オラリオリング   作:ニャニャニャ

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 ここらへんはサクサク進んでいきたい所存。ラストはもう決まってるンゴ。途中が全然決まってないンゴ。
 
 今回で、1巻分終わらせようと思ったけど、無理だったよ、オルガ。


演目、英雄始動

 

 「ねぇ、オッタル。きれいで、可愛くて、とってもほしい子を見つけちゃったわ。」

 「・・・・・」

 「あら、妬いてくれるかと思ったのに。まぁ、いいわ、その子にちょっとだけ、ちょっかいを出したくなちゃったの。丁度いい、イベントもあるでしょう?」

 「そうですか、分かりました。全てはあなたの御心のままに。」

 「そう。それで、あなたにお願いしたいことがあるの。最近ね、その子にわけのわからないものが着いてるの。ちょっかいの邪魔になる可能性が高いわ。それでなんだけど、邪魔をしないように足止めしてきてくれないかしら?」

 「分かりました。ですが、足止めだけでよろしいのですか?」

 「別に、倒せるならその場に転がしておけばいいわ。お願いできる?」

 「お任せください。どのような相手であろうと、あなたの障害は必ず取り除きます。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「帰ってきたようだな、ベル。」

 

 今日も今日とてダンジョンだった。ここ最近は、ステータスの伸びが前にも比べて格段に伸びている。あの、シルさんの働くお店から出ていってしまった僕が行ったのはダンジョンだった。そこで、倒れるくらいの戦闘を行いちょうどダンジョンの入口にまで帰ってきたとき、ルナさんを見てから、安心感で倒れてしまった。あの日から、神様ともうあんなことはしないと約束した。そこからはしっかりと余力を残してホームに帰ってきている。

 憧憬にはまだ届かないけれど、ゆっくりとでも近づいていきたい。

 そう! ダンジョンと言えばルナさんが全く一緒についてこないということだ。一緒に行きませんかと誘うと数回に一回は着いてきてくれるが、戦闘はせず、僕が戦っているのを眺めているだけ。魔石やドロップアイテムを回収してくれるのは助かるし、その日はいつもよりも多く稼げるんだけど、もしかして戦えないのかなと思ってしまう。でも、武器を磨いてる姿を前ホームで見たんだよな。でも、ちょっと、オーラが凄くて話しかけにくい。唯一の同じ団員だから仲良くしたいんだけど。その、きれいなお姉さんを食事に誘うのは同じ団員だとしても、ちょっと僕にはハードルが高すぎるというか。

 

 「もうすぐ何かしらの祭りのようだが、ベル、貴公はどうするのだ?」

 「予定は今のところないですよ。それよりも、神様は?」

 「ヘスティアならば、用事があると行って出ていった。」

 「そうなんですね。あの、ルナさんはお祭りはどうやって過ごされるんですか?」

 「・・・祭り、か。私は本当に昔に一度、祭りに参加したことがあるだけでそれからは一度もないのだ。それに今回の祭りは私の参加したものとはあまりにも違う。鎮魂祭とでも言えばいいのだろうか。あの者の魂を開放するのだからそうだろうな。それにしか参加したことがなく、明日開かれる祭りの過ごし方を知らん。だからこそ、ここに一日中いるつもりでは会った。」

 「え〜! せっかくのお祭りなのにもったいないですよ。せっかくだから回ったほうが絶対にいいと思います。」

 「そうか、貴公がそこまで言うのならば、少し回って見るとしよう。」

 

 それから、ベルはこのままの勢いで、と今日思ったことを伝える。ベルにとって、これは言いにくいことなのだ。

 

 「それで、前から思ってたんですけど、ルナさんて戦えるんですか? あ、あの、その、全然他の意味はないんですけど、ちょっと気になって。」

 「大丈夫だ。いつ聞かれるかと思っていたからな。結論を言えば、私は戦える。しかし、詳細は話せないが、私は今、確証が欲しい。ダンジョンというものが私の考えに沿ったものなのか。そこで、私はダンジョンという場で力を振るうか決めたい。力を振るえない場合は、すぐに話そう。あまり納得のいく回答ではなかったかも知れないが、ここまでしか話せない。許してほしい。」

 「いえ、全然大丈夫です。その、僕も答えにくいことを聞いちゃってごめんなさい。」

 「謝罪は必要ない。貴公の疑問は当然のことだろう。」

 「あの、ルナさんが武器を磨いてるのを見たんですけど、とっても、強そうな武器でした。なんか、オーラがあるっていうか。そこでなんですけど、もしよかったら、僕に戦い方を教えてもらえませんか?」

 「・・・自ら動く、いや、祈りという、扱いでいいか。しかし、人工の英雄を作る手伝いを。いや、彼自身が望み頼むことか。」

 「えーと、どうかしました?」

 「大丈夫だ。少しならば教えられることがあるかも知れない。時間があれば少しではあるが教えよう。」

 「ありがとうございます!」

 

 もう遅い時間だ。明日のための体力を回復させる、そのためにベルは寝室に入り眠りについた。

 

 

 

 

 

 今日は怪物祭だ。

 3日間もあったのに、あれから一度も神様はホームに帰ってこなかった。心配だったけれど、レナさんが昨日神様と会ったそうだ。だから今日は安心して朝から、お祭りを楽しもうと出発すると、豊穣の女主人で、シルさんの財布を渡すというお使いを頼まれた。

 シルさんを探しながら道を進む。通りは活気づいていて、いろんな屋台が出ている。ジャガ丸くん怪物祭味なんてものも売っている。せめて、どんな味なのかわかるように書いてほしい。そんなふうにお祭りを見て楽しんでいると、薄鈍色をした人が、路地に入っていくのが見えた。

 もしや、シルさん?

