ポケライブ!〜One More Sunshine Story〜 作:チーケー
オオベニシティを目指す4人に忍び寄る影が一つ。
オオベニシティへ向かう途中、キャンプを張った歩夢たち。
現在深夜・・・。
草木も深く寝静まる頃。
「ザグゥ?」
キャンプ地へと一匹の野生ポケモンが近づいていく。
まめだぬきポケモンと呼ばれるジグザグマである。
「ザグ!!」
ジグザグマは歩夢たちの鞄を見つけると食べ物を探して一心不乱に漁り始める。
「ザグゥ!!」
コロコロ
その拍子にかすみの鞄から空のモンスターボールがジグザグマの前へと転がり出る。
「ザグ?」
興味を示したジグザグマはボールへガジガジと噛み付きだす。
パシュッ
その時、ボールのスイッチが押され、ジグザグマはボールの中へと吸い込まれていった。
しばらく揺れたかと思うとボールはそのまま動かなくなった。
〜〜〜〜〜〜
翌朝・・・
歩夢「うわっ、何これ!?」
しずく「野生のポケモンの仕業でしょうか?」
愛「そうだろうね・・・。とにかく片付けようか。」
愛の一言で歩夢たちは食い散らかされた食べ物を片づけ始めた。
かすみ「うぅ〜ん・・・。」
その物音でようやく目を覚ましたかすみがのろのろとテントから出てくる。
かすみ「あれ?何かあったんですか?」
しずく「おはよう、かすみさん。やっと起きたんですか?」
歩夢「野生のポケモンが私たちの鞄を荒らしたみたいで。」
そう言われて現場を目の当たりにしたかすみは驚愕の声を上げる。
かすみ「んぁぁぁぁ!!かすみんの鞄がぁぁ!!これお気に入りだったのにぃぃ!!」
かすみの鞄は爪や牙でズタズタにされており、鞄の体を成していなかった。
かすみ「うぅぅ。一体、誰の仕業ですか!?」
かすみは怒りを発散するように近くに転がっていたモンスターボールを手に取ると勢いよく投げた。
しずく「ちょっ!?かすみさん、こんなところで危ないですよ!」
かすみ「だってぇ!!」
その直後、投げたボールから光が放たれ、一匹のポケモンが姿を現した。
「ザグゥ?」
歩夢「あれ、ジグザグマ?」
しずく「なんでボールから?」
【ジグザグマ】 まめだぬきポケモン
好奇心 旺盛な ポケモン。ジグザグに
歩いて 草陰や 地面に 埋まっている
宝物を 見つけるのが 得意な ポケモン。
愛「あの子の口元、ポケモンフーズの食べかすがついてるね。」
かすみ「・・・。っていうことは私たちの鞄を荒らしたのはあなたですね!?」
「ジグゥ?」
かすみの激昂にも全く物怖じせず、ジグザグマはキョトンとした顔をする。
そんなジグザグマにかすみはボールを持って迫る。
かすみ「このボールに入ったってことはあなたは私の仲間です。これからたっぷり働いてもらいますよぉ。覚悟してくださいね。ニシシ。」
しずく「かすみさん・・・。」
〜〜〜〜〜〜
歩夢「よし!片付けはこんなものかな。」
愛「オオベニシティまではもうすぐだよ。頑張ろう!」
歩夢たちが出発準備を進める中、かすみはスマホと睨めっこしていた。
しずく「かすみさん?何してるんですか?」
かすみはしずくにニヤリと笑いかけると先程のジグザグマを繰り出す。
「ジグ?」
かすみ「ジグザグマは落とし物を見つけるのが得意なんです!と、いうことでジグ子には色々見つけてきてもらおうと思って。」
しずく「そう上手くいくものですか?」
かすみ「大丈夫!さあジグ子、なんか見つけてきて!」
「ジグゥ!!」
かすみの合図にジグ子は森の奥へと走っていった。
〜〜〜〜〜〜
しばらくしてジグ子は戻ってきた。
「ジグゥ!!」
かすみ「おっ、戻ってきましたね。さ〜て何を見つけてきたかな。」
しずく「か、かすみさん!?そんなこと言ってる場合じゃないよ!!」
ジグザグマが持ってきたのはお宝でもなんでもない、スピアーの群れだった。
「スピッ!」「スピィ!」
かすみ「えっ、ちょっ、うそぉ!!なんでそんなの連れてきてるのぉ!!」
愛「みんな、屈んで!!デデンネ、“パラポラチャージ”!!」
「デデネェ!!」
スピアーに向かっていったデデンネは周りに激しい電撃を放つ。
「スピィ!?」「スピ!?」
突然の電撃に驚いたスピアーはその場から一目散に立ち去っていった。
歩夢「びっくりしたぁ。」
愛「ふぅ。危なかった。」
しずく「助かりました!愛さん!」
