ポケライブ!〜One More Sunshine Story〜   作:チーケー

20 / 32

前回のポケライブ!
何とか脅威を流れて再びトラスシティへ戻ってきた千歌たち。そんな中、助けたニャースが人間の言葉を話し始めた!?


#18 衝撃!お喋りニャース登場!!

 

 梨子の叫びを聞き、千歌がジョーイと共に部屋へと慌てた様子でやってくる。

 

 ジョーイ「一体、なんの騒ぎですか?」

 

 千歌「梨子ちゃん!!さっき静かにって言ったばかりじゃん!!」

 

 そう言われた梨子は床に尻餅をつき、ニャースを指差しながらわなわなと震えている。

 

 梨子「ち、千歌ちゃ・・・。ニャ、ニャース。ニャースが。」

 

 震えるような声でそう発する梨子に千歌は近づいていって優しく声をかける。

 

 千歌「大丈夫だよ。ニャースがどうかした?」

 

 そう言いつつ、ニャースの方を見る千歌。

 

 ニャースは警戒心MAXとでもいうように自身の爪をこちらに向けてきている。今にも飛びかかってきそうな勢いだ。

 

 ニャース「ニャー。おミャーら、ニャーになにするつもりニャ?」

 

 千歌「大丈夫。何もしないよ。私たち、あなたのことが心配なだけ。だから落ち着いて。」

 

 そう言いながら千歌はゆっくりとニャースの元に近づいていく。

 

 ニャース「近寄るニャ!!」

 

 近づき、腕を伸ばしてきた千歌の手をニャースは自身の爪で思いきり引っ掻く。

 

 千歌「痛っ・・・。大丈夫。大丈夫だから。」

 

 それにも怯まず千歌は更にニャースに近づくとそのまま自身の腕に抱き寄せる。ニャースは驚きからか動けずにそれを受け入れる。

 

 ニャース「・・・!?」

 

 千歌「何か辛いことがあったんだね。大丈夫。大丈夫。」

 

 そう言ってニャースの後頭部に回した手で優しくその頭を撫でた。

 

 ニャース「おミャー、本当に何もしないニャ?」

 

 そのニャースの言葉に千歌は抱きしめる力を強めながら言う。

 

 千歌「しないよ。私たちはあなたが心配なだけ。」

 

 その言葉でニャースは臨戦体制を解き、爪を引っ込めると千歌から離れた。

 

 ニャース「おミャーの言うこと、信じてやるニャ。」

 

 千歌「へへ。ありがと。」

 

 その光景を呆然と見ていた梨子は落ち着きを取り戻し、立ち上がると千歌のそばまでやってきて耳元で囁く。

 

 梨子「すごいわね。私、ニャースが喋ったことに驚いちゃってどうしたらいいか分かんなくなっちゃったのに。」

 

 千歌「・・・ん?」

 

 その一言で千歌は固まったかと思うと直後、大声で叫ぶ。

 

 千歌「ニャースが喋ってるうううぅぅぅ!!」

 

 その後、ジョーイさんに2人がこっぴどく叱られたのは言うまでもない。

 

 

〜〜〜〜〜〜

 

 千歌「記憶喪失?」

 

 千歌のおかげで落ち着いた様子を見せたニャースを診察していたジョーイさんは急にそんなことを言い出した。

 

 ジョーイ「ええ。話を聞く限り、一部、記憶を無くしてるみたい。自分が何者で、なぜここにいるのか、全然思い出せないみたいなの。」

 

 千歌「そうなの?ニャース?」

 

 心配そうに問いかける千歌にニャースはこくんと小さく頷く。

 

 ジョーイ「身体の方は特に問題はないから大丈夫よ。でも記憶の方は私の方でどうにかするのは難しいから。あなたが望むなら記憶が戻るまでここにいても問題はないから、いつでも頼ってね。それじゃ私はこれで。」

 

 そう言ってジョーイは部屋を出ていった。

 

 2人と1匹がその場に残されるが誰も口を開こうとはしない。

 

 やがて耐えられなくなったのか梨子が口を開く。

 

