恵土転生〜え?江戸じゃないの?〜   作:塩焼きサンマ

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 時代劇だと固すぎるし、なんちゃって過ぎるとついていけないし。加減が難しいでござる。


騒動に好かれてるな。…勘弁してくれよ。

 

 「「一体どうすりゃいいんだよ。」」

 

 和泉屋の離れにて頭を抱える恭太郎と平太郎。メチャクチャすぎる密命を下された二人は頭を抱える他ない。

 

 「第一。奉行所が動いてるなら奉行所を使う仕事だろう?コレ?」

 

 「化物や妖怪は、天文方や寺社方だろう?」

 

 はぁ。と、ため息を吐く二人。まず何からすればいいのかわからない。

 

 「赤鰐党のみたいに襲ってこないかな?」

 

 「そんな都合の良いことがあるか?」

 

 「「……ないよなぁ。」」

 

 と、更に頭を抱える。意気消沈してる二人が居る和泉屋の離れに下男の勝蔵がやってきた。

 

 「大丈夫ですか?殿様たち。」

 

 「勝蔵か。どうした?」

 

 尋ねる恭太郎に、勝蔵が一枚の手紙を渡しすと用事があるのか屋敷に戻っていった。手紙には、

 

 

『奉行所、天文方、寺社方も動いているが、奉行所以外は実物を知らないうえに記錄も古く、あまり役に立たない。』

 

 

 と書かれていて、奉行所以外はあまり期待するな。と言うことだろう。

 

 「大恵土八百八町の言われる中で、雲をつかむような話だ。」

 

 「いかん。本当に掴みがない。」

 

 「恭太郎。なんかない?頭を使うのは得意だろ?」

 

 「んな無茶な。」

 

 話せば話すほど、訳が分からなくなって頭が痛くなってきた。

 

 

 

 

 「絞り込む物証が少なすぎて、化物の候補が多すぎる。」

 

 頭から煙を吹きそうになりながら、紙に候補を書き込むが多すぎて、なんか絶望しそうになったが時間は待ってくれない。

 

 「もう夜か。流石に腹が減ったな。」

 

 午前中に和泉屋に来たのに、気がつけば今は外は真っ暗。昼も夕飯も食わず考えていたので腹が鳴ったので、

 

 (メシでも……)

 

 などと考えて離れの障子を開くが、和泉屋は静まり返っていた。丁稚どころか手代や番頭も寝ているようで、見回りをしていた用心棒だけが起きていた。

 

 「起こすのは可愛そうだし、迷惑になるか。平太郎。菜飯屋か、屋台にいくか?」

 

 「……そうだな。行こう。さすがに腹減りすぎたな。」

 

 グルルル。と、腹が大きく鳴り「何かよこせ!食わせろ!」と主張してきた。フラフラと力が入りにくい体を起こして和泉屋から外出した。

 

 

 

 

 「嘘だろぉ…」

 

 腹と背中がくっつくのではないか?そのぐらい腹が減っている二人は目的地の菜飯屋に到着したが、両手をついて落ち込んでいた。

 

 『店主急病のため、本日よりしばらくお休みします。』

 

 インターネットもSNSもないので、急な状況変化を知らないのは、仕方ないことだとは分かってるのだが、無情に書かれた張り紙を見た二人は崩れ落ちそうになった。

 

 「どうする?稲荷屋にいくか?」

 

 「本所からか?近くで屋台を探そうぜ。両国橋近くには夜明けまでやってる奇特な店があるらしいぞ。赤鰐党がいなくなって再開した。と同心が言ってたからな。」

 

 ふらふら立ち上がり幽鬼のように両国方面にむかった。場所を選ばないなら、女郎宿、モグリの飯屋など営業してる処もあるだろうが、騒動になる可能性には近づきたくない。

 とんでもない騒動に巻き込まれかけてる今は特に。

 

 「あ、ああ〜。屋台があったぞぉ。」

 

 「親父ぃ。何でもいいから食い物くれ。」

 

 幽鬼。いや、餓鬼の様になった二人は崩れるように屋台にもたれかかると背中を向けてる親父に食事を頼んだ。

 ……今の姿だと信じられないかもしれないが、コイツら国持大名なんだぜ?むしろ藩邸に戻れば言葉一つで腹一杯食べれるのに。

 

 「親父?」

 

 後ろを振り向いたままの屋台の店主に、もう一度声をかけるが動かない。おかしいな?と店主の肩を叩くと、その場に崩れた。

 

 「腹が無いぞ?!」

 

 平太郎が倒れた親父をひっくり返すが、腹部が食い荒らされたようにポッカリと空になっていた。

 

 「熊でも……」

 

 出たのか?と恭太郎が言葉を続けようとするが、屋台が空から落ちてきた何かに踏み潰され、屋台と食材の残骸、砂煙が巻き上がる。

 

 「………なぁ。平太郎。」

 

 「なんだ?恭太郎。」

 

 「腹減りすぎて幻覚見てるのか?」

 

 「安心しろ。多分、オレも同じモノを見てる。」

 

 屋台のあった場所には、二足歩行で立つ大柄な狼と言える物体が声もあげずに立っていた。なるほど。御城で見た死体の四肢と、目の前の物体が同じに見えた。コイツが獣人間なるものか。

 口元には人の腸がぶら下がっていたので、屋台の親父を襲ったのはコイツだろう。

 

 「展開が早いというか。都合がいいな!」

 

 「アチラさんはどうするつもりかな?」

 

 二人は刀の柄で手を添えた。獣人間は吠えも動きもしないが、目は二人を見たままだ。

 

 「俺たち。前世の生き方が悪すぎたのかね。騒動に好かれてるな。」

 

 「……勘弁してくれ。少なくても前世ではそこまで悪いことはしてないぞ。」

 

 記憶があるからなぁ。とは言えず苦虫を噛み潰した顔をした恭太郎。その顔が気に食わなかったのか。獣人間が一歩、二歩とこちらに迫ってきた。

 

 「ヤル気のようだな。飯の恨みは恐ろしいぞ!」

 

 「この空腹の怒りをぶつけてやるぞ。」

 

 二人は刀を引き抜きた。ここで屋台の親父の仇!と、でも言えば格好がつくのだが、二人が切った啖呵はなんとも格好のつかないものだった。




 前二話を大幅修整しました。文になってなかったところがありましたので。

二人目の女性キャラは……

  • 戦士系
  • 魔法系
  • 僧侶系
  • 賢者系
  • 盗賊系
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