ファミリー作りたいのに《夜の炎》しか見つからない件   作:リデルJr.

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呪術に気付くまで

 転生して赤ちゃんになった。

 

 死んで一ヶ月しか経っていない今ではまだ頭は回らないし、何より赤ちゃんとして過ごす時間がドチャクソ暇なので魔力を探していたら人差し指の爪の先から橙色の炎が飛び出した。

 

 驚愕とか恐怖とかよりも興味が勝り、何度も指先から炎を灯したり消したりして遊んでいたら、急に炎の色が変わった。

 

 赤・青・黄・緑・紫・藍。

 

 理解(わか)った、コレ死ぬ気の炎だ! 

 

 つまり今出てきた炎は、大空・嵐・雨・晴・雷・雲・霧属性という大空属性の炎な訳だ。

 

 ここでいう炎とはファンタジー的なアレであり、それぞれ、調和・分解・鎮静・活性・硬化・増殖・構築を象徴している炎でもある。

 

 また大空属性の炎には、それぞれの対となる大地属性の炎がある。

 

 その名も、大地・沼・川・森・山・氷河・砂漠。

 

 それぞれ、重力・発酵・貫通・具現・同調・凍結・幻覚を象徴している。川については諸説はあったが。

 

 色は、濃赤・灰・薄青・濃緑・黄緑・水・茶色。

 

 そして最後にどの属性にも当てはまらない、異質な炎。

 

 その名も、夜。

 

 空間を象徴する闇色の炎である。

 

 俺は赤ちゃんの身ながら全ての炎を灯すことが出来た。

 

 これが転生チートかと、震えながら嬉ションしてしまった。

 

 そして家庭教師ヒットマンREBORN! の一ファンとして、自分がやり遂げなければならない使命とやってみたい興味がムクムクと湧き出してきた。

 

 まずやらなければならないことは、ファミリーを作ること。

 

 そしてやってみたいことは、全属性の炎を混ぜたらどうなるのかを試してみること。

 

 他にもたくさんやらなければならないことややりたいことがあるが、一先ずの目標はこの二つに絞った。

 

 

 

 

 

 

 

 その後、ゆったりまったりしながら日々を過ごすこと七年。

 

 小学校入学直前になって、全属性の炎を混合させることに成功した。

 

 方法としては、死ぬ気の炎の出力を上げる→対となる属性を気合いで混ぜる→夜の炎でそれぞれ対の属性と混合させた炎を無限加速させる→大空大地の炎で調和圧縮させて一つの炎に整える。

 

 以上、極限に頑張った。

 

 出来上がった炎は暗闇よりも深く暗い黒色の炎。

 

 極夜の炎と名付けた俺のセンスが光る、色は黒だけど。

 

 そして時を同じくして白光色の炎も出せるようになった。

 

 その名も、時間を象徴する朝の炎だ。

 

 

 

 

 

 

 

 なんだかんだあって小学校卒業した。

 

 その間にやったことといえば、朝の炎で夜属性以外の炎を無限収束させて生み出した白夜の炎と、夜の炎で朝属性以外の炎を無限発散させて生み出した極夜の炎から、新たに創り出した透明な死ぬ気の炎、星の炎を作ったことぐらいだ。

 

 この星の炎の性質は、歴史も未来も自然現象も含めてこの星の全てが俺に味方してくれるようになるという、正に星を象徴する炎だ。

 

 もしかしたらエネルギーの質が異次元に高過ぎて俺では観測できず、炎を透明だと知覚しているのかもしれない。

 

 あとは街の中でテキトーに守護者探しをしていた。

 

 そういえばめっちゃ人外だったけど、夜の炎を纏った奴がいたので勧誘しようと思ったら襲われかけたので、独り言を言いながらダッシュで気付かないふりして逃げた記憶もあったわ。

 

 見える子ちゃんかな? 

 

 とまあ冗談はさておき、俺が人外から逃げ回っている時に出会った、樹齢がどうのと聞いてくる怪し過ぎるおじさんには年輪について教えてあげた記憶も残ってた。

 

 いやー、誘拐されるかと思ったっすね! 

