もし東方キャラが色々と反転してたら   作:あおのん

3 / 6

タイトル考えるのが一番苦手です。




年上はイイ

 

 

 

 既に十五分ほど玄関で話し込んでしまっていました。藍ちゃんがそういえば、とちょうど話の途切れたタイミングで、本題を切り出します。

 

 

「食事をなさるというお約束でしたが、いかがなさいますか。なにかふつごうでしたら、お家に送らせていただきますが」

 

「んー……いや、別に不都合なことは無いよ。家に帰っても親は仕事で居ないしね」

 

「ほんと!?」

 

「そうでしたか、では、ぜひめしあがっていってください」

 

「……じゃあ、有り難くご相伴に預かろうかな」

 

 

 ほんと!? の辺りから紫ちゃんに手握られちゃってますし。

 

 何よりもう少しこの二人と喋ってほのぼのしたいという気持ちも大きいというのがありました。ロリコン? そうですけど何か。

 

 

 にしても、藍ちゃんが良く出来た子過ぎます。それでいて舌足らずな所が、何処か背伸びしているようで一層可愛らしい。

 

 

 

「やった! 行こ、お兄さん!」

 

 

 紫ちゃんは、食べて行くと分かるや否や、早速俺を家の中に引っ張っていきました。

 ああ、嬉しいけどそんなに引っ張ると危な…………ってちょ、力強っ!?

 

 踏ん張ろうとしましたが、驚くことにそのまま引き摺られました。軽くショックです。幼女に力で負ける男。なんか俺が非力みたいですね。どうも最近流行りの箸より重いもの持てない系男子です。そんな流行りは嫌だ。

 

 

 ……そこら辺は幼女だけどやっぱ妖怪なんだなぁ。身体能力というか、体の作りが違うんでしょう。

 

 もしかしたら見た目はこんなんだけど二人とも、俺より年上とかいう可能性もあり得ます。ていうか東方と同じだと考えると紫ちゃんとか千年以上──いや、容姿がここまで大きく違っているし、そうとも限らない、かな?

 

 

 でもそうだったら年上ロリ……か。

 ……うん、いいね! ばっちこいやぁスタンスで受け止めましょう。なんならこ、来なくってもいいんだからね! のツンデレスタンスでもいいです。

 

 

 

 というわけで、妖怪であろうが何であろうが中身はただの可愛い女の子なので、あまり気になりませんでした。

 だって可愛いし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 手を引かれて通されたのは、和室でした。真ん中に卓袱台が置いてある、ザ・和室。

 急かされるように置いてあった座布団に座らせられ、紫ちゃんはその隣に座って、凄く良い笑顔で話し掛けてきます。

 

 

「うちの橙──あ、藍の式神なんだけどね? とーっても料理が上手なんだよー」

 

 

 自分のことのように嬉しそうに話す紫ちゃん超可愛い。

 というか希望的観測かもですけど、何だか凄く懐かれてる? まだ会って小一時間ほどなのですが。

 そうだったら……嬉しいな。可愛い子に好かれて嫌な気がするはずないです。妹が出来たらこんな感じなのかな。

 

 ……でもそういえば『現実の妹ほど夢を見させてくれないものはないぞ』とこないだ友達が言っていたのを思い出しました。その時は妹がいない俺への当てつけかと思いましたが、うーん、どうなんでしょう。

 

 

 

 

 というか、橙。ちぇぇぇぇん。あのロリロリ猫娘が料理が上手ですと? ていうか、八雲家の料理を作っているのはらんしゃまじゃなかったっけ?

 む、やはり色々と俺の知っている東方とは食い違う所があるようです。

 

 

 ゆかりんとらんしゃまが幼女に。

 

 ……お姉さまが幼女にってことは、幼女はお姉さまにとか? あっはっは、んなわけありますか。

 

 となると橙がお姉さまスタイルに────

 

 

 

「お待たせしました、紫様とお客人様」

 

 

 ────あっちゃったよ!

