驚き更新の遅さの割に内容の進展がないというこの体たらく。
さて俺はどうしてこの一辺役六メートルほどの黒い立方体──恐らく結界だと思われます──の隅っこで体育座りをしていたんでしょうか。ちょっと意味不明すぎて泣きそうです。
おかしい。確か紅魔館に向かってロリめーりんこと美鈴ちゃんときゃっきゃうふふしていたはずなのに……。
「そこでとまれー!」
可愛い紫ちゃんの正にチートなスキマでささっと移動し、着いた紅魔館。といっても、それから五十メートルほど離れた、平原の辺りですが。紫ちゃんによると、いきなりあまりにも近すぎる位置に出ると迎撃されかねないとのことです。やっぱ幻想郷って怖い。
てくてくと紫ちゃんを背中に乗せたまま、霊夢ちゃんと並んで歩き、大きな館に近寄ります。
紅に染まる吸血鬼の住むその大きな館は、外観からして城といっても差し支えないほど──少し小規模ではありますが──立派な西洋風の建物です。俺の知ってる建物の大きさで例えるならば……学校? 雰囲気は全然違いますが。これをいくら時間が止めれるとはいえ、メイドさんが一人で大体の掃除をしていると考えると凄まじいです。労働基準法とか幻想郷にも作るべきなんじゃないでしょうか。……時間止めてる間って残業扱いになるのかな。
何はともあれ建物がそれだけ立派ということは、門も相応なわけで。
──バカでかい。そんな表現が合うような大きな門の前で、こちらは対照的に小さな女の子が、まるで通せんぼするかのように両手を広げてそう声を上げます。おぉこの子は……!
『気を扱う程度の能力』を持つ華人小娘こと紅 美鈴です。間違いない。めーりんきた! し、しかもロリめーりんです! 美鈴ちゃんとお呼びしましょう。
腰まで伸びた紅い綺麗な髪は思わず見とれるほど綺麗で側頭部の編み込みが揺れると無意識に目で追ってしまいます。
紅 美鈴の代名詞ともいえる『中国』の名に相応しい、緑を主体とするチャイナ服と華人服を足して二で割ったような服もとても似合っています。身長は恐らく紫ちゃんとほとんど同じくらいです。ロリ万歳! 最高です。
強いて言うならばロリめーりんでなければきっとあの足元が開けた服から素晴らしいお御脚が見られたであろうことでしょうか。
いやでもロリと大人どっちがいいよと聞かれたら……うぅん、なにこの究極の二択。五億年ボタン押すか押さないか並みに俺には決められません。どうでもいいけど究極の選択って英語にしたら必殺技っぽい。アルティメット……セレクト!(きりっ)みたいな。
閑話休題。
顔はまだまだ幼いですが、これはその道の人には堪らない可愛さです。特に俺とか俺とか俺とか。
同じロリでも紫ちゃんは無垢、藍ちゃんは従順──イメージですが──、そんな言葉が思い浮かびます。
ですが美鈴ちゃんから感じる属性は……そうですね、快活といったところでしょう。元気なロリ、堪らんですよ……! うん、体操服とか似合いそうです。着てくれないかな。あっ一眼レフカメラ買わなきゃ。
にしても見れば見るほど可愛らしいです。がるるるると唸る威嚇行動は、無理して出してる感満載の舌足らずボイスといい、美幼女がやるとただの癒しなんだということを教えてくれます。かわいい。がるるる。
恐らくこれを美女……普通の大人めーりんがやるときっと怖いんでしょうが──いや、綺麗なお姉さんに睨まれたらなんだかナニカに目覚めそうな気がします。怖いのもそれはそれで魅力として変換されそうですよね。吊り橋効果的な。我々の業界ではご褒美です!
