ポケライブ!〜One More Sunshine Story〜   作:チーケー

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前回のポケライブ!
無事にトラスタウンへと到着したかすみんたち。ひょんなことから出会った愛先輩を仲間に加えていざ次なる町、オオベニシティへ!

お待たせしてしまいました。気に入らなくて何度も何度も書き直してしまいました。
今回、ポケモン要素はあまりないかもですが、よろしくお願いします!
(アニメニジガク1期8話を参考にしています。)


#06 しずくと仮面の騎士

 

新たに愛を加えて次なる目的地、オオベニシティへ向けて出発した歩夢たち。

 

今はキャンプの真っ最中のようだ。

 

愛「よーし!テントはこんなものかな。そっちはどう?」

 

しずく「はい、こっちも大丈夫です!」

 

かすみ「いいですね!みんなでキャンプ、楽しみです!!」

 

そんな3人に食事の準備をしていた歩夢から声がかかる。

 

歩夢「みんな、ご飯できたよ〜!ヒバニー、手伝ってくれてありがとう。」

 

「ヒバ!」

 

かすみ「待ってました!かすみん、もうお腹ペコペコです!」

 

そう言ってかすみは、いの一番にテーブルへと着く。

 

しずく「かすみさん!みんなにもご飯あげないとでしょ。みんな出てきてください!」

 

かすみ「あっそうだった。じゃあ私も!」

 

歩夢「出ておいで、サスケ!」

 

歩夢たちは一斉に自身のポケモンたちをボールから出す。

 

「ウォウ!」

 

「ムゥ。」

 

「マネ!」

 

「チコ!」

 

「ムムゥ?」

 

「シャボ!」

 

その光景を見つめながら愛は感嘆の声を漏らす。

 

愛「へぇ、みんな色んなポケモン持ってるんだね。」

 

かすみ「しず子、マネネ連れてきてたんだ。」

 

しずく「はい、どうしてもって聞かなくて。」

 

「マネ。」

 

マネネはしずくの真似をして困り顔をして見せる。

 

しずく「もうあなたのことでしょ。」

 

愛「歩夢のその子はアーボ?」

 

歩夢「うん。小さい頃から一緒に住んでた子なんだ。みんなもよろしくね。」

 

「シャボ!」

 

しずく「これがアーボですか。初めて見ました。」

 

【アーボ】 へびポケモン

 育つほどに どんどん 長くなる。

 そして 夜中は 木の枝に グルグルと

 からまって 休む。

 

かすみ「歩夢先輩、イメージと随分と違う子連れてたんですね。びっくりです。」

 

歩夢「そう?」

 

しずく「愛さんはそのデデンネだけなんですか?」

 

特にボールを出す様子がなかった愛にしずくは疑問の顔を向ける。

 

愛「あぁ、ちょっと仕事柄、見せるわけには・・・じゃなくて!うん!この子だけ!そ、そんなことより早くご飯にしよ!」

 

早口でそう言うと愛はテーブルへと向かっていってしまった。

 

しずく「?」

 

 

 

〜〜〜〜〜〜

 

歩夢「ふぅ。これで全部かな?じゃあみんな、食べよっか!」

 

「「「「いただきまーす!!」」」

 

そう言ってからみんな、歩夢特製のシチューを口に運ぶ。

 

かすみ「おいっしいいぃぃ!!」

 

しずく「ほんと、すっごく美味しいです!」

 

愛「うわ何これ、こんなの食べたことないよ!」

 

3人は口々に感想を述べると夢中でシチューを頬張る。

 

歩夢「へへ、良かった。おかわりあるからいっぱい食べてね。」

 

かすみ「いや、本当に美味しいです!何か隠し味とかあるんですか?」

 

そう聞かれ、歩夢は困り顔をしながら言う。

 

歩夢「そう言われても材料は普通のシチューと変わらないよ?作り方は前の旅で知り合った方のレシピを参考にしたくらい。」

 

それを聞いてしずくはもう一つ疑問をぶつける。

 

しずく「じゃああのポケモンフーズは歩夢さんのお手製ですか?市販のではありませんよね?」

 

ポケモンたちが夢中になって食べているポケモンフーズ。歩夢は先ほどポケモンに合わせてフーズを変えていた。そのことを思い出しての質問だった。

 

かすみ「ポケモンフーズってみんな同じじゃないんですか?」

 

