ヒーローと亜人   作:ガジャピン

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第65話 再会

 

 佐藤がアジト内を歩いていると、銃声が聞こえた。

 佐藤は銃声の方に向かうと、裏の林に的を立てて射撃練習をしている女ヴィランがいる。ピンクの長髪とワインレッドの瞳。服装は黒のタンクトップに青のジーパン。的の距離は百メートルといったところか。狙撃銃を構え、撃ち、排莢、次弾装填。この一連の動作を繰り返しやっている。佐藤が来たことに気付いてからはその動作が少し乱れ、次弾の弾丸を取り落としたり、腕が震えて的を外したりした。緊張によるものだ。

 

 ──無意味だね。

 

 佐藤は女ヴィランの努力を内心でばっさり切り捨てた。狙撃の本質がまるで分かっていない。狙撃手のやるべき訓練とは、こんなものではない。

 

「頑張ってるね」

 

 そう考えつつ、佐藤は真逆の意味の言葉を吐き出した。

 

「あ……ありがとう、ございます」

 

 佐藤と同じハンチング帽を被り直しながら、女ヴィランは顔を赤くした。

 

「なんでこんなことをやっているんだい?」

「……え?」

「狙撃手に連射の速さとかいらないでしょ。君はただ銃を撃ちたいだけに見えたよ」

「そ、それは……」

 

 女ヴィランは明らかに動揺し、顔を俯けた。銃を持つ腕が震えている。

 佐藤はその姿を観察し、心当たりに一つ気付く。

 

「そういえば初めてだったかな? 殺人は」

「え!?」

「君はヴィラン連合の荼毘(だび)を殺した。今もそれを引きずってるんでしょ?」

「……スコープを覗くと、あの時の光景がフラッシュバックするようになりました。体から血が噴き出るところ。命を奪った瞬間が」

 

 女ヴィランの顔は青ざめ、体を震わせている。

 佐藤は優しく女ヴィランの右肩に手を置いた。女ヴィランはビクッと体を強張らせつつ、佐藤を見上げる。

 

「気にしなくていいよ。誰かがやらなくちゃいけなかったんだ」

「でも……」

「うーん、ならこう考えよう。君は肉を食べるかい? 魚は?」

「食べますけど……」

 

 それが何か? という困惑の視線を女ヴィランは佐藤に向ける。

 

「肉も魚も、あの状態で自然界にいるわけじゃないのは百も承知だよね。誰かが動物や魚を殺し、解体することで我々は簡単な調理をするだけで食べることができる。それと同じ理屈だよ。君がやらなければ誰か他の人間がやっていた。でも誰かはやらなくちゃいけない。君は誰もやりたがらないことをやり遂げた、立派な勇気ある人間であると証明しただけだよ」

 

 佐藤のこの理屈は冷静に考えれば無茶苦茶な理屈である。何故誰かがやらなければならないことをしたら罪として考えなくていいのか。そもそも荼毘を殺すことなど絶対に必要なことではなく、たまたまいたから殺すよう命令しただけにすぎない。

 このやり方は宗教団体が信者を洗脳するためによく使うやり方である。誰かがやらなければならないから、その行為は悪くないという論理。更に、それをやることは勇気がいる立派なことだと刷り込み、思いのまま操る。

 

「……どうすれば佐藤さんのように強くなれますか?」

「どういう意味?」

「実は私の『個性』は鬼じゃなくて、『妄想(イメージミラー)』なんです。頭に思い浮かべた姿と能力を現実の自分に反映できる『個性』なんですけど、個性診断の時に周りの人をびっくりさせたくて鬼の姿を反映したら、予想以上に両親から喜ばれちゃって……それ以来ずっと鬼を反映してるんです。当然発動型の『個性』なので発動中しか鬼の力は使えません。帽子を被ってるのも鬼の角を隠して鬼でない時をバレないようにするためで……」

 