 

 

 両手に料理の乗ったたくさん皿を持ち、部屋に入って来たのは、長身でスタイルのいい、猫耳&尻尾装備の美女。

 

 俺のことをお客様と呼んでいます。ど、どうしよう。何故かお客様の響きがエロく聞こえてきた。お姉さんのクールボイスで言われるとこうなるのか……。録音して朝の目覚ましボイスこれにしたいです。ゾクゾクしそう。

 

 

 藍ちゃんが恐らく説明したのでしょうか。藍ちゃんは俺が紫ちゃんに引っ張られている時、別の部屋に向かっていましたし。

 

 

 

 とりあえず、橙の──違和感が凄いんで橙さんとお呼びしましょう。橙さんの声と外見にかなりドキっとしました。

 紫ちゃん藍ちゃんを見たときの和みとはまた違う心臓の高鳴りです。

 無意識に、見惚れてしまっていました。

 

 

 …………こ、これが東方のあの橙? 本当に、むしろ橙さんとか橙さまとかお呼びしたくなる外見です。

 

 お淑やかなで清楚な雰囲気と、綺麗と可愛いが四対六くらいの割合のちょっと可愛い寄りの顔。

 身長は恐らく、一七五ある俺より少し小さい程度といったところです。……モデル体型過ぎる。

 

 ボンキュッボン! みたいな魅惑ボディというわけではありませんが、なんというか、凄く女性的な体のラインをしているというか。

 

 

 全体として抱いた印象は『一つ上の学年の姉属性持ちの先輩』的な可愛さを持った人、でした。

 

 それになにより猫耳&尻尾装備。た、たまりません。

 

 

 衝撃で、少し呆気に取られてしまいましたが、何とか取り繕って、どうもと声を返せました。冷静になって見ると、橙さんの後ろには藍ちゃんが両手で自分の顔より大きな皿を持って、運んでいました。……可愛い。

 

 

 皿を受け取るため、腰を上げようとすると「座っていてくださって構いませんよ。お客様なんですから」とニコニコ笑顔で釘を刺されました。引き下がろうとしましたが、橙さんの顔を見て撃沈。その微笑みはチートだと思います……。

 顔が熱い。な、何故か照れ臭くて橙さんが見れません。お姉さん対応の破壊力やべぇですこれ……。

 

 

 橙さんが、テキパキと皿を置いて「残りを持って参りますね」と、もう一度戻っていきます。背筋がピシッと伸びていて、歩き方まで綺麗です。

 

 

 一方藍ちゃんは、机の上に皿を置くのに難儀しています。藍ちゃんの手の長さだと、机の真ん中に置くのが難しいようで。

 ……なんだこの癒し映像。横目で紫ちゃんを見ると、紫ちゃんも藍ちゃんを見てニコニコしている模様。

 

 ずっと眺めていたいですが、少し可哀想なので、隣から奪い取って置いてあげました。

 

 

「あ、ありがとう、ございます」

 

「いえいえ」

 

 

 ぺこりと律儀に頭を下げる藍ちゃん。見れば見るほど保護欲が湧き出るんですけど……。膝の上に座らせたいとか思うのは必然だと思うんです。きっと今の俺の保護欲力は五三万はあるでしょう。自分で言っといて何だが果てし無く謎だ。

 

 

 

 あー……この家の兄ポジに収まりたい。ストレスとは無縁の生活を送れる気がします。

 

 

 そんなことを思っていると、やがて、橙さんが残りの皿を持って来て、料理が揃いました。

 

 

 向かい側に橙さん、右に紫ちゃん、左に藍ちゃんと、四人で机を囲むように座ります。

 どこを見ても美少女です。俺、幸運すぎて死ぬんじゃないでしょうか。頬の緩みを抑えるのがそろそろ辛くなって来ました。

 

 

 そんな幸せな悩みを抱えていると、ふと橙さんと目が合います。

 

 そういえばまだ挨拶してないやとか思ってたら、そのまま話し掛けられました。

 

 

「挨拶が遅れて申し訳ありません。橙です。よろしくお願いします」

 

「あ、いえこちらこそ。蓮です。急にお邪魔してすいません」

 

 

 いえいえ、構いませんよーとニッコリ微笑まれました。めちゃんこ可愛いわわ。

 笑顔が眩しい。……何ですかこれ誘われてるんですか? 超可愛いんだけど。ずっとニコニコしてるから、なんか恥ずかしくて顔が見れません。年上の余裕っていうやつなのでしょうか。……最高です。

 

 

 

 軽い挨拶を交わした後、橙さんがどうやら俺用に用意してくれたらしい茶碗に、ご飯をよそって手渡してくれました。

 

