宇宙世紀とアレフガルトは実は世界観が同じなのでは?


※ハーメルン様にユーザ登録した記念(?)にテストを兼ねて投稿させて頂きました。

※10年くらい前にArcadia様に投稿した物のタイトル含めた焼き直し版です。



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大魔王ドズル・ザビ

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大魔王の城

 

 

 既に戦いは数日間に及んでいる。

 

 文字通りの最終決戦。人類と魔物の生き残りをかけた最後の戦いは、あと数回の攻防で決着がつくだろう。

 

 目の前の敵は、自らを悪の権化と称して憚らない大魔王。凄まじい魔力、圧倒的な攻撃力と恐るべき防御力を兼ね備えた鋼の肉体をもって我々の目の前に立ちはだかる、魔物の王。だが、無限とすら思えたその膨大な生命力と魔力も、すでに残り少ないはずだ。

 

 大魔王は大きく息を吸い込む。一瞬こちらをにらみつけると、おそろしい咆吼とともに凄まじい吹雪を吐きだした。

 

 凍える吹雪!

 

 地獄と繋がっているとも言われる大魔王の体内から、この世のものとは思えない冷気が放出されたのだ。地獄の吹雪が直撃するまでのほんの数秒の間に、我々に出来ることはひとつしかない。そう、冷気に耐える覚悟を決めるのだ。大魔王と同様、我々も残された生命力も残り少ない。運が悪ければ、この一撃で全滅だ。だが、耐えねばならない。我々が全滅すれば、人類の未来が無くなってしまう。

 

 覚悟を決めた直後、生物にとって致命的な極低温の冷気が、勇者のパーティを襲う。わずかに残った貴重な生命力が、さらに削り取られる。……しかし、冷気の猛威が過ぎ去った後、我々はまだかろうじて生きていた。体中が凍傷に傷つき、片膝をつきながらではあっても、それでもほんのわずかな生命力は残っている。次は、こちらの番だ。

 

 

 

 武闘家が反撃の口火を切る。生物としてあり得ないほどの素早さと破壊力を秘めた己の肉体を武器として、大魔王の巨体に飛びかかる。それほどの力がいったいどこに残っていたのか。魔王が防御する間もなく、音速をも凌駕する正拳が、衝撃波をひきづりながら正面から撃ち込まれる。大魔王の肉体に、巨大な穴を穿たれる。

 

 さすがに怯んだ大魔王に向け、勇者が飛ぶ。全人類の期待を背に負った彼に迷いはない。膨大な魔力を発する聖なる剣を、袈裟懸けに振り下ろす。鋼よりも固い大魔王の皮膚が切り裂かれ、緑色の血液が噴水のように噴き出す。

 

 すかさず賢者が攻撃呪文の詠唱をはじめる。精神を集中し、彼の周囲の大気分子を制御下におく。本来ならば仲間の回復や補助呪文が彼の役割なのだが、ここが勝負所と判断したのだろう。戦いが長引けばこちらが不利だ。ここで勝負を決めなければならない。

 

 バギクロス!

 

 賢者の呪文の発動と共に、大気が渦を巻きはじめ、あっという間に渦の外縁の大気の分子が音速を超える。凄まじい衝撃波が大魔王を飲み込み、その巨体を翻弄する。魔王の肉体が、傷口から引き裂かれる。足下に滝のように流れ落ちた毒々しい色の血液が池となり、ぶくぶくと泡立っている。

 

 そして最後。魔法使いである私の番だ。残り少ない魔力だが、ここまできて温存しても仕方がない。

 

 とどめよ! イオナズン!!

 

 私は、自分の周囲の「魔法粒子」を操ることにより、大気分子を極限まで圧縮する。

 

 

 

 魔法とはなんなのか? 魔法使いが呪文を唱えるだけで、なぜ物理現象としての魔法が発現するのか?

