もし東方キャラが色々と反転してたら   作:あおのん

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ケモミミ最高

 

 俺を包むのは先が見えない真っ暗な闇。かと思いきや、自分の体と紫ちゃんの体だけはくっきや見えます。どういう現象なんでしょう、これ。

 他にも、色々とおかしいです。例えば、この宙に浮かんだたくさんの目玉。その全てがこちらを見ています。正直これだけで寒気が凄い。気持ち悪いというか、物凄く不気味です。

 

 しかも今は絶賛落下中。

 ……なんなんだよ絶賛落下中って。誰が褒めるんだよ。それなんてフリーフォール? とりあえず、重力に従って下に下に、ひたすら落ちて行きます。

 

 

 

 

 

 

 さてさて、俺の人生の中でここまで可笑しなことが一度でもあったでしょうか。

 

 

 幼女が転んでいたと思ったら、東方のゆかりんで、何故かロリで、超簡単な治療モドキをしてあげたらお礼に晩飯でもどう? と誘われ、半ば強制的に穴に落とされた、と。

 

 なるほど意味わかりません。

 

 

 

 

 紫ちゃんにせめて話を、とも思いましたが、上手く体勢が整えられない、少し距離が空いている、この位置だと見事に紫ちゃんのパンツが見えてるので、ここは楽しむべき、などの理由でやめました。純白の優しさをありがとう。やかましいわ。

 

 スケベ魂此処に極まれり。いやぁ本能って怖い。

 

 ぐふふとゲスい笑みを浮かべていると、遂に景色が変わりました。眩しい光に少しビックリしましたが、さっきまでの不気味なスキマからは脱したようです。

 

 

 目が慣れるとそこは、一面が森。明らかに自分の住んでる街ではありません。八雲紫──紫ちゃんに連れて来られたんです、間違いなく幻想郷でしょう。さり気なく幻想入りしちゃったよ俺……。

 

 森が少し開けた位置に、一つだけポツンと木造の家屋が立っています。どうやら落下地点はその辺りのようです。

 

 

 

 

 

 

 ……いや、その前に命の危機なんですけど。ていうか高っ! ジェットコースターの頂天くらいの高さだよ! もちろん落下しているので、凄い速さで地面が近付いてきます。見る限り、地面は間違いなく土です。

 

 ああ……ダメだ終わった……。間違いなくこの高さだとポックリです。ミンチになります。さらっと幻想入りして、そのままあの世入りだよ……何とも笑えない話です。笑えなすぎて逆に笑えて来ました。

 

 

 何より……まだ彼女出来てないのに。

 エッチなこともエッチなこともエッチなことも出来てないのに……!

 

 せめて。せめて、あの世にも可愛い女の子がいますように。そう祈りました。

 

 

 様々な景色がフラッシュバックします。走馬灯というやつでしょうか。

 

 俺の人生を振り返…………おい、なんで紫ちゃんのパンツの回想ばっかりなんですか俺の脳。もっと振り返るとこあったでしょうが。

 でも一応お礼を言っておきます。ありがとう。

 

 

 そっと目を閉じます。激突の勢いから少しでも身を守るように、両手で頭を抱えました。

 

 あまりにも展開が唐突すぎて、恐怖とかの感情より、困惑とかの方が強いというのが本音です。

 

 

 そういえば、人間が飛び降りて生きていられる高度限界は四十五メートルほどだと聞いたことがあります。水だと七十五メートルだったか。

 

 ……間違いなくそれ以上あるわダメだ詰んだ。

 

 いよいよ地面がだいぶ近付いて来ました。グッと歯を食い縛ります。

 

 

 

 

 

 

 ……が、なかなか衝撃は来ません。

 その代わりにフワッとした浮遊感を感じました。目を開けてみると、さっきより景色が流れていく速度が遅い。どうやら凄まじく減速しているようでした。

 

 

「……およ?」

 

「ごめんなさい、お兄さん。上じゃなくて下に繋げばよかったね」

 

 

 気付けば紫ちゃんが申し訳なさそうな顔で隣まで降りて来ていました。上下ってのは高度的な意味でしょう、恐らく。

 

 ──え、俺の覚悟は……?

