ポケライブ!〜One More Sunshine Story〜 作:チーケー
あの2人がようやく登場です。
ウラホシの森での一件から一夜明けて。
ウラホシスクールでは図鑑アプリを表示したスマホを高々と掲げクラスメイトに自慢する千歌の姿があった。
千歌「ふふん!これで私も博士に認められたトレーナーの一人だよ〜!えっへん!!」
それにクラスメイトの三人が感嘆の声を漏らす。
よいつむ「いやぁ、あの千歌がね〜。ポケモンに関しては人一倍疎いくせに。」
千歌「私だってこれから頑張るの!この図鑑でいっぱいポケモンのこと知るんだから!」
よいつむ「へえ、じゃあ今度の地方遠征が楽しみだねえ。」
千歌「そういえばそんな時期だね。みんなはどこ行くか決めたの?」
キャッキャウフフ
それを遠くから曜と梨子が見つめていた。
曜「千歌ちゃん、嬉しそうだね〜。」
梨子「朝からずっとあの調子ね。そんなに嬉しいものなの?図鑑って貰えるのが当たり前に思ってたけど。」
曜「まあ、梨子ちゃんはそうだろうね。でもここヌマヅ地方じゃ、博士はいないからそういう文化がないからさ。」
梨子「ふーん。そんなものなのね。」
曜「・・・ねぇ。」
梨子「?」
曜は疑問に思っていたことを口にする。
曜「昨日から疑問だったんだけど梨子ちゃんってトレーナーなの?ポケモン図鑑持ってるみたいだし。昨日、鞠莉さんもあなたのポケモンがどう、とか言ってたような気がするし。」
梨子「・・・。正確には"トレーナーだった"って言うべきかな。まああまり気にしないで。」
曜「・・・梨子ちゃん?」
そう言った梨子の表情は曜にはどこか辛そうに見えた。
〜〜〜〜〜〜
ウラホシポケモンスクール 1年教室
ここにも千歌と同じくクラスメイトに図鑑を自慢する少女が一人。
善子「これで私もポケモントレーナーの第一歩を踏み出したわ!!」
「ヤミーー!!」
教室の前でヤミカラスと共に自慢げにポーズを決めてみせる善子。
その周りにはクラスメイトたちがワイワイと集まっていた。
「津島さん、すごーい!!」
「私にも見せて見せて!」
その様子を遠くから見ている二人の姿があった。
???「善子ちゃん、生き生きしてるずらね。まあ、念願だったポケモンが手に入ったからかな。ねえ、ルビィちゃん?」
「バクバク・・・モグモグ。」
栗色のロングヘアを靡かせ、艶やかな瞳で善子の方を見つめる彼女。
その隣にはあまり彼女には似つかわしくない『おおぐいポケモン』のゴンベが一心不乱にパンを食らっていた。
ルビィ「・・・・・・。うん、そだね。」
ルビィと呼ばれた赤い髪をした少女はそれだけ言うと、昨夜のことを思い出していた。
〜〜〜〜〜〜
クロサワ家
「なに!?ニシキノ博士からポケモンの生息域調査を頼まれた?」
ダイヤの発言に男は驚きの声を上げる。
ダイヤ「はい!しっかりこの依頼なしとげてみせますわ。」
「うんうん。クロサワ家の当主として鼻が高いぞ。」
クロサワ家。
ここヌマヅ地方で知らぬ者はいない大きな力を持った家系である。
建設に採掘、果てにはヌマヅ地方を盛り上げる活動などあらゆることをやっているが、本質的に何をやっているのかは誰も知らない。
ダイヤとルビィはその家の娘だった。
「ルビィもダイヤを見習いなさい!未だに自分のポケモンのしつけもろくにできないようじゃなぁ・・・。」
その言葉にルビィは何も言えずに縮こまる。
ルビィ「・・・・・・。」
「まあまあ、今日はお祝いにしましょう。ルビィ、手伝って下さる?」
一瞬、悪い空気が流れるが、ルビィたちの母の一声で空気が変わる。
ルビィ「う、うん。」
「よし、近くのみんなにも声をかけるか!」
ダイヤ「お父様、それは大袈裟ですわ。」
〜〜〜〜〜〜
???「ルビィちゃん、ルビィちゃん?」
ルビィ「ピギィ!なっ何?花丸ちゃん!?」
先程の少女、花丸に呼ばれ、ルビィは我に帰る。
花丸「次、外でポケモンバトルの授業ずらよ?」
ルビィ「あっうん。ごめん。今行く!」
ウラホシスクール バトルフィールド
先生が次のバトルのペアを指名する。
先生「じゃあ次、黒澤と・・・。」
善子「はい!はい!私!!」
その声に善子自ら手を上げていく。
先生「おっ、ついにポケモンゲットして気合い入ってるな、じゃあ津島!」
「・・・はい!!」」
先生「じゃあ両者、ポケモンを前に。」
善子「フフ!私たちの実力を見せてあげましょう!いくわよ!ヤミカラス!」ギラン!
