今回はちょっとだけ長いです。
うーん、どうしようか…。
実はおじさん、夜の見回りの最中にウイルス爆弾の発信源を見つけちゃったんだ。
ちょっとPDAをいじってたら、偶然ね。
ワクチンプログラムを遠慮無くブチ込んだんだけど、全然止まってくれなくてね。
前回のウイルスよりも強力みたいで、ワクチンも時間稼ぎくらいにしかならないなぁ。
まぁそれで、見つけちゃったものは仕方ないから発信源の場所に向かったんだけど、どうにも扉がセキュリティロックされていて閉鎖状態。
仕方ないからハッキングして無理矢理中に入ったんだけど、驚くことにデュエルの真っ最中だったんだよ。
うん。この時点で何も見なかったフリをして回れ右すれば良かったんだけど、目敏いことに見つかっちゃったんだ。
「えっと、用務員さん…?」
「トドのつまり、助けに来てくれたんですね!」
いや、助けるとかそういう気は小指の甘皮ほども無かったんだけどね。
そもそもキミ達がここにいることも知らなかったよ。
もし知ってたらこんな面倒事には首を突っ込まなかったしね。
おじさんの勘も鈍ったかな…。
「誰かと思えば、変人の雑用係か」
うん?教師達の間ではおじさん、そんな風に呼ばれているのかな?
確かにちょっとは自覚あるけど面と向かって言われると落ち込んじゃうよ。
まぁそんなことより、北野先生はここで一体何をしているのかな?
状況からすると北野先生が今回のウイルス騒動の犯人って所だろうけど。
「そうさ、私が今回の犯人だ!」
よし、じゃあ自供も取れたし警察に連絡しようか。
北野先生、いくら社会のストレスが原因だとしても、超えてはいけない一線があるんだよ。
自首するっていうなら、警察への連絡も後にして……ん?ここ、電波が通じないね。
地下だからかな?仕方ない、ちょっとおじさんは外に出て警察の人に連絡してくるよ。
「待ってくれ!おじさん!」
ん?キミは確か、武田君の友達……だったかな?
隣にいる半透明の存在は無視するよ。完全に浮いてるし、絶対に幽霊だよ彼。
こういう時は目を合わせちゃいけないって誰かが言ってたような、言ってないような……。
「鉄男を知ってんのか?」
うん。まぁちょっとしたことでね。
それで、おじさんに何か用かな?
おじさんとしては早く警察に電話をしたい所なんだけど。
「右京先生とは今、オレがデュエルしてるんだ!」
それはおじさんも分かってるよ。
だからデュエルの邪魔はしないよ。
ただ警察を呼んで色々と後始末をしてもらうだけだよ。
「それじゃダメだ!これは右京先生にしか止められないんだ!」
「そうです!遊馬君が勝ってくれないと、トドのつまりボクが犯人にー!」
……えーと、ごめんよ。
おじさん、よく分からなかったよ。
つまり何かい?このウイルスシステムを止められるのは北野先生だけ。
それでシステムの停止を懸けて、遊馬君がデュエル。
そして、そこのオカッパ君……あぁ、ごめんよ。えっと、等々力孝君?うん、ありがとね。
で、等々力君が北野先生の罪を着せられている。ってことかな?
「トドのつまり、そういうことです!」
何か言葉の使い方がおかしいような気がしないでもないけど、まぁいいや。
うーん、それは困った事態だね。下手に警察に踏み込まれると等々力君が犯人になってしまう訳だ。
……仕様がない。
本当はこういうのは気乗りしないけど、今回は遊馬君に全部任せるよ。
情けないおじさんでごめんよ。
「任せとけ!」
おやおや、頼もしい限りだよ。
おじさんは邪魔にならないように等々力君たちと応援してるよ。
えーと、デュエルを開始した北野先生がメンバーズ……え?違う?
メンバーズじゃなくてナンバーズ?成る程、なんだかややこしいね。
まぁそれで、そのメンバ……じゃなくて、ナンバーズを召喚した。
知らないカードだけど、おじさん、どこかでこのカードを見たことがあるような…。
もしかしたら前世の記憶の方かな?最近は歳を取るごとにうろ覚えになってきてね。
困ったことは無いからいいんだけどね。
……ところで、遊馬君はさっきから隣の半透明の彼と何やら話しているね。
彼の声は聞こえないけど、遊馬君の様子を見ていたら仲は良くないのかな?
うーん、二人の関係性がよくわからないね。
なんだかおじさん、遊馬君の堂々とした姿を見てたら幽霊の彼にも慣れてきたよ。
あ、やめて、コッチ見ないで。遠目から見るのに慣れただけだから。
おじさん、幽霊自体は恐いから!
……ふぅ。あぁ、騒いでごめんよ。
それでえっと、どこまで進んだっけ?