 

 自ら魔法を扱うことができる魔法使いも僧侶も、あるいは賢者や大魔王とて、その問いに明確に答えられる者はいないだろう。だが、魔力を操る者はみな、呪文が物理現象として発現する過程について、それぞれ自分なりのイメージをもっているはずだ。

 

 私の場合はこうだ。

 

 我々の周囲には、呪文により自由に操ることの出来る「魔法粒子」がまんべんなく存在しているのだと思う。それは、水や大気の分子とは異なり、魔力を持たない人には決して感じられることはない存在だ。だが、魔法使いはその「魔法粒子」を操ることができる。魔法粒子を操作することにより、間接的に水や大気、あるいは生物の細胞を形成する各種分子に影響を与えることができるのだ。

 

 

 

 私は、目には見えない魔法粒子が私の周囲に高密度に存在し、それぞれ立方格子状に並んでいる様子をイメージしながら、爆発系の最強呪文を唱える。なけなしの魔力を消費しながら、私の意志に従った魔法粒子は大気の分子を格子に閉じ込め、その間隔を狭めていく。大気の分子は圧縮され、密度と温度を増し、やがて臨界に達する。太陽の中心にも匹敵する圧力となった瞬間、大気中の複数の原子が融合し、大爆発と閃光と共に凄まじいエネルギーを発するのだ。

 

 別の世界では核融合弾あるいは水素爆弾と呼ばれる兵器とよく似た原理から生じる膨大なエネルギーが、生命力の残り少ない大魔王の肉体を、容赦なく包み込む。

 

 

 

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宇宙要塞ソロモン

 

 

「これがビグ・ザム……。兄貴の言うとおりの性能があればよいのだがな」

 

 要塞司令官であるドズル・ザビ中将が、二本脚の巨大なモビルアーマーを見上げながらつぶやく。

 

「ビームバリアというのは、どれほどのものなのだ?」

 

「ご存じの通り、ミノフスキー粒子は静止質量がほぼゼロで、空間において立方格子状に整列する性質の素粒子であります」

 

 ドズルの問いに対し、メカニックが基礎の基礎から説明をはじめる。その口調が子どもに諭すような調子なのが少々気になったが、不快と言うほどではない。

 

「それぞれの粒子は、正か負の強力な電荷を持たせることができます。これを空間に十分な濃度で散布すれば、電荷をもった立方格子により電波を妨害する効果が発揮されます」

 

 ふむ。電磁シールドの原理と同じだな。

 

「さらに、粒子の電荷と密度を厳密にコントロールすることにより、他の電荷を持つ物質を立方格子内に閉じ込め、高圧で封じ込めることが可能となります」

 

 その程度の事は、ドズルも知っている。モビルスーツに搭載されている小型核融合炉は、この原理を利用したものだ。ミノフスキー粒子の立方格子の中に、その電荷を利用して水素やヘリウムの原子核を高圧で封じ込めることにより、プラズマの臨界を保っているのだ。

 

「メガ粒子砲は、この原理を応用して高圧で圧縮した重金属の粒子を、さらにミノフスキー粒子を振動させることにより一方向に打ち出す兵器です。この逆に、機体の周囲に高密度のミノフスキー粒子を展開し、その電荷と密度を適切にコントロールすれば、ビームが通過できないフィールドを発生させることができます。これがビームバリアの原理です。このビグ・ザムの大出力エンジンのパワーにより、初めて実用化が可能となった兵器です」

 

「……要するに、ビーム兵器はビグ・ザムには利かないということでよいのだな?」

 

「はっ、その通りであります」

 

 ふん。全てはミノフスキー粒子のおかげというわけか。そういえば、キシリアがご執心のサイコミュとかいう兵器も、ミノフスキー粒子の原理を応用しているとかきいたことがある。まるで魔法だな。

 

 

 

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大魔王の城

 

 

 とどめのイオナズンの直撃をうけた大魔王の肉体は、炎の中に崩れ落ちつつある。

 

 おわった。

 

 悪は滅びたのだ。体の力が抜ける。おもわず口元がゆるむ。私はひとつ深呼吸をすると、喜びを分かち合うため仲間の顔をみる。だが、彼らの視線は、いまだ大魔王から離れてはいなかった。

 

 ……まだだ。気を抜くな!

 

 ふり返り、とっさに彼らと同じ方向をみる。大魔王が燃え尽きてしまったはずの場所だ。

 

 うそ?

 

 信じられない事に、大魔王の肉体は消滅してはいなかった。ほとんどの肉が焼け落ち、大部分が骨だけになっているにもかかわらず、奴は二本の脚で立っている。

 

 ダメージが、足りなかった?

