僕はサイレンススズカ   作:キサラギ職員

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当日メジロ組がいたのかはわからないですが、出走バは競馬の記録から取って来ました
メジロ組、やきうのお姉ちゃん以外はライアンくらいしか持ってないんでキャラがよくわからない問題ががが
こっちのスズカくんちゃんはエアグルーヴとは基本的にタメ口な模様


23、宝塚記念本番

 

 そういえば、この勝負服を着るのも久しぶりな気がする。

 白と緑の『サイレンスイノセンス』。フジキセキ寮長の勝負服をちょっとだけモデルにしたんだよね。胸元は…………ハイ。ナイノデアケテマセン。

 G1レース。阪神競馬場。今回は日程があったので、みんなも遠征ということで現地入りした。生の空気を感じることも大切だと言う沖野トレーナーの方針だ。現場主義なのは大切なことだ。テレビでもいいけど、生の空気を感じることで本番で緊張しないで済む。

 

「スズカ、いけるな?」

「もちろん……あーでも緊張はするかな。緊張はしますです。です」

「落ち着け、深呼吸しろ」

 

 地下通路にて、僕はみんなに見送られていた。

 てんぱってるのバレてるか。緊張しませんみたいな顔してるけど、実際は緊張するからなあ。スペちゃん程じゃないけど、それでもするもんはする。

 

「スズカさん頑張ってください。俺応援してます!」

「スズカさん、私たちがついてますよ!」

「アタシも見ておいてやるからよ。帰ったらうどんで乾杯しようぜ!」

「スズカさん! 私、ライブで待ってます! けっぱって!」

「スズカさん。メジロドーベルとメジロブライトにはくれぐれもご注意ください」

「ボクも応援してるよ!」

 

 みんなに肩やら頭やらを触られてくしゃくしゃにされる。

 っていうかうどんで乾杯ってなんだよ? うどん県出身者か?

 僕は中でも、マックイーンのセリフに注目した。ドーベル。ブライト。つまりメジロドーベルとブライトが今回のレースにいるのだ。同じメジロ家として気になるのだろう。

 メジロドーベル。頭の中に突っ込んだ資料を引っ張り出す。集団で進んだのち、群れかき分けて差し込んでいく、スペちゃんとはタイプの違う相手だったはずだ。余り接点がないのでわからないけど、エアグルーヴに怒られた時に、怒らせるような真似をしなければいいとか言われた気がする。

 ブライトのほうは……わからない。一応、データとしては知っている。差しと、じわじわとした追い込みを得意としていた、はず。性格とか、スタミナがどうとかはわからない。

 あとは、キンイロリョテイという子も危うい……。

 他に注目するべきはもちろんエアグルーヴ。あとは、あとは……とか考えてるといつまでも終わらないのでこの辺にしておく。結局僕がやることは自分の走りを最大限発揮することだ。

 

「行ってきます。ライブで会いましょう」

 

 言うと僕は、ひらりと手を振ってターフに向かって歩き始めた。

 

「スズカか」

「エアグルーヴ」

 

 女帝にふさわしい黄色と青と黒を基調にした勝負服を身にまとったエアグルーヴと遭遇する。まあ同じ通路を通るんだからそりゃ会うわな。

 

「お互いいい勝負にしよう、スズカ」

「もちろん、言われなくても」

 

 握手を求められたので、僕は手を握り返した。

 エアグルーヴは、油断ならない相手だ。チームリギルのメンバーでもあり、生徒会の一人。ちなみに何度か生徒会には勧誘されてるんだけど、僕の趣味じゃないしね、断ってる。もっと頭のいい子に頼めばいいんだ。というか会長が怖い。あの人の前にいるとなんでも見透かされそうで怖いから行けない。

 ターフに出てみると観客席は一杯だった。スペちゃんもこの風景を見たんだろう。

 手を振ってみると、わーっという声の反響音が痛いほどだ。イヤーネット付けててよかった。ないと音響責め状態です。

 

『各ウマ娘ゲートイン、出走の準備が整いました』

 

 スムースなゲートイン。僕は首をこきこきと鳴らして、身構えた。

 集中しよう。息を吸う、吐く、もう一度吸い込む、吐く………。

 精神集中(コンセントレーション)

 …………ここだ!

 僕はゲートオープンと同時に莫大な推力を脚部に乗せて蹄鉄を地面に噛ませると、前傾姿勢で飛び出した。

 

『さあスタートしました! 13人これからスタンド前に出てきますが、やはりサイレンススズカ!』

 

 今回僕は外枠13番だ。内側に入らないことには逃げどころじゃないので、多少無理してでも前に出て、徐々に徐々に進路を変更していく。

 

『サイレンススズカがじわーっとコースを変えながら先手を窺います』

 

「通るからね!」

「くっ、速い!」

 

 白と緑のドレスの勝負服を着込んだメジロドーベルちゃんを掠めるようにして、先頭に付くことに成功する。これであとはペースを乱されないように、突き進むだけだ。

 エアグルーヴはどこだろう? 背後を振り返るわけにもいかないので、実況に耳を澄ませておく。

 

『エアグルーヴは中団!』

 

 差しか。群れに紛れて風の抵抗を受けないようにしつつ、僕を差すつもりか。

 先頭最大の問題があるとすれば、スリップストリームの恩恵ゼロなことだろう。だって前に誰もいないんだもんな。

 ―――だからこそ、風が気持ちいい。

 僕は後方からのプレッシャーを感じつつも、自分の走りに専念することにした。

 

『サイレンススズカ、リードは3から4バ身! 縦長の展開です!』

 

 悪いけど、エアグルーヴ。一位は取らせて貰うよ。

 僕は3コーナーへと進入、さらに速度を上げたのだった。




サイレンススズカの秘密:うまぴょい伝説の私だけにチュウするの動きがとてつもなく硬い
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