織田信長が本能寺の変後に天文18年へタイムスリップ?そして何故か現在の戦国時代大好き少女とシンクロしてしまった!   作:華瑠羅

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プロローグ

時は天正10年(西暦1582年)6月2日

 

 

 

そう、日本の歴史史上もっとも有名な『本能寺の変』が今、まさに起ころうとしていた…

 

 

信長は騒がしい音で目を覚ますと側近である小姓の森蘭丸を呼ぶ!

 

 

「お蘭!お蘭は居るかぁ!!」

 

すると、寝室の障子戸が凄い勢いで開き

 

「上様!大変でございまする!寺の周りが軍勢に囲まれておりまする!」

 

「何じゃと?そんな馬鹿な事があるか!ここは日本で一番安全なワシの領地のド真ん中だぞ?(待てよ… また謀反ではなかろうな?)」

と、信長が考えていた矢先その軍勢の旗印が判明して

 

「上様!これは謀反でございまする!」

 

「ほう… ワシもそうではないかと思っておったわ!で?相手は誰じゃ!」

 

「はっ!それが…」

と、蘭丸が生唾を飲み込み

「馬印に桔梗紋が…」

 

 

信長は目を見開き

「光秀か!馬鹿な!ワシが、これだけ目をかけてやったのを… ええい!許せん!!」

と、寝室を出ようとすると蘭丸らに引き留められ

 

「上様!なりませぬ!外で出られては弓で狙い撃ちされてしまいまする!」

 

「ええい!やかしい!金柑の軍勢に遅れを取る事はない!お蘭!弓を持って参れ!」

と、信長は強引に明智軍が迫る中庭に向かったのだった。

 

 

 

その頃、寺の外では…

 

 

「まだ信長は見つからんのか!ん?」

と、光秀が何かに命令していない軍勢の行動が目に飛び込んで来て

「誰が火を放てと申した!おい!光満!お前が指示したのか?」

 

「はっ!その方が早く制圧出来ると思い…」

と、光秀の顔を恐る恐る見て見ると凄い形相で

「誰が制圧しろと申したか!これでは、寺と一緒に消し炭に成ってしまうではないか!」

 

「はっ!出過ぎた真似をして申し訳ございまぬ。しかし、この火の勢いではどうする事も…」

と、光満は項垂れるのだった。

 

 

そして、その轟轟と燃え盛る寺の狭い境内では信長の護衛数十名が必死に中へ入れさせまいと攻防を繰り広げていたのだった。

 

 

「皆の者!これ以上、中に入れぬな!ここで何としても、上様にお逃げ頂ける時間を稼ぐのだ!」

 

「しかし、たとえ蘭丸が傍に居たとしても、この火で逃げるのは困難ですぞ!」

 

「くっ!敵兵の一部が奥になだれ込んで行きましたぞ!」

 

「むむ… それは一大事だが、こちらも手が回らん!」

と、明智の兵達が次々と向かって来て応戦するのだった。

 

 

信長は弓を持って、やっと中庭に到着するやいなや敵を見つけ

「ワシの眠りを妨げる奴はどこのどいつじゃ!貴様かぁ!」

と、矢を射かける!

 

 

すると明智の指揮官風の兵が

「あれに見えるは織田信長じゃあ!あの者の首を持ちかえれば出世は間違いなしじゃあ!」

と、兵達を奮い立たせる!

 

 

「ワシの首が所望か?誰が金柑のそのまた下の有象無象にワシの首を渡すか!順番に、あの世を送ってやろう!このワシに殺されるとは運が良いのぅ!わっはっはっは!」

と、百発百中の弓の腕でバッタバッタと敵兵を射抜いて行った。

 

 

その真横で戦っていた蘭丸に敵の矢が当ったのを見た信長は

「お蘭!大丈夫か?」

 

「なんのこれくらい!それより上様!矢がもうありませぬ!」

 

「うむ。(頃合いであろうな…)お蘭。これが生涯最後の命じゃ!ワシは寝床に戻るが、誰一人通すな!分かったな!」

 

 

という信長の言葉に涙を浮かべた蘭丸は、唇をギュッと噛みしめた後

「はっ!この森蘭丸が上様の言い付けを違えた事はないのは上様が良くご存じのはず!その命、しかと承り致しましたぞ!」

 

「うむ。お蘭… いや!大儀じゃ!」

と、言い残し信長は後方の寝室に戻って行ったのだった。

 

 

明智光秀の謀反により、寺を明智軍が包囲し信長は少ない手勢で対処するも多勢に無勢で、追い詰められた信長は一人寝室で思いにふけていた。

 

 

 