 梨子「どうして喋れるのかも覚えてないの?」

 

 その質問にニャースは頷きながら答える。

 

 ニャース「分からんニャ。何も思い出せないニャ。」

 

 そう言ってニャースは頭を抱える。

 

 梨子「少しそっとしてあげたほうがいいかも。ニャース、私たち一回、外すね。千歌ちゃん、行こう。」

 

 そう言って千歌の手を引き、2人は部屋を後にした。

 

 千歌「・・・記憶喪失。私と同じだ。」

 

 部屋を出る際、そう呟いた千歌に梨子が気づくことはなかった。

 

 

〜〜〜〜〜〜

 

 その夜

 

 昼間のことが気になって眠れなかった千歌はポケモンセンター内にある中庭に来ていた。

 

 千歌「今日は満月か・・・。」

 

 見上げれば空にはまんまるな綺麗な月が煌々と夜空を照らしている。そんな満月を見上げる影が千歌の他にももう一つ。千歌はその影に近づき、隣へと腰掛けた。

 

 千歌「少し落ち着いた?」

 

 ニャース「おミャー・・・。まぁ多少はニャ。」

 

 そこで2人は黙り込む。次に言葉を発したのニャースだった。

 

 ニャース「綺麗な満月だニャ。なんか満月を見てると昔もこうして満月を眺めていたような気がしてくるニャ。」

 

 千歌「そっか。」

 

 再びの沈黙。辺りは静まり返っており、この世界に2人しかいないような錯覚に囚われる。

 

 そんな沈黙を破って千歌は意を決して話し始めた。

 

 千歌「私もね、記憶喪失なんだ。」

 

 ニャース「ニャ・・・!?」

 

 その言葉にニャースは驚いたように口を大きく開き、千歌の方を見る。

 

 千歌「私もよく覚えてないんだ。気づいたら海の見える砂浜に1人で立ってて、自分のこと。自分がどこで何をしてたのかすっかり思い出せなくて。ニャースとは違ってポケモンのこととかの一般常識も抜け落ちちゃってたみたいで大変だったんだよね。」

 

 千歌は当時を思い出すようにゆっくりとニャースに語りかける。

 

 千歌「それからいろんな人たちに助けられて、今の私があるんだ。だからいずれ助けてもらったみんなに恩返ししたい。記憶が戻るかは分からないけど今はやれることをやるだけ。くよくよしててもしょうがないもん。ニャースもそう思わない?」

 

 そう言ってニャースに優しく微笑む。

 

 それを聞いたニャースはフッと笑うと

 

 ニャース「おミャー、ポジティブだニャ。こんな状況でそんな考えができるなんてもしかしてアホなのかニャ?」

 

 千歌「アホじゃないもん!!確かにポケモンに関する知識は人一倍ないけど・・・。」

 

 そう言って、千歌はあからさまにへこんだ様子で両手の人差し指をいじいじと突き合わせる。

 

 ニャース「でも、そんな考えができるのは羨ましいニャ。ニャーも前向きにやってみるかニャ。」

 

 そう言ってニャースはけらけらと笑った。それにつられるように千歌も笑う。

 

 満月の下、2人の笑い声が夜闇に吸い込まれていくのだった。

 

 

〜〜〜〜〜〜

 

 次の日

 

 千歌 梨子「「お世話になりました!」」

 

 ニャースが元気になったのを見届け、出発を決めた2人はジョーイさんへとお辞儀をする。

 

 ジョーイ「ハクヨウシティまで気をつけてね。」

 

 そう言ったジョーイに千歌は顔を向けると改めて大きくお辞儀をする。

 

 千歌「ニャースのこと、お願いします。」

 

 すると、ジョーイさんは不思議そうな顔をして千歌の足元を指差す。

 

 足元を見ればそこにはニャースが小さなリュックを背負って立っていた。

 

 千歌「ニャース!?なんでここに?」

 

 ニャース「ニャーはおミャーのように前向きにやっていくことにしたニャ。と、いうことでおミャーらの旅路にお供させてもらうのニャ。この旅の中でニャーの記憶に関することも分かるかもしれないしニャ!よろしく頼むニャ、千歌!梨子!」

