織田信長が本能寺の変後に天文18年へタイムスリップ?そして何故か現在の戦国時代大好き少女とシンクロしてしまった! 作:華瑠羅
信長は元松平家の家臣らしき武者を多数見かけたとされる、とある集落を見渡せる林の中に居た。
「竹千代。見覚えのある者は居るか?」
「遠目では分かり辛いでございまする。このほっかぶりを取っても?」
「阿呆!それを取ったら、さすがに不味い!今川兵が居るやも知れんのだぞ!」
「むむむ… では、一人一人確かめるほか有りませぬぞ?」
「時間はかかるが、致し方無い!おっと、アレはどうじゃ?(ん?あれは見覚えがあるぞ?確か… 酒井忠次ではないのか?)」
「忠次じゃ!間違いない!信長様!ここに間違いございませぬ。」
「ふむ。ワシも酒井忠次だと思っていたが、どうやら合致したな!」
【酒井忠次(さかいただつぐ):西暦1527年生~1596年没。徳川四天王の筆頭。家康の養育役で数々の軍功を積み上げ外交にも力を発揮し、豊臣時代の秀吉にも称賛されたとか。】
「は?某はまだ忠次としか申していませぬが、何故信長様が姓まで?会った事が?」
という問いかけに信長は冷や汗をかき
「い、いや、お前が人質として初めて父上に会った際に見た様な気がしたまでじゃ!」
「そうだったのでござるか!(凄い記憶力じゃ!まっこと、凄い御方じゃ!)」
「う、うむ。(どうやら怪しまれずに済んだ様じゃ!)この集落で間違いないにしろ、他の民が今川兵に化けてないか心配じゃが…」
と、竹千代と話していた時、信長の耳の元で声が聞こえ
〔信長様!振り向かずにお聞きください。この集落には今川の犬は居ませぬ。安心して捜索なさいませ。〕
と、話すやいなや気配が消えた。
「信長様?」
と、竹千代が不思議そうな表情で聞くと
「さすがは伊賀者と言ったところか… この集落には今川の息のかかった者は居ない様じゃぞ!」
「政秀様の… 有難い!忠次をつけましょう!信長様。」
と、信長と竹千代が酒井の後を分からぬ様に追尾した。
しばらく行くと、後ろから声が聞こえたと思ったら信長と竹千代の二人は何者かに羽交い締めにされ
「怪しい奴じゃ!ちと付いてこい!抵抗はするなよ!」
と、近くの農家に入った。
そして、羽交い絞めにされたまま尋問が始まった。
「さて、どこからつけて来た?お前達は何処の誰だ?まずは、そこのみすぼらしいお前!」
「某は尾張の織田信秀様の嫡男である信長様に頼まれて、元松平家の家臣らを捜索していただけじゃ!」
「ほう… こんな小童を連れて?」
「それは今川兵に気付かれない様にしておるだけじゃ!」
「威勢がよいな。が、嘘じゃな。ワシらはある事件を引き起こし、身を隠しておるが… その折にたまたま信長様と会った者がおってな。その時、話した内容と異なるという訳じゃ!」
「それは…」
と、信長が言い訳に苦戦していたところ竹千代が
「いい加減に致せ!」
と、吠えたのだった。
つづく