ん?何だか周りの景色が変わってないかい?
「トドのつまり、気付くのが遅いです」
いやいや、おじさんの中でちょっとした事件があってね。
あぁ、目を逸らして回避したからもう大丈夫だよ。
え?何の話?おじさんの話さ。混乱させてごめんよ。
えーと……つまり、リフトが移動して野外の屋上に出たってことかな?
成る程ね。等々力君、説明が上手だね。おじさん、バッチリ分かったよ。
「ホープ剣スラッシュ!」
それはそうと、何だか決着がつきそうだね。
あ、北野先生が吹っ飛んでライフがゼロになったね。
これは遊馬君の勝ちでいいのかな?
おや?聞いてないね。
でも等々力君たちが喜んでいる所を見ると、遊馬君が勝ったんだね。
「勝ってくれてありがとうね、遊馬君。でも次からは無茶したらダメだよ?」
「おう!次もかっとビングだ!」
これは分かってくれたのか微妙なところだね。
まぁおじさん、何もせずに役立たずだったから偉そうには言えないね。
うん?何だかカードが光って遊馬君のところに飛んで行ったね。
……おかしいな。何だか幽霊君の姿がさっきよりハッキリしたように見えるよ。
これ以上、おじさんにホラー体験をさせないで欲しいな。帰りたくなってきたよ。
近くにドッキリの看板はあるかい?あ、無い?
うん。悲しいけどおじさん、ちゃんと分かってたよ。
「先生!先生!」
おっと、ふざけている場合じゃ無かったね。
早くウイルスを止めてもらわないと、等々力君が大変な目に遭うんだったね。
大丈夫。おじさん、どんな気絶でも即座に目を覚ます方法を知ってるからね。
「紐なしバンジーって知ってるかい?」
「それ、ダメ。絶対」
え?それは永遠に目を覚まさない方法だって?
おかしいなー。ちゃんと極楽気分で目を覚ますって書いてあったんだけど…。
うん?それは天国という名の極楽?ハハハ、皆、面白いことを言うね。
「う、ん…」
おや、どうやら北野先生の目が覚めたみたいだね。
ナイスタイミング。
「先生!早くウイルス爆弾を止めてくれ!」
「ウイルス爆弾…?ダメだ、アレは止めることが出来ない。解除スイッチが無いんだ」
「なんだって!?それじゃ、街は…!」
なんてことを言っている間にプログラムがカウントダウンを始め、表示されていたタイマーがゼロになった。
……うん?おじさんのワクチンプログラムも作動してないね。
というより、何だか目標を失って消滅したって感じだね。
もしかしてこのウイルス、電子情報の書き換えウイルスじゃないのかな?
「ああー!これで街が大パニックに…!」
「もう終わりだー!」
「大パニックって、何のことだい?」
「だって先生、街のプログラムを書き換えて大パニックを起こすつもりじゃ…」
「誰がそんな恐ろしいことを?」
それよりも北野先生、なんだかさっきとは雰囲気が違うね。
なんて言うのかな、憑き物が落ちたって感じだね。
幽霊君の前でこんなことを言うのも何なんだけどさ。
「確かに準備の時には街に予想外の迷惑をかけちゃったけど」
「じゃ、じゃあウイルス爆弾で何をしようと…」
おや?下の方でスタジアムの明かりがついたね。
うーん。何だかおじさん、すごく拍子抜けな予感がするよ。
「よし、点いた。これで完全だ。皆、D・ゲイザーで空を見てごらん」
「D・ゲイザーで空を見ろって……あぁ!アレって、バグマン!?」
遊馬君たちが空を見上げて叫び出したから、おじさんビックリだよ。
D・ゲイザーを持ち歩いていないおじさんは話についていけないね。
悪用のウイルスでもプログラムでも無かったわけだし、そこまで大げさな警察沙汰にはならなさそうだね。
一応これで一件落着、かな?
何だかおじさん、骨折れ損のくたびれ儲け感が半端ないよ。
家に帰ったらヤケ酒でも飲もうかな。
……そういえばあの幽霊君、帰るまでチラチラとおじさんのこと見てたね。
一瞬の偶然とはいえ、目が合っちゃったことが原因かな?
でもおじさん、もう二度とデュエル関連の面倒事には巻き込まれたくないからね。
あの幽霊君には悪いけど、次からは見えない振りをするよ。
「疲れたなー」
まぁでも、良いお土産話にはなりそうだね。
それに……ちょっとだけ懐かしかったし、ね。
感想の第一声が誹謗中傷じゃ無かったことに驚きを隠せない作者。
デュエル描写が上手くカモフラージュされているか、微妙なラインですね。
え?完全アウト?……知ったこっちゃーねぇのでございまするのですよ。(開き直り)