 

 

 

 

 

 

 

 中学校に入学したった。

 

 学校の名前は、市立洛陽中学校。

 

 めっちゃ京都の中学校に入学です、はい。

 

 仕方ないんだ、都立並盛中学校なんて無かったんだから……。

 

 あと親の転勤が重なったんで、もうどうしようもねえなぁ。

 

 俺一人だけ標準語なのもちょっと浮くから、ここいらで俺が転生したからこそできる究極の奥義を見せてやろう。

 

 こ↓こ↑の商店街、えらい繁盛してまんな〜。

 

 

 

 

 

 

 

 中学校生活を振り返って一言、ほんましょうもない学校やったのハゲタコ! 

 

 リング争奪戦も未来編も継承式編もなーんもなかった。

 

 つまらんどころの騒ぎじゃないぞ、マジで。

 

 この時期に得られた成果は、全身に星の炎を纏い続けるという、全集中ハイパー死ぬ気モード・常中を会得したことと、それぞれの守護者に渡す用のリングを作ったことぐらいだ。

 

 リングは星の炎だけは自分専用にして、残りの大空七属性・大地七属性・朝・夜のリングを守護者が使えるようにデチューンした(性能を下げて汎用性を上げた)ものを用意した。

 

 あと、京都にも夜の炎の遣い手っぽい人外が大勢居たが、なんか外道さんとやらの仲間らしかったので諦めた。

 

 そういえば宮城県で、掃除用具入れに複数生徒詰め込み事件という香ばしい事件が起きてたのでネット掲示板で謎の陰謀論が囁かれていて面白かった。

 

 

 

 

 

 

 

 高校は再び東京に戻って、都立難開高校に入学した。

 

 前期入試で京都の進学校に合格したのにも関わらず、父親の転勤が決定的になったので後期入試で受けた東京の高校に入学することになった。

 

 まあ仕方ないよね、ってことで身に付けた関西弁を捨てて標準語に戻すことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 高校生活楽しすぎて草。

 

 まだ一年の春だけど、中学卒業間際で買った宝くじで高額当選したお陰で遊ぶ金に困らないんだ。

 

 しかも中学生までいつREBORNの物語が始まるか身構えていたせいで碌に友達と遊べなかったけど、高校まで来たら仮に原作始まってももう物語には関われないんだろうなぁという漠然とした確信があるお陰で、友達と遊びまくれるんだ。

 

 楽しくないわけがない。

 

 今日もナンパ対決してくるぜ! 

 

 

 

 

 

 

 

 ナンパ対決で捕まえた女の子の金遣い荒過ぎて涙目です。

 

 物凄い頻度で買い物に付き合わされるし、しかも毎回爆買いするせいで貯金残高がががががが(まだまだ口座には腐る程残ってるけども、様式美として)。

 

 もしかして俺のことATMかなんかだと思われてないか、って幼馴染みを彼女にしたイケメンの友達に相談してみたら、彼女持ちならそれぐらいが普通って言われた。

 

 そうなんか……。

 

 毎回しんどい思いするんやったら前世と同じで、彼女いない歴=年齢の童貞で良かったわ……。

 

 いくら彼女が可愛くても、なんかムカついてきた。

 

 決めた、今度会ったら別れを切り出すぜっ!! 

 

 

 

 

 

 

 

 無理でした。

 

 ていうかファミリーに勧誘しました。

 

 人間で初めて夜の炎を扱ってるの見ちゃったら仕方ないね。

 

 とりあえず夜の炎用のリングを彼女専用にすることになりました。

 

 サクラサクってやつですわ。

 

 ヤッタネ! 

 

 

 

 

 

 

 

 彼女に呼び出されたと思ったら、知らん男が三人も居た件について。

 

 なんすか、美人局だったんすか? 

 

 もう俺は悲しいよ、まさか彼女がヤクザ紛いのことを仕掛けてくるなんて思わなかった。

 

 なんか一番背が高いヤツは俺のことを生い立ちから現在まで知っててシンプルにキショいし、残り二人は彼女と親しげでキショいし、彼女は俺と一緒に居る時には見せたことない表情しててキショいし、俺は俺で気持ちを断ち切れなくてキショいし。

 

 ここに居る奴全員漏れなくキショいのホンマなんなん。

 

 しかもヤクザ全員夜の炎使えるらしいし。

 

 もうホント何って感じ。

 

 今更復讐者(ヴィンディチェ)出張(でば)られても困惑するしかないし、しかも彼女も復讐者(ヴィンディチェ)の一員らしいし。

 

 メイのばか、もう知らない!! 