しずく「たしかに市販のものは大体同じだけど、ポケモンにも私たちみたいに味の好みとかあるからトレーナーは自分のポケモンに合わせて調合したり、手を加えたりするのが一般的なんだよ。」

 

愛「そうだね。普通はそうやって試行錯誤を重ねてぴったりのフーズを作っていくものだけど・・・。」

 

そう言って愛はポケモンの方へと顔を向ける。

 

全員、嫌な顔一つせず、むしろ他のことも忘れるくらいに夢中になって食べている。

 

かすみ「うわ、あのチー子が我を忘れてガッついてます。普段、お行儀よく食べてるのに。」

 

しずく「それだけ、あのポケモンフーズがあの子たちにピッタリだということです。」

 

歩夢「実はポケモンフーズのレシピについてもその人に色々、教わったんだ。まだみんなの好みとかは分からないからとりあえずタイプに合わせたものを用意したんだけど。あんなに気に入ってくれたなら良かった。」

 

しずく「凄いですね、その方。ポケモンのことを深く、詳しく知らなければできないですよ。」

 

それを聞いて歩夢は当時のことを思い出しながら話す。

 

歩夢「詳しいのは当然かも。その人、元ブリーダーで今はポケモンドクター目指してるって言ってたから。」

 

愛「へぇ、ポケモンドクターってただ頭が良くてもなれないらしいからすごいね。」

 

かすみ「かすみんには雲の上の人みたいな存在ですねぇ。」

 

そんな話をしながら夜は更けていくのだった。

 

 

〜〜〜〜〜〜

 

すっかり真夜中になった頃、テントの中では女子トークが繰り広げられていた。

 

愛「みんなは目指してる夢とかあるの?」

 

その質問にかすみは勢いよく手を上げる。

 

かすみ「かすみんはトップポケモンアイドルになることです!!」

 

愛「おぉ、大きく出たね。もう何年もアイドルランキング1位だよね、ニコニー。頑張れ、かすかす。」

 

かすみ「だから!かすかすじゃないです!かすみんです!」

 

そんなかすみをよそに歩夢もしずくに聞く。

 

歩夢「しずくちゃんは何かあるの?」

 

しずく「私ですか?私、演劇とかが好きで、カルネさんみたいな大女優になるのが夢ですかね。」

 

愛「ああ!カルネさん!TVで見ない日はないよね!」

 

しずく「はい!・・・でも、明確に女優を目指そうと思ったのには別の話があって。」

 

かすみ「・・・。」

 

愛「聞かせてよ!愛さん、気になる!」

 

しずく「そうですか?それじゃあ・・・。」

 

そう言ってしずくは話し始めた。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

1年前・・・

 

しずくはかすみとスクールの帰り道を歩いていた。

 

かすみ「見てよ、しず子!今年もニコニーがアイドルランキング1位なんだよ!」

 

そう言ってかすみはスマホの画面をしずくに向ける。そこには今年のアイドルランキング一覧が表示されていた。

 

しずく「すごいね。μ'sが解散してソロになってからずっと連続で1位なんでしょ?」

 

かすみ「そうなんだよ!でも、来年はこのかすみんが1位の座を奪い取ってやります!」

 

私たち2人はもうすぐ博士から図鑑をもらって旅立つことが決まっている。それからというもの、かすみはいつもこんな調子だった。

 

かすみ「しず子はなんか目標ないの?」

 

しずく「私ですか?う〜ん特には。」

 

かすみ「え〜!!何かあった方がよくない?」

 

しずく「・・・なら無難にジム巡りとか、なんて。」

 

そう言ってしずくは俯いてしまった。

 

かすみ「しず子、なんか無理してない?しず子のことだから私がとやかく言うことじゃないけど後悔はしないでね。じゃあ私こっちだから!」

 

しずく「はい、また明日。」

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜

 

しずくはトボトボと1人、歩いていた。

 

しずく(かすみさんはいいな。私もあんな風に自分をさらけ出せたら。)

 

そんなしずくの横を1匹のポケモンが優雅な歩きで通り過ぎていく。

 

そのポケモンに見覚えがあり、しずくは思わず振り返る。

 

しずく「あれってドレディアですよね。・・・っていうかあの頭のティアラ!間違いありません!『仮面の騎士シリーズ』のヒロインのパートナー、ドレディアじゃありませんか!?」

 

『仮面の騎士シリーズ』。

 

中世を舞台にした大人気ドラマシリーズの一つ。しずくも大好きな作品の一つだった。

 

