Ace Combat -Retrieval of the sky-「空の奪還」   作:鳳翔

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どうも、鳳翔です。
今回は「トリガーが遅れて来た世界線」で小説を書いてみることにしました。
灯台戦争でトリガーが頭角を表さなかったので、1000万人は救済されてしまっています。
設定とか描写とかガバガバなとこもあろうかと思いますが、どうかご容赦ください。
ではどうぞ。


#0 Lost Sky -失われた空-

2019年9月22日、オーシア連邦はエルジア王国に降伏し、エルジアの勝利が宣言された。

 

俺は元々今は亡きIUN 国際停戦監視軍のパイロットだった。

 

そのIUNやオーシア空軍に、戦局をひっくり返すかつてのような英雄は現れず、オーシアは長距離を揚陸艇に乗ってきた戦車部隊によって領土の右半分を失った。

 

王女の指針とは裏腹に、エルジア内部の急進派将校によって進められた戦争。それは、両国に大きな被害をもたらした。

 

9月19日午後19時24分、エルジア海軍から独立した潜水艦が首都オーレッドに核弾頭を撃ち込み、130万人の一般市民が犠牲となった。

「バルトライヒの惨劇」以来使われてこなかった核兵器が、世界有数の大都市のど真ん中で、ついに炸裂した。

 

オーレッドの首都機能は完全に停止し、閣僚や大統領は軒並み音信不通、オーシアは戦争どころでは無くなっていた。

 

しかし、その戦争の影響を受けたのはその2国だけではない。

世界中に、大変な事態が襲ったのだ。

 

エルジアの開発した新型無人機「ADFX-10」の自律飛行AIが暴走し、世界の空を支配した。

 

ユークトバニアやオーレリアなど諸外国も、彼らを領空侵犯機と見なしどうにかして撃墜を試みるも、返り討ちに逢いあえなく彼らの進入を許した。

 

そして暴走したAIは民間機までもを次々と攻撃し、ついに誰にも制御が効かなくなってしまったのだ。

 

世界各国は空を封鎖し、一切の有人機の飛行を禁止した。

航空会社は倒産し、世界各国は次々と空軍を解散した。

 

空を見上げると、いつもそこには奇妙な音を立てて飛んでいく前進翼の無人機が居る。

 

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2021年某日ー。

 

久しぶりに早く起きた俺は、朝焼けに燃えるセント・ヒューレット港を片目にテレビを眺めながらコーヒーをすすっていた。

 

「次のニュースです。エルジア、オーシア、ユークトバニア並びに諸外国の首脳が、エルジア王国のファーバンティで会合を行いました。会合では、無人機に制圧された空域を解放する国際連合軍、『国際空中解放軍』の設立が取り決められました。会合に参加したのは、エルジア、オーシア、ユークトバニアの他にエメリア、エストバキア、ベルカ...」

 

「は?え、は?」

 

俺は頭の処理が追い付かなかった。

 

何を言っているんだ、このニュースは...?

 

あの無人機と戦う、ということか?

 

でも、そういうことだよな...

 

俺の目はテレビに釘付けになった。

「...加盟国の空軍に所属していた元パイロットなどを呼び戻し、無人機との戦闘戦力として活用する計画で...」

 

俺も対象なのか。

しかし相手はあのバケモノ...。

 

あんなトンデモ兵器の相手ができるパイロットがこの世界に何人いるというのだ。

 

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ADFX-10。

 

2019年の第二次大陸戦争で、エルジア飛行実験群「EASA」が戦闘AIを開発した小型の無人機だ。

最初は、MQ-99やMQ-101にとってかわる新型のUAVとして開発が開始された。

開発も佳境に入り、実験機の試験飛行が終わった9月14日、オーシアの首都オーレッドで核が炸裂。オーシアの中枢は完全に麻痺した。

 

ファーバンティからは、「オーシアはじきに降伏する」という理由で開発差し止めが命令された。EASAは断腸の思いで命令を受け入れ、AI開発を停止。

 

しかし一筋縄でいかないのが、あの「ノースオーシア・グランダーIG」社だ。開発途中のADFX-10のデータを大陸各地の工場にばら撒き、多数の無人機が工場からロールアウトしてしまった。

 

それが世界の悪夢の始まりだった。

 

ADFX-10は、オーシアの戦闘機たちを次々と打ちのめした。

不運はこれだけではない。開発途中であったADFX-10のAIは、自立管制モードに移行した際しばしば最上位の命令を受け付けず暴走するという脆弱性があった。

 

そんなものを世界中に放ってしまったら...。結末は見えているだろう。

 

EASAはこの欠陥を理由にグランダー社に製造差し止めを求めるも、グランダー社はこれを拒否。自我を持ったAIが大量に飛び立ってしまった。

 

やはりADFX-10はユークトバニア、オーレリア、エストバキアなど諸外国の空域に勝手に侵入。世界の空全体の征服を試み始めた。

諸外国の空軍は領空侵犯機としてこれを排除しようとするも、世界中で迎撃に向かった迎撃機は1機も基地に戻ってこなかったという。

 

10月13日、国際軌道エレベーター防衛のため建造された全長1.1kmの全翼機「アーセナルバード」がグランダー社に乗っ取られ、搭載された多数の無人機「MQ-101」全機が射出、回収されADFX-10に総入れ替えされてしまう。

 

10月29日、ユージア大陸内陸にある中立国サンサルバシオンの隕石迎撃兵器「ストーンヘンジ」によるADFX-10撃墜作戦が決行される。

結果、ストーンヘンジは3機のADFX-10撃墜に成功。しかしそれ以上の戦果はなかった。

 

世界はADFX-10の撃墜を諦め、空を放棄した。

 

世界中の空軍は解体され、OWAなど著名な航空会社も軒並み業務を停止し倒産。航空機による輸送が完全に停止されたことで世界経済は大混乱に陥り、運送会社の株価は大下落。「グランダー・ショック」と名付けられたこの事件は、世界に多数の航空機スクラップと数千万人の失業者を残した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

もう空は諦めよう。

 

そう思っていた世界に差した、一筋の光。

 

国際空中解放軍。

 

彼らはいかにして、空を奪い返すのか。

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