 

 そう言って、ニャースはニカッと笑ってみせた。

 

 驚いた様子で千歌と梨子は顔を見合わせていたが、やがて2人して笑ってしまっていた。

 

 千歌「アハハ!じゃあ行こっか、ニャース!これからよろしく!」

 

 そう言って千歌はしゃがみ込んでニャースと固い握手を交わした。

 

 梨子「まったく、また賑やかになりそうね。」

 

 そう言いつつも梨子は微笑みを浮かべ、千歌とニャースを見ていた。

 

 こうして新たな仲間、喋るニャースを加えて千歌たちは改めてハクヨウシティへ出発するのであった。

  

 

〜〜〜〜〜〜

 

 その頃、愛と絵里はトラスタウンの街中を走っていた。

 

 愛「ちょっとエリー!闇雲に探しても見つかんないって!一旦、ちぃちゃんと合流しよう!」

 

 そう言われ、絵里は足を止める。

 

 絵里「・・・ハァハァ、そうね。ごめんなさい、少し取り乱しちゃって。」

 

 愛「いいって。私も驚いたし。」

 

 それは遡ること数時間前のこと。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 ウルトラビーストが現れると思われる現地の調査のため、数日トラスタウンに滞在した2人はスマホの着信音で目を覚ました。

 

 愛「・・・もしもし。」

 

 まだ眠そうに目を擦りながら応答する愛。それに答えたのはかなり焦った様子の璃奈だった。

 

 璃奈『愛さん、この間のウルトラビーストの件でちょっといい?』

 

 その言葉に愛はシャキッと目を覚ますとそれに応じ、近くにいた絵里にも聞こえるようにスピーカーモードにする。

 

 愛「うん、こっちは大丈夫!どうしたの、りなりー?」

 

 璃奈『昨日、現場の調査を私なりに色々してたんだけど、そこで一瞬だけどポケモン図鑑の反応をキャッチした。』

 

 愛「ポケモン図鑑?それってもしかしてゆうゆの?」

 

 璃奈『いや違う。最近、図鑑アプリをゲットしたばかりの新人さんみたいなんだけど・・・。』

 

 そこで言葉を途切れさせ、黙り込んでしまう璃奈。愛は気になり、声をかけるがなかなか話す気配はない。

 

 数分たっただろうか、璃奈がようやく口を開いた。

 

 璃奈『えっと千歌さんっていう子みたいなんだけどその子の動向をチェックしてたらたまたま私がオトノキ地方中に飛ばしてるドローンの一機に映り込んでて。』

 

 愛「ああ、あれね。なんか色々機能ついてるやつだよね。それがどうしたの?」

 

 璃奈『・・・千歌さんの身体から普通とは思えない量のウルトラオーラを検知した。』

 

 それを聞いて、愛はすぐに聞き返す。

 

 愛「えっ?本当?だとしたらそれってつまり。」

 

 璃奈『・・・。千歌さんは『Fall』。ウルトラホールを通ってきた可能性がある。もしかすると最近、各地で見られるウルトラホールの原因も・・・。』

 

 それを聞き、すぐ近くで聞いていた絵里はすぐさま部屋を飛び出していく。

 

 愛「えっ!ちょっと!?エリー!!えっとりなりー、その子が今どこにいるかとか分かる?」

 

 璃奈『さっき見たドローンの映像の位置からして恐らくトラスタウン。でももう出た後かも。ごめん、ドローンで追えればいいんだけど普段から自由飛行モードにしてあるから。また何か分かったらすぐ連絡する。』

 

 愛「うん!ありがとね、りなりー!」

 

 

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 絵里「それじゃあとりあえず千砂都と合流しましょ。」

 

 愛「オッケー!飛ばしてくよ!!お願いね、カイリュー!」

 

「ばるばるぅ!!」

 

 そうして2人はカイリューに乗って空の彼方へ消えていくのだった。

 

 

TO BE CONTINUED…

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 





前回の答え

【挿絵表示】


次回予告

【挿絵表示】
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。