元素と小説は使いよう   作:チル姐

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原神ユーザーとしてあるまじき誤字誤文を見つけたので初投稿です。

…ずっと、不卜盧を不ト庵って書いてましたね。なんて事だ、恥を知れ!然るのちに死ね!!!

おそらく他にも色々と設定無視や誤字脱字誤文があるかと思います。

私個人の反省やこの小説のクオリティ上昇になりますので、見つけたら報告をよろしくお願いします。

感想、メッセージ、活動報告への返信、評価コメントなど、どのような形でも構いません。

ご協力、よろしくお願いします!

それはそうと評価二人もしてくれてるの、夢見てるのかな…

ナヒーダちゃん呼ばねぇと…!


第n回 璃月若人お泊まり会 一

 

第n回 璃月若人お泊まり会 一

 

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難解な本質を衆人分かりやすく伝える技法が比喩だ。

 

しかし、逆に言えば比喩によって隠される物が本質ということになる。

 

物事は的確な用法用量用途用向があるんだよ。

 

 

 

 

 

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かさかさと、乾いた音を纏わせて。

 

 

 

こつこつと、軽やかな音を響かせて。

 

 

 

さらさらと、布地の感触を確かめて。

 

 

 

にょいーんと外套の裾に体重をかけて自分の身体を宙ぶらりんにしようとしているのはわかるわかりますわかったけれども私の首が締まるし腰が破壊されるからやめなさいやめてくれ死んでしまいますのではやくやめろください

 

「…むぅ」

 

「いやさ、むぅじゃないんだよ。こちとら命の危機だったんだからね?生憎だけれどまだ命を棄てる予定は私の手帳には記載されていないんだからさ」

 

「七七の悪戯を邪魔した罪は重い」

 

「悪戯を通り越して殺人未遂に相成ろうとしていたんだけれど?私の罪について話すんだったら、その前に話すべき七七君のやったことについてはどう喋るつもりなのかな、七七被告人」

 

「それでも七七はやってない」

 

「やったんだよなぁ…」

 

 

 

バカみたいな会話をしながら、連れ立って歩く黒外套と幼女。もうどう見ても不審者と被害者の構図であり、璃月に初めて来た正義感溢れる人間ならまず間違いなく千岩軍に通報するだろう。いや間違いなくする。断言できる。いかがわしさに溢れる光景に対して何か行動しようとする人間が周りに見られず、何かするとしても景気良く挨拶を交わすのみに留まっているのは、この光景を見て義憤に駆られるような『初見さん』が朝早いのでここの辺りに存在していないということが理由なのである。しかし、それ以前の話、璃月に住む者がこの光景に危機感を抱いていないのである。そして、この怪しさ満点の黒外套と飴色幼女が嫌がり嫌がられのやりとりを交わしているのではなく、むしろ逆で和気藹々としたやり取りを行っているという事も大きな理由として存在するし、何より璃月においてこの黒外套と飴色幼女はかなりの有名人なのである。黒外套の男の名は、芥川敦。稲妻人の母を親に持つ若き小説家である。彼の代表作「夜は短し、駆けろや男子(おのこ)」は、スメールの女学生が同じ研究会に所属する紅顔の男子学生に思いを寄せて、自由人な彼を追いかけて東奔西走する物語であり、稲妻の八重堂主催の文学賞、「カノゴトクヨム!大賞」に選出された書である。彼は他にも「化かせ!八重子さん!」や「3匹の夜叉の大聖どん」、「恐れ知らずのスメールローズ」、「雷元素はアーカーシャ端末の缶詰知識を見ない」など、様々な小説を著し、テイワット中の小説愛好家を魅了し続けている。

 

彼の隣で外套を玩ぶ飴色の幼女は七七。不卜盧の薬師、白朮を保護者とする薬師見習いである。彼女は普通の幼女ではない。何百年も前に術を施され、成長なき不死者として生まれ変わったキョンシーの少女である。記憶力が壊滅的に無く、酷い時は朝出会った人の事を昼には忘れてしまう程のものとなっているため、彼女は懐に備忘録としてメモを常備している。しかし、懐と言っても色々な場所があるので、メモをどこに入れたかを忘れてしまうこともしばしば。しかしながら、とても親しい人間のことはよく覚えており、保護者やそのペット、壺を持っているおばあちゃんなど極々少数ではあるが記憶に焼き付いている人間もいるのである。この芥川も彼女の記憶から離れない人間の1人である。保護者からお泊りを許される位に打ち解けた関係であり、周りの人達からは歳の離れた兄妹のように見られているのだとか。

 

 

 

