ポケライブ!〜One More Sunshine Story〜 作:チーケー
偶然出会ったダイゴさんと共に地底湖調査を始めたルビィ。地底湖を発見したのはいいもののポケモンハンターたちが現れて大ピンチ!ルビィたちは無事にこの危機を切り抜けられるのか!?
ダイゴとハンターの戦いはダイゴ優勢で進んでいた。
ダイゴ「メタグロス!“コメットパンチ”!!」
ハンターA「ブーバーン、“ほのおのパンチ”!!」
二つの拳が重なり合い、激しい衝撃波を生む。しかし、メタグロスに分があるようでブーバーンは大きく吹っ飛ばされる。
「ブーバ・・・。」
そのままブーバーンは力尽きてしまった。
ハンターB「ひぇぇ!なんなんすか、あいつ!ボスのブーバーンを易々と!!」
ハンターA「見くびってたようだ。おい、お前も出せ!2人がかりで仕留めるぞ。」
ハンターB「了解っす!」
ダイゴのあまりの強さにハンターたちはやけになり、所持している全てのポケモンを一斉に繰り出す。
「「グォォォォ!!」」
ハンターA「ふははは、いくら強かろうと数の暴力には敵うまい!!そして、エルレイド!」
「ユーレィ・・・。」
ハンターがそう言った瞬間、後ろからユレイドルの声が力無くする。急いで振り返るとそこにはユレイドルを踏みつけつつ、ルビィの首元に刃を向けるエルレイドの姿があった。
ダイゴ「ユレイドル!ルビィ君!・・・いつの間に。」
ハンターA「ふふっ、俺のエルレイドは音もなく対象に近づける。一歩でも動いてみろ、その時はその子の最後の時だ。」
ダイゴ「くっ、卑怯な真似を・・・。」
「ユーレィ!!」
完全には倒れていなかったユレイドルが踏まれつつもエルレイドに向けて技を放とうと準備を始める。しかし、その行動をダイゴは止める。
ダイゴ「ダメだ、ユレイドル!その至近距離ではルビィ君も危ない。」
「ユレィ。」
ハンターA「そういうことだ!やれ!!」
その声を合図にハンターのポケモン軍団が一斉にメタグロスへと襲いかかる。いくら頑丈なメタグロスといえど、この数が相手ではいずれ力尽きるのも時間の問題だ。
ダイゴ「どうしたら・・・。」
何もできない状況にダイゴは唇を噛む。そんな彼の耳にか細くも、しっかりとした声が聞こえてきた。
「・・・ダイゴさんを・・・助けてあげて。」
声のした方へと顔を向けるが、そこには依然、気絶したままのルビィが横たわっているだけ。空耳かと思ったその時だった。
ハンターA「な、なんなんだ!お前ら!!」
ハンターB「ひえぇぇぇ!!ボスゥ!!」
ハンターたちの恐怖に慄く声が聞こえ、その方へと顔を向ける。そこにはダイゴも想定しない驚愕の光景が広がっていた。
「「グオォォォォォ!!」」
先程までハンターたちに怯え、岩陰などに隠れていた野生のポケモンたちがハンターたちを取り囲み、威嚇をしているのだ。
しかし、それだけならば野生のポケモンたちが住処を守るために行動を始めたといえばよくある話。ダイゴが驚いたのはもう一つの状況だった。
ハンターA「テメェら!!いうこと聞け!相手はあっちだろうが!!」
ハンターB「お助けぇぇぇぇ!!」
なんと、先程までメタグロスを攻撃していたハンターのポケモンたちまでもがハンターを取り囲み、今にも攻撃を繰り出そうとしているのだ。
ダイゴ「こ、これは一体!?」
「グオッ!!」
やがてあるポケモンから放たれた“はかいこうせん”によってハンターたちは吹っ飛び、そのまま目を回してしまった。
気絶してなお、見張るかのようにポケモンたちはハンターたちを取り囲み続けていた。
ダイゴ「・・・一体、何が起きたんだ。」
驚愕の展開に意味もわからず、呆然と立ち尽くすダイゴ。その後、ルビィのことを思い出し、すぐに動き出す。
ダイゴ「ルビィ君!」
ルビィの元に向かうと、そこには先程、鋭い目つきで睨んでいたエルレイドが穏やかな瞳でルビィを見守るように側についていた。
ダイゴ「このエルレイドも・・・。」
ダイゴはこうなる前に聞いた声を思い出す。
『・・・ダイゴさんを・・・助けてあげて。』
か細く、弱々しくもはっきりと聞こえてきた声。どう思い出してみても、やはりルビィの声にしか聞こえなかった。
ダイゴ「ルビィ君、君は一体・・・。」