「まさかこんなところで、天下統一の夢が絶たれるとはな…」

 

 

 

そして信長は、いつも合戦前に正室や側室の前で披露した舞を一人孤独に舞う。

 

 

 

『人間五十年 下天の内をくらぶれば 夢幻の如くなり 一度生を得て 滅せぬもののあるべきか』

 

 

 

覚悟を決めた信長は

「悔いが無いと言えば嘘になるが… さらばじゃ!!」

と、自分の腹に脇差をあて腹を掻っ捌いて自害したのだった。

 

 

 

享年49歳、天下泰平の世を夢見た男は散った… 

 

 

 

 

 

 

かに思えたが…

 

 

 

 

その死んだはずの信長は何故か心地よい風が頬に当たるのを感じ、慌てて飛び起きた!

 

 

 

突然、目に光が差し込んで来て

「眩しい!!ここは… ワシは確かに死んだはずじゃ!それは間違いない!が… この身体に感じる風、それに胸に手を当てると心の臓が波ってるが分かる?何がどうなっておるのだ!」

 

 

すると遠くの方から聞き慣れた、なんとも懐かしい声で

「若様ぁぁぁぁ!」

という言葉が信長の耳に飛び込んで来た!

 

「ん?この声は政秀?そんな馬鹿な!あやつは確かに死んだはず… いや、待て!ワシの事を若様と呼ぶ事自体おかしい… 何処からどう見ても若様と呼ばれる様な歳ではないぞ?わからん!」

と、混乱していたところで別の何かの声が頭の中に直接響いたのだった。

 

 

『さっきから、おかしいとかわからんとか独り言がうるさいんだけど!』

 

「何?!」

と、信長は辺りを見回すが誰も居ない。

 

 

すると再び頭に直接、声が聞こえ

『「何?!」じゃない!とにかく、眠いから黙ってくれる?』

 

「またか!ええい、貴様!何処からこのワシに話かけておるのだ?」

 

『どこからだぁって?そんなの… って?え?』

 

「は?(何なのだ?こやつは!)」

 

『ここは何処?確かに家でうたた寝を…(あっ!これは夢だ!そうに違いない!)』

 

「何をごちゃごちゃと申しておる!それより、『黙れ!』とか… この織田信長に向かって、よくほざいたものよ!」

 

『はぁ?!織田信長ですって… くくく、あっはっはっは!』

 

「ワシを目の前にして、頭がおかしくなったのか?(ふふふ、無理はないが…)」

 

『くくく… 違う違う。よりにもよって織田信長って厨二病か何か?それともガチで馬鹿?』

 

「何だ?その、ちゅうにびょうというのは?ええい!それより、このワシに向かって馬鹿だとぉぉぉ!」

 

『当たり前でしょうが!よりにもよって自分の事を織田信長って名乗る自体、頭がおかしいか厨二しかないよ?マジで!』

 

「ええい!貴様… どこまでワシを愚弄する気じゃ!それに、何処からワシに話かけておるのだ?姿を見せぬか!この痴れ者め!」

 

『はん!「痴れ者」って、今時言わないよ?まぁ、一旦落ち着こうよ。これじゃあ埒が明かないでしょう?で、整理したいんだけどイイかな?』

 

「整理?今更、命乞いか?ワシのこれだけの暴言を吐いておきながら…(早く目の前に出て来い!この信長の刀の錆にしてくれるわい!有難く思え!)」

 

『命乞い?(こいつ… いつまで演じてるつもり?いい加減にして欲しいんだけど!)あのね!これは夢なの!分かる?』

 

「言うに事書いて、夢じゃと?(馬鹿かこやつは!)では聞くが、貴様が申す通り夢だとする。して、誰の夢であるのだ?」

 

『それは当然、私の夢に決まってんじゃん!』

 

「何を申すかと思えば… 呆れて物も言えんな!そんな訳があるか!そもそも、おかしいのはお前の言動じゃ!この風景や空、それに風がたなびく感覚… 夢であるはずがないではないか!」

 

『貴方こそ何言ってんの?そんな感じ、一切しないんだけど!マジで頭大丈夫?』

と、謎の人物との会話の最中に信長を呼ぶ別の声が聞こえた。

 

 

 

政秀「若様!またこんな所に寝そべって!ささ、帰りまするぞ!」

 

「馬鹿を申せ!ワシは今、この不埒者と話をだなぁ…」

 

「は?まだ寝ぼけておいでか?その様な者など何処に?(やはり、皆が噂する《うつけ》なのやも知れんな… 悲しいかな、織田家の世継ぎはやはり勘十郎様になるやも…)」

 