「そういえば味覚を活性化させる符を打ってもらったんだったね。さっきのご飯はどんな味だった?」

 

「…うー、なんだろう。あま、い?塩辛い?…言葉にしにくいけど、でも、美味しかった」

 

「そうか、美味しいという感覚が味わえるのはとても幸せな事だよ。色んな言葉で言い表せる様になれば、きっともっと嬉しくなるだろうね」

 

「わかった。たくさんメモに書いとく。…せんせいは、七七と一緒に食べられて、うれしいの?」

 

「勿論そうさ、私はいまとても嬉しい経験をしたんだよ。でも、どうしてそう思ったんだい?」

 

「だってせんせい、ずっと笑ってる」

 

「…おや、本当だ。これは一本取られたねぇ。どうやら私は、七七くん達と一緒にご飯を食べることを、思った以上に楽しんでいたらしいね」

 

「じゃあ、今日はせんせいとお泊まりするから、もっと楽しくなるね」

 

「ふふ、そうだなぁ。今日は本当に楽しい一日になりそうだね。本当に楽しみだよ」

 

 

 

非常にほのぼのとした、微笑ましい会話である。

 

その会話を成しているのが黒外套の男とちんまい幼女であるという、いかがわしさの塊のような光景であることに目を瞑れば。

 

 

 

 

 

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氷元素を有する存在は、手が冷たいという話を聞いたことがある。そして、その人はとても情が深いという話も添えて。私には、この話について時たま考えている事がある。後者が真実であることは大いに認めよう。確かに私は、氷元素を使用する者で、人心を深く傷つけるような残忍な人物とは、私はあまり出会ったことがない。むしろ、氷が持つイメージとは程遠く、暖かく優しい想いを有する人間ばかりである。例えば、ここにいる七七くんもそうだ。何を考えているのかよく分からないぽてんとした表情を浮かべながら、体力治癒効果のある球を侍らせ鋭い剣技で不埒者を成敗したりする幼女である。この子の剣先は、時に非道を仕出かす宝盗団や悪党共に向くこともあり、この面では氷の印象に違わず冷徹薄情であると言えなくも無い。何がともあれ鉄拳制裁は誉められた事ではないと考える一般人からすれば、このような感想を出してしまうのも仕方がないのやも知れない。あくまで個人の印象がこうなるかも、という可能性の話なのだから、このことに対して私がとやかく言う事もないし、七七くん本人が何か傷ついたり沈んだりすることは、まず無いだろう。まあいちいち覚えられないということもあるかもしれないが。しかしながら、この七七というキョンシー幼女は人の心に寄り添うことができる優しい女の子なのである。先頃、大変おあほな落ち込み様を見せていた胡桃に対して、その傷ついた心を癒す慰めの言葉を掛けていたし、ほかにも不卜盧に来た客の体調を気遣う事もできる上、近所の子供たちと遊んでいる時に怪物に襲われれば子供たちを守って自らの傷も厭わず立ち向かうことだって出来る。優しさに溢れた良い子なのである。この子の例は一例に過ぎないが、私が出会った中でも、璃月を支える七星の秘書を努める飴色の半仙が、何某かに恨まれているというような話を聞いたことはあるはずもないし、音に聞こえるモンドの名バーテンダーも酒を飲む大人が嫌いであるとは言いつつも、また本人も唸るほどに不味い酒を提供しようとしているとしても、酒を提供することは辞めないし、何ならば嫌なことがあって酒場で落ち込む大人に一丁前に発破を掛けることだってあるらしい。約1名実際に会ったことがない人が混ざっているが、氷元素を使用する者の心が柔らかく暖かいという事は帰納的に証できるものである筈だ。流石にこのようなオカルティックな事象について大真面目にデータ収集を行った事例を、私は寡聞にして知らないが、そもそも強い願いが神に認められた証が神の目であるのだから、神の目を持つものが大人物であると言うことには異論を挟む余地はないし、勝手な所感ではあるけれど、このことは一般論として真であると主張することに私は何の抵抗も抱くことは無い。敢えてここでは以下のように言うのだが、優しい人物の「多い」氷元素使用者について、前者のように一般化するのは少し早計ではないかと私は考えている。そもそも、初めに述べた一連の話について、これのルーツは「手の冷たい人間は、人情深い」という稲妻の古い言い回しの派生であるというのが世間一般の認識なのである。この言い回しの語源として最も有力な説というのは、寒いところでも冷たいところでも人のために力を尽くし手を伸ばして行動している人間は、その努力を反映するかのように手が冷たくなっているものである、という稲妻古文説話であり、この言い回しの説得力というのは、「確かにそうかも知れないなぁ」という感慨を抱かせる以上の強さを持つものではないと言える。決して、この条件を裏取って「手が冷たくない者は、薄情である」という論が展開されるものではない。手が暖かい人間はごまんと居るし、その中で情が深い者もたくさん存在している。この意味では、先の言い回しは詭弁に過ぎないとも言えるのだろうか。スメールの元素学者、アボガドル・Oが提唱した「元素波及の法則」によれば、長時間元素に触れ続けた者は、その元素の影響がその者自身に現れ、神の目を有する者についてはこの影響が顕著に現れるという。例えば、水元素の神の目を持つ者は、汗をかきにくい体質になる事が殆どであり、雷元素を持つ者は、体内電気信号の流れが速くなり反射神経に長けるようになる。これは、しっかりと実験が行われて確認された事実であり、元素学では提唱した彼の偉業を称えてこの法則の名を「アボガドル則」と呼ぶことが多いのだとか。さて、このアボガドル則によれば、氷元素に触れ続けた者は、体内の生存許容温度が低くなり、氷山でも凍傷を患うことが少なく、それと共に暑さに比較的弱くなるのだという。モンドではドラゴンスパインの寒池に浸かり、暖を取るならぬ寒を取る事を好む騎士がいるのだとか。恐らくその方は氷元素の神の目を持つ人なのだろう。しかし、あくまでこれは生存許容温度の低下、という事だけである。体温が低くなるということではないらしい。同則によると、氷元素の神の目を持つ者は自在に氷元素を操り冷気を従えることができるが、この影響が自らの生存に寄与する事はなく、平熱の低下や熱中症事例の多発を招くものでは無いのである。これは他元素についても言えることで、雷元素をもつ者が体内電気信号伝達の鋭敏化により心臓の鼓動が早くなり平均寿命が縮むということはないし、草元素をもつ者は光が体に当たる事で身体機能が向上するが、水やその中に溶解した栄養素のみを摂取して、肉や魚の様な蛋白源を受け付けなくなるということはない。すなわち、この七七くんの如くに、氷元素を有してはいるが体温が子供の物と同じく高くなっているという事に、何ら違和感はないのであり、氷元素を用いる者の手が冷たいというのは、少々言い過ぎであるという感が否めないといえる。しかし、先に述べた通り氷元素を操る者には情に熱い者が多いというのは恐らく事実である。多少メルヘンチックな感慨になるが、私はこの事の原因は、氷元素の元締めとも言える存在、すなわち氷神の心が慈悲深く温かく、優しいからなのだと、希望して予想している。もっと言えば、そうであれば私は感無量である。