いつものポーズを決め、ポケモンを繰り出す善子。
「ヤミン!」
それとは対照的に両手でおどおどしつつモンスターボールを投げるルビィ。
ルビィ「今日はお願いだよ、ペロッパフ!」
「ペロ・・・?ペローーーーーッ!!!」
わたあめのようにふわふわしたポケモン、ペロッパフ。
だが、出た瞬間にペロッパフは何処かへと飛び出していく。
ルビィ「あっ!ペロッパフ!!」
それを見た先生は深いため息をつく。
先生「・・・またか黒澤。自分のポケモンのしつけくらいしっかりしとけ。全くお前の姉とは大違いだな。もういい。じゃあ代わりに国木田。」
ルビィ「はい。」
ルビィは肩を落とし、ペロッパフの飛んでいった方向へ向かった。
花丸「・・・ルビィちゃん。」
「・・・モグモグ。」
〜〜〜〜〜〜
ルビィはスクールの裏手の人気のない場所で小さくうずくまっていた。
ルビィ(もう嫌だよ・・・。学校でも家でもお姉ちゃんとは比べられてばっかり。みんな、お姉ちゃんばかりでルビィのことなんか。ルビィにもお姉ちゃんに負けないものが何かあればなぁ・・・。)
千歌「待ってよ〜〜〜〜!!」
梨子「いい加減、本当にしつこ〜〜〜い!!」
誰もいないと思っていたルビィは突如聞こえた大声にビクンと体を震わせる。
思わず立ち上がり、あたりの様子を見ていると、こちらに走ってくる少女の姿があった。
ルビィ「!?」
梨子「!?」
ドッシーーーン!!
突然のことで避けられず、二人はぶつかり、地面へと倒れる。
梨子「・・・ててて。あっ大丈夫?」
ルビィ「は、はい。ごめんなさい。前見てなくて。」
ペコペコと頭を下げるルビィに梨子は気にしないでと手を振る。
梨子「いやいや前見てなかったのはこっちもだし。それに・・・。」
そこに遅れて元凶が走ってくる。
千歌「だ、大丈夫?」
梨子「あんなに誰かさんが追いかけてこなければこんなことには・・・。」
千歌「へ?」
ルビィ「そ、それじゃルビィはこれで・・・。」
人が増え、居心地が悪くなったルビィはその場から立ち去ろうとする。
千歌「!?」
しかし、遅れてきた千歌はそれを遮る。
千歌「待って!!」ガシッ
ルビィ「ピギィ!!」
突然、腕を掴まれ、またもビクンと肩を震わす。
千歌は間髪入れずにルビィに顔を近づけて迫ってくる。
ルビィ「・・・うゆゆゆ。」
そして満面の笑みを浮かべて千歌は言い放った。
千歌「一緒にポケモンアイドルやりませんか!!」
ルビィ「・・・ポケモン・・・アイドル・・・!」
千歌から出た驚きの言葉にルビィはしばらく動くことができなかった。
TO BE CONTINUED…