恵土転生〜え?江戸じゃないの?〜   作:塩焼きサンマ

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 仕事から帰ってきたら、オリ日間7位?え?しかも、総合評価500超え?ちょ、ちょっと驚きすぎました。ありがとうございます。現在、難産なので、小話で時間稼ぎをして申し訳ないです。
 これからも頑張っていきますのでよろしくおねがいします。


間・家臣から見た神原和泉守と過去の恭太郎(中)

 

 善太夫から諌められて一年が経過したある日。恵土・日本橋の両替商『甲州屋』にて。

 

 「甲州屋。確かに金を返したぞ。」

 

 「お、驚きましたな。失礼ながら、神原様が利子だけではなく、元金の一部までお返しなさるとは。いや、驚きました。」

 

 「迷惑をかけてすまぬな。」

 

 「お、お顔をお上げくだされ。」 

 

 千両箱を重ねて両替商『甲州屋』に借金を返す恭太郎。深々と迷惑をかけた事に頭を下げた恭太郎に恐縮する甲州屋。

 甲州屋としても、これは良い意味で予想外だった。何せ今まで神原家といえば、毎回、恵土家老がやってきては…

 

 『すまぬ。利子の一部だけしかないのでな。これで。』

 

 と、家臣の扶持(給料)の一部を差し押さえることで、甲州屋は武士の恨みを買いつつ、自ら金を回収していた。それが今回は利子だけではなく、元金の一割を返済したのだ。

 

 「これからもよろしくお頼みします。神原様。」

 

 空になった千両箱を荷車に積み込み、藩邸に帰ると、

 

 「商人ごときに頭をさげるとは…」

 

 等といった恭太郎を侮るような。悲しむような声が聞こえたが、新しく恵土家老となった善太夫が睨むと、苦々しげに顔を歪めて屋敷に隠れるように戻った。

 不正を行っていた恵土家老を切腹。その他不正に関わった藩士たちにも厳罰を下し、善太夫を恵土家老として抜擢したが、やはり身分が低い者を抜擢した事には反発も多い。

 

 『若様が、奸賊に!』『村上善太夫は奸臣で!』

 

 などと言った声があるが、恭太郎は相手にせず、現・藩主である父・政澄も、

 

 『良い良い。恭太郎はまだまだ世間を知らぬが、まさに麒麟児よ。事実、借財は減り、家臣たちの扶持も差し押さえれずに済んでおるではないか。恭太郎に伝えよ。好きにせよとな。』

 

 との評価を下しており、聞く耳を持たず、恵土屋敷に戻るたびに、よくやった。と、褒めていた。

 え?藩主じゃないのに、恭太郎が処分を決めて良いのかって?好きにしていいと言われてるし、法度に従ったら死罪だったのを、武士武士言ってるから切腹させたのよ。何か?それに責任者以外は死んでないし、罪一等を減じてるんだからマシだろうに。

 と、まぁ、現状維持派・恭太郎反対派の面々に、恭太郎はけんもほろろ(・・・・・・)の対応をしてたとか。

 無論、現・藩主の反応が家臣たちに厳しいのも、それなりの原因があるのだが別の話。

 

 

 「若様。さすがにソロソロ鞭をお下げくだされ、この屋敷の一部で無視できぬ敵が生まれまするぞ。」

 

 「そんなことはわかっておるわ。だがな善太夫。まだまだやらねば。国が傾いたままでは終われん。」

 

 「しかし…。このままでは本当に付いてこないどころか家中を敵に回しますぞ。先日も御用商人を数件解かれました。国元にも妙なものを作っておりますが…」

 

 善太夫の心配は分かるが、解決できるだけの『頭』を持っているのに何もしないのは恭太郎には出来ない。

 いや、始めはそうであったのかもしれないが、今では解決できる快感と万能感に酔って、調子に乗っている。味方してくれて褒めてくれる人間以外を無意識で見下しているのかもしれない。

 

 (殺す気なら殺してみろ。)

 

 剣の腕も御曹司ではないことも増長してる原因なのだろう。確かに恭太郎を襲うことも、殺すことも難しい。

 たが、前世が平和な平成生まれ、現世が大名の御曹司。そんな人間が追い詰められた側の考えを理解できるはずもなかった。

 

 

 

 

 「甲州屋。大変お世話になった。今まで金で迷惑をかけてしまった許せ。」

 

 「まさかこんなに早く返していただけるとは……。いえ、この甲州屋。正直侮っておりました。お許しを。ええっと、こういう時はパッとやるのですが……いかがしましょうか?」

 

 「い、いや、拙者は酒も女も苦手でして。」

 

 「あらら。失礼ながら気が抜けないでしょう。」

 

 「いえいえ、武芸と文芸、政務が趣味のようなものでして。」

 

 仕事が趣味と話す恭太郎は恥ずかしそうに頭を掻いた。ははは。と初めて見た恭太郎の、年相応の行動に笑う甲州屋は、ふと何かを思い出したように手を叩いた。

 叩いたのだが、見るからに下手な芝居ではあったが、恭太郎はそのまま流した。

 

 「いやはや、噂は当てになりませぬな。」

 

 「噂ですか?」

 

 「その、まことに言いにくいことではありますが、神原の若様はあまり良い話を聞いてなかったもので。城中では『小才子モドキ』。町中の武士たちには『無情者』などと聞いておりましたので。」

 

 どうも噂とは大きく違うのでアナタ様と中々一致しませんでし、気にもとめなかった。と、甲州屋は話を続けた。

 

 「ですが、本日耳にした噂は無視できぬと思い噂のことを話題に上げたのです。」

 

 (それにしても下手な芝居だな。まぁ、どんな噂かな?)

