最強おっさん騎士、目覚めたら美少女騎士になっていました   作:koshikoshikoshi

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美少女騎士(中身はおっさん)とパジャマパーティ その05

 

 魔導騎士小隊の詰め所。ジェイボスは、隊長みずからいれてくれたお茶をすすっている。

 

「ジェイボス。あなた、本当に大丈夫? 最近顔色悪いわよ。港でルーカス殿下を護って青ドラゴンにやられて入院したあたりから?」

 

 最近のレイラは、会議会議でとにかく忙しい。今日もついさっきまで騎士団長とともに官邸に呼び出され、公国軍や情報部や警察など国内の治安維持関連の現場責任者会議に出席していたのだ。

 

 そんなわけで、彼女はあまり小隊に帰れない日々が続いている。小隊のメンバーの顔をみることができない日も少なくない。そのせいか、この獣人の青年は見るたびにやつれていくような気がする。

 

「まだ傷が痛むの? ちゃんとご飯食べてる? そもそも家に帰ってるの?」

 

 うっ。

 

 黙り込むジェイボス。彼はほとんど家に帰っていないのだ。職場でもできるだけウーィルとは顔をあわせないようにしている。

 

「どうして帰らないの? 暇なときはちゃんと休むことも仕事だって、いつも言ってるでしょ? ……ははぁん。ウーィルが殿下と婚約しちゃいそうだから、彼女と顔あわせられないの? 殿下に対抗するために、あせって一人前になりたいの?」

 

 ううううっっ。

 

 図星をついてしまったようだ。オオカミ男はうつむいてしまった

 

「わかりやすい男ね。……ていうか、本当にヘタレね、あなた」

 

「う、う、う、うるさい! 隊長には関係ないだろ」

 

「まずは本人と顔合わせて話をしなきゃなにも始まらないでしょうに。いい機会だわ。ちょうど私、オレオ家に行く用事があるの。今からいっしょに行きましょう」

 

 はぁ? どうして隊長が?

 

「実は私の姪っ子がね、ウーィルの妹のメルちゃんとハイスクールの同級生で仲良しなんですって。それで今晩オレオさん家に泊まりに行ってるのよ。パジャマパーティーだそうよ」

 

 隊長の姪っ子さんって、ルイス卿の?

 

「そう。ルイス家当主である兄の娘よ」

 

 ルイス家といえば代々公王家の直参騎士の由緒正しい名家。公国が立憲君主制になってからは造船や海運事業を興し、今や世界的にも有名な財閥だよな。

 

「姪っ子は世間知らずの箱入り娘で、お友達の家に一人で遊びに行くなんてはじめてなのよ。だから兄が心配しちゃって、たまたまオレオさん家が私の部下の家だと知って様子を見てこいって。……親バカよねぇ。名門ハイスクール在籍中のお嬢様があつまって、まさか酒盛りもないでしょうに」

 

 ははは、まさか。……でも、メルちゃんのお友達が来てるなら、やっぱり俺は今日は帰るのやめとくよ。

 

「うちの実家の車を回して貰ってるから、あなたもいっしょに行くのよ! これは隊長命令! ウーィルも例の海軍基地から帰ってきたって、さっきバルバリさんから連絡あったし」

 

 お、俺は、ウーィルとは……。

 

「自分の家でしょ! 今さらうじうじしない。一緒に行くわよ!」

 

 

 

 

 

 

「し、しんじてくれ! お、お、おれとでんかは、なんにもしてないんだってば! ほんとらろ」

 

 パジャマパーティーは、いつしか狂乱のサバトの様相を呈していた。

 

「うそです。殿下だってああみえても男性です。おねぇさまのような魅力的な女性を前にしたら、野獣のように襲い掛かるに決まっていますわ」

 

 ち、ちがう。きみたちはごかいしてるろ。あのおとこに、そんなどきょうあるわけない!

 

「それに、おねえさまだって。天下無双の魔導騎士様がお付き合いしている相手になにもしないなんて、そんなことあるはずがありませんわ」

 

 どういうりくつだそれはぁ。ひとをサキュバスみたいにいうなぁ。……ていうか、どうしてそんなにオレとでんかのことが気になるのら、きみは!!

 

「……わ、わたくし、実はひそかにルーカス殿下に憧れていましたの」

 

 え?

 

 金髪縦ロールのお嬢様の告白に、一瞬その場が沈黙する。

 

「だって、ルーカス殿下って、おやさしいしだけではなく、公務も勉学もとにかく全力で取り組むひたむきさといい、一般の市民に対しても決して偉ぶらない誠実なお人柄といい、もちろんお顔もお綺麗ですし……」

 

「わかりますわ。きっと殿下のお妃になられる方は、一途に誠実に愛していただけるに違いありませんわ。あああ、騎士ウーィルお姉様がうらやましい!!」

 

 ま、まぁ、まじめでいちずでせいじつなのは、おれもみとめるところらが……。

 

 まったく自覚しないまま、ウーィルは深く深く頷いている。

 

「わたくしの家は公王家に代々仕え、親戚関係でもありますし、普段から家族同士のお付き合いもさせていただいています。だから、わたくしは幼い頃から殿下のことはよーーく知っています。ずっと同じ学校に通い、ずっと殿下の事だけを見てきました……」

 

 は、はぁ。それは、なんといえばいいか……。

 

「なのに、……なのに、どうして」

 

 ウーィルが視線をあげると、金髪縦ロール嬢の身体からなにやらどす黒いオーラが噴き出していた。

 

「どうして私ではなくおねえさまなのかしら。どうしておねえさまだけが選ばれたのかしら!」

 

 縦ロール嬢がウーィルに飛びついた。ウーィルよりも遙かに女性らしい凹凸のある肉体が、ネグリジェのままウーィルの細い身体を押し倒す。

 

 な、なにを! や、や、や、やめるのら!

 

「こ、この細い手足が! 真っ平らな胸が! 幼児体型が、殿下をたぶらかしたのね。あああ、育ちすぎた自分の胸が憎いいいい!」

 

 ひいいっ、シャツをまくりあげるのはやめて! へんなところさわらないでぇ!!

 

 

 

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