 個人的にお櫃からご飯をよそってもらうって凄く良いシチュだと思うんです。一時代昔ですけど。昔の良妻っぽいですよね。まあとりあえず美女がやればなんでも様になるんです。

 

 というわけで茶碗を受け取るだけですごくグッと来たのですが、なんとなんと受け取る際に手と手がちょっと触れ合っちゃうイベント発生。何そのラブコメ。

 

 

 ありがちなツンデレヒロインならここで「キャー! エッチ!」びったーんな展開ですが、橙さんは格が違いました。

 

 橙さんは一瞬あっとした顔になったと思ったら、少し顔を赤くして、控えめに照れ笑いをするとかいう天使行動を取りました。『えへへ……』みたいな。

 

 

 射抜かれました。え、天使やん……。

 

 

 手、さ、さ、さ、触っちゃったよ。物凄いスベスベでした。今日は手を洗わないでおこうと、密かに誓った瞬間だったりします。

 

 

 そんなハプニングが起きつつも、無事全員にご飯が行き渡りました。

 

 

「それでは、どうぞ、お召し上がりください」

 

「いただきまーす!」

 

「いただきます」

 

 

 待ってましたと言わんばかりに紫ちゃんが元気に宣言し、藍ちゃんが、続きます。

 

 さて、改めて机の上を見ると色とりどりの料理がずらり。グルメなわけじゃないので、見ただけでは全部美味そうだなー、ということくらいしかわかりません。

 

 

 

 そういえば橙さん、作なんですよね。

 

 ……つまり女の子の手料理というわけで。

 

 

 

 

 

 無意識のうちに唾を飲み込んでいました。

 

 

「……いただきます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 橙さんと結婚したい。

 

 いや、気付いてましたよ。一目見た時点でこの料理は美味いだろうなとは思いました。

 いやでも……あそこまで美味しいとは。

 

 

 想像より何倍も美味しくて箸が止まりませんでした。

 何より、橙さんが食べる俺を見てニコニコしてらっしゃって、「おかわりは如何ですか?」なんて素敵スマイルで勧めてくるもんでしたので、かなり食べてしまいました。

 

 

 いやぁ……美味かった。お金払ってでも食べに来たくなるレベルだったと思います。何だかそんな大したことはしていないのに、過剰報酬を受け取った気分です。

 

 

 流石に片付けくらいは。と、食べ終わった食器を流しに持って行こうとすれば、橙さんに食後のお茶を出され、紫ちゃんと藍ちゃんと一緒に飲んでほっこりしているうちに、いつの間にか橙さんに食器は持って行かれており、しかも洗われている始末。

 

 他にもちょうど聞こうとする直前にトイレの位置を教えられるなど、何だか行動が把握されているような気すらしました。

 

 

 エスパーですか?

 なんか……掌握されてる感が堪りません。良妻過ぎます。気遣いも出来て、お嫁さんレベルはカンストとか、もはやバグキャラと言っていい性能です。超結婚したい。

 

 

 

 

 

 何はともあれ、来て良かったと思いました。最高です幻想郷。強いて言うなら橙さんのエプロン姿が見たかったくらいです。でも危なかった。多分見てしまっていたら本当に求婚しかねなかったと思います。

 

 

 そうそう、紫ちゃんと藍ちゃんですが、お茶を飲みながら談笑してるうちに寝てしまっていました。

 

 お腹一杯になった後に暖かいお茶を飲んだせいでしょうか。二人とも寝惚け眼になっているのが可愛くて、つい頭を少し撫でちゃったのがトドメだったかもしれません。ものの数分でスヤァ。天使かよ、と。

 

 

 寝顔は大天使(断言)でした。

 

 あんまり直視してるとドス黒い欲望が湧き上がって来そうだったので、立ち上がろうとしてみると、何故か二人とも俺の服の裾を掴んでいるという。

 

 

 正直マジで理性失う所でした。「んにゅ……」とか萌え死ぬかと思ったじゃないですか。

 

 

 

 動いて起こしてしまっても悪いので、煩悩と闘いながら悶絶していると、洗い物が終わったらしい橙さんが部屋に入ってきました。

 

 

「あらら、寝ちゃいましたか」

 

「お腹いっぱいで暖かいお茶を飲んでバタンキュー、ですかね」

 

「ふふ、こうして見るとお兄ちゃんみたいですね、蓮さん」

 

 