 

 

 

 

 

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外套を弄ることに飽きた七七くんの手を繋ぎながら、かつて小説の後書きに書いたこんな感じの謎の文章を思い出していた。

 

懐かしい、確かこの頃からだったか。

 

小説の後書きとして先の様な話題を上げたことがあった。薬屋で働く男と彼の周りで起こる出来事を描いた『薬屋アモン』シリーズの二巻の後書きだったはずだ。いや、三巻かもしれない。兎角、後書きにてこのような書き物を晒した本が発売して数日後から、ファンレターに露骨にスネージナヤからの者が増えたのである。

 

薬屋の小説ということで、白朮師に頼み込み不ト廬にて少しの間働かせてもらったのだが、その時にやたらめったに私にひっつく七七くんの体温が高いことに気がついて、その気づきをもとに書き上げた物だったのだが、その時の徹夜のテンションで高揚していた私には、まさか後書きにこの様な副作用があろうとは思ってもいなかった。

 

出版の一ヶ月後、突然家に訪問があり、呼び鈴に応じて戸を開けてみると驚く事にスネージナヤの上役、【富者】と【少女】であった。

 

どうにも、私の書く小説に沼の如くハマり込んだ少女が富者殿曰く「実際に貴方に会ってサインを是非貰いたいという願望を、駄々捏ねでファトゥス会議を二時間長引かせ押し通しやがり、問題行動の目つけ役と北国銀行の視察を兼ねて私も同行者として巻き込まれ、更にファトゥスのトップとも言える【道化】が妙にノリノリで土産として貴方のサインを指定した事も相まって今回の一件の強制力が増し、ここまで来ました」ということになったのだとか。彼は続けて、「案の定私の労苦はとんでもない物になりましたが、銀行員についての名作小説を書かれた貴方に会えるともなれば溜飲も下がるというものです」とも述べてくれた。突飛な行動をする同僚のフォローに疲労しているからか、言動にやや本心が見え隠れしていたが、かの大手銀行の総取締役に興味を持ってもらえる本が書けたということには素直な喜びを感じていた。

