ポケライブ!〜One More Sunshine Story〜 作:チーケー
偶然捕まえたジグザグマに振り回され散々な目にあったかすみ。リナロイドの助けで危機を脱し、ついにオオベニシティへ!
間一髪でリナロイドの登場によってピンチを救われた歩夢とかすみ。
オオベニシティへの道すがら、かすみは突如現れたリナロイドへ疑問をぶつける。
かすみ「さっきは助かりましたけど、何なんですか?このリナロイドって。」
それにリナロイドは無機質な声で淡々と説明を始める。
リナロイド『はい、私は天王寺カンパニーのご令嬢にしてカンパニーの開発機関『ドキピポラボ』の所長を務めておられます、天王寺璃奈によって作られました自律型アンドロイド、リナロイドです。どうぞよろしくお願いします。』
そう言うと腰に付いているモニターのようなものにニコニコした顔文字が表示される。
かすみ「つまりはロボットみたいなものですよね。ほぇ〜、こんなの作れちゃうんですか、その璃奈って人。」
歩夢「璃奈ちゃんはオトノキ1の天才科学者って呼ばれてるからね。このくらいは余裕だよ。失敗も多いけど・・・。」
かすみ「へぇ〜、どんな人なんです?歩夢先輩は会ったことあるんですよね?やっぱり大人なデキる女性みたいな感じですか?」
そう聞かれて歩夢は一瞬、返答に詰まる。しかし、嘘をついたところでこの後、すぐバレることが分かっているため正直に答えることにする。
歩夢「璃奈ちゃんはそのリナロイドそのままの姿だよ。見たまんま。」
かすみ「え?見たまんま?」
そう言われてかすみは、もう一度リナロイドを上から下までじっくりと見る。
ピンクの少し跳ねた髪。ぶかぶかの白衣。そして、かすみよりも低い身長にちんまりとした身体。
かすみ「こ、こんな子供みたいなのが天才科学者!?」
歩夢「まあそう思うのもわかるけど事実だからね。」
かすみ「驚きですね・・・。」
そんなやりとりをしていると、いつの間にか前方に街が見えてきてリナロイドは足を止める。
リナロイド『着きました。ここがオオベニシティ。科学で未来を創る町です。』
ついにやってきたオオベニシティは現実離れしたような街並みが広がっていた。見たこともない建物や機械が立ち並ぶその街の様子にかすみは目を輝かせる。
かすみ「すっごい!!ダイバーシティも大都市でしたけどここはまた別次元で大都市ですね!!」
歩夢「いつ来てもすごいね。また色々開発された?」
リナロイド『はい、オオベニシティは天王寺カンパニーの手によって日々、進化を続けています。さあ、マスターの元に急ぎましょう。こちらです。』
そう言ったリナロイドの後に続くと急に床がゆっくりと動き始める。
かすみ「え、わ!何これ!?道が動いてる!!」
歩夢「動く歩道だよ。オオベニシティにはこれが街全体に張り巡らされてて歩かなくても目的地に着けるんだよ。」
かすみ「ほぇ〜〜。」
「ジグゥ!!」
かすみ「オオベニシティ、面白い!!こんなのジグ子が見たら大興奮ですぐどっか行っちゃいますね・・・って!!」
後ろを振り返るといつのまにボールから出たのか、今にも飛び出していきそうに目を輝かせるジグ子の姿があった。
「ジグ!!」
かすみ「スト〜〜ップ!!こんなところで走り回られてさっきみたいに大変なことになるのはごめんですよ!!大人しくしてて!!」
間一髪でジグ子を抱き止めて拘束する。最初はジタバタと暴れていたが次第に落ち着き、静かになった。
歩夢「さっき回復はさせてあげたからすっかり元気いっぱいだね。」
「グゥ!」
かすみ「元気すぎるのも考えものですよ。全く・・・んっ!ジグ子、それ何?」
ジグ子が何かを咥えているのを見つけたかすみはすぐにそれを受け取る。
それはハートの形をしており、石のようではあるもののどこか精巧に作られた人工物のようなものにも見えた。
かすみ「石?けどそれにしては綺麗すぎるハート型ですね。」
歩夢「何かすごいお宝かもしれないね。」
かすみ「お宝ですか・・・。」
それを聞いたかすみは一瞬、考えてからそのハート型のものを歩夢へと差し出す。
かすみ「歩夢先輩にあげます!」
歩夢「えっ!?何で?かすみちゃんのジグザグマが持ってたものでしょ?」
かすみ「さっき、助けてもらったお礼です。私、歩夢先輩が来てくれて本当にホッとしたんです。こんなのじゃお礼には足らないと思いますけど。」
歩夢「私、大したことはしてないけど・・・。そういうことならありがたく貰っておくね。」
そう言うと歩夢はかすみからハート型のものを受け取る。
かすみ「はい、大事にしてください。」
そんなやりとりをしているうちに二人の目の前に大きな建物が現れる。
リナロイド『着きましたね。ここが天王寺カンパニーの本社ビルです。』
かすみ「うわぁ、流石は大企業。大きいですね。」
歩夢「ラボはここの地下だったよね?」
リナロイド『はい、そこに愛さんたちも待たせてます。』
そうして三人はビル内へと足を踏み入れる。
???「はい、分かりました。すぐそちらに向かいます。・・・!?」
が、その時、中から勢いよく飛び出してきた白衣の少女と歩夢は盛大にぶつかってしまう。
歩夢「いてて。」
???「あぁ、すみません!急いでいたもので。」
白衣の少女はすぐに起き上がると歩夢に手を差し伸べる。
歩夢「うん、こっちは大丈夫。ありがとう。」
