ロマンシング・サガ-ミンストレルソング- 真実への選択   作:ナタタク

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プロローグ

マルディアス…かつて、サルヴァの夫である創造神マルダーによって作られし世界。

だが、サルヴァは何らかの理由で夫であるサルヴァに刃を向けた。

神々の闘争は膠着状態となり、やがてサルヴァはそれを打破すべく、新たな神々を生み出す。

生み出した神はいずれも母たるサルヴァに従順であった…ただ、1人を除いて。

最後に生み出した神、エロールはサルヴァに残された良心をもとに生まれ、それ故に善なる神となった。

彼はやがて、マルダーに味方し、母たるサルヴァを討ち取った。

だが、長く続いた戦いの中でマルディアスは崩壊し、その世界を捨てたサルヴァはともに戦った古き神々とともに姿を消した。

マルディアスに残ったエロールは大地の神であるニーサを妻とし、残った神々とともにマルディアスを再生させていった。

だが、その中で重大な出来事が起こった。

討ち取られ、マルディアス中に散らばったサルヴァの遺体。

それらがサルヴァの怨念によって突き動かされたのか、邪神へと変貌を遂げ、復興したマルディアスを闇へ落した。

白骨から生まれ、死者を操る死神デス。

心臓から生まれ、モンスターを生み出す力を持つ破壊神サルーイン。

黒髪から生まれ、たぐいまれなる魔力を操る闇の女王シェラハ。

この3体の邪神とエロール達による2度目の神々の戦い。

長きにわたる戦いの中で、デスは死者の世界である冥府へと追いやられ、シェラハは行方をくらました。

そして、一人残ったサルーインは神々が生み出した宿命石、ディステニィストーンの力によって力を弱められ、人間の英雄であるミルザに敗れ、封印された。

しかし、勝利したミルザもまた命を落とし、エロールによって神に叙された。

この年を紀元前0年とし、そこから暦を数えて今に至るという…。

 

おっと…いきなり長い話をしてしまい申し訳ありません。

私はしがない詩人、こうしてかつての歴史を歌として各地で伝え、生活の糧としています。

ただ…最近は不穏な空気が漂っていまして、こうして旅をするのも最近では苦労するようになりました。

モンスターも最近になって狂暴化しつつあり、私もこの場所に来るまでは苦労しました。

ここは来たバファル大陸の北部に位置するドライランド、その南半分を占める草原地帯であるガレサステップ。

ここには、古くから存在する建物がいくつもあり、そこから数多くの着想を得ることができました。

この草原には数多くの民族が暮らしていますが、その話はいずれまた。

私が向かっているのはこの草原の片隅にある小さな洞窟。

最近この場所で地震が起こったようで、その場所で偶然見つけることができました。

幸いにも、この洞窟にはまだ魔物は住みついておらず、こうして平穏に進むことができます。

おや…どうやらこの洞窟には先客がいるようです。

ただの先客というわけではないようですが…。

 

光の入らない、闇一色の空間の中、岩壁を背もたれにして目を閉じている一人の青年。

鮮やかな赤が混じったかのような黒髪をし、暗闇に不釣り合いな白い肌をさらす。

片足を曲げ、それに手を置く彼は何も身に着けておらず、ただ昏々と眠り続けている。

そんな彼の体に茶色い布がかけられた。

それに反応するかのように、うっすらと彼の青い瞳が映し出したのは茶色い羽根つき帽子で目元が隠れた若々しい男の姿。

「目覚めなさい…捨てられし者よ。目覚めてください、何者でもない者よ。君はマルディアスで見つけなければならない。己の真実を、この世界のために…」

完全に目を開けず、言葉の意味を求めるかのように立ち上がる青年。

だが、思うように体は動かず、やがて前のめりに倒れ、顔を上げた時に見えたのは男の後姿だ。

「真実を求める旅の果てで…お待ちしていますよ」

その言葉を最後に男は立ち去り、男の姿が見えなくなると同時に青年の顔は地に伏し、再び目を閉じた。

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