疑問を胸に抱きながらもダイゴはルビィが起きるのをそこで待つのであった。
〜〜〜〜〜〜
ダイヤは再び洞窟内を走っていた。
いつもは厳しく接しつつも一番にルビィのことを考えていたダイヤ。一人でいるのであろうルビィが心配でたまらず、駆け出してしまっていた。
ダイヤ「ルビィ、どこにいるのですか。」
しばらく走ったところで見知ったオレンジの髪を見つける。
千歌「あっ!ダイヤさあぁぁぁぁん!!やっと来たぁぁ!!」
ダイヤ「千歌さん!?」
そのままダイヤは千歌に抱きつかれる。
千歌「怖かったよぉぉ!!一人だったし、暗いし!」
正直、ルビィのことで頭がいっぱいで忘れてた、なんてことは言えず、千歌の頭を優しく撫でる。
ダイヤ「無事でよかったですわ。さあ、ルビィを探しましょう!」
千歌「うん!」
こうして二つとなった人影はさらに洞窟の奥へと消えていくのだった。
〜〜〜〜〜〜
ダイゴ「これでよし!」
ハンターたちが再び目を覚ました時に逃げられないよう、持参していたロープで固く縛る。
その間もポケモンたちはじっとしてその様子を見続けていた。
縛り終えた頃、ルビィが目を覚ます。
ダイゴ「ルビィ君!よかった、無事で。」
ルビィ「・・・ダイゴさん。そっか、ルビィ、また気を失っちゃったんだ。」
そこまで言ってからルビィはガバっと起き上がり、ダイゴに聞く。
ルビィ「そ、そうだ!!ダイゴさん、ポケモンハンターが!」
ダイゴ「大丈夫、もう済んだよ。」
その一言でルビィは落ち着きを取り戻し、ほっと胸を撫で下ろす。
ルビィ「良かった。」
ルビィの側にはダイゴが治療を済ませたペロッパフ、ヌメラが寄り添い、ルビィの無事を喜んでいる。
そして依然としてエルレイドはルビィを守るように側についている。その光景を見て先ほどのことを思い出したダイゴはルビィに疑問をぶつけてみることにした。
ダイゴ「ルビィ君、実はさっき・・・。」
〜〜〜〜〜〜
ダイゴが一通り話し終えると、ルビィは暗い顔で俯く。
ルビィ「そっか、またやっちゃったんだ。」
ダイゴ「またってことは、やっぱりあれはルビィ君が?」
ルビィは静かにこくりと頷く。
ダイゴ「もしよかったら詳しく教えてくれないかな?話したくないことなら無理にとは言わないけど。」
ダイゴのその言葉にルビィは一瞬考えるが、やがて意を決したように話し出した。
ルビィ「ダイゴさんはヌマヅ地方に伝わる伝承はご存知ですか?」
ダイゴ「うん、聞いたことくらいならあるよ。確か遠い昔に起きた災害を一人の少女が止めたとか、そんな感じだったかな。」
ルビィ「大体、合ってます。それでその少女はある能力を持ってたんです。この世のありとあらゆるポケモンたちを意のままに従わせる能力。」
ダイゴ「もしかして、その能力というのがさっきの?」
ルビィ「はい、実はその少女というのが私たちクロサワ家の遠い先祖に当たるみたいで、クロサワ家にはこんな言い伝えが残ってます。」
そこでルビィは一度、話を切る。そして一度、深呼吸をしてから再び話し出した。
ルビィ「『再び少女と同じ力を持つもの生まれし時、世界は災いに包まれる。』。」
そう言ってからルビィは再び顔を俯けてしまった。
ダイゴ「なるほど。その言い伝え通りだとすると近いうちに世界は災いに包まれる。それを気にしているんだね。」
ルビィ「はい。その災いの原因がもしかしたら私なのかもしれない。そう思うと、すごくこわくて・・・。」
そう言ってルビィは近くのペロッパフとヌメラを撫でる。
ダイゴ「君は何か夢はないのかい?」
ルビィ「へ?」
唐突な質問にルビィは一瞬、固まる。しかし、すぐに自分の言葉で話し始めた。
ルビィ「ポケモンアイドルやってみたいんです。でも、私こんな性格だし、それにお父さんもなんていうか分からないし。それにこの力だっていつ暴走するか分からないし。」
ダイゴ「興味があるならやってみるべきじゃないかな。確かに色々としがらみはあるのかもしれない。その力も危険ではあるが、災いも言い伝えでしかない。今すぐにでなくてもポケモンたちと一緒に少しずつ歩んでいけばいいんじゃないかな。それに君ならきっと上手くいく、そんな気がするよ。」
ペロッパフたちを撫でるルビィを見ながらダイゴはそう微笑んだ。しかし、ルビィの顔は晴れない。