 この女ヴィラン、名は現身(うつしみ)(りん)という。幼少の頃から鬼の『個性』ともてはやされるも、その『個性』に持続時間があること、冷静さを失ったりパニック状態になると鬼を反映できなくなることから重要な場面で役に立たず、ヒーローになれなかった。

 

「君の『個性』はどんな能力でも反映できるのかな?」

「いいえ。その姿から考えられる能力や特徴は反映できますけど、例えば風や火を操るとかそういう姿と関係ない能力は使えません」

「別人のように姿を変えることはできる? 私と同じ姿とか」

「できると思いますけど、細部まで正確にイメージしないと多分駄目なので、時間と反復練習が必要になると思います」

「なるほど。ごめんね、話の途中で質問しちゃって。で、君のその本当の『個性』と強さがどう関係するの?」

「私も佐藤さんみたいに何事にも動じず、余裕をもって戦闘できるようになりたい。そうなれれば私の『個性』はより強く、より長く使えるようになると思うんです」

 

 凛は真剣な表情で佐藤を見つめた。

 佐藤はどうこの話をもっていこうか考える。上手くすれば色々とこの女は使える駒になるかもしれない。

 

「私に言えることは一つ。甘さを捨てる。これだけ」

「甘さっていうのは?」

「私の『個性』は不死身という戦場で誰もが欲しがるものだが、その『個性』に甘えて己の鍛錬を怠ったことはない。相手は常に自分より賢く、自分より優れていると考え、戦闘技術や武器の扱いを高め続けた。結果として、私は『個性』に頼らずともヒーローと戦えるようになった。

あと、他人を当てにするのも甘さに繋がる。自分一人でどうにかするという気概を持ち、どうすればいいか必死に考える。大事なのは自分の可能性を信じ抜くこと」

「はい!」

 

 凛の顔がパッと明るくなった。

 

「なら君は一人で狙撃できるようにならないとね。観測手(スポッター)が常にいないと狙撃できないのは甘さだよ」

「え……?」

 

 凛はゾクリとしたものを佐藤の言葉から感じ取る。まるで一人で狙撃できるようになったら観測手を排除するような言い方だ。

 

「君は狙撃手から狙撃兵になろう。そのためには肉眼で距離を正確に測り、射線の角度を読み取り、風向きと風速を読み、照準を修正し合わせる技術が必要になる。まあ大前提として弾道学を覚えないといけないが」

「だ、弾道学?」

 

 聞き慣れない言葉に、凛の頭の上でクエスチョンマークが浮かぶ。

 

「弾道学は簡単にいうなら、何故銃弾は回転するのかとか、重力と飛行距離の関係、薬莢の長さと射程、有効射程と限界射程の違い、気象条件が射撃にどう影響するか、その原理と──」

「え、えっと?」

 

 凛の頭がパンクしそうになり、思わず拒否反応が出た。どこが簡単に言っているのか、凛には理解できなかった。

 佐藤はそんな凛を見てがっかりするような表情はせず、むしろ微かに笑みを浮かべる。

 

「まあ半年とかの期間で基本を含めた応用までを覚えるものだから、今すぐ覚えるのは無理がある。今はレーザーサイトで目標までの距離が分かるものもあるし、スコープにどれだけ照準を修正すればいいか目安も付いている。道具に頼れる部分は道具任せにして、本当に必要な部分だけを覚えるというやり方でも全然問題はない。私が言ったのは理想だよ」

「それならなんとかできるかも……」

 

 凛はホッと息を吐く。佐藤という自分にとって憧れである人に、格好悪いところを見せたくないという気持ちがある。

 

「あと、君の『個性』を鬼だけで完結させるのはとてももったいない。もっと自分の可能性を信じて、色んな姿に挑戦してみよう。それが君の強さに繋がるし、自信にもなる筈だ。期待してるよ」

「は、はい!」

 

