織田信長が本能寺の変後に天文18年へタイムスリップ?そして何故か現在の戦国時代大好き少女とシンクロしてしまった! 作:華瑠羅
香奈はニヤりと微笑み白々しく
『あっ、そうか!信長さんが生きていた過去の歴史しか知らないかぁ…』
≪むむ…(先程、こやつを完全に認めたはずじゃったが… それはそうと、こやつは未来から来た者という事はワシが死んだ後、この日の本がどうなったか知っていてもおかしくないか…)勿体ぶらずに早く申せ!≫
『あのね、信長さんが本能寺で死んだ後に中国の毛利を攻めていた秀吉が光秀の軍勢を打ち破り…』
≪はぁ?!ちょっと待て!お前の申す通り、猿は確かに毛利攻めを命じ戦を仕掛けていたが、その猿がどうやって光秀を討てたんじゃ?≫
『私の知る限りじゃあ、信長さんが明智に討たれたという事を知った秀吉が毛利との和睦を計り、その条件として毛利家家臣の高松城城主清水宗治を切腹させ、中2日か3日で大返しをして光秀の軍勢と山崎辺りで倒したらしいの!』
【清水宗治(しみずむねはる):西暦1537年生~1582年没。備中の高松城(岡山市北区高松にあった城)の城主。秀吉との戦いで水攻めに遭いながらも耐えたが、本能寺の変後に主家である毛利家との和睦の為、切腹させられたとある。】
≪ほう!猿め… やるではないか!しかし、他の織田家臣は何をやっていたのだ?勝家は?長秀は?ワシの息子らは?≫
『ああ、柴田は軍勢をまとめるのに時間を要したらしく間に合わず、長秀と信孝に至っては秀吉と合流したけど秀吉が率いる軍勢の方が多く、おのずと秀吉が総大将として戦ったみたいよ。』
【丹羽長秀(にわながひで):西暦1535年生~1585年没。信長に早くから仕え、軍事と行政の両面で手腕を奮い『米五郎左』という異名で織田家には欠かせない武将だったらしい。本能寺の変後は秀吉と組み、賤ヶ岳の戦いで柴田勝家を討ち、その武功で秀吉から越前と若狭と加賀半分を所領とした。】
【賤ヶ岳の戦い:西暦1583年に現在の滋賀県長浜市の賤ヶ岳付近で起きた羽柴秀吉と柴田勝家の雌雄をかけた合戦。】
【柴田勝家(しばたかついえ):西暦1522年生~1583年没。織田家の家臣。初めは信勝に仕えたが信長に鞍替えし、北陸遠征で上杉謙信らとの戦いに奔走したが、信長死後に仲が悪かった秀吉に破れ戦死したとある。】
【織田信孝(おだのぶたか):西暦1558年生~1583年没。母親の身分が低かったため、信雄が信忠の次の弟となり三男として扱われた。しかし、その信雄より若干優秀だったが天下人としての器量がなく秀吉との戦に負けた事で信雄によって切腹を強要されたとある。】
【織田信雄(おだのぶかつ):西暦1558年生~1630年没。信長の次男。伊勢の北畠家の攻略の折に北畠家の養子と成り北畠家の姓を名乗っていた頃もある。信長死後、秀吉と敵対し家康と組んで戦ったが家康の采配で決着が付かず、その後秀吉の説得で和解したとある。】
【織田信忠(おだのぶただ):西暦1557年生~1582年没。信長の嫡男。岐阜城を居城として武田討伐等の武勲を立てたが本能寺の変にて父である信長と共に死んだとある。】
≪そうか…(信忠… ワシに構わず逃げてくれりゃ… 馬鹿者め!)で、光秀はどうなった?捕まえたのか?≫
『それが、どうやら逃がしてしまったらしいのよ…』
≪何じゃと?!光秀を逃がしては意味がないではないか!(猿の奴め、相変わらず詰めが甘いのぅ…)≫
『いや、逃がしはしたけどその敗走中に落ち武者狩りの農民の手によって殺されたらしいのよ。彼も不運よね…』
≪おお!でかした!金一封物じゃぞ!しかし、いくら猿がワシの敵討ちをしたとはいえ、何故家康が出て来るのだ?≫
『話が飛び過ぎよ!順を追って説明するから、慌てなさんな!信長さん』
と、香奈は丁寧に説明したのだが信長は怒り心頭し
≪猿め… ようもワシの織田家をぉぉぉ!それにしても複雑じゃな。≫
『なにがよ!』
≪いやなに… その猿が死んで、猿の子飼いらを上手い事丸め込んだ家康にしてやられたのじゃろう?≫
『それに関しては私も思った!その後、秀吉の子飼いらは悲惨な末路を辿ったらしいよ。≫
≪まぁ、あれじゃ… 猿の後釜が阿呆であったという事じゃな!(しかし、市の娘がのぅ… 知ってか知らずか、父である義弟を結果的に死に追いやった男へ嫁いぎ、子を成すは良いが家康にまんまと騙されたという事か… 全く阿呆じゃな。)女子(おなご)が政(まつりごと)に口を出すと碌な事なならんという戒めかも知れんな。≫
『はぁ?何それ!』
≪何じゃ!人はこの話を気分良く締めくくったのに!≫
『さっきにの女子がって件よ!私の時代じゃ、女の人が国のトップに付いて政治を行って成功しているんだよ!それを戒めだぁ?馬鹿じゃないの!』
≪貴様ぁ!またワシを馬鹿呼ばわりしおってぇぇ!それにまた… とっぷ?せいじ?意味が分からん!≫
『もう!面倒臭いわね!トップは上で、政治は政よ!分かった?う・つ・け!』
≪お前に《うつけ》と言われると、腹が立つの!が、何やら侮辱したみたいじゃな。すまぬ。≫
『ふん!素直に謝る潔さだけは認めてあげるわ!で、見えてきたんじゃないの?叔父さんの城!』
≪おっと、そのようじゃな… この後、叔父上と話すがまたお前の意見を聞く事もあろうゆえ、控えておいてくれ!≫
『控えてって…(控えるものにも、あんたとシンクロしてる訳だからね!って、まぁいいか…)分かったわ。』
信長はようやく織田信光の居城である小牧山城に着いたのだった。
つづく