恵土転生〜え?江戸じゃないの?〜   作:塩焼きサンマ

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 くそう。間に合わなかった。残りは明日投稿します。


他の手段を考えなかったのは悪かったか。

 

 「お〜し〜え〜ろ〜!!」

 

 「駄目。」

 

 「お〜し〜え〜ろ〜よ〜!役に立つから!」

 

 「駄目!!」

 

 髷は乱れ、服は砂と泥で汚れた恭太郎を、小珠が揺さぶり何が何でも首を突っ込もうとする。しかし、頑として譲らない恭太郎に焦れているのか。着物を引っ張る力が強くなり、髷は更に乱れる。

 

 (源左衛門殿も、勝蔵も口が軽いんだよなぁ。小藩ではあるが、仮にも姫だぞ?姫だよな?姫だったはず。……いや、ないわ。)

 

 どこまで話したかは知らないが、余計なことを言った二人に頭にきた恭太郎。女であり姫である小珠を荒事に巻き込むのは武士として、男して…。と、考えたのだが・・・・

 

 

 

 

 

 船宿で恭太郎と平太郎を見つけ次第、斧爆弾(アックスボンバー)ぶちかまし、ゲンコツを食らわせ、先日は音羽で大乱闘を起こし、

 

 『止まらんかー!』

 

 と、逃げる恭太郎を捕まえるために、裾が乱れるのも気にせず追いかけ、

 

 『止め!止めろ!仮にも…ゴッブ!』

 

 

 

 

 友達の痴態と肌をさらすわけには。と、観念して止まった恭太郎に両足飛び蹴り(ドロップキック)を食らわせた事を思い出すと、そもそも女なのか?と疑問を持つまでになった。

 

 (……昔のオレ。恨むぞ。)

 

 これからは姫も実を守る力が必要だ!と、『拳法総論』と言う名の、総合格闘技の技本を渡したことを後悔するが、本当に後の祭り。

 

 「よし。手伝わせてやるから、根津権現の『稲荷屋』に文を渡してくれ。そうだな。今日はオレも藩邸に戻るから明日の夜明けに藩邸に来てくれ。・・・頼むから派手なことはするんじゃないぞ。頼むから。」

 

 「ふふふ。任せるがよいわ。」

 

 掴んでいた髷を離し、軽い足取りで場を離れる小珠。ホッとした恭太郎だが、ボロボロの格好では歩いて帰るわけにも行かず、町駕籠を捕まえて隠れ、逃げるように藩邸に帰ることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 「殿!?いかがなされました!?まさか曲者でございますか!?」

 

 抜け道から藩邸に飛び込んだ恭太郎を見つけた恵土家老・村上善太夫は刀を引き抜き、人を集めようとする。

 

 「待て待て。なんでも無いから。な?それで、勝蔵は何処に居る?」

 

 「しかし!家臣としては・・・。ぐぬぬぬ・・・。申し訳ございません。取り乱しました。勝蔵は何やら思い詰めたように殿の自室に。」

 

 刀を握ったまま納得しない善太夫を宥めると、自室に逃げ込んだのだが、中には勝蔵が土下座をしていた。居ることを教えてもらっていたが、飛び上がるほど驚いた。

 

 「殿様!申し訳ありません!我慢できずに殿様を売ってしまいました。お許しを。お許しを~。」

 

 顔を真っ青にして頭を下げ続ける勝蔵。このままだと腹を切りかねない。恭太郎は頭を上げるように命じて、

 

 「勝蔵。気にするな。小珠相手ではオレでも対応で出来ぬときがある。それより、髪を結ってくれ。」

 

 「はい!」

 

 下げていた頭を上げた勝蔵は手ぬぐいと髪油を急いで用意すると、汚れて乱れた髪を整え始めた。慣れた手付きで髪を結う勝蔵はイキイキと、恭太郎の世話を行う。

 

 「相変わらず良い腕をしておるな。助かる。」

 

 「ありがとうございます。」

 