かすみ「ひぃぃ。肝が冷えましたぁ。」
「ジグ!ザグゥ!!」
へたり込む四人をよそにジグ子は嬉しそうにぴょんぴょん飛び跳ねながらかすみの周りを回る。
かすみ「・・・ジグ子、戻って。」
その様子を見たかすみはジグ子をボールへと戻そうと試みる。
しかし、ジグ子はまた何かを見つけたのか目をキラリと輝かせると再び、森の奥へと消えていった。
かすみ「ちょっ!?ジグ子!」
それを追ってかすみも森の奥へ向かって走っていく。
歩夢「かすみちゃん!2人ともここで待ってて!私が連れ戻してくるから!」
しずく「はい、私たちは出発の準備を済ませておきます!」
愛「気をつけて、歩夢!」
歩夢「うん!」
〜〜〜〜〜〜
しばらく走ってかすみは何かを口に咥えて引っ張っているジグ子を見つける。
かすみ「はぁ、はぁ。ジグ子、今度は何やってるの・・・!?」
近づいたかすみはギョッとする。
そこには大きな口を開けて眠るポケモンの耳を引っ張るジグ子の姿があった。
かすみ「このポケモン・・・。」
スマホロトムで検索をかけるとすぐにデータが表示される。
【ドゴーム】 おおごえポケモン
耳は スピーカーの 役割。足を
踏み鳴らして 大声を 上げると
一軒家も 吹き飛ばす 威力の
超音波が 出る。
「グオォォォ・・・。」
「ザグゥ!」
かすみ「ちょっ!ジグ子!こっちに戻って!!起きたら大変!!」
「ジグ!」
しかし、そんなかすみの言葉は届かずジグ子は更に強くドゴームの耳を引っ張る。
そして、
「ドンゴォ?」
かすみ「お、起きちゃった・・・。」
ドゴームは耳を引っ張るジグ子を一瞥すると怒りに顔を強ばらせ、物凄い大声を上げる。
「ドンゴォォォォォォォォ!!」
大声は強力な衝撃波となり、かすみとジグ子をふき飛ばす。
かすみ「うっ!!」
「ジグゥ!?」
怯んだかすみたちを追い討ちのようにドゴームの大声が襲う。
「ドンゴォォォォォォォム!!」
かすみ「うっ。耳が壊れそう。」
「ドンゴォッ!!」
「ジグゥ・・・。」
そして、一瞬の隙を突いて動けなくなったジグ子をドゴームの“メガトンパンチ”が炸裂する。
「ジグ子ぉ!!」
吹っ飛ばされたジグ子は木へと叩きつけられ、動かなくなった。
そこへ、
歩夢「かすみちゃん、大丈夫!?」
かすみ「あ、歩夢せんぱ〜い!!」
遅れて歩夢が到着する。
歩夢「ここは任せて!ヒバニー!」
「ヒバ!」
「ドンゴォ!!」
歩夢「ヒバニー!“ひのこ”!!」
「ヒバッ!!」
ヒバニーは炎を吐くと足でドゴームへと蹴りつけた。
しかし、
「ドンゴォッ!!」
無情にも炎はドゴームの手で簡単に振り払われてしまう。
歩夢「レベルの差が大きすぎる。なら、ヒバニー!“すなかけ”」
「バニッ!」
ヒバニーは足で地面を蹴り上げドゴームの目へ砂をかける。
「ドンゴッ!?」
歩夢「走って!かすみちゃん!!逃げるよ!」
かすみ「は、はいぃ!!」
かすみは急いでジグ子をボールへ収めると一目散に走り出す。
しかし、
「ドンゴォォォォォォォム!!」
視界を奪われ、さらに怒りを増したドゴームの咆哮がかすみたちの足を止める。
かすみ「うっ!」
歩夢「これじゃ動けない!」
歩夢たちが動けないまま、ドゴームは暴れ回る。
やがてその攻撃がかすみの方へと向かうが、かすみは動くことができない。
「ドゴオオオム!!」
かすみ「うぅ・・・。」
歩夢「かすみちゃん!!」
歩夢(任せて!と言っておきながら私の力じゃ何も守れないの?)
???『ロトム、ふぶき。』
突如、強力な冷たい風が辺りを吹き荒れる。
そして、一瞬のうちにドゴームは凍りついてしまっていた。
歩夢「かすみちゃん、大丈夫!?」
かすみ「な、何が起こったの?」
???『ご無事ですか?お二人とも。』
無機質な機械のような声をする方を見るとそこには白衣を着た小さな少女が立っていた。
歩夢「リナロイド!ってことは璃奈ちゃんが?」
リナロイド『歩夢さん、お久しぶりです。マスターに言われて迎えに来ました。オオベニシティまでお送りします。しずくさんと愛さんも既にお待ちです。』
歩夢「ありがとう、助かったよ。」
かすみ「リナロイド・・・?」
かすみの疑問をよそにリナロイドは二人を連れてオオベニシティへと向かうのであった。
TO BE CONTINUED...