 

 折角彼女のために用意した指輪も無駄になったので、また作り替えなければならない。

 

 仕方ないからもう彼女とは関わらないと言い残して走って家に帰った。

 

 家に帰って指輪を見たら涙が出てきた。

 

 

 

 

 

 

 

 友達に話して笑い話に昇華しようと思って、ドキッ! 男だけのカラオケ大会を開いた。

 

 彼女をファミリーに迎えるべく指輪まで作った、というところで若干、いや結構ドン引かれたが、結局はヤクザの美人局だったという話をしたところで物凄く同情された。

 

 いやいや、笑ってくれよ。

 

 ハハハ、つってな。

 

 歌上手い友達が、失恋ソングを歌ったせいで涙が止まらなかった。

 

 友達全員でカラオケの代金を奢ってもらいました。

 

 ほんと良い奴らだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 あの日、俺を慰めてくれた友達連中に何か贈りたい。

 

 重いかもしれないけど、前世は陰気すぎてこんなにも気の良い友達が居なかったのだ。

 

 今世では死ぬ気の炎を習得できたことで自分に自信を持てたので、在るが儘に振る舞えた。

 

 その結果、陽気な連中との交流が増えた。

 

 そして陽気な連中と連むことで俺自身も陽気な性格だと思われるようになり、更に陽気な友達が増えていった。

 

 でもその分、在るが儘という行動方針は変わらないが、弱さを見せることが出来なくなった。

 

 弱さを見せれば彼等との付き合いが消える。

 

 前世ではもっと悲惨な状況だったせいで、別にそうなることが怖い訳ではないが、どこか勿体無いと感じたのだ。

 

 折角出来た友達を失うのは、まるで無課金で手に入れた星5キャラを消去するような気分にさせられるのだ。

 

 でも彼らは違う。

 

 今、彼らを失えば、大きな喪失感を味わう気がする。

 

 なんとしても繋ぎ止めたい。

 

 

 

 

 

 

 

 ジェバンニが一晩でやってくれました。

 

 という冗談は置いといて、そこそこ時間を掛けてネックレスを作ってみた。

 

 材料はリング製作で出た余りだが。

 

 とはいえ超一級品の鉱石を星の炎も使って精製したお陰で、存在すら探し出せなかったトゥリニセッテと同じことが出来る様なリングを生み出した物の余りだ、超特級品とかそういう表現がされる筈。

 

 ここで俺が作ったリングについて、ボンゴレリングのような縦の時空軸で受け継がれた時間が力になるわけでも、マーレリングのような横の空間軸で行き来して力を蓄えるでもない。

 

 どちらかといえば虹のおしゃぶりに近い力だ。

 

 ぶっちゃけると、星の炎が望む限り存在し続けられるのだ。

 

 要するに限定的な不老不死。

 

 この枷を外す方法はない。

 

 俺が死ねばリング守護者も死ぬし、星を滅ぼしても俺が新たな星を生み出せるので意味はない。

 

 星を滅ぼす云々については、リング守護者が星の炎は星から供給された炎と勘違いしていれば簡単に思い付く方法なので一応。

 

 そもそも供給元が俺自身で星自体はただ力を貸してくれるだけなのだが、勘違いする奴はするだろうなと。

 

 まあそんなことは置いといて。

 

 えっ、そんな物を軽く扱うなって? 

 

 いや、俺なら幾らでも作れるし、そもそもこのリングは呪いのリングの側面も確かにあるのだ。

 

 星の炎が望む限り存在し続ける、ということは、俺が望まなければ存在が許されない、つまり死ぬのだ。

 

 一生俺のご機嫌取りをしなければ不老不死になれないのだ。

 

 残念ながら俺は人間で、欲も感情もある存在だ。

 

 勿論殺すために使う心算(こころづもり)は全く無いが、明らかに俺の不利益になるなら容赦なく消す。

 

 無機物のような心を持っていたらどんな屑でも存在を許すかもしれないが、そうじゃないのだ。

 

 仕方ないね。

 

 まあだから、幾ら適当にばら撒いても、消せば良いじゃんということです。

 

 これが超越者の視点かと強がってみる。

 

 閑話休題。

 

 俺が作ったネックレスは、REBORNに出てくるリングのような、人間の身体を流れる波動を死ぬ気の炎にするものではなく、その波動を使って防御膜にするのだ。

 

 つまり、簡易的に俺みたいな常に死ぬ気の炎で身体が覆われている状態にするのだ。

 

 悪用されるならその機能を遠隔で削除することもできるが、彼らならそんなことをしないだろうという信頼もある。

 

 だから作った。

 

 

 

 

 

 

 

 ネックレスのデザインは天使の羽です。

 

 綺麗ですね。

 

 オラッ、綺麗ですねって言え! 