 

 目玉が溶け落ち、窪みだけになった顔がこちらを見る。牙が砕け落ち、骨だけになった顎をもちあげ、にやりと笑ったように見えた。そして、……呪文。既に声帯など失われているはずの喉の奥から、たしかに呪文がきこえる。

 

 マヒャド!

 

 大魔王の口から、まがまがしい攻撃呪文が発せられた。

 

 まだ魔力が残っていたというの?

 

 最強の冷凍呪文が発動すると同時に、周囲の温度が一気に低下しはじめる。大魔王が周囲の魔法粒子を制御し、大気の分子の振動を強制的に抑制したのだ。一瞬にして膨大な量の水分子が凝固し、鋭い刃と化す。直後、無数の巨大な氷の刃の嵐が、ほとんど生命力を残していない勇者のパーティを容赦なく襲う。勇者がとっさに魔法使いをかばう。

 

 ……そっ、そんな

 

 ようやく氷の刃の嵐が去った後、その場に立っていたのは魔法使い一人だけだった。

 

 

 

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月とソロモンの中間付近 機動巡洋艦ザンジバル

 

 

「フラナガン博士。あのサイコミュというシステムは、本当につかえるものなのか?」

 

 ジオン軍ニュータイプ部隊の指揮官シャア・アズナブル大佐が、技術責任者であるフラナガン博士にあらためて問いかける。

 

 ニュータイプ部隊の責任者であるシャア大佐が、サイコミュの原理を知らぬはずがない。これは、実戦投入をまじかにひかえたこの段階でいまだにエルメスの調整を完了できていないフラナガンへの嫌みなのだろう。しかし、博士の立場としては、律儀に答えるしかない。

 

「……ご存じ通り、ニュータイプとは遠隔での感応能力を持つ人々の呼称です。この能力は、無線が使えないミノフスキー粒子散布下の空間においてこそ、発揮されることがわかっています。すなわち、ニュータイプは、ミノフスキー粒子を利用して意志を伝達し、他人と感応しているのです。言い換えれば、ニュータイプは周囲の空間のミノフスキー粒子を操ることができるのだ、とも言えます。もちろん本人は意識などしていないでしょうが」

 

 シャアは黙って頷いている。

 

「ニュータイプの感応力がミノフスキー粒子に対して影響をあたえると、それは空間に展開された粒子の立方格子の振動として周囲の空間に伝わります。これを他のニュータイプが感知することにより、意志の伝達・感応が行われると考えられています」

 

 フラナガンは、一気にまくし立てる。

 

「サイコミュとは、このミノフスキー粒子の動きをセンサーによって検知することにより、ニュータイプの意志を読み取るシステムです。エルメスの場合は、パイロットの意志を読み込んだ後、さらに増幅し機体周囲のミノフスキー粒子に放射することにより、無線誘導なしでビットの精密誘導さえ可能となります」

 

 ここで、シャアが初めて口をはさむ。

 

「核融合炉やメガ粒子砲もミノフスキー粒子を利用した技術のはずだ。ニュータイプがミノフスキー粒子を操ることが可能だとすると、生身の人間でも水爆やビーム砲を発射することができるということか?」

 

 さらにシャアは続ける。

 

「極端なことを言えばな、ミノフスキークラフトの原理を応用すれば、多数のニュータイプの力を合わせることで、たとえば地球に落下する小惑星すらも跳ね返せるということか? 信じられんな」

 

 シャアの達の悪い冗談に、さすがのフラナガンも一瞬たじろぐが、すぐに我に返る。

 

「……理論上は可能でしょう。とはいっても、現在までに発見されているニュータイプは、感応能力にのみ特化した者ばかりですがね。しかし、もしそんな能力を持った人々が実在するなら、それはニュータイプというより『魔法使い』といった方が的確でしょうな」

 

 シャアの口元が緩む。

 

「ふっ、ミノフスキー粒子を操るニュータイプを『魔法使い』と呼ぶのなら、同じくミノフスキー粒子の力を借りて核融合やビーム兵器を操るテクノロジーを『リアル』と呼ぶなど、片腹痛いと思わんか? モビルスーツは『リアルロボット』ではなく『魔物』と言うべきだろう、違うか?」

 