 凛は声を弾ませた。憧れの人が自分に期待してくれている。その事実に嬉しさを感じない人間がどこにいるだろうか? いや、そんな人間いるわけがない。

 

「頑張ってね」

 

 佐藤はそう言ってその場を去っていった。

 凛はその後ろ姿を見送りながら、頑張るぞとやる気に満ち溢れている。その時にはもう、佐藤から感じた恐怖は消えて無くなっていた。

 

 

 

   ◆     ◆     ◆    

 

 

 

 雄英高校は今、注目の的であった。アメリカナンバーワンヒーローのスターアンドストライプが日本に到着し、そのまま雄英高校に直行したからだ。

 スターアンドストライプの訪問は事前に伝えられていたため、雄英高校は午前中から対応できた。スターアンドストライプはヒーロー志望の生徒に当然大人気なため、スターアンドストライプに臨時の教師やスピーチを頼み、昼休憩の時間はサインを求める生徒の行列ができていた。

 夕方になると、1―A生徒の住む寮にスターアンドストライプが来た。スターアンドストライプが寮の玄関を開けた瞬間、1―A生徒のほぼ全員が歓声をあげて出迎えた。

 

「すっげえ! ホンモンだぁ!」

 

 上鳴が目を輝かせている。上鳴だけではない。差はあれど皆目が輝いている。ヒーローを志す者ならば当たり前すぎる反応。当然スターアンドストライプはそういう反応に慣れている。

 

「サンキュー」

 

 そう言いつつ、スターアンドストライプは品定めするように生徒たちを見回した。自分がどのレベルの人材か試されていると感じた生徒たちは笑みを消して緊張した面持ちになる。

 ヒーローになる者は常に他者から評価される。そのプレッシャーに耐えられない者に、ヒーローになる素質は無い。

 

 ──まあ合格点かな。ギリギリの子もいるけど。

 

 萎縮している者はいるが、萎縮しきっているわけではない。プレッシャーに立ち向かおうとする姿勢がある。

 

「あ、あの! スターはオールマイトをライバル視しているって記事を読みました! だから髪型もオールマイトみたいにしてるんだって! 本当なんですか!?」

「うん!? 元気の良いボーイだ!」

 

 緑髪でそばかすの少年──緑谷がスターアンドストライプに詰め寄る。

 スターアンドストライプは少し驚きつつ、緑谷の純粋な眼差しに昔の自分の姿が重なった。

 

「この髪型はオールマイトへのリスペクトであり、自分なりの覚悟の形でもある。オールマイトより多くの人を助けたい。だからオールマイトより多くシンボルを作ってる」

「すごい……」

 

 緑谷にとってオールマイトは自分の理想のヒーロー像そのものだ。そうなりたいと思っても、それを更に超えるというのは緑谷からすれば考えられない話だった。超えた先にあるヒーロー像が思い付かないからだ。しかし、スターアンドストライプはオールマイトのようになりたいと思いつつ、オールマイトを超えるヒーローになることを目標としている。その在り方が緑谷を感動させた。

 

「良い機会だから訊くけど、キミたちが考える一流のヒーローの条件ってなんだと思う?」

「んなもん強さ一択だろ。ザコヒーローに何ができんだよ」

 

 爆豪が吐き捨てるように言った。答えの決まりきったことをわざわざ訊くなという心の声が聞こえそうな態度で。

 

「うん、他には?」

 

 スターアンドストライプはそんな爆豪に嫌な顔一つせず頷き、緑谷たちを見る。

 

「折れない心だろ!」「周りの人たちへの安心感……とか?」「どんな状況でもヴィランに勝つことです」「多くの人を助けられることだと思います」

 

 生徒たちは頭を捻らせながら、思いつくことを次々に言っていく。

 スターアンドストライプはそれらの言葉を聞いて笑みを浮かべた。

 