 悪戯っぽい笑みを浮かべてそんなことを言ってくる橙さん。うわぁその顔堪らんですぅぅぅとは口に出さず、苦笑いで誤魔化しました。

 

 

「随分懐いてらっしゃるみたいですね」

 

 

 紫ちゃんと藍ちゃんが俺の服の裾を掴んでいるのに気付いて、橙さんがそう言います。

 

 自分でもなんでこんな懐かれてるのかわかりません。まあ超嬉しいし、問題は無いけど。

 

 

「でも、紫様には起きていただかないと、蓮さん帰れなくなっちゃいますね」

 

「あー、そうでした」

 

 

 正直かなり帰るのは名残り惜しいですが、晩飯までご馳走になっていますし、これ以上は迷惑でしょう。

 十分すぎる程のお礼も貰ったし、そろそろ帰らねば。

 

 

 橙さんが紫ちゃんの肩をそっと揺らして、起こします。

 割と早めに起きてくれましたが、まだまだ夢から抜け切っていないようでした。寝ぼけたままふわぁと小さな欠伸を一つ。可愛過ぎるんだぜ……。

 

 

「紫様、蓮さんを送っていただかないと」

 

「んー……? あ、そっかぁ」

 

 

 橙さんの言葉を聞いて、ゆっくりと起き上がる紫ちゃん。両手でゴシゴシと目をかいています。

 

 すると、トコトコと俺の目の前まで歩いて来て、

 

 

「お兄さん、おんぶして……?」

 

 

 なんて言うもんですから鼻血が出そうでした。殺す気かと。

 勿論してやりましたとも。ええ。

 

 

 

 背中に乗せてあげると、また柔らかくてかるーい感触が。俺の背中で紫ちゃんが腕を振ると、例のスキマが目の前に開かれました。

 

 橙さんにお礼を言い、寝てる藍ちゃんをそっと撫でて、まだ少し怖いスキマに向かって歩────あ。

 

 

「……? どうしたのお兄さん」

 

「ごめん靴忘れた」

 

「あ、取って来ますよ」

 

 

 ささっと動く橙さん。何から何まですいません。

 

 

 橙さんが出て行ってからすぐ、背中の紫ちゃんが「ね」と話し掛けて来ました。

 

 

「どうしたの?」

 

「お兄さん、また来てくれる?」

 

「……そうだね」

 

 

 顔は見えませんが、少し紫ちゃんの声は悲しそうで。ほんの少しだけ、抱き着く力が強くなったような気がしました。

 

 

 残念ながら、俺から幻想郷に来る方法はありません。

 

 それでも……また来たい。今日の出逢いはただの偶然かもしれませんが、それで終わってしまうのは……寂しいです。

 

 

 何より、紫ちゃんも藍ちゃんも橙さんも可愛いし。そりゃあもっとお話ししたいし、遊びたいです。欲を言えばキャッキャウフフしたいに決まってる。

 

 

「俺からこっちに来る手段はないからね……でも、紫ちゃんが呼びに来てくれたら、いつでも行くよ」

 

「ホントっ?」

 

「うん」

 

 

 情けないことに紫ちゃん頼みな返答となってしまいましたが、やたっと喜んでくれているらしい声を聞くと、それでもいいか、と思いました。

 

 ものの数秒で、橙さんが俺の靴を持って来てくれます。

 

 

「あれ、紫様。嬉しそうですね?」

 

「えへへ。お兄さんまた遊びに来てくれるって!」

 

「そうですか。では次はもっと腕に寄りを掛けてお料理しちゃいますよ」

 

 

 微笑みながらそう言う橙さん。え、あれより美味しくなるんですか? それもう星三つなんかじゃ足らないレベルです。

 

 どんな味になるんでしょうか。某料理バトル漫画みたいに食べると服が弾け飛ぶかもしれないですね。……俺が食って誰が得するんでしょうか。

 

 

「じゃあ、ご馳走様でした。料理、本当に美味しかったです」

 

「お口にあったようで何よりです。では、また」

 

「レッツゴー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 まあ、そんなこんなで──俺はなんだか知ってるのとは色々違う、そんな幻想郷に度々足を踏み入れることになるのです。

 





原作だとゆかりんの家に住んでるのはらんしゃまだけですけど、外見が幼女な二人だけだと生活大変そうなので本作ではちぇぇぇんも住んでいるっていう設定で。

感想とかいただけると小躍りして喜びます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。