──あれ? そうか、威嚇ってただのご褒美的な行動だったのか。
そう考えると近所の家の目の前を通るたびに吠えてくる番犬も可愛く思えいや思えません。こえーよやめてくれ。なんでそんなにすぐ吠えるの? 小一時間ほど問い質したいところです。
「かえれー! ここは紅魔館だ! ここから先は一歩も行かせ──あれ? 紫と霊夢さんだ」
「こんにちはー、美鈴ー」
キョトンという顔を浮かべる美鈴ちゃんに、俺の背中でひらひらと手を振って答える紫ちゃん。おお首元に吐息がかかって……ガンガン紫ちゃんが俺の理性を壊してきますありがとうございます。ゾクゾクする。
隣を横目でチラッと見ると、霊夢ちゃんが無表情のまま小さく手を上げて応えていました。
……イイ。無口な子のこういう全く表情の変わらないままの動作がすげぇ好きです。
霊夢ちゃん可愛いなぁ。何考えてるかわからないっていうオプションは美少女が装備するととんでもない魅力になっちゃうんですよね。女性はミステリアスな方がいいとはこのことです。よく知らんけど。
ちなみにフツメンにこのオプションを装備すると不気味というステータスが出ます。可愛いは正義です。
「今日はどうしたんだー?」
「遊びに来たよー」
「おお、ならいらっしゃいませだ! ……あ、でも、うーん……。咲夜さんが知らない人を入れちゃダメだって」
美鈴ちゃんが紫ちゃんの言葉に喜んだ後、何かに気付き、チラッと俺を見て困ったような顔をします。
……警戒されているようです。まあ俺は余所者ですし仕方ないですよね。
少し残念でもありますが、多少は予測できていたのでそこまで悲しくはありません。ちょこっと涙が出そうになったくらいです。超可愛い女の子に警戒されるとすげぇ心にくるんですね。知りたくなかった……。
今日は枕を濡らして眠りにつこう。くっ、せめておぜう様とフランちゃんに会いたかった……無念。
そんなことを思っていると、霊夢ちゃんが一歩前に歩み出てきました。察するに、どうやら美鈴ちゃんを説得してくれるようです。
お手数おかけします、と頭の中で霊夢ちゃんにお礼を言いました。
「……美鈴の知ってる私と紫はこの人を知ってる。だから大丈夫」
……いや霊夢ちゃんその考えはちょっとトンデモじゃない?
言いかえるとアレですね。お前の信じる俺を信じろ的な。違うか。とりあえず、庇ってくれてるっぽいのはありがたいし、なんかこう女の子が守ってくれると考えるとちょっと萌えるんですが、少々の疑問を感じ得ません。
にしても……やだ俺ってばマジヒロイン。どこぞの毎回攫われる桃姫様レベルです。ははっ、死にたい。
自分の情けなさに自己嫌悪しつつもまたまたチラッと横目で霊夢ちゃんを伺うと、全く表情を変えないままVサインを浮かべていました。……うん、可愛い。可愛ければなんでもオッケー。
さてさて、謎の理論を突きつけられた美鈴ちゃんはと言えば。
「うーん……そっかー、そうだな! こんにちは! オレは紅美鈴! 紅魔館の門番だぞ!」
──騙されてるっ!?
チョロい。チョロすぎる。心配になるレベルです。チョロQです。大丈夫か紅魔館。いやでもコロッと騙されちゃう美鈴ちゃんもまた可愛いです。守ってあげねばという使命感がお腹の底から湧いてくるような気がしました。
これが最近流行りのチョロかわってやつでしょうか。これはもっと流行るべきです。ただし幼女に限る。
まあそんなことは置いといて、とりあえず、美鈴ちゃんの自己紹介を聞いた俺には一つ、心の中で叫ばずにはいられないことがありました。
──オレっ娘キタァァァァァァァァァァ!