「今言ってくれた一流のヒーローの条件、きっとキミたちは理想のヒーローを思い浮かべながら答えてくれたと思う。そこに不正解なんて存在しない。答えてくれた要素はどれもヒーローにとって大切なものだ。それを心に刻み、ヒーローへの道を走り続けてほしい」

「アンタが考える一流のヒーローの条件は教えてくれねえのかよ」

 

 爆豪が不愉快そうに口を挟む。

 その爆豪の言い草に、爆豪以外の生徒たちは血の気が引いていく。目の前に立つは、アメリカ最高のヒーロー。つまり、一流などという言葉は釣り合わない。文字通り頂点に立っているヒーローなのだ。その存在そのものが最高のヒーローの条件を体現しているのに、条件を訊く。それは『お前を見ていても一流のヒーローがなんなのか分からねえよ』という煽りとして聞こえる可能性が高い。

 だが、スターアンドストライプは爆豪の言葉に目を丸くした後、豪快に笑った。

 

「そうだね! 私も言わなきゃフェアじゃないか! オッケー、簡単に答えるよ。心はホット、頭はクール。自分一人しか現場にいない時の条件はこれだね」

「え? それだけ?」

 

 緑谷が拍子抜けした表情になる。他の生徒たちも同様の表情。

 スターアンドストライプは生徒たちのそういう反応を予想していたようで、嫌な顔一つせず話を進める。

 

「心っていうのは、自分がヒーローを選んだ原点のこと。何故自分はヒーローでなければならないのか。ヒーローになって何をやりたいのか。そういう自分の中にある熱いモノを常に持つ。

頭っていうのは、目的を達成するために必要な状況判断力。ヒーローの現場に、単純な状況は存在しない。優先順位をつけ、ヴィランといった障害を考慮し、変わり続ける状況において最適解を選び続ける。

心だけじゃ、守りたいものを守れない。頭だけじゃ、悪に立ち向かう勇気が生まれない。両方あってこそ、一流だと私は思う。あとは──」

 

 スターアンドストライプは真剣な表情で聞いている生徒たち全員の顔を見回す。

 

「一緒に戦う仲間を信じ、協力すること。正直な話、どれだけ強くても一人じゃできることは限られてるし、そもそも自分一人しかヒーローがいない状況の方が少ない。その時の自分の役割を自覚し、できることを全力でやる。それをやり続ければ、トップヒーローになれるよ。ま、そう簡単にはトップの座を渡さないけどね」

「はい!」

 

 生徒たちは揃って元気よく返事をした。

 スターアンドストライプはそれを満足気に見た後、くるりと背を向ける。

 

「バーイ」

 

 スターアンドストライプは背を向けたまま右手をひらひらと振った後、寮から去っていった。

 

 

 スターアンドストライプはオールマイトのいるところにようやく来た。日はもう沈み、窓から見える空は暗い。

 オールマイトは雄英高校の応接室を借り、そこでスターアンドストライプと会うことにしていた。

 オールマイトの姿を間近で見たスターアンドストライプは、泣きそうなところをぐっと堪えている。

 スターアンドストライプがオールマイトと間近で話せるのは本当に久しぶりであり、オールマイトが引退表明してからは初めての機会だ。スターアンドストライプにとって憧れであり、目標であったオールマイトがヒーローを引退しただけでもショックだったのに、オールマイトの痩せ細った姿が本当の姿だと間近で見るからこそ分かってしまった。

 もうオールマイトと肩を並べて戦えないという現実を突きつけられたショック。憧れだったオールマイトは本当にいなくなってしまったんだという喪失感。

 スターアンドストライプはヒーロー引退した直後のオールマイトに会わなくて良かったと思った。オールマイトの引退を知ってから時間が経ち心の整理ができていたから、なんとか涙を見せずにすんだ。

 オールマイトはそんなスターアンドストライプの気持ちに気付いている。当然だ。スターアンドストライプが自分に憧れてヒーローになり、今でも目標にしているのはその姿を見れば痛いほど伝わってくる。

 