 

 恭太郎は苦笑いを浮かべつつ、甲州屋に噂の内容を尋ねた。

 

 「なんでも、若様の増長を防ぐために痛い目に。と言ってたようで。」

 

 と、指を輪にして話す甲州屋。なるほど。噂とは言っているが、銭を払って調べたのか。

 恭太郎は金の怖さを改めて知った。……いや、神原(ウチ)の口が軽いのか。昔から藩の話で小遣い稼ぎしていた様だし。

 

 「お気をつけくださいな。」

 

 「十分に気をつけよう。」

 

 恭太郎は頭を下げる。しかし、事が起こったのは、この日の夜の事であった。

 

 

 

 

 「天誅!」「お覚悟!」「死ねぇい!」

 

 甲州屋から移動し、別の仕事を終えて藩邸に帰る道中。恭太郎の乗る駕籠が襲撃された。

 

 「ひぃいいい……」

 

 駕籠かきは逃げ出し、護衛も数に押されて若き恭太郎が乗っていた駕籠は丸裸。そこに頬かむりをつけ、顔を隠した襲撃者が襲いかかった。

 夜間とは言え、恵土府内の大通り。そんな場所で襲撃されるのは異例中の異例。このまま奇襲は成功し、哀れ若様はあの世に行く。

 

 「天ちゅ……」

 

 まぁ、そんなわけもなく、駕籠に襲いかかった三人の襲撃者はあっけなく地面に倒れ絶命した。

 一人は顔面に投げた脇差しが突き刺さり、一人は大刀で首筋を断ち斬られ、一人は首を蹴飛ばされて骨を砕かれた。

 

 「何処の誰かはしらんし。恨みも買っているとも分かってる。ついでに、大通りでの奇襲はお約束だわい!」

 

 死体の頭を踏みつけ、若干意味不明に叫ぶ恭太郎。どっちが悪役なのやら。

 

 「若様。お逃げを……へ?」

 

 護衛が逃げるように促すが、恭太郎は一足で鍔迫り合いをしていた護衛と敵に近づき、敵を後ろから両断した。

 

 「たわけが!オレを殺したければ、もう一歩。いや、もう十歩強いやつを連れて来ぬか。」

 

 そのまま残りの敵を唐竹割りに倒すと元服前の大刀(・・・・・・)。つまりは子供用の大刀を懐紙で拭き取り鞘にしまう。

 

 「皆、無事か?なに。無事なら良い。気にするな。」

 

 敵への残酷さとは打って変わり、ねぎらいの言葉をかけた恭太郎。そして、死体の頬かむりを剥ぎ取り、検分を行う。

 

 「見覚えは有るか?」

 

 恭太郎の言葉に首をふる家臣たち。恭太郎も見覚えはない。ともかく騒ぎが人に知られて大騒ぎになると面倒だ。

 恭太郎は駕籠を一人で担ぐと、家臣たちを引き連れて藩邸に駆け出した。

 

 

 

 

 

 「まさにモノノケの類の動き。このままでは家臣、同士たちは塗炭の苦しみに陥ります。」

 

 「なに。憑き物ではないのだ。別の方法を考えれば良い。」

 

 「毒ですか?」

 

 「なに。まずは外堀からよ。」

 

 陰に溶けるように曲者たちはその場をあとにした。数日後、恭太郎が仕事を頼んだ御用商人の一人が料亭で毒殺され、同じ日に家臣が辻斬りに殺されたと耳に入るのだった

 




 この頃の恭太郎は多分、大魔王バーンの様に能力を認めていながらも、どこかで見下している状態だとおもう。
 難産の理由としては、資料提供の仲間と真面目にプロットを作り始めたからだと思う。変なプライドでも生まれたかなぁ。

最凶の大名は?(ちょっと詰まっているので、候補から。三傑は殿堂入り)

  • 独眼竜が筆頭格・伊達家
  • ウッカリが大惨事・上杉家
  • ルール無用の残虐ファイト・武田家
  • 御屋形様以外は大暴れ・北条家
  • 騒動多く、死人も多い・前田家
  • 義絶・絶縁・キチ◯イ多数・浅野家
  • 恨みは根深く、身分も五月蝿い・毛利家
  • 内乱寸前、藩祖はヤンデレ・細川家
  • 官兵衛以外、曲者・黒田家
  • 薩人マシーン等の異名多し・島津家
  • 分家や親族にはトンだやつが?・真田家
  • フィクションでは大悪党・柳生家
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