 きっと、財布がなくて困っているだろう。ベルはシルを追いかけ路地に入っていく。

 愚かで、英雄の器に未だなりえない少年は気が付かないだろう。舞台へ誘導されていることに、この演目に必要なもうひとりへと近づいていっていることに。矮小なる人では神の策略は暴けない。

 

 女神の手の上で演目は組み立て上げられていく。幕はもう上がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ある裏路地の隠れ家のようなカフェ。そこに、男女の二人が入店する。男の方は背にその大きな身長より大きい大剣を背負い女の一歩後ろについて歩く。周りから見れば二人はどこかの国の姫と従者にでも見えるのではないだろうか。

 

 「おい! こっちや。遅刻やぞ。」

 「あら、ごめんなさい。ちょっとした準備があって、遅れてしまったの。」

 

 楽しそうに、おかしそうに、その準備が想像を超えることを起こすように、そんなことを彼女の目は語っている。

 

 「また、他のところの子にちょっかいかけとるんか。程々にしとかんと、刺されるぞ。」

 「忠告ありがとう。ちょっと気になる子がいただけなのよ? 透明できれいな魂の子。そんな珍しい子を見ちゃったらちょっかいを掛けたくなっちゃうでしょ?」

 「はぁ〜、好きにしいや。そんで、その後ろのとはうちのアイズたん、初対面やったよな。」

 「ふ〜ん、その子がロキのお気に入りの子なのね。面白い色をしてるわ。気になっちゃうわね。」

 「うちのアイズたんやぞ。粉かけんなや。もぉ、面倒くさいなぁ。全く、本題に入れんやんけ。」

 「そうそう、これから用事があるの。その話ってもの、早く終わらせてもらえると助かるわ。」

 ロキの雰囲気が変わっていく。朗らかな雰囲気から真剣な雰囲気へ。それに伴って、店内の雰囲気も変わり果てていく。

 「自分、桃色の髪をした変な女のこと知らんか? 神に見える、けど本人は神ではないと否定する。展開でも一切見たことがない。もう一個話さなあかんことがあるんやけど、これをお先に聞いときたいんやわ。」

 「ふ〜ん、話したことはないけれど、知ってるわ。でも、どうして?」

 「フィンたちが遠征中に助けられた。フィンが言うには見たこともない魔法を使ってたそうや。自分たちの全力の速度に平気でついてきたところからレベルは最低でも6以上。フィンの考えでは7もしくは『8』しっかり嘘じゃないことは確認済みや。」

 

 なぜか、フレイヤの後ろに佇む武人が高揚しているような気がするがそれを無視してロキは話を続ける。

 

 「そんで、遠征後の宴会でちょうどそいつとあった。近くに行けば分かる。隠してるみたいやけど、匂ってたんや。あれは、人間やない。そんで聞いたったんや。神かってな。そしたら、なんて答えたと思う?」

 「さぁ? 全くわからないわ。」

 「『神ではない。強いて言うなら、法であり、世界だ。』や。なんやねん、法で世界って。でも、嘘には聞こえんかった。ってことは、ホントのことではあるってことや。力を使える神みたいな存在。都市で暴れたらどうなるかなんて分かるやろ?」

 「そうね、特にその、助けられた場所、ダンジョンだったんでしょう? ダンジョン内でのアルカナムの使用は良くはないわよね。もしその魔法がアルカナムだったら、かなりまずいことをしているわけよね?」

 「せやな。そんで、知っとることはあるか?」

 「全く無いわ。一つだけあるとするなら、魂の色が見えなかった。隠されているようには見えなかったけれど消されているような。そんな感じだった。まるで亡者のよう。それだけね。」

 「はぁ、ウラノスに聞くしかないわけか。まぁこの話はこれでええわ。それで二個目なんやけど・・・」

 

 フレイヤが立ち上がる。

 

 「ごめんなさい。もう用事の時間だわ。また今度ね。」

 

 そういって従者を連れて店を出ていった。

 

 「なんや、あいつ、いきなり帰って。自由奔放すぎやろ。」

 

 

 

 

 

 「オッタル、もう行ってもいいわよ。アレンも来てくれたみたいだし。それじゃあ、よろしくね。」

 「お任せください。あなたの望む未来のために。」

 

 武人は向かう。自らは頂点などではなかった。この二つ名はふさわしくない。そんな思いが心のなかにいつも渦巻いている。もともと彼は挑むものであった。ヘラ、ゼウスの眷属。あれを超えなければ、その道半ばで、全員が消え去った。同士たちは強いだが、壁ではない。だからこそ、先の話を聞いて歓喜した。同等、もしくはそれ以上。超えるべき壁。それが現れることに歓喜した。

 武人とは常に頂を目指し歩み続けるものなのだから。 

 

 

 

 




 
 次回こそ、次回こそ1巻分終わらせます。
 次もすぐ出したいけど、不定期更新なんだなぁ、これがぁ! (遅れたらごめんなさい)
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