ガンナーズ!! -女子高生×銃撃戦×青春!?-   作:k9suger

7 / 20
第三話・お金が足りない!!

「インターネットの方が安いんだよなぁ......」

 

 金曜日の夕方、学校から帰ってきてソファの上で寝っ転がっている。

 私はスマホでスポーツシューティング用の銃を販売している店舗やインターネットサイトで銃の値段を調べていた。

 

 スポーツシューティング用の中に限らず、大抵の物はインターネットで買ったほうが安く済むんだけど実物を持って感触を確かめたい気持ちもあるからなぁ......

 

「それなら、店舗で感触を確かめて同じ商品をネットで買えば良いじゃん」

 

 その事を妹に相談すると、何気なくそう答えられる。

 

「でもさ、なんか店舗まで行って感触を確かめたのにそのお店で買わないのってなんか失礼じゃない?」

 

「まぁ言いたいことは理解できるけど......今のお姉ちゃん、そんなこと言ってられる程お金持ってないじゃん」

 

 痛いところを付かれてしまった。

 いまお財布に入っているお金......つまり私が自由に使えるお金は四万円ぐらいしかない。

 銃本体だけを買うなら店舗でも大丈夫だけど、カスタマイズパーツとかを買うことを見越したら絶対に店舗じゃ足りない。

 

「まぁそうなんだけどね......」

 

「それと、そのカスタマイズパーツ? って奴も安くはないんでしょ? 銃本体とカスタムパーツを合わせたら結構な金額になるんじゃない?」

 

「そうなんだよね......」

 

 私が買おうとしてるカスタムパーツは、種島さんから“最低限必要なもの”と言われた光学サイトだけなんだけど、この光学サイトも意外と高い。

 

「そういえば、銃本体の値段っていくらなの?」

 

「それなんだけど......まだ決まってなくて」

 

「えっ?」

 

 銃の製品紹介サイトとかを見ると商品スペックとが結構細かく書いてあるけど、正直初心者の私が数字だけ見て銃の特性をすべて理解出来することは出来ない。

 

 なので、実際に試し打ちが出来るお店に行って良さげなものを探したいと思っていたんだけど、店舗だとお金がなぁ......

 

「まったくお姉ちゃんは行動力と思い切りがないからなぁ」

 

 そう言うと妹はクローゼットからジャンバーを取り出して私に向かって投げる。

 

「え?」

 

「何とぼけた顔してるの? お店行くよ」

 

「いや、でも......」

 

「この調子じゃ、いつまで経っても銃買えないでしょ。私が着いていってあげるからお店で良さそうな銃探してこよ」

 

 そう言いながら妹もジャンバーを羽織ったりバックを肩に掛けたりして、買い物に行く準備を着々と進めている。

 

「あの......」

 

「ほら早く、行くよ」

 

 

     ◇  ◇  ◇

 

 

「おーなんかアジトみたいだね」

 

 家から飛び出て最寄りの地下鉄駅まで走り、調べた中で一番近いスポーツシューティング用品を売っている店にたどり着く。

 

 そして、何故か妹のほうが楽しんでる。

 

「なんかもっと玩具っぽいの想像してたんだけど......結構リアルだね」

 

 店の雰囲気はアウトドアショッピングみたいな内装だが、壁にはライフルが掛かっていたり、並んでいるショーケースの中には拳銃が展示されていた。

 

「あっこれ見たこと有る......こうゆうのを買うの?」

 

「いや、拳銃は実戦向きじゃないから買わないかな......アサルトライフルとかサブマシンガンとかの方が強いし扱いやすから」

 

 種島さんによると、一概に“これが一番強い”と言える銃はないそうだ。

 ただ、フィールドのサイズや環境によって色々と状況が変わってくるらしいので、汎用性の高い銃が良いらしい。

 

 まぁゲームで愛用してた銃を使ってみたい気もするけど......

 

 そんなふうに妹と話しながらお店の奥の方に行くと『店長がオススメするアサルトライフル』という看板が立てかけられているコーナーを見つける。

 

「なんかマトリックスみたいだね」

 

 並んでいる銃はM4A1などの見たことがある有名なライフルからVHS等の聞いたこともない名前の物まで紹介されている。

 

 そして、私が探していた銃もそこに並んでいた。

 

「わぁ......木製ハンドガードの質感リアルだなぁ」

 

 NATO弾を使う西側の銃がたくさん並んでいる横にひっそりと置かれているAK-47に私は思わず見入ってしまう。

 

 CODやBFでは大抵この銃を使っていた。黒い本体と綺麗な木目模様のコントラストと、西側の銃とは少し違う独特なフォルムが特徴的だ。

 

 AK−47を紹介するポップには「カラシニコフの最高傑作!!」と書かれている。そして、その下に「持つのOK・試し打ちはNG」と注意書きがされていた。

 

「持ってもいいのか......って重すぎじゃん」

 

「私にも持たせて......おぉ確かにずっしりくる」

 

 試しにAK−47を持ってみると、あまりの重さに驚く。トリガーガードに着いているタグに書いてあった「商品スペック」を確認してみると重さは4660gだった。

 

「そりゃあ重い訳だよ......って構えるのも大変だ......」

 

 試しに構えて遠くの方に照準を合わせてみると、AKがかなり重いせいでフロントサイトとリアサイトがプルプルと震えてズレてしまう。

 力のない私では構えるのも大変だし、これを持ってフィールドを走り回るなんてキツ過ぎて死にかける未来しか見えない。

 

 流石にAKが好きでもこれでは扱えないかな......

 

 もっと軽くて実戦向きな銃を種島さんに聞いてみるのも良いかもしれない。私はポケットからスマホを取り出して種島さんにラインをした。

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。