 

 

 

 

 

 

 

 皆喜んでました。

 

 僕も嬉しいです。

 

 オラッ、嬉しいですって言え! 

 

 そんで一生着け続けろ!! 

 

 

 

 

 

 

 

 久しぶりに修行パートに入ります。

 

 そういえばというかなんというか、ワイって幻術使えるんか? という疑問が湧いた。

 

 多分使えるんだろうけど、霧の炎単体で使うことが無さ過ぎてすっかり忘れていた。

 

 なぜ思い出したかというと、ネットに上がっていた拍手で瞬間移動するゴリマッチョの映像を見て、「有幻覚だーっ!」とREBORNファンの魂が叫びを上げたからだ。

 

 俺も『幻限()獣 無夢()骸鴉』欲しいんじゃぁー!! 

 

 というわけで霧と砂漠の炎を使ってちゃちゃっと有幻覚まで習得したところで、集まれ人外の森に行ってくる。

 

 

 

 

 

 

 

 ちょっと遠出して東京郊外。

 

 今日も人外の森には色々な人外が居る。

 

 ドロドロに溶けたゾンビっぽい人外や、鎧武者の人外、巨大狼の人外に、人魂人外、そしてめっちゃ人そっくりの人外。

 

 本当に一杯居る。

 

 しかも全員夜の炎の使い手だ。

 

 やるねぇ。

 

 普段なら片っ端からファミリーにならないかと誘う所だが、残念ながら夜のリングの改修はまだ始めてすらいない。

 

 つまり未だに美人局彼女(仮)の専用装備なのだ。

 

 女々しいとか色々思われるかもしれないが、普通に忘れてた。

 

 今日帰ったら改修作業に入ります、今度は嘘じゃないっす。

 

 という訳で人外の森で烏(鴉にあらず)を探して行きましょうか! 

 

 

 

 

 

 

 

 森の奥で烏を見つけたら、この前彼女に同伴していたノッポヤクザが居た。

 

 しかも俺を見てなんかニヤニヤしてる、気持ち悪い。

 

 どうやら俺の有幻覚を見たらしく、それが君の術式かい? とこれまたニヤニヤしながら言ってきた気持ち悪い。

 

 ていうか幻術式を読めるってなんなんだよ、コイツ、アルコバレーノ級の幻術士ってことじゃないか。

 

 一瞬コイツに幻術式についての師事を受けたいと思ってしまったが、よく考えなくてもコイツはヤクザ。

 

 関わったらイケナイ部類の人間だ。

 

 なので烏を引っ掴んでスタコラさっさと人外の森から離れた。

 

 

 

 

 

 

 

 烏くんの名前は本家をリスペクトしてガガーリンにしてみた。

 

 地球は青かったって言ってみ? と無茶振りするのが楽しい。

 

 まあ取り急ぎ、この烏くんの(ボックス)兵器を造らねば。

 

 

 

 

 

 

 

 長かった梅雨明けと同時に六月も終わり、夏真っ盛りの七月。

 

 暑いっす。

 

 でもガガーリンの匣兵器が出来上がった。

 

 その名も、『星烏(コルヴォ・ステッラート)』、改め『聖生()獣(せいじゅう) 祿帑駑()烏(ろくどう)』。

 

 六道骸と同じ姓を付けるにあたり、様々な事を勘案した名前なのでまあまあ愛着は湧くだろう。

 

 名前については、神から授かった幸運という名の財宝を仕舞う蔵と称して匣兵器を表し、鴉と比べて戦の才能が無いことに怒りを忘れること勿れと肝に銘じておけという意味を込めた名前である。

 

 まあまあ良い名前やんけ、センス良いね! (自画自賛)

 

 

 

 

 

 

 

 あと匣を造っている時に気付いたことだが、ガガーリンは夜属性の人外だと思っていたが、よく調べると夜属性ではなかった。

 

 というかそもそも死ぬ気の属性には無い、新たな属性だった。

 

 せめてもと名付けるなら、負属性。

 

 マイナス属性という厨二病大歓喜な属性だったのである。

 

 俺も知らない死ぬ気の炎に若干のジェラシー(嫉妬)を感じていると、俺にも負属性が現れた。




烏くん専用の匣を造る→烏くんの匣兵器を造る
に一部描写を変更しました。
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