「こんにちは、美鈴ちゃん。俺は川崎蓮だよ、よろしくね」
ニカッと笑う美鈴ちゃんに、簡単に挨拶をします。可愛い。
オレっ娘キ以下略と叫びたい衝動を抑えつつ、なるべく目線を合わせるようにしゃがんでから、手を差し出しました。
動物は自分より大きいものに自然と恐怖を抱くらしいので、とりあえず目線の高さを同じにしてあげるだけでも随分警戒心は下がると聞いたことがあります。
野良猫とかもこうするとだいぶ寄ってきますよね。ってかナチュラルに小動物扱いする俺はなんなんでしょう。あ、美鈴ちゃん犬耳とか似合いそう。体操服に犬耳とか堪らって違う違うそういう話じゃない。
「? おー、よろしくだぞ!」
美鈴ちゃんは一瞬キョトンとした後、すぐに俺の手を握ってくれました。
ああ……プニプニ、プニプニなのじゃ……。東方万歳。ロリ万歳。
ロリって小さい女の子じゃなくて童顔を指す言葉だけど万歳。とりあえず祝っとけばいいんです。ところでだっこしてもいいですか。
そう言えば最早色々と意味が変わってる言葉ってたくさんありますよね。
壁ドンとか今大変な事になってますし。まさか妬み行為が女子の憧れになろうとは……言葉って不思議。摩訶不思議です。アドベンチャーです。
にしてもホントどういう伝わり方したらこうなるんでしょう。謎です。
関係ないですが、確か日本がジパングって呼ばれてたのも聞き間違いが原因だと聞いたことがあります。
『ここはなんて国ですか?』
『ジャパンだよハハハ』
『え、ジーパングー?』
そっからジパングになったと世界史の先生が言っていました。……ホントなのでしょうか。
と、相変わらず無駄なことを考えながら美鈴ちゃんとほのぼのしていたのですが、唐突にそんな空気を壊す自体が起こりました。
「□□□□□□□□□──ッ!」
耳を劈くような音に大気が震えます。
何とも文字に表し辛い、そんな雄叫びに咄嗟に耳を塞ぎますが、キーンと嫌な音が鳴り止みません。
そんな叫びが響き渡ると同時に俺からさっと手を離し、辺りを警戒する美鈴ちゃん。気付けば紫ちゃんも背中から降りていました。
え、ちょ、何これ怖い。
ちょちょちょちょちょ、これ妖怪出現的なアレなんでしょうか。──なるほど、OKお家帰らせて。
無理です。死にます。最近のひ弱男子舐めんな。
これが物語の主人公ならきっと死にかけてなんかそれっぽい能力に覚醒するんでしょう。東方なら所謂まるまるな程度の能力的なヤツですね。俺も欲しい。出来れば悪用出来るヤツでお願いします。透視とか透視とか、あとまぁ透視とか。あ、催眠術でもいいですぐふふ。
……ちょ、んなこと思ってる場合じゃねーから俺のアホ!
脳内こそアレですが、気付けば身体は震えていました。だってあんな声聞いたことないです。声でホントに空気がビリビリと感じるとは思いませんでした。
震えてる俺の目の前に霊夢ちゃんが出てくれます。やだかっこいい。そして俺の方を振り返ると、ボソボソっと何かを呟きました。直後に俺の周囲を何かが覆い、身体を襲っていた重圧がふと抜けます。
不思議に思って手を伸ばしてみると……結界? でしょうか。見えない壁的なモノに触れました。おおおすげぇ。ってか霊夢ちゃんイケメンすぎる結婚してください。
待 っ て て ?
外の音が遮断されているのか音は聞こえませんが、霊夢ちゃんが口パクでそう言ったのが読み取れました。……さて、散々ふざけてきましたがいい加減に可愛いとか思ってる余裕はありません。超絶俺情けねぇ……とは思うものの、迫り来る恐怖感から、安心の気持ちも大きかったのは否定できません。
霊夢ちゃんが離れて行くと同時に結界が黒く染まり始めます。ものの数秒で俺からは全く外の様子がわからなくなってしまいました。
恐らく外の影響は完璧に防いでくれるんでしょうが……こ、これはこれで怖い。どういう仕組みなのか、周囲は黒い壁で覆われていて、光源も全くないのに中はそれなりに明るいのです。でも、こうも急に閉鎖的空間に追い込まれるとえも知らぬ恐怖が襲いかかってきます。
ドアも窓もないって怖い……!
とりあえず隅っこに寄って体育座りを敢行します。……あ、この体勢凄い安心する。
学校でさせられると腰痛くなるし尻も痛くなるし、だいたいなんで体育座りっていう名前なのかもよくわからないこの座り方でしたが、縮こまってお腹を隠すと少し安心できました。
結界はどうやら音もシャットダウンしているようで、無音の時間が続きます。
そして冒頭に戻ります。……あれ、俺本当に何してるんだっけ…………。
すいませんでした(唐突)
更新が遅い理由などは活動報告の方に何度か載せておりますので、ご一読していただければ幸いです。
ロリめーりんだけは書かなきゃと思った(コナミ)
タイトル適当すぎワロタ。