基本的に淡々と進むので展開自体は早いと思います。思うだけですが。
やぁ、用務員のおじさんだよ。この間振りだね。
また話を聞きに来てくれたのかい?嬉しいねー。
じゃあ今日は何を話そうかな…。
最近あったことでも良いかい?
おじさんの人生は平凡だからね、あまり楽しい話はしてあげられないよ。
ん?早く話せって?ハハ、わかったよ。
んー、そうだねぇ……あぁ、そうだ。
数日前のことだけど、庭の掃除をしていた時に金属の破片を見つけてね。
最初は処分しようと思ったんだけど、唐突におじさんの第六感が働いてね。
あ、ここ笑う所だよ?
まぁそれで、一応処分せずに取っておいたんだ。
そしたら次の日、その破片を見つけた場所に生徒が居て驚いたよ。
名前は確か武田鉄男君、だったかな?
何かを探しているみたいだったから、おじさんから声を掛けたんだ。
「何か探してるのかい?」
ってね。
武田君の方はおじさんの事を知ってたみたいで、すごく言い難そうにしながらも「友達の大切な物を探している」って話してくれたよ。
そこでおじさんはピーンと来て、すかさずポケットに仕舞っていた金属の破片を出したんだよ。
探してるのはコレかな?って言葉を添えてね。
「あ、それ!それだ!」
とても喜んでくれて、拾った時に処分しなくて良かったと思ったよ。
どう?おじさんの第六感とやらも捨てたものじゃないだろう?
イタタ、別にドヤ顔なんてしてないよ。気に障ったならごめんね。
「助かったぜ、用務員のおじ…お兄さん!」
「いやいや、そこはおじさんで良いんだよ」
わざわざ訂正してくれたのは有難いけど、そこは訂正しなくても良いんだよ。
おじさんがそう言ったら、よく分からない顔をしながらも頷いてくれたよ。
いい子だったねー。
それで、武田君とはそこで別れたんだ。
あの後はどうなったか分からないんだけどね。
無事に友達に返せていれば良いんだけど…。
おじさんから聞きに行くのも野暮だしね。
ん?窓の外を指してなんだい?
……あぁ、あれは武田君だね。
隣には女の子と男の子がいるね。
え?あの隣にいる男の子が武田君の友達なのかい?
そうかそうか、じゃあ無事に返せたんだね。
これでおじさんの心配も杞憂に終わったよ。一件落着だね。
さて、そろそろ次の授業が始まるよ。早く教室に戻りなさい。
「そういえば、男の子の隣にいた半透明の彼は一体誰だったんだろうね…」
心なしか、おじさんには彼が浮いているように見えたよ。
もしかしたら疲れが溜まっているのかな?
幽霊って選択肢は無いよ。おじさん、怖いものが苦手だからね。
千文字を何とかクリア