「この姿を世界に晒したことに後悔はないが、君が悲しむことは分かっていた。夢を壊してしまってごめんね」

「謝らないで。そんなことであの日の気持ちは変わらない。ただ寂しくなっただけ。もうヒーローのオールマイトに会えないんだって」

 

 二人の間の空気が重い。気まずい雰囲気のまま、時間が進んでいく。

 

「政治家になるって本当?」

 

 スターアンドストライプは気まずい空気を振り払うように話題を変えた。

 

「臨時だけどね。それに、政治の仕事というよりはヴィランや凶悪犯罪者への対応が主な仕事になると思う」

「ヴィランや犯罪者の動きが沈静化しても、その立ち場でいられるつもりなの?」

 

 スターアンドストライプがオールマイトを真っすぐ見つめる。その言葉の真意は、オールマイトにしっかり伝わった。その時は政治家を何かしらの理由で辞めさせられる。結局オールマイトは政府にとって都合の良い駒にすぎないと。

 

「分かっているつもりさ。政治家たちにとって、私に長居をされるのは都合が悪いことぐらいは。私が長居をして結果を出したら、ヒーローの政界進出の流れを作るきっかけになるかもしれない。その時、ヒーロー以外の政治家はヒーローに投票で勝てないだろう。ヒーローに議員の椅子を奪われることになる。良い気はしないよね。

でも、たとえ今の状況を打開するためだけの駒だとしても、私しかその役目ができないのなら、私がやることで人々が救われるなら、私はやる」

 

 オールマイトは微かに笑った。その笑顔に、筋骨隆々のオールマイトの笑顔が重なる。

 スターアンドストライプはハッとした。

 

 ──人々の笑顔のために、今できることを全力でやる。力を失っても、この人はやっぱりオールマイトなんだ。

 

 直接会うのが怖かった。弱くなったことで憧れだったオールマイトが変わってしまっているんじゃないかと不安だった。しかし、そんな不安は今の笑顔で消し飛んだ。だったら、自分のやるべきことは一つ。

 

「そこまで分かってて政治家の道を選んだんなら、私は(マスター)の意志を尊重する。ただヴィランに狙われやすくなるだろうから、私をしばらくボディーガードとして置いてくれない?」

「いや、いいよ。そんなことをしなくて。君にそんなことをやらせてたら、アメリカの人たちに怒られてしまう」

「アメリカだって優秀なヒーローが大勢いるから大丈夫! それに長い間滞在するつもりもないし」

「どれくらいの滞在予定なんだい?」

「佐藤を倒すまでかな」

「佐藤!?」

 

 予想外の言葉に、オールマイトは驚いた。

 

 ──……いや、そういうことか。

 

 オールマイトは何故アメリカナンバーワンヒーローのスターアンドストライプがわざわざ日本に来たか、分かった気がした。最初から佐藤を倒すのが目的で、オールマイトのボディーガードというのはただの建前。

 もちろんスターアンドストライプにとってはオールマイトの身の安全が第一であり、佐藤や死柄木の確保に拘りはない。その辺りは二人の中で認識のズレがある。

 

「そういえばこの学校の生徒たちに会ってきたんだろ? どうだった?」

「みんな良い目をしてるし、何より熱さを感じた。この学校の生徒はどんな困難があってもきっと乗り越えていける」

 

 オールマイトはスターアンドストライプの言葉を聞き、嬉しそうに頷く。

 

「うん。まだまだ卵だけど、育てば力強く立派に羽ばたいていける。私は彼らが自由に飛べるよう、道を切り拓いていきたい」

「協力しますよ、マスター」

 

 スターアンドストライプはオールマイトに向けて、右手を差し出す。オールマイトも右手を差し出し、二人は握手した。

 本来の未来では無かった二人の再会。間違いないことが一つ言えるとすれば、日本政府とヒーロー側は強力なカードを手に入れたということ。アメリカナンバーワンヒーローというカードを。

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