 

さてこの少女、名前は職務の関係上コードネームでの名乗りとなっていたが、端的にマイペースな人間であった。メガネを掛けて決してその眼を開くことは無かったが、恐らく開いていたらものすごい勢いでキラキラと星を瞬かせていたで有ろうくらいのテンションで質問を連発し、ハイスピードな質問の数々に私がなんとか答え続けていると、受け答えが気に入ったのか、突如距離を詰め私の隣に移動して、謎の力で私を空中に浮遊させ拘束し、満面の笑みで富者殿に「富者!私この子連れて帰ります!」と曰いやがった。私は、何かあった時の為に常に常備している稲妻名物ツッコミ用具「ハリセン」で思いっきり突っ込んだ。奇遇にも富者殿が静止を入れるのと同時であった。

 

もう初対面とか男女の性差とか、そういうものは関係なかった。偏に初対面の人間に対しても気に入ったら我儘を実力行使で押し通そうとするその事に対して、相変わらず非常に近い距離で隣に座る少女に対しその純真さを尊重しながらも遠慮を心掛けるよう懇々と叱責を入れた。富者殿からは、その端正な美顔を凄みがある満面の笑みで輝かせつつ「遠慮は入りませんので言ってやって下さい」と快諾を受けているので、応接間の机にて私の作った菓子と茶を楽しんでもらっている。ちなみに私の目の前である。常識外れ?いやいや、仮にも私の住環境が掛かっていたのである。是非もないよね。

 

最終的に少女は、私をスネージナヤに拉致する事は無いものの、この上ないお気に入りに登録してしまったようで、ファンレターと言うより最早文通じゃねぇかと言うような手紙を週に一回送ってくるようになった。富者殿とは妙に気が合ったというか、仲良くなり、スネージナヤに行くことがあれば案内をすると言ってくれるまでに至った。さらに後日、千岩軍の方から直接矢鱈と装飾華美な手紙を届けられた。中にはファトゥス一同からの感謝状や北国銀行優待券などのとんでもない代物が入っていて、同時に渡された富者殿の手紙によれば、私の家を訪問した後から、少女の問題行動がまだ目立つもののめっきりと減ったということらしい。なんというか、それでいいのかファトゥス。

 

今でもこの文通まがいのやり取りは続いている。最近、近い内にこちらへまた来るとか言うことを仄めかし続けているが、どうなることやら。仮にも、あんなんでも仮にも、一国の中枢を担っているのであるから、そう簡単には来られないだろう。

 

 

 

七七くんに手を繋ぐのをせがまれてその温かい手を握ったことで、こんなことを思い出してしまった。おのれ七七くん。この恨み覚えておくぞ。

 

…いや冗談だけれども。

 

 

 

「…む、せんせい、何で七七を見てるの」

 

「いや別に、なんでもないよ。七七くんの手は温かいなと思ってね」

 

「ぅん、そう。…せんせいもあったかいよ」

 

「そうかい?そりゃあよかった」

 

 

 

 

 

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変なことを思い出してしまったが、兎も角冒険者協会の前まで至った。

 

 

 

因みにであるが、刻晴と胡桃とは既に別れている。

 

胡桃は何やらやる気を出したような顔つきで意気揚々と往生堂に帰っていった。あの様子だと、我々の発破というか鼓舞というか、何にせよ我々との会話

が甚く彼女のためになったのだろう。嬉しい限りである。

 

刻晴は矢張り仕事が差し迫っているとのことで、足早に帰っていった。…真に休むべき人間は例のおあほさんではなくこの若き才女なのかもしれない。

 

冒険者協会とは、その名の如く「冒険者」と呼ばれる職に就いている人々を斡旋し、彼らに対する依頼の管理や、緊急時の雑務対応などなど、様々な職務が存在する施設である。

 

丹精な美貌を『どの冒険者協会支部でも違わず』曇らせることなく、カウンターに来訪してきた客に丁寧な態度を以て接してくれる受付嬢のキャサリンや、テイワット各地で地図測量や依頼詳細の点検、技能検定試験の設営、そしてモンスターや盗賊といった存在が屯するような危険区域の調査など様々な職務をこなしている冒険者協会員、そしてテイワットに何万と存在する冒険者。以上に述べた彼等彼女等の他にも色々な人間が所属し、各人が協力し合ってテイワットで起こる様々な事件を安寧に導く大きな役割を果たし続けているのが、この冒険者協会である。

 

とはいえ、このテイワットに住まう人々からの冒険者協会への印象というのは、便利屋、といったところか。

 

