ポケライブ!〜One More Sunshine Story〜 作:チーケー
今回はあの2人がメインの回です。
【side 梨子】
遡ること数分前・・・
私はウラホシの森入り口までやってきていた。
梨子「ここよね?先生が言ってたウラホシの森って。すごい深そうな森。」
木々が鬱蒼と茂り、今にも野生のポケモンが飛び出してきそうな雰囲気を漂わせているウラホシの森に気圧される。
梨子「あの人が私のスマホ持ってるはずだし、早く返してもらわないといけないんだけど・・・。」
そう言いつつも足は前に進まない。
そう、今の私はポケモンを持たない一般人。このようなところへ一人で来るべきような存在じゃない。
梨子「でも、アレ見られたら・・・。」
行くか行かないか、その間で葛藤していると、一人の少女が森へ入っていくのが目に入る。
梨子「あれ、あの人森に。ってことはポケモン持ってるってことよね!」
すぐさま走り出し、その子に声をかける。
梨子「あの、森に入るんですか?私も一緒に連れてってもらえませんか?一人じゃ心細くて。」
???「へ?・・・えっ・・・ええ!別にいいわよ!」
少し驚いた様子ながらも了承してくれた。
梨子(良かった〜これで安全にあの人たちを探せる!)
???(何だか分からないけどラッキー!この人、ポケモン持ってそうだし、頼らせてもらいましょ!)
〜〜〜〜〜〜
そして、現在に至る。
???「ハァハァ。なんとか撒いたみたいね。」
梨子「でも、大分、森の奥まで入っちゃったみたいね。ハァ、どっちが出口かも分からないわ。」
???「なんでこうなるのよ〜〜〜!!!」
完全に方向感覚を失ってしまった。しかも、二人ともポケモンは持っていない。
まさに絶望的状況だ。
???「全く散々だわ。入り口からあんなのに襲われるわ、お気に入りのペンダントもバッグも中身ごと落としちゃったし。ほんとにツイてない。」
彼女はそう言いながら額に手を当て嘆いている。
梨子「そもそもポケモンも持たずにこういうとこ来るのは無茶でしょ。」
善子「それはあなたも同じでしょ!!」
梨子「私はあなたが平然と森に入って行くからてっきりポケモン持ってるのかと!」
そしてまた不毛な言い合いになる。
このままではいけない。まずは現状を把握しないと。
梨子「と・に・か・く!今はこの事態をなんとか切り抜けることが先決!持ってるもの出せるだけ出して!何か使えるかも!」
そうしてお互いに持っていたものを出し合う。
梨子「・・・。」
出揃ったのはモンスターボールにキズぐすり、オレンの実が一個ずつ。
???「どうするのよ、これだけのもので。」
私は考えを巡らせた。
梨子「ここはやっぱりポケモンを捕まえるべきか。でも、モンスターボールは一個だけ。捕まえるポケモンが重要になってくる。強すぎると一発ゲットはまず無理。かと言ってひ弱なポケモンでは戦力として乏しい。う〜、私のスマホがあれば図鑑のサーチ機能でポケモンの候補を絞れるんだけど・・・。それとも先にここに来てるはずのあの人たちを探すべきか・・・。いや、でも無闇に動くとまた大型のポケモンに襲われかねないし・・・。」
???「なんか、一人でぶつぶつ言い始めた。この人、ヤバそう。」
バサッ
私が考え込んでいると、すぐ近くで音がする。見てみると『ヤミカラス』が飛び立ったところだった。
何かを光るものを咥えているのが目に入る。それを見て隣にいた彼女が突如騒ぎ出した。
???「ああぁぁぁ!!それ私のペンダント!!」
「ヤミヤミヤ〜!」
どうやらさっき言っていたペンダントをヤミカラスが持っていこうとしたみたい。
しかし、その言葉にお構いなしにヤミカラスは飛び去って行く。
???「待ちなさいよ!コラ〜〜!!」
梨子「ちょっと!無闇に動くと危険だってば!!」
私たちはさらに森の奥へと入っていってしまうのだった。
〜〜〜〜〜〜
【side ヤミカラス】
梨子たちを振り切ったヤミカラスは自身の宝物を貯めた巣へと帰ってきていた。
「ヤミヤミ〜」
しかし、そこを荒らすポケモンが一匹。『ニャース』である。
左目に大きな傷があり、群れのボスなのか、周りに多くのニャースを従えている。
「ヤミッ!!」
瞬間、ヤミカラスは侵入者を追い出そうと『つばさでうつ』を繰り出す。
ズバッ
「ニャ・・・。」
しかし、ボスニャースはそれをいとも容易く『みだれひっかき』で切り伏せる。
「ヤ・・・ミ・・・。」
ヤミカラスはそのまま地へと落ち、ボスニャースをキッと睨みつけるも、そのまま力尽きてしまった。
「ニャニャニャ!!」
それには目もくれず、ボスニャースは子分のニャースに指示を出し、ヤミカラスの宝物を根こそぎ
奪い取っていくのだった。
〜〜〜〜〜〜
【side ???】
ヤミカラスを追って森の奥へと来てみるとそこには荒らされた形跡とボロボロのヤミカラス。
私は驚いて思わずヤミカラスへと駆け寄る。
???「え?あんた、その怪我どうしたのよ。」
梨子「ハァハァ、どうかしたの?」
遅れてやってきた彼女にボロボロのヤミカラスを見せる。