???「良かった。あっ、私は急いでいますのでこれで失礼します。」
そう言うと少女は早足でオオベニシティの街中へと消えていった。
かすみ「随分と慌ててましたね。」
リナロイド『まあ、こう言うのは日常茶飯事です。さあ、行きましょう。」
〜〜〜〜〜〜
ラボへ向かうエレベーターへ乗り込むとものの数分で動きが止まり、扉が開く。
降りてすぐの扉に向かうとリナロイドは何やら操作を始める。
リナロイド『ここから先はトップシークレット。ゆえに警備も厳重で、ここを出入りできる者もこのカンパニーでは数えるほどしかいません。』
やがて操作が終わったのか、扉が静かに開き始める。
リナロイド『マスター、2人をお連れしました。』
その声に反応してか、先に待っていたであろう愛としずくがひょこっと奥の方から顔を出す。
愛「良かったぁ。二人とも無事で。」
しずく「全く、心配しましたよ!」
かすみ「しず子ぉ!!」
親友の顔が見えたことにより、安心感がどっと出てきたかすみは人目も気にせずしずくへと抱きつく。
???「リナロイドに迎えに行かせて正解だった。ようこそ、ドキピポラボへ。」
遅れて奥からぶかぶかの白衣を着たリナロイドとそっくりの少女が姿を表す。
かすみ「こ、この人が天王寺璃奈?本当にそっくりですね。」
かすみはリナロイドと少女とを交互に見比べて改めて驚きの声を上げる。
璃奈「うん。私が天王寺璃奈。よろしく、かすみちゃん。璃奈ちゃんボード『にっこりん』」
そう言って璃奈はニコニコした顔文字が描かれたボードを顔に当てる。
かすみ「な、なんです?顔文字?」
その疑問に愛が答える。
愛「りなりーは感情を表に出すのが苦手でさ、それで私が提案したんだ。これなら意思表示できるって。」
璃奈「現在、デジタル版を鋭意作成中。」
かすみ「なるほど。よろしく!歳も変わらないみたいだし、りな子でいいかな?」
天才と言われ、今まで同年代の友達がいなかった璃奈にとってはとても嬉しいことだったのか、璃奈は顔を赤らめてボードに顔を隠す。
璃奈「う、うん。・・・りな子。璃奈ちゃんボード『てれてれ』」
愛「りなりー、良かったね。」
〜〜〜〜〜〜
璃奈「さて、本題に入ろうか。侑さんのことだよね。」
歩夢「侑ちゃんがどこ行ったか分かるの!?璃奈ちゃん!!」
歩夢は侑の名を聞くや否や璃奈に凄い勢いで迫る。
愛「歩夢、落ち着いて。りなりー、それじゃ話せないよ。」
歩夢「あっ!ご、ごめんね。」
歩夢は璃奈から離れると用意された椅子に座り直す。
璃奈「正直に言うと私も侑さんの居場所までは分かってない。でも、これを見てほしい。」
そう言うと璃奈はモニターにオトノキ地方の地図を表示させる。所々に赤い点がしてあり何かを指し示しているようだ。
璃奈「みんなも持ってると思うポケモン図鑑。これ、位置情報を検索できるようになってて私の方からいつでも調べられるんだけど、この赤い点、侑さんのポケモン図鑑の反応が見られた場所なの。」
歩夢「侑ちゃんの?」
璃奈は静かに頷く。
璃奈「うん、少なくとも侑さんは失踪してから何かしらでオトノキ地方を飛び回ってることがわかる。」
歩夢「じゃあその赤い点の示す場所に行けば・・・。」
歩夢は侑への手がかりが掴めたことに喜びの顔を見せる。しかし、璃奈は乗り気でない様子でつづける。
璃奈「うん、何かしら手がかりが得られる可能性はある。・・・でもここからが問題。」
かすみ「問題?何かあるんですか?」
璃奈「みんなは知ってる?ウルトラビーストの存在。」
璃奈は急にそんな話を切り出す。
しずく「ウルトラビースト?ポケモンでしょうか?」
璃奈「知らなくても無理ないか。今までの事例は国際警察が世間に出ないように揉み消してるから。」
璃奈「あまり詳しくは話せないんだけど簡単に言えば異世界に住む生物。その生物がやってくると言われるウルトラホールの反応が同じ赤い点の示す場所で出てる。」
複雑化してきた話にかすみはついていけなくなったのか、首を傾げている。
愛「つまり、侑はウルトラホールに関連した何かで地方を飛び回ってるってこと?」
真剣に話を聞いていた愛は綺麗に内容をまとめてみんなにも説明する。
璃奈「おそらく。だからもし、ウルトラビーストに遭遇するようなことがあればかなり危険。璃っ奈ちゃんボード『ぶるぶる』」
そんな言葉にも歩夢は臆さずにこう答える。
歩夢「それでも私、侑ちゃんが困ってるなら助けになりたい。私、行くよ!!」
しかし、璃奈から返ってきた言葉はあまりにも酷なものだった。
璃奈「はっきり言うようで心苦しいんだけど、今の歩夢さんには無理。行くだけ無駄。侑さんに会えても足手まといになるだけ。行かせるわけにはいかない。」
そう言われた歩夢脳裏に先程のかすみ救出に何も力になれなかったことが思い出される。
歩夢「でも・・・それだったらどうしたら。」
それを聞いた璃奈は待ってましたと言うように指をパチンと鳴らす。
すると突如、モニターの映像が切り替わり、ある人物の姿が映し出される。
???「歩夢、話は聞きましたよ。」
その人物を目にして歩夢は驚愕の声を上げる。
歩夢「う、海未さん!?」
海未「久しぶりですね、歩夢。」
そこに映っていたのはオトノキ地方最強と言われるジムリーダー海未の姿だった。
TO BE CONTINUED...