「待て!ワシは確かに…(政秀の申す通り、周りにはワシしか…) それより…」

と、信長は政秀の顔をまじまじと見つめた。

 

 

「いったい、どうされたのでございまするか?某の顔に何か付いてまするか?」

 

「爺…(ワシは確かに本能寺で死んだはず… それに先程言い合ってた奴も… ええい!分からん事だらけじゃ!だが、肝心な事が…)寝ぼけついでに聞くが今は何年だ?」

 

 

という問いに困惑の表情を浮かべ

「何を申されるかと思えば、今は天文18年にございまするぞ。」

 

「何?!」

 

「はぁ?本当にどうなされたのでござるか?」

 

「いや、すまん…(本当に天文18年だとすると…)では、父上は健在であるのだな?」

 

「当たり前ではございませぬか!(何処かで頭でも打ったのでは?むむむ。)」

 

 

すると、信長は突然大声で笑い出し

「わっはっはっは!(という事は振り出しに戻ったという事じゃな?何がどうなておるのか分からぬが… これはまたとない好機!今度こそ天下を取って天下泰平の世にしてみせるぞ!)」

 

 

という信長の思考が謎の声の主に伝わる。

 

 

 

… どうもおかしい。もしかして、これは夢ではない?小説とかでよく聞く転生か何かに巻き込まれたのでは?それに、自称信長の話している事が変なのはどういう事?今度こそ天下を取る?それって、どういう事?それに、当の私自身はどうなって?あぁ!もう!訳が分からないだけど! …

 

 

 

政秀は呆れて

「若!とりあえず、城に戻りましょうぞ!(また《うつけ》と噂されるのがオチじゃ!)」

 

「それもそうじゃな…(まずは情報収集じゃ。父上にもう一度会えると思うと感無量であるしな!)」

と、思っていたところにまた謎の声が信長の耳に響き

『もしもーし、自称信長さん。一つ聞いてイイ?もしかしてだけど、本能寺の変で死んで生き返ったとかなの?』

 

「何じゃ!またお前か!」

 

 

とういう言葉に政秀か頭を左右に振り『またか…』という風に呆れた。

 

 

『自称信長さん!(私自身は信長の精神体に憑依してる様な感じだと仮定すれば…)思うにだけど、私と話す時は念じてくれれば良いかと思うわけ!』

 

「ん?(念じる?よう分からんが…)」≪こうか?≫

 

『そうそう!でね、自称信長さん!』

 

≪その自称信長って申すのはいい加減に辞めよ!聞いてて気分が悪い!≫

 

『分かったわ。でも信長さんも私を呼ぶ時は「お前や貴様」ではなくの名前で呼んでよね!あっ、私の名前は香奈(カナ)よ!』

 

≪うむ。それはそうと、香奈よ。お前は神か仏の類か?姿が見えぬのでな…≫

 

『違う違う。私は、夢だと思って信長さんに話かけていたけど、どうも違うみたいと私なりに自覚したわけ!』

 

≪ほう… で、自覚してワシに質問して来たという訳じゃな?≫

 

『本題に戻るけど、私の推測で合ってるたりする?』

 

≪うむ。香奈とやら… 頭は切れるみたいじゃな。して、お前はどうなのじゃ?≫

 

『私の場合はどうも意識だけ信長さんと共有してる感じなんだよね!今のところはと誇張しておくけどさ…』

 

≪なるほどな。時に、お前はどの時代から来たのじゃ?≫

 

『私は信長さんの生きていた時代より約470年先からって言っても信じてもらえたりする?』

 

≪470年先じゃと?!ふふふ、わっはっはっは!面白い!では、ワシよりも歴史に詳しいという事じゃな?≫

 

『ふふん!悪いけど、日本史世界史にかけては右に出る者はいないくらい歴史好きだよ!それに、色々な技術や文化も良く知ってるつもり!信長さん言ってた「天下を」って奴だけど私も一枚噛ましなさいよ!』

 

≪噛ますも何も、どうやらワシと香奈は一心同体ではないのか?≫

 

『どうやら、そうみたい… でもでも、何やら面白そうな予感がしない?信長さん!』

 

≪うむ。笑いが止まらぬわい!(ワシの知らない歴史に技か… 実に面白い!)≫

 

『表情は見えないけど、悪い顔をしてるのは分かるわ!後、私と話す時は必ず念じる様にしなさいよね!周りから見たら、ただの馬鹿よ?分かった?』

 

≪ふっ、ワシに面と向かって馬鹿とか申すのは香奈くらいなものだぞ?まぁ良い!お互いに、楽しくなりそうじゃな!≫

と、信長と香奈は戦国乱世の時代に身を置く事となったのだった。

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