 一世一代の決心はどうすればいいのよ。

 

 ……なるほど、紫ちゃんはきっと焦らしプレイが上手いんですね。そうに違いないびくんびくん。

 脳で勝手にそう思うことにしました。

 

 

 

 やがて、地面に足が着きます。おお愛しの地面よ……足を着けられることがこんなに幸せに感じたのは、仰向けで寝転がって足を少しだけ挙げる、よくある腹筋トレーニングの後くらいです。

 

 

「し、死ぬかと思った……」

 

 

 思わず息が漏れます。そこで初めて自分が汗をかいているのに気付きました。思っていた以上に緊張してたみたいです。まあ、死にそうだったんだから当たり前か……むしろ脳内はこんなに気楽な自分はだいぶ異常に思えます。

 

 

「ごめんなさい、全然気付かなくて……」

 

 

 聞けば、上からは俺の表情が全く見えなくて、こんなに怖がっているとは思わなかったんだとか。紫ちゃん本人は飛べるそうなので、恐怖とは無縁なのもあったそうです。

 

 俺が決心を固めて頭を抱え込んだのが見えて、慌てて境界を弄って減速させた、と。

 

 正直最初からやって欲しかった……とか言ったら、紫ちゃん泣いちゃいそうだから言いません。既にだいぶ申し訳なさそうな顔をしていて、俺の方が居た堪れなくなってきているというのに。出来るはずありません。

 

 ……やばかったけど、まあ、死ななかったし、いいか。申し訳なさそうに縮こまってる紫ちゃんも可愛いし、良しとします。

 

 

「まあ、大丈夫だったしさ」

 

 

 そう言いながら、帽子越しに紫ちゃんの頭を撫でます。少々馴れ馴れしいかもしれませんが、命懸かってましたし、これくらいの役得はあっていいはず。

 

 それに、紫ちゃんも嫌がっておらず、むしろ笑顔で見上げて来ました。

 くっそ可愛ぇぇぇぇ。

 

 

 それにしても何故あんな上空から……さっきの言葉からして恐らく出口を地表付近に設定することも出来たはずなのですが。

 

 

「うーん、空を落ちるのって気持ち良くない?」

 

 

 いや、そんなキョトンとした顔でそんなこと言われましても、俺にはわかりません。

 

 幻想郷の常識ってこんなんなのでしょうか? ……魔窟だなぁ。

 

 とりあえず、そうだねと無難に頷いておきました。顔が引きつっていたかもしれませんが、勘弁。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいまー!」

 

「あ、おかえりなさいませ。ゆかりさま」

 

「うん、ただいま! 藍、あのね、今日はお客さんが来てるの!」

 

 

 少しグロッキー状態でしたが、紫ちゃんが俺の手を握って駆け出すので、元気になるどころか危うく興奮するところでし──いや、興奮しました。うん。もう取り繕うまい。

 

 おててやわらけぇぇぇぇぇぇと悶えながら、上から見えていた家屋に二人で入ります。

 

 

 するとトテトテと走って来て迎えてくれたのは……何とこれまた可愛らしい幼女。しかも更に恐ろしいことにこの子、尻尾が生えています。それも九本も。

 

 

 紫ちゃんは藍と呼んでいました。

 ……間違いない。間違いなく東方の八雲紫の式神。九尾の八雲藍です。らんしゃまです。個人的には東方で一番ナイスバディならんしゃまです。

 

 

 

 ……いやだからなんでロリなんですか。可愛いけどさ。めっちゃ可愛いけどさ。超可愛いけどさぁ!

