、美桜の相方には精密な射撃技能が必須であった。そこで白羽の矢が立ったのがサードリコリスでありながら、相方に抜擢された井ノ上たきなだった。
「あの子には、私なんかのことで負い目なんて感じさせたくないわぁ」
「生真面目そうだしな」
「その通り」
だから、と美桜は続ける。
「私のことを忘れるくらい、生きて頑張って欲しい」
切れ長の眼を柔らかくし、美桜はそう言った。彼女を横目に見て、心はふん、と鼻を鳴らす。
「律儀に覚えてそうだけどな?」
「……有り得そうだわぁ」
真面目なのだし十分あり得ると心は思う。
美桜も考え直してそう思ったのか、くすくすと笑った。
「そういえば、あなたぁ」
「あん?」
「あの電波塔のところにいるんですってぇ?」
ピタリと心の動きが止まる。
……カリンさんだな。
……にしても、なんだこの狐みたいな雰囲気。
「脚が無事に着いたらお邪魔するわぁ。久しぶりに会ってみたいしぃ」
「……好きにしてくれ」
俺は知らねぇ。絶対知らねぇ、と彼は腕を組んで背もたれに寄りかかった。
後日、喫茶リコリコに来店した美桜に、千束はすごい嫌な顔をすることとなる。
よくTwitterにでてくる、「ウチのたきながようお世話になってます〜」みたいな京都のファースト。千束にとって少し苦手意識がある珍しいタイプ。
リコリスに刀持ってる人いないかな、とアニメ放送時から思い、柾木心と同じくらいの時期から作ってたキャラです。なんならこのキャラが主人公だった可能性もあります。
その場合はたきながヒロインだった可能性。
感想、評価お待ちしておりまぁす!