しずく「まさかこの辺で撮影を!?・・・ちょっとだけならいいでしょうか。」

 

期待に胸を膨らませ、しずくは気づかれないようにドレディアの後を追うのであった。

 

 

〜〜〜〜〜〜

 

しずくはドレディアを追って開けた草原へとやってくる。

 

しずく「へぇ、この街にこんなのどかなところがあったなんて。」

 

もう何年もこの街に住んでいるしずくでも知らなかったスポットに感心しながら歩いていると先ほどのドレディアを発見する。

 

木の影からそっと覗くと

 

女性「お帰り、ドレディア。散歩は楽しかったかい。」

 

そう言って草原に腰掛けていた1人の女性はドレディアの頭を軽く撫でる。

 

「ディアァ!」

 

しずく「あれ、あの方ってどこかで見覚えが・・・。」

 

女性「あなたはこの街の人?」

 

突然、声をかけられ驚いてしまうも恐る恐るその女性の元へと出て行く。

 

しずく「す、すいません。その子ってドレディアですよね。私、『仮面の騎士シリーズ』の大ファンで!つい、後をつけてしまいました。」

 

女性「それはありがとう。この子は元々、私のポケモンでね。今日は休暇を利用してみんなで羽を伸ばしに来たんだ。」

 

しずく「そうだったんですね。ところであなたって。どこかで見覚えがある気がするんですが。」

 

そう言ってしずくは首を傾げる。

 

女性「ああ、素顔だからね。なら・・・これで分かるかな?」

 

そう言って女性は荷物の中から白い仮面を取り出すと顔につけて見せた。

 

それを見たしずくは目を見開き、瞳をキラキラと輝かせる。

 

しずく「あっあぁぁぁぁぁぁ!!か、仮面の騎士!!あなたが騎士さんだったんですね!!」

 

それはまさしく、『仮面の騎士シリーズ』の主人公、仮面の騎士その人だった。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜

 

女性「そうか、しずくちゃんは今度、旅に出るのか。」

 

しずく「はい、友達と一緒に。」

 

女性はしずくが一瞬、暗い表情になるのを見逃さなかった。

 

女性「その割には随分と元気がないね。何か、心配事でもあるのかい?」

 

そう言われてしずくは言葉に詰まり、何も言えなくなってしまう。

 

女性「まあいきなりそんなことを聞かれても困るか・・・。」

 

女性は少し考えてから、立ち上がると突如、指笛を鳴らす。

 

ピィィィィィィィ

 

指笛の音が辺りに響き渡る。

 

すると急に風が強くなり、しずくの髪を勢いよく吹き上げる。

 

突然の風に思わず目を瞑ってしまったしずくが次に目を開けた時、

 

女性のそばには見覚えのあるポケモンが悠然と立っていた。

 

しずく「・・・エルレイド。」

 

女性「私のパートナーさ。でも、まだこの姿では不十分だ。」

 

しずく「どういう意味ですか?」

 

そう言いながら目の前のエルレイドをまじまじと見つめる。

 

確かにエルレイドではある。しかし、いつもドラマで見るのとは姿が違う気がした。

 

しずくがそんな疑問を持ったのを察したのか、女性は少し笑みを浮かべると、左指につけていたリングへと右手を添える。

 

女性「さあ、力を、本当の自分をさらけ出せ!エルレイド、メガシンカ!!」

 

しずく(自分を・・・さらけ出す。)

 

その言葉はエルレイドに向けられたものではあったが、

 

しずくには自分のことのように感じられた。

 

そして、リングからは眩い光が放たれ、エルレイドを包み込む。

 

光に包まれたエルレイドは徐々にその姿を変貌させていく。

 

そして、眩い光が止むとそこにいたのはいつもドラマで見るあのエルレイドだった。

 

「エルレィ!!」

 

女性はエルレイドを軽く撫でながら言った。

 

女性「メガエルレイド。普段はこの姿で出演させてもらってる。役者は演じるもの。自分ではない別の誰かになりきる。でも、それだけじゃダメなんだ。時にはこうして、本当の自分をさらけ出す。そうすることでいい演技ができることもある。」

 

しずく「・・・。」

 

女性「さてと、そろそろ私は行くよ。」

 

そう言って女性はポケモンたちをボールに収めると静かに歩き出す。

 

しずく「あの!」

 

その背中をしずくは思わず呼び止めていた。

 

しずく「私、お芝居が大好きなんです!でも、周りにそんな子はいないから嫌われるのが怖くて、ずっと本当の自分をさらけ出すなんてできなくて・・・。」

 

