織田信長が本能寺の変後に天文18年へタイムスリップ?そして何故か現在の戦国時代大好き少女とシンクロしてしまった! 作:華瑠羅
信長は舅である斎藤道三との事を父・信秀に聞かれ
「その事については、妙案がございまする。」
「ほう… 申してみよ。(また何かしらの策を講じておるとは!面白い!)」
「はっ!まだ舅殿とは直接会っていません。そこで親睦を兼ねて舅殿の国である美濃で1度直接会える機会を舅殿に文を帰蝶に書かせようと思いまするが、如何でございましょう?」
「それは良い考えじゃ!しかし、それを行うにはいつまでもワシの嫡男というのもな… よし!舅殿も隠居して嫡男の義龍殿に家督を譲ったとある様にワシも隠居し、お前に家督を譲ろうではないか!」
という突然の話に信長の中に存在する香奈が
『信長さん!』
≪何じゃ?!いきなり!ワシと父上に話に口を出すなと…≫
『あんた、相変わらず馬鹿なの?』
≪またワシを馬鹿呼ばわりか!で?≫
『この状況で信長さんが家督を貰うのは良くないの!分かる?』
≪どうしてじゃ?この状況で家督を譲って貰えば何かと策を思うように練れるではないか!≫
『馬鹿ね!』
≪また!お前はこのワシを何だと…≫
『もう!今はその押し問答はどうでもいいのよ!馬鹿っていったのは信長さんには学習能力がないの?って意味!』
≪む?≫
『む?じゃない!あのね、何回謀反が起こったの!この状況下では、また信長さんに反感が集中するわよ?』
≪何じゃ!そういう事か。≫
『そういう事かではないの!』
と、頭ごなしに怒鳴られシュンとしてしまう信長を尻目に香奈は
『まずは織田本家である斯波家を潰す事を提案するわ!』
【斯波義統(しばよしむね):西暦1513年生~1554年没。斯波家当主。実権は織田信友に握られ傀儡となっていた。そんな折。信友が信長を暗殺する計画を知った義統は、その事を秘密裏に信長に知らせたが、信友に密告がばれて殺された。】
≪斯波家は叔父上らに任せれば良かろう?歴史通りなら…≫
という言葉に呆れた香奈は
『あんたさぁ… 折角、この時代に舞い戻って来たわけだから歴史がどうだとか、今はどうでもいいの!歴史は変えるために今のあんたが居るの!この状況で叔父上?信光なんかに手柄を渡さず、あんたがその手柄を手に入れるのよ!』
≪おまえは…(こやつ、中々見どころがあるではないか!歴史はワシのために… か。)≫
『話を続けても?』
≪いや、皆まで申すな!そこまで分かれば、ワシにも考えがある。≫
と、信長は信秀に提案を持ちかける。
「父上!いくらなんでも早計過ぎますりぞ!」
「早計じゃと?お前が有利にというワシの配慮を…」
という信秀の発言に
「配慮をという話は有難いのですが、父上の独断で某に跡目を譲ったとなれば、某は元より父上にまで反感を募らせる輩が現れるかと!」
「むむ… それは一理あるな。で、お前のその顔で分かるが何か策があるのであろう?」
と、信秀の言葉でも分かる様に信長の表情は不適な笑みを浮かべ
「この尾張には無用の長物がございましょう?」
「斯波家か… 確かに、お前の申す通りじゃ。」
「その斯波家を滅ぼす策がございます!その役目を某に一存下され!父上。」
「ほう…(また突拍子もない事を!)ワシも目の上のたん瘤が取れると思うと楽だが… 出来るのか?」
「はっ!某と爺の子飼いを使うだけで可能かと!」
その発言にまた驚き
「何?!兵を動かさずに斯波家を滅ぼすと?お前は申すのか!」
「左様にございまする。その策というのは信友と義統の各々に謀略を仕掛けまする。」
【織田信友(おだのぶとも):生年不詳~西暦1555年没。尾張守護代。信長や信秀とは違い、本筋に当る織田家当主。尾張清洲城で斯波義統を守護として擁立し、その家臣と成るが裏で実権を握っていた。しかし、信長と対立し信長の策略で信光の手によって殺される。】
「なるほど。仲違いさせるともりか!もし、その方法で一兵も損なわず斯波家を滅亡に追い込めば、ワシが隠居しお前に家督を譲っても反感がある程度抑えられるか… 面白い!三郎!いや信長に任そう!(こやつが《大うつけ》だと?馬鹿も休み休みに申せ!まぁ、こやつの考え自体が奇抜ゆえ皆に理解が及ばぬという事の裏返しでもあるが… 本当に天下を取るかもしれんな。)」
「はっ!確かに仰せ仕りました!」
「うむ。但し、危ないと思ったなら無理をするなよ!もし、失敗に終わってもワシがお前の評価を落とす事はない。お前はワシの自慢の嫡男なのじゃからな!」
「はっ!有難き幸せ!肝に命じまする!では!」
と、信長が奥座敷を後にした。
信長の姿が見えなくなってすぐ信秀の弟である信光が姿を現し
「まさか、あやつがあのような考えを抱いていたとは…」
と、心底驚いて信秀に話すと信秀は
「ワシの目に狂いは無かったであろう?信光よ。」
「(にわかには信じられぬが… あの三郎が、あのような志があったとは!おっと。) それはそうと、斯波家の件を三郎に任せて良いのでござるか?」
「何じゃ?お前はまだ三郎を《大うつけ》と思っておるのか?」
という信秀の発言に信光は笑みを浮かべ
「その逆でございまする!あれは希代の天才でございますぞ。」
「何じゃ?あれ程、三郎を馬鹿呼ばわりしていた奴が… どういう風の吹き回しじゃ?」
「天下を見据えての策の一環である《大うつけ》という欺瞞を近隣国に広め、その策にて斎藤家の姫を娶り、今度は斯波家を一兵も損なわず滅ぼす策謀まで思い付くとは… 天才であると申しても罰は当たらないかと!」
「お前がそこまで思いを反転させるとは… 正直、驚いておる。」
「いや、殿としてではなく兄上として申しまするが… 某は勘十郎やその配下の家臣が嫌いで、どうにかならぬものかと常日頃思っておりました。」
「ほう…(どの口で申しておるのやら… 現金な奴じゃ。)」
「そこで、某は今回の斯波家討伐の折に三郎を陰ながら支援しようかと思っておりますれば、何卒その許可をと思う次第でございまする!」
その言葉に信秀は笑みを浮かべ
「お前がそこまで三郎に対して心変わりをしたというなら、その考えを違えるわけがなかろう?三郎を守ってくれ!あれはまだまだ荒削りに過ぎず、どうも危なっかしい。頼んだぞ!信光。」
「はっ!承知仕りました!しかし、本家を討伐する理由はどうするつもりでござろう?兄上。」
「そこも考えておるじゃろう?たぶん…」
と、信秀と信光が心配そうな懸念を抱くのであった。
つづく