地の文だけじゃなくてそろそろ会話らしい会話を入れたいと思っています。思っているだけですが。
やぁこんばんは、用務員のおじさんだよ。
約束通り隣町でデュエルをしてきた帰りでね、ちょっと疲れたよ。
まぁああやって友達内だけならデュエルしてもいいかもね。
でもARビジョンっていうのは未だに慣れないね。
おじさんとしてはターンテーブルのほうが懐かしいし気楽で良いよ。
ところで中々信号機が変わらないね。
おじさん5分くらい待ってるんだけど、ずっと赤のままだよ。
もしかして故障かな?車も通ってないみたいだし、渡っちゃってもいいかな?
あ、良い子の皆はおじさんみたいな悪いことしちゃダメだよ。
これは悪い大人の例だからね。
「さぁ狩らせてもらおう、貴様の魂ごと!」
今日はおじさんの厄日なのかな?
何故か凄く見覚えのある子が居るのが見えるよ。
向かいにいるのは遊馬君と………もうやだ、おじさん帰りたい。
なんで隣の幽霊君が前よりハッキリ見えるんだろう?
「え?なんだよアストラル……って、おじさん!?」
うーむ、どうやらおじさんは隠れるのが不得意みたいだね。
すぐに見つかってしまったよ。見知らぬフリして帰るつもりだったのに…。
それにしてもあの幽霊君、アストラル君って名前なんだね。
「やぁ遊馬君、こんばんは」
「こんばんは……じゃねー!何でおじさんがここに居るんだ!?」
うん?今日はちょっと友達と色々あってね。
おじさんはその帰りだよ。
「貴様はこの間の…!やはりナンバーズを持っていたか!」
おや、キミはショッピングモールの窓ガラスを割った時の子だね。
出来れば二度と会いたくなかったよ。
それとあの時と同じこと言うけど、おじさんはナンバーズなんて知らないよ。
おじさんはデュエルなんてしないからね。
「ならば何故この空間で動ける。この中で動けるのはナンバーズを持っている者のみ!」
それこそ知らないよ。また何かの不具合じゃないかい?
ダメだよ、機械のメンテナンスはちゃんとしないと。
え?ちゃんとしてる?おおっと、そんなに怒らないでおくれ。ごめんごめん。
「前の狸寝入りといい、ふざけた奴だ」
「誤解しないで欲しいな。おじさんガチ寝してたよ」
「こいつが終わったら次は貴様の番だ。覚悟していろ」
最近の子は話を聞かない子が多いね。
ちゃんとカルシウム取ってるかい?
人間お腹が空くとイライラするっていうし、アメちゃんでも食べるかい?
「いらん!ふざけてるのか!?クソッ、付き合ってられん…」
おじさんも付き合いたくて付き合ってるわけじゃないんだけどね。
取り敢えずおじさんの危機が掛かってるみたいだから、遊馬君お願いね。
あ、でもその前にちょっと移動した方がいいよ。
トラックが後ろにあるなんて危ないからね。観月ちゃんもおじさんが移動させておくね。
あぁ、色々と中断させちゃってごめんよ。
おじさんのことは気にしなくていいから始めてて。
「おじさん、逃げなくていいのかよ?」
その逃げ出そうとした時にキミに名前を呼ばれて気付かれたんだけどね。
なーんてことは口が裂けても言えないね。
まぁ逃げるに逃げられない雰囲気だからとは伝えておこうかな。
でも隙があれば逃げるよ。
「話は終わったか」
「あぁ!」
「行くぞ」
『デュエル!』
こうして遊馬君と……あれ、そういえば彼の名前聞いてないね。
前に名乗ってたナンバーズハンター君でいっか。
長いし略してハンター君で。
で、先攻はそのハンター君からで、見事に特殊召喚の嵐。
白輝士イルミネーターと蟻岩土ブリリアントってカードをエクシーズ召喚。
どっちもナンバーズのモンスターらしいね。
確かに1ターン目で2回もエクシーズ召喚するのは凄いと思うけど、ブラックホールされた後にハンドレス状態でリカバリー出来るのかな?
まぁ遊戯王の世界の住人はドローカード1枚で逆転できる子が多いから大丈夫なのかもしれないね。
そういえばチートドローの代名詞として名を残した子の名前はなんていったかな…。
強欲なバブルマン?あ、これはカードだから違うね。
「俺のターン!俺はモンスターを裏守備表示でセット!ターンエンドだ!」
対する遊馬君と幽霊君とアイコンタクトした後、モンスターを裏守備表示で召喚。
魔法・罠カードの伏せが無いってことは、あのモンスターはリバース効果でのモンスター破壊か、単純に破壊耐性持ちのどちらかだろうね。
もしくは手札にバトルフェーダーがいるとか…。
って、さっき久々にデュエルした所為か思考がデュエル脳寄りになってるよ。
ダメダメ、おじさんはデュエルしないって決めてるんだから。
「俺のターン、白輝士イルミネーターの効果を発動。オーバーレイユニットを1つ取り除くことで手札を1枚墓地に送り、デッキからカードを1枚ドローする。さらに蟻岩土ブリリアントの効果発動。オーバーレイユニットを1つ使い、このカードの攻撃力を300ポイントアップ!裏守備モンスターに攻撃!」
攻撃力が2100に上がった蟻岩土ブリリアントが遊馬君のモンスターに攻撃。
セットされていたのは守備力1500のゴゴゴゴーレム。
だけどゴゴゴゴーレムは破壊されず、その場に留まった。
「攻撃力はそっちが上だけど、ゴゴゴゴーレムには1ターンに1度だけバトルでは破壊されない効果がある!」
「ほう、少しは手応えがあるか。だが俺にはもう1体の攻撃が残っている!行け、白輝士イルミネーター!」
ハンター君の2回目の攻撃でゴゴゴゴーレムは破壊された。
そこにきて、ハンター君の本気を出させてもらおうか発言が飛び出す。
初っ端からハンドレスになったクセに彼は一体何を言ってるんだろう。
本気じゃないにしても確実に飛ばしてたよね。ギア全開だったよね。
「俺は蟻岩土ブリリアントと白輝士イルミネーターをリリースし、特殊召喚!」
「折角呼んだナンバーズをリリースするのかよ…!?」
うん。どうでもいいけどハンター君の横に現れた赤い剣みたいなのは何?
一体どこから出したの?というか誰も突っ込まないの?
おじさんが可笑しいのかい?全く、これだから遊戯王は…。
「(……おや?)」
よくよく考えてみたら、これって逃げるチャンスだね。
この場にいる全員、ハンター君も含めて特殊召喚されるモンスターに気を取られてるみたいだし。
羞恥心とか無いのかな、と思いつつもハンター君が痛い前口上を言っている間にその場から離脱した。
はぁ、面倒事はこれで最後にして欲しいな。おじさんも若くないんだからね。
三十六計逃げるに如かず。
戦略的撤退。逃げるが勝ち。