それを見てダイゴは続けて言った。
ダイゴ「まあ、どうするかはルビィ君次第だ。でも最後に一つだけ。自分の気持ちに嘘をつくのはやめた方がいい。本心を大事にね。」
ルビィ「本心・・・。」
そこまで言ってからダイゴは立ち上がった。
ダイゴ「さて、そろそろここを出ようか。君の友達も心配していることだろうし。」
ルビィ「あっそうだ。ここに来た証拠みたいなのをなにか・・・。」
それを聞いてダイゴはルビィにあるものを渡す。
ルビィ「これ、モンスターボール。」
ダイゴ「ここにいるジーランス。これを捕まえれば十分な証拠になると思うよ。なかなか見られないレアなポケモンだしね。」
ルビィ「分かりました!ちょっと行ってきます。」
ルビィが湖の近くまで来ると未だルビィの力が働いているのか、一匹のジーランスが寄ってきた。
ルビィ「ジーランスさん。一緒に来てくれる?」
その言葉にジーランスは大きく跳ね、自らモンスターボールへと入っていった。
ルビィ「よし。」
それからダイゴの元へと戻り、洞窟を出る支度を始めた。
〜〜〜〜〜〜
ダイゴ「よし行こうか。」
ダイゴはメタグロスの上に二人のハンターを乗せるとルビィにそう言った。
ルビィ「戻って、ペロッパフ。」
ペロッパフをボールに戻してから抱えていたヌメラを湖の近くにそっと置く。
ルビィ「それじゃあお別れだね。もう迷子になっちゃダメだよ。」
「メラァ?」
そうしてルビィとダイゴは出口へ向かって歩き始めた。
途中、ダイヤたちにも会い、ルビィたちはクロサワ炭鉱を無事に脱出するのだった。
〜〜〜〜〜〜
ジュンサー「ご協力、感謝します。私たちはこれで。」
ポケモンハンターを引き渡すとジュンサーたちは撤退していった。
花丸「本当に無事でよかったずら!!」
ルビィ「心配かけちゃってごめんね!花丸ちゃん。」
千歌「いやぁ、大変だったね〜って・・・うわぁ!!」
千歌は足元を見て驚く。
「メラァ!」
ルビィ「ヌメラ!?ついてきちゃったの!?」
「メラァ。」
ヌメラはルビィの足に擦り寄ってくる。
ダイヤ「あらあら随分と気に入られたようですわね。ルビィ、仲間に入れて上げたらどうです?」
そう言ってダイヤはバッグから空のモンスターボールを取り出す。
ルビィ「いいのかな?私なんかで。」
ヌメラは目を輝かせて何度も頷いた。
ルビィ「分かった!行こう、ヌメラ!」
ヌメラはルビィの差し出したボールに吸い込まれていった。
ルビィはヌメラの入ったボールを見つめると、あることを決意し、手を高々と掲げる。
ルビィ「お姉ちゃん。私、ポケモンアイドルやりたい!色々、大変なことはあるかもしれないけどこの子達と一緒に頑張りたい!自分の気持ちに嘘はつきたくないから!」
ルビィのその言葉にダイヤは目に少し涙を滲ませる。
ダイヤ「ルビィ。分かりました、お父様への説得、協力しますわ。」
ルビィ「うん、ありがとう!お姉ちゃん。これもダイゴさんのおかげ・・・。あれ?」
いつのまにか近くにいたはずのダイゴはいなくなっていた。
花丸「あの人ならさっき行っちゃったずらよ。」
ルビィ「えぇぇ。ちゃんとお礼言いたかったのに。」
千歌「きっとまたどこかで会えるよ。」
ルビィ「そうだね。」
千歌「それよりルビィちゃん!ポケモンアイドルやるなら是非、一緒に!!」
ルビィ「ピギィッ!!」
ダイヤ(ダイゴ・・・どこかで聞いたことがあるような。)
こうしてクロサワ炭鉱の調査は終わりを告げる。
そして、
ルビィの挑戦はここから始まる。
〜〜〜〜〜〜
ダイゴはどこかへと電話をかけていた。程なくして相手が出る。
???「もしもし、君から電話してくるなんて珍しいな。目的の石は見つかったのかい?」
ダイゴ「ミクリ、残念ながら目的のものは見つからなかったけどいい出会いがあってね。」
ミクリ「君がそんなこと言うなんてよっぽどなんだろうね。」
ダイゴ「ああ、帰ったら話すよ。ところでルチアちゃんは元気してるかい?」
ミクリ「ルチア?どうした急に?」
ダイゴ「いや、ちょっと顔が浮かんでね。」
ミクリ「えっ?君、まさかルチアのこと・・・。」
ダイゴ「・・・いやそう言う意味では。」
TO BE CONTINUED...