 これは、『宇宙世紀』そのものへの皮肉なのか? フラナガンは何と答えて良いのかわからず、曖昧に微笑むしかない。

 

 突然、艦内に警報が鳴り響く。シャアに対して、ブリッジから呼び出しがかかる。

 

「ソロモンが救援を欲しがっている? ……間に合うとは思えんがな。最大戦速だ!」

 

 

 

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大魔王の城

 

 

 たったひとり生き残った魔法使いは、覚悟を決めた。

 

 仲間を生き返らせることは、彼女には不可能。自身の体に残った生命力はほんの僅か。立っているのもギリギリの重傷。一撃でも攻撃をうけたら、……いえ、もう少し戦いが長引いただけで、確実に死ぬ。

 

 ……なんだ、話は簡単じゃない。残ったすべての魔力を、たった一撃に込めればいいのよね。

 

 魔法使いは、両方の手の平を見つめる。自分にあの伝説の魔法が使えるのか? いいえ、使うのよ。ここで使えなければ、魔法使いとして修行してきた意味がない。

 

 師匠、助けてください。

 

 彼女は、自分に魔法を教えてくれた大魔道士の顔を思い浮かべる。

 

『もうお前に教えることはなにもない。儂は別世界に行って、新たな魔法の使い道を捜すとしようかの』

 

 師匠である大魔道士は、伝説の魔法を私に授けた後、さらに魔法道を極めるためと称して、自ら次元の壁を越え別の世界に旅立っていったのだ。今頃は、別の次元の魔物を相手に、新たな呪文を編み出しているのだろう。

 

 私にもできますよね、大魔道士ミノフスキー師匠。

 

 彼女は、ひとつ大きく深呼吸をして、正面を睨む。そして、両手に魔力をこめる。

 

 

 

 右手にメラゾーマ。

 

 周囲の魔法粒子を大気と共に激しく振動させ、極限まで温度を上げる。プラズマ化した超高温の火球が、右手のひらの上の空間に形成される。

 

 左手にはマヒャド。

 

 周囲の魔法粒子の動きを抑制し、大気の温度を急激に下げる。絶対零度の極低温の冷気の塊が、左手のひらの上にできあがる。

 

 そのまま、ゆっくりと右手と左手を重ねる。すさまじい反発力。高温と低温、プラスとマイナスの二つが重ね合わされることにより発せられる膨大なエネルギーを、魔法粒子の力で無理矢理封じ込める。そして、光の矢をつくるのだ。

 

 両手の間からエネルギーが漏れ出す。必死に押さえつける。腕が震える。脚から力がぬける。口から血が溢れる。周辺の空間そのものが、激しく振動している。

 

 ……あら、さすが大魔王。この魔法を知っているのね。顔が脅えているわよ。

 

 魔法使いは、最後の力を振り絞り、光の矢を大魔王に向ける。

 

 死に損ないの大魔王! 極大消滅呪文をくらいなさい!!

 

 

 

 

 きょ、極大消滅呪文だと!!

 

 大魔王は息をのむ。この戦いの中で初めて恐怖を感じている。

 

 くっ。たかが人間ごときに、この大魔王が滅ぼされるというのか? 残った魔力ではあの呪文は防げない。どうする、どうすれば良い。

 

 ……いちかばちかだ。別世界から強力な魔物を召還するしかない。

 

 

 

 

 遙か古代、もともと大魔王は別世界から現れたのだ。彼は次元の壁を越え、別の世界の魔力を感じる能力がある。そして、別世界との通路を開くことができる。

 

 この世界よりも、魔法粒子が高密度で存在する別世界を捜すのだ。そこには、強力な魔力を操る魔物がいるはずだ。次元を超える大魔王の超感応力が、無限に重なる別世界をしらみつぶしに走査する。

 

 ……いた。はるか別の次元、高密度の魔法粒子に満ちた世界。大魔王をも凌ぐかもしれない魔力を操る魔物を感じる。彼はすかさず次元の壁に穴をあける。どのような魔物が現れるかまではわからぬが、とにかく強力な魔物を呼び寄るのだ。

 

 

 

 

 魔法使いは、大魔王に照準を定める。凄まじいエネルギーを秘めた光の矢をかまえる。その時、彼女は大魔王の後ろに異様なものを見た。

 

 往生際の悪い。いまさら何のつもり?