 三十分ほど前にはボロボロだった恭太郎は、何処からどう見ても大名という身なりに整えられていた。ちょっとしたイタズラをするつもりで準備したが、チョットばかりカッチリし過ぎている。

 

 「殿。善太夫でございます。今し方、根津権現の稲荷家金兵衛なる者が参られましたが・・・。いかがしましょう?」

 

 「うむ。通せ。立会を頼むぞ。善太夫。」

 

 「イタズラは良いですが、やりすぎないようにお願いします。」

 

 あらら。流石に善太夫にはバレていたか。我ながら趣味が悪い。と思いつつ自室を出た。

 

 

 

 

 (な、何かアッシやらかしましたかね?いや、和泉神原藩なんて関わったことが無いが。知らぬ間になにかやったか?・・・どーしても思い出せない。)

 

 カチカチに固まった金兵衛は、覚えのない妙な女が手紙を押し付けたと思ったら、まさか大名屋敷へのお呼び出し。疑いながらも和泉藩邸に伺えば、あれよあれよ。と、御目見得の間に通された。しかし、こんなところに呼ばれる覚えがない金兵衛としては、無礼討ち?お叱り?などと悪い予感が膨らむばかり。

 先日、和泉屋でも似たような扱いを受けたが、ここは大名屋敷。最悪殺されても、咎める人間は誰もいない。震えも通り越して固まる他無い。

 

 「和泉守様。御出座である。」

 

 「へへぇ!!」

 

 額で穴が開きそうなほど床に擦り付ける金兵衛は生きた心地がしなかった。

 

 「稲荷屋金兵衛。表をあげよ。」

 

 「は、はい!」

 

 プッっと吹き出した殿様に無礼と思いつつ、殿様の顔を見ようとするが(すだれ)と殿様が持つ扇子によって様子すらわからない。

 

 「あ、あ、アッシ。いえ、私が何かご無礼を?」

 

 ガチガチになりつつ、言葉を返した金兵衛に殿様は何が面白いのかハッハッハと笑う。側近と思われる侍も苦笑いをする。

 

 「すまん。すまん。冗談が過ぎた。金兵衛。本当なら近々、オレがそっちの店に行って話を聞くつもりだったのだがな。」

 

 簾を押しのけて出てきた殿様の顔を見ないように頭を下げたが、金兵衛の目の前に座る気配と音がすると肩を叩かれた。

 

 「金兵衛。そう堅苦しくなるなよ。いや、無理か。オレだって公方様の前だとそうなるか。」

 

 恐る恐る顔をあげると、金兵衛にはごく最近見た覚えのある人間が偉そうな格好をして座っていた。思わず、

 

 「恭太郎さん?」

 

 と、声に出してしまう。

 

 「そうそう。その恭太郎だ。本当にスマン!だが、急ぎの用があってな。許してくれ。」

 

 両手を合わせて謝る殿様が恭太郎と分かると、今までの無礼まで思い出して金兵衛は気を失った。

 

 「他の手段を考えなかったのは悪かったか。」

 

 「ですが、コレが一番確実かつ、楽でございますよ。」

 

 気を失う前に金兵衛は殿様と側近の言葉が耳に入ったが気にすることもなく眼の前が完全に真っ暗になった。




 道場まで書き来れなかった・・・。

登場シーンで一番と思う時代劇は?(今後の参考・指針に。)

  • 余の顔を見忘れたか。(暴れん坊将軍)
  • この紋所が目に入らぬか。(水戸黄門)
  • 閻魔様の御使ぇよ。(江戸の牙)
  • 天に変わって破れ奉行。(破れ奉行)
  • 地獄へ落ちな 等(必殺仕事人)
  • テメェら人間じゃねぇ!(破れ傘刀舟)
  • 手向かう者は斬れ!(鬼平犯科帳)
  • 桃から生まれた桃太郎!(桃太郎侍)
  • 白州で裁けぬ悪を斬る(鬼役)
  • この金さんの桜吹雪… (遠山の金さん)
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