 

 

 藍ちゃんは紫ちゃんより幼いです。喋り方も少し舌足らずな感じで、しかも一部の層が大変喜びそうなオプションの尻尾を付けています。俺歓喜。何を隠そう、俺がその一部の層の人間だったりします。

 

 残念ながら帽子を被っているため、狐耳は見えませんが、そんなことは些細な問題です。……そう、この俺にかかれば。

 

 

 

 全力で意識を集中しながら、血走った目で藍ちゃんを見つめます。

 藍ちゃんの頭には帽子なんかない。帽子なんかないんです。そう、帽子なんかないんだ……! ふふ、俺の妄想力を持ってすれば、藍ちゃんのケモ耳が帽子越しにでも見えるんですよォ!

 

 余りにもじっと見過ぎて、藍ちゃんは戸惑っていました。それでもなお見つめ続けます。次第に恥ずかしくなって来たのか、藍ちゃんの頬が紅く染まり、目線をあっちこっちに移動させ始めました。

 

 うぉぉぉ、その反応超可愛いぃぃぃ! その可愛さでその反応反則だから! ドキドキが止まんないぞ畜生!

 

 

「あ、あの……その、なにか、ありましたでしょうか」

 

 

 舌足らずでオドオドで敬語とかツボすぎるんですが……藍ちゃんがあまりにも可愛らしく慌てて、ついに話し掛けてきたので、そろそろやめることにします。非常に遺憾ですが。

 

 にしても危なかった。あの照れ方のせいで心臓がはち切れんばかりに仕事をしています。ドキドキ、いや。どちらかというとキュンキュンでしょうか。バリスタで撃ち抜かれた気分です。……どんな感じなのか全く想像つかねぇ。多分風穴空いて終わるんじゃないでしょうか。

 

 

「いや、ごめんね。尻尾が生えてる子なんて初めて見たから」

 

 

 なるべくポーカーフェイスを心掛け、それとなく言い訳をして逃げました。

 藍ちゃんはまだ少し顔が赤いですが、それでもしっかりと俺の発言に返事をしてくれます。

 

 

「そ、そんなに、めずらしいものでしょうか」

 

「うん、だってこのお兄さんは外の人だもん!」

 

「……え?」

 

 

 元気に答える紫ちゃんと、唖然としている藍ちゃん。傍で二人を見てほんわかしてる俺。周りから見れば二人はサイズ的に、姉妹です。キュアキュア、二人はプリキュアです。

 

 ……なにこの空間。ユートピア? 美少女──いや、美幼女二人が話しているのを見ると、超心が和むのは必死だと思います。何だか、二人の周りから天使でも見えそうな雰囲気です。むしろ二人が天使。

 

 

 紫ちゃんが俺と出会った経緯と、ここに連れてきた理由を藍ちゃんに簡単に説明すると、藍ちゃんは一つ大きな溜息をつきました。

 

 そして、半眼になって紫ちゃんに立ち寄ります。所謂ジト目というやつです。あ、すいませんこっちにも目線くださーい。

 

 

「……つまり、ゆかりさま。ゆかりさまはこの方のお返事をきくまえに、こちらにおつれしたのですね」

 

「……あ」

 

 

 しまったぁ、というような表情になる紫ちゃん。何度でも言おう。可愛い。今日だけで俺何回可愛いと思ったんでしょう。数えて何処かに送ったらプレゼントでも届くかもしれません。んなアホな。

 

 どうやら藍ちゃんは割とハキハキと紫ちゃんに言葉を言うようで、紫ちゃんはまた縮こまって行きました。

 

 

「ゆかりさま。この方にもご家族がいらっしゃいます。もうすこし、その辺りをはいりょなさってください」

 

「はーい……」

 

 

 式神に言い包められちゃう紫ちゃん可愛い。その後俺の方に向き直り、シュンと沈んだまま、ごめんなさいと、頭を下げて来ました。ついでに何故か藍ちゃんも。

 

 

「お兄さん、ごめんなさい……」

 

「わが主が、もうしわけありませんでした」

 

「ああ、いやそんなに畏まられても……とりあえず、二人とも顔を上げて?」

 

 

 だから幼女に頭下げさせるとかどんなプレイだよ、と。それじゃロリコンというよりただの外道です。

 紫ちゃんは気まずそうな、藍ちゃんは申し訳なさそうな顔をしていました。

 

 ……いやまずそんな顔してる可愛い子を許さないわけないじゃん?