 

 ゆらゆらと青い霧のようなものが広がったかと思うと、やがてそれは直径数十メートルに達する渦巻きを形づくっていく。

 

 ……まさか、旅の扉? 

 

 次の瞬間、唖然とする魔法使いの目の前に、渦巻きを越え、巨大な異形の魔物が姿を現した。

 

 見上げるほどの巨体。ひとつ目の巨人が、地響きをたてて別次元からこの世界に乗り込んできたのだ。鋼鉄に覆われたその体内では、膨大な魔力が発動しているのを感じる。

 

 一体だけではない。巨人は次から次へとこちらの世界にやってくる。緑色の体にパイプが絡まった巨人。黒い体にスカート付きの巨人。輝く長刀をもったブタ鼻の巨人。突然の別世界に戸惑っているのか? 皆一様に、ひとつしかない目玉を左右にきょろきょろ回している。

 

 最後に、ひときわ巨大で異様な姿の魔物がゆっくりと現れる。鳥のような二本脚の上に、楕円状の醜い胴体が乗っている。頭部は見あたらず、その異様な外見は生物とは思えない。しかし、その体には魔法粒子が密集し、凄まじい魔力が働いていることだけはわかる。

 

 い、異世界から、魔物を召還したというの? ……かまわないわ。この極大消滅呪文で、まるごと吹き飛ばせば同じ事。

 

 魔法使いは、限界寸前で震える全身に、あらためて力をこめる。はじけ飛ぶ寸前の光の矢が、魔物達にむけて固定される。

 

 まとめて死ねぃ! メドローア!!!

 

 

 

 

 魔法使いの腕から、輝く光の矢が放たれた。

 

 矢は、目がくらむほどの光量を発しながら、大魔王と召還された魔物達に向かい超高速で空間を走る。それが通過した軌跡は、床も壁も魔王の玉座も、あらゆる物が消滅してゆく。

 

 召還された鋼鉄の巨人達も例外ではない。光の矢に捕らえられた巨人達は、つぎつぎと爆発し、この世から消えてゆく。

 

 当然よ。たとえ異世界の魔物とて、私と師匠の最強呪文メドローアの前では、消滅するしかないの。

 

 

 

 

 だが、光の矢がもっとも巨大な醜い二本脚の魔物に命中した瞬間、信じられないことが起こった。光の軌跡が上に向けてねじ曲がり、目標からそれたのだ。広大な大魔王の城の天井に、巨大な穴が穿たれる。

 

「わははは、なめるなよ。このビグザムは長距離ビームなどどうということはない! 前部ビーム撃て!!」

 

 醜い魔物の胴体部分から、同時に何本もの眩しい光条が発射される。次の瞬間、周囲のあらゆる物が破壊されつくす。かろうじてメドローアの直撃を避けた大魔王が、ついでの出来事のようにビームに射ぬかれ、あっけなく消滅する。

 

 いっ、いまのは魔法? いったい何人の魔法使いが同時に呪文を詠唱したの? しっ、しかも、しかも、それぞれが極大消滅呪文にも匹敵するというの? 圧倒的じゃないの……。

 

「見たか! このビグザムが量産の暁には、連邦なぞあっという間に叩いてみせるわ、……って、なんだ? いつの間に地上に降りたのだ? ここはどこだ? 連邦艦隊はどこにいった?」

 

 大魔王が滅びてもなお、旅の扉は維持されている。異世界の邪悪な巨人達は、次元の壁を越え、次から次へとこちらの世界にやってくる。

 

 ……わ、わたしたち人類は、大魔王のかわりに、別世界から来た魔物達に支配されてしまうの?

 

 かろうじて立っていた魔法使いの体から、ついにちからが抜ける。魔力と生命力、そして気力を使い果たした彼女は立っていることができず、その場にへなへなと座り込んだ。

 

 

 

 

 

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次回予告

 

ソロモンとアレフガルドを繋ぐ扉は、閉じることがなかった。連邦への反撃の準備のため、ジオン軍は異世界になだれ込む。ついに橋頭堡をきずいたドズル・ザビは、新しい魔王となるというのか!

 

次回、『ジオン軍、彼の地にて、斯く戦えり』。

 

君は、生き延びることができるか?

 

 

 


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