女性「君の素顔を好きになってくれる人は必ずいるよ。いや、もう近くにいるんじゃないかな?」

 

そう言われたしずくの脳裏には1人の親友の姿が浮かんでいた。

 

女性「さて君も出てきたらどうかな。ずっと聞いてたんでしょ。」

 

そう女性が言うと木の陰からおずおずとある少女が顔を出す。

 

しずく「かすみさん!?」

 

かすみ「しず子。・・・さっきぶり。」

 

お互いに目を合わせて固まる。

 

かすみ「さっき、しず子の様子変だったからちょっと気になって・・・。私としず子の仲でしょ!話聞くよ。」

 

やがてしずくはぽつぽつと話し始めた。

 

しずく「私、小さい頃からずっと映画やお芝居が大好きで、でも、周りの子はバトルやコンテストに夢中で私みたいな子はいなくて。誰かに変わってるねって言われたら、嫌われたらどうしようって。そのうち、他のことでも人から違うなって思われるのが怖くて。」

 

 

ーーー

 

『しずくちゃん、昨日のワールドチャンピオンシップス観た!?えっ観てないの?嘘でしょ!?』

 

ーーー

 

 

しずく「だから演じるようになった。みんなと同じ普通の子を。そしたらすごく楽になれたの。」

 

 

ーーー

 

『ううん、観たよ!ツバサさん、カッコよかったよね。』

 

ーーー

 

しずく「やっぱり私、自分をさらけ出せないよ。そんな私が役者を目指しても、本気でやってる騎士さんやカルネさんたちに申し訳が立ちません!!」

 

しずくの目からは大粒の涙がボロボロとこぼれ始めていた。

 

かすみ「はぁ〜〜〜〜〜〜。」

 

黙って話を聞いていたかすみは一通り聞き終えてから大きくため息をついたかと思うと、

 

かすみ「甘っちょろいこと言ってんじゃな〜〜〜〜い!!!」

 

今までにないくらいの大声で叫んだ。

 

かすみ「そんなこと言ったら私だって無謀な夢、抱えてる!下手すればオトノキ地方中のアイドルファンから嫌われるかもしれない。それくらいの夢を持ってる。でも、それが私だから!!」

 

かすみ「嫌われるからなんだ!それならそうやって拒んだ人たちみ〜んなまとめて虜にしちゃうくらいすごいことして見せろ!!」

 

かすみ「それでも嫌われるかもしれない。変だと思う人がいるかもしれない!!でも。」

 

かすみはそこで一旦区切ると一拍置いてから言い放った。

 

かすみ「私はしずくのこと、大好きだから!!」

 

しずく「!!」

 

 

ーーー

 

かすみ『しず子!それ何見てるの?』

 

しずく『うぇっ!?かすみさん!?えっとこれは昔の映画というかなんというか・・・。』

 

かすみ『あっこの人、カルネさんだっけ?綺麗〜!!サーナイトも優雅!!かすみん、こういう映画はあんまり観ないんだけど・・・。』

 

しずく『・・・ですよね。』

 

かすみ『でも、すっごい好きかも!!ねえ、しず子!一緒に観ていい?』

 

しずく『えっ?あっはい!もちろんです!』

 

ーーー

 

かすみ「帰るっ!!」

 

言ってから恥ずかしくなったのかかすみは一目散にその場から逃げ出していた。

 

しずくは涙を拭うと小さく微笑んだ。

 

しずく「ありがとう、かすみさん。まずは自分を好きになってみるよ。」

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

しずく「ということがありまして。」

 

一通り話し終えたしずくはホッと息を吐く。

 

愛「うぅ〜〜〜。愛さん、感動で目からなみなみと涙が流れてきたよぉ〜〜。かすかす、いいこと言うぅ!」

 

歩夢「愛ちゃん、大丈夫?ってそういえばかすみちゃん、さっきから静かだけど。」

 

そう言ってかすみの方を見ると、

 

かすみ「ムニャムニャ、かすかすじゃないですぅ。」

 

いつのまにかすやすやと寝息を立てていた。

 

愛「寝ちゃったんだ。それじゃあそろそろ私たちも寝よっか。」

 

歩夢「そうだね。おやすみ。」

 

しずく「おやすみなさい。」

 

愛「おやすミミッキュ!!」

 

こうしてこの日の夜は静かに過ぎていくのだった。

 

 

TO BE CONTINUED...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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