 

 

 それに藍ちゃんはうちの家族のことまで考えてくれましたが、そちらはほとんど心配ないです。うちの両親は帰りが遅く、一日中帰ってこない日だってあるほど多忙なので、家に帰ってもぼっち飯、所謂孤食でしたし。

 

 とりあえず、なるべく優しく笑い掛けながら二人の頭を撫でます。

 

 

「全然気にしてないよ。それより、二人とも可愛いんだから、悲しい顔よりも、笑った顔でいて欲しいな」

 

 

 うっはくっさ。

 くっさいです俺。鳥肌が立ちそうです。これ本当に自分の喉から出た声なの? 明日辺り思い出したら恥ずかしすぎて布団被りたくなりそうです。

 でも幼女の前だとスラスラ言葉が出てくる不思議。犯罪の匂いが凄いですけど。

 

 

 まあ、いいです。そんなことより俺は藍ちゃんの撫で心地を言いたい。

 

 無論帽子の上からですが、髪の感触の前に、念願のケモ耳の柔らかい感触に辿り着いたのです。……おぉ、今ピクッと動いた。

 柔らかくて暖かいし、藍ちゃんも照れてはいるようですが、気持ち良さ気に目を細めてくれています。

 

 紫ちゃんはナデナデが気に入ったのか、俺の手を上から抑えて、更に自分から頭を擦り付けて来ました。

 あかんこの子ら可愛いすぎる……。

 

 

 初対面でナデナデとかそれなんてエロゲ? とか、幼女二人侍らすとかロリコン待ったなし、とか思いましたが、二人が笑顔になってくれるんだったら、何でも良いような気がしました。

 

 やっぱ可愛いは正義(絶対)

 

 絶対不変の法則を唱えていると、藍ちゃんが控えめに尋ねて来ました。

 

 

「と、ところで、その、おなまえをうかがってもよろしいでしょうか?」

 

「あ、そう言えば私も聞いてないや」

 

「ゆかりさま、おなまえも知らない方をつれ回していたのですか……」

 

「あはは。川崎 蓮だよ、よろしくね。えっと、二人の名前も改めて教えて貰えるかな?」

 

 

 まあ、本当は知っているんですが、こういうのは形式が大事だってばあちゃんが言ってました。何事も形からです。

 勿論嘘。特に深い意味はないです。

 

 

「私はこの幻想郷の管理人、八雲 紫だよ! よろしくねお兄さん!」

 

「わたしは、ゆかりさまの式神の、八雲 藍です。よろしくおねがいします、蓮さま」

 

 

 元気な挨拶を紫ちゃんが、ペコりとお辞儀を藍ちゃんがしてくれました。

 

 にしても『お兄さん』とか『蓮さま』とかなんか呼ばれる度にゾクゾクするんですけどぉぉぉ。

 なにはともあれ、さて、これでようやく二人のことを声に出して名前で呼べるわけです。な、長かったなぁ……。

 

 

 とりあえず、ここが本当に幻想郷なのか、聞いておくことにします。本当に東方projectはリアルに存在しているのかを確認するために。俺にとっての桃源郷は存在しているのかを確認するために。

 

 

「えっと、幻想郷っていうのは、この世界のことなんだよね?」

 

「うん、そうだよ! 普通は行き来出来ないように結界が貼られているんだけど、私は行き来出るの!」

 

「ゆ、ゆかりさま。本当になにも説明なさってなかったのですね……」

 

 

 博麗大結界、というやつでしょう。幻想郷は日本の何処かの山奥だと公式設定でもありましたけど……いやマジであったとは。

 

 それから幾つか自分の知識と照らし合わせながら質問しましたが、概ね、この世界は東方projectの幻想郷だということがわかりました。

 

 

 概ねというかほぼ確信です。唯一分からないのは何故ここまで容姿が原作と違うのか。謎です。

 ──というかそのせいでロリコンに目覚めちゃったじゃないか。

 

 




らんしゃま>ゆかりん(ロリ度的な意味で
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