冒険者が便利屋として優れている点、というのは多々ある。主だった理由としては、子供から老人まで依頼料がどんな形であれ存在すれば簡単に依頼を出すことができること。3歳の女の子が大切なセシリアの花の押し花栞を報酬として、お母さんに食べさせてあげるお菓子に使うグクプラムを取ってきてほしいという依頼を出している事から、依頼のハードルの低さが窺える。因みに、この依頼はモンドの火花騎士が達成したらしい。モンドの西風騎士団の職務の広さをも感じさせられる話である。もう一つ理由として忘れてはならないのは、冒険者協会自体の信用度の高さである。高い依頼達成率、報酬や依頼品の授受の確実性、そして何より冒険者協会の職員に課される厳密なマニュアルなど、様々な要素がこの組織の信用度を押し上げているのである。因みに、この冒険者協会マニュアル。完全に暗記しているのはキャサリンくらいらしい。…それはどうなのだろうか。

 

…とにかく、この冒険者協会は璃月の主要な街である璃月港にももちろん存在している。私は冒険者ライセンスを持っているだけのなんちゃって冒険者であり、たまに暇ができた時に達成できそうな依頼を少しばかり遂行するくらいしかしていない。私の主だった冒険者協会の利用目的は、主に朝方のキャサリンとの雑談や情報収集くらいのものである。…こういう利用法も出来るのが冒険者協会の良いところである。ただの自己弁護であった。

 

「そういえば、七七くんは冒険者の証明書持っているのかい?」

 

「んぇ?冒険者証なら、持ってる」

 

「おや、七七くんも持っているのか。私も実は持っていてね、どうやらお揃いだったようだ」

 

「ん。お揃い、嬉しい」

 

七七くんも冒険者証を持っていたらしい。嬉しがるようなものではないのかもしれないが、それでも誰かとお揃いのものがあると言うのは言いようも無い高揚感があるものだ。

 

 

 

 

 

 

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冒険者協会には先客がいた。それも、私のよく知る人間である。

 

 

 

「あぁ、芥川先生か。丁度よかった、今日一日の予定がたった今空いたところだから、前に言っていた件を済ませてもいいだろうか?」

 

「おや重雲、おはよう。前の件なら今日済ませて仕舞えばいいだろうね。ちょうどここにいる七七くんも私の家に泊まって行くことになっているから、一緒になるのだけど構わないかな?」

 

「先約、とったー」

 

「全然いいよ。僕も無理を言っている自覚があるのだし、それくらいの事どうということもないよ」

 

「それなら良かった。では少し待っていてくれないか?先に私の用事を済ませてしまうことにするよ」

 

重雲は、行秋や香菱と同世代かつ親友の敏腕方士である。ただ、些か純粋というか、物事を率直に受け取りやすい傾向にあるので、よく行秋に揶揄われてしまう。また、香菱のトンデモ料理についても、こういう料理もあるのかという感慨を抱くばかりであり、それはないだろうと突っ込む事もない。まあ、こういう性格だからこそこの2人と親友をやっていけているという節もあるから、悪いことばかりではないのだろうが。重雲の方も、その純粋さから無自覚に2人を振り回す事もあるから、どっちもどっちと言って仕舞うこともできなくはないのだが。

 

 

 

第n回 璃月若人お泊まり会 二 に続く。

 

 

 

 




だいぶ文章が長くなり、しかも内容がそこまでないという事態。

主人公より文才がないって、恥ずかしくないの?()

お気に入り登録も増えてきましたし、UAも順調に増えているようです。

こんな趣味全開見切り発車な小説を読んではるとか、誇らしくないん?(龍驤並感)

とにかく、主人公の設定がスメールのストーリー次第で大幅変更されそうなので、失踪します。

あ、話すところがまだ本編で無さそうなので話しますが、彼普通の人間ではなかったりします。唐突に発覚するような形を取るので悪しからず。

主人公と関わりがあると嬉しいキャラは?(採用するかもしないかもいやするってのもあり得なくはない話だし逆に採用しないのもなきにしもあらずなんよなどうしようかねとりあえず聞いとこう)

  • コレイ「アンバーの伝記ある?ないのぉ?」
  • ティナリ「最近は実学書をよく読むね」
  • ディシア「本は読まなくもないんだぜ?」
  • ニィロウ「綺麗な物語が好きなんだ〜」
  • アルハイゼン「小説は稀に読む」
  • ドリー「娯楽小説は好きですわよ?」
  • ナヒーダ「本…、書いてみたいわ!」
  • セノ「湯婆婆ラ…会心の出来だ!」
  • キャンディス「英雄譚が…好きなのです…」
  • その他キャラ(感想又はメッセージにて)
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