梨子「うわっ大変!キズぐすりあったわよね。」
そう言ってポケットからキズぐすりを取り出すとヤミカラスの傷に吹きかける。
???「なんでこんなことに?」
梨子「多分、ニャースと争いでもしたんじゃないかしら。ポケモン図鑑にもニャースと光るものをよく取り合うってあったし。」
???「へぇ、そうなの。」
よく見るとヤミカラスの翼には私のペンダントが強く握られていた。
???「こんなボロボロになってまで・・・。」
〜〜〜〜〜〜
「ヤミ?」
応急処置が済み、近くの洞穴に寝かせてからしばらくするとヤミカラスは目を覚ました。
???「起きたみたいね。まだあまり動かない方がいいわよ。全く驚いたわよ。あんたを追ってったらあんたが倒れてるんだもの。これ、食べておきなさい。体力回復できるわ。」
「ヤミ。」
私はオレンの実をヤミカラスの前に置きながら聞いてみる。
???「あの人はニャースとやり合ったんじゃないか?って言ってたけど。」
そう言うとヤミカラスは何かを思い出したのか、あからさまに怒り出す。
「ヤミヤミヤ!!!」
???「その様子だと本当みたいね。全く、そんなにキラキラしたものが好きなのね。なら・・・。」
私は自分のペンダントをヤミカラスにつけてあげた。
「ヤミ!?」
???「これはあなたにあげるわ。感謝しなさいよ!」
「ヤミ!ヤミ〜〜!」
そう言うとヤミカラスは嬉しそうに翼をバタバタさせた。
???「好きなものに必死になる気持ちは私もわかるわ。私もポケモントレーナーにずっとなりたくて。でもなんでかどんなポケモンにも懐かれなくて。」
「ヤミ・・・。」
???「見かねたママが私にプレゼントしてくれた子もいたんだけど・・・。その子ももう。」
昔のことを思い出して、涙が出そうになるのを必死に堪え、ヤミカラスに笑顔を向ける。
???「ってこんなこと、あんたに言ってもしょうがないわね。私たちはもう行くわ!もう無茶するんじゃないわよ!」ギラン!
そして、渾身のポーズをキメるとその場を後にした。
「ヤミヤミ〜〜!!」
〜〜〜〜〜〜
梨子「本当に良かったの?大事なものだったんじゃないの?」
歩いていると、不意にそう聞かれる。
???「あんた、聞いてたの?・・・いいのよ。ペンダントの一つや二つ。」
梨子「そっか・・・ふふ。」
意味深な笑みを見せる隣の彼女。
???「何よ?ニヤニヤしちゃって。」
梨子「別に〜どうもしませんけど〜。」
ガササッ
と、その時
突如草むらから『オコリザル』がこちらへ目掛けて飛び掛かってきた。
「プギャーーー!!」
「「で、出た!!オコリザル!!」」
私たちはどうすることもできず、ただその場で抱き合うことしかできない。
「ヤミヤミ〜!!」
シュバッ
「プギャ!?」
オコリザルは突如として現れたヤミカラスの攻撃を受け、驚いて逃げていってしまった。
???「た、助かった!あなた、さっきの。どうしてここに?」
「ヤミ!ヤミッ!」
一生懸命に何かを伝えようしているがいまいちよく分からない。
「ヤミッ!!」
すると、ヤミカラスは腰につけていた空のモンスターボールをビシッと翼で指す。
梨子「もしかして、あなたのこと気に入ったんじゃない?仲間になりたいとか?」
「ヤミヤミ!」
それを聞いて、どうしようもなく嬉しいという感情が体の中に湧き上がる。
だって私のことを気に入ってくれた子なんてこの先、現れるはずがないと思っていたから。
「そう・・・なの?それなら。」
私はヤミカラスへとモンスターボールを向ける。
???「私と一緒に堕天・・・する?」
「ヤミン!!」
私と同じポーズを決めながらボールのスイッチを押す。
ヤミカラスはボールに吸い込まれ、少し揺れた後、カチッと音がして静かになった。
思わぬ出来事に私は涙を流しながらいつのまにか隣の彼女へと抱きついていた。
???「やった!やった〜〜!!」
彼女は拒否することなく受け入れ、頭を撫でてくれた。なんか安心する。
梨子「よしよし、ゲットおめでとう。えっと・・・。」
そこで名前を名乗っていなかったことに今更気づく。
???「そういえばまだお互い名乗ってなかったわね。」
渾身のポーズをキメて、私は自己紹介をした。
???「我が名はヨハネ!!堕天使ヨハネ!ひれ伏しなさい、下界の者よ!」ギラン
梨子「あっ、えーと私は桜内梨子。よろしくね、ヨハネちゃん?」
戸惑った様子でそう聞く梨子。
ヨハネ「私のことはヨハネと呼びなさい。じゃあポケモンも手に入ったし、ここを脱出しま・・・。」
ズズゥン
「ペッドオオオオォォォォォォ!!」
突如大きな音が響き渡り、こちらに向かってくる人影が見える。
そこにいたのは先程、私たちが追われていたペンドラーに追われる二人の少女だった。
「「う、嘘でしょ・・・。」」
梨子と共に唖然とする。
そのまま私たちも巻き込んでペンドラーは四人を追いかけ始めた。
ヨハネ「なんでこうなるのよ〜!!」
千歌「あっ桜内さん!」
曜「あれ?善子ちゃん?
梨子「もう嫌〜〜〜!!」
ウラホシの森の冒険はまだまだ続